ネビュラ賞 ねびゅらしょう
Edition 58 (2023)
Winners
7 people19世紀オックスフォードを思わせる架空世界で、言語と翻訳の力が銀細工の技術として制度に組み込まれ、学問と帝国の暴力が結びついていく。学生ロビンは、学問の中心に身を置きながら、自分が享受してきた制度そのものと向き合うことになる。
言語を力へ変える学問の殿堂で、ロビンは自分が何を支えてきたのかを知る。
1940年代シカゴを思わせる魔法と犯罪の街で、期限付きで地獄と契約したヘレンが、最後の依頼として連続殺人を追う。短い時間のなかで進む物語が、恋愛と救済、失われる未来への執着を濃く浮かび上がらせる。
地獄への猶予が尽きる前に、ヘレンは最後の夜を歩き回る。
超人的な力を持つ男性と、彼をめぐる暴力や偏見、そして親密さが、ジムを起点に静かに絡み合っていく。ヒーロー物の外形を借りながら、抑圧された感情と社会の視線を丁寧に照らす。
筋力トレーニングの場から、暴力とやさしさの物語が立ち上がる。
タイムトラベルする漁師のような人物が、いつも少し違う岸にたどり着くという不思議な前提から、妊娠中絶の権利と時間のずれをめぐる物語が立ち上がる。奇抜な発想を保ちながら、選択と身体の自由をめぐる切実さを静かに積み上げる。
同じ岸辺に戻りながら、物語は別の時代へずれていく。
虫が大好きな黒人の少女ルビーが、庭で見つけた奇妙な虫をきっかけに、町で起きる不可解な出来事の真相へ踏み込んでいく。子ども向けの冒険譚として読みやすく、科学への好奇心と家族のあたたかさを前面に出した作品だ。
小さな虫の発見が、町じゅうを巻き込む冒険の始まりになる。
並行世界をまたぐ家族ドラマとして、日常の疲れや親子関係のぎこちなさを、過剰なアクションとユーモアのなかに押し込めていく。荒唐無稽に見える展開の奥で、誰かを受け入れることの難しさとやさしさが強く残る。
宇宙規模の混乱の中で、家族のすれ違いがいちばん大きな問題として浮かび上がる。
広大なオープンワールドを舞台に、失われた王権と冒険者の再生を重ねるファンタジーRPG。探索の自由度と重厚な世界観が、物語を進める手触りそのものになっている。
壊れた王国を歩きながら、プレイヤー自身の試練もまた始まる。