ルミナリーズ
1860年代のニュージーランド金鉱町を舞台に、十二人の男と複数の事件が占星術的な構成のなかで結びつく大作。謎解きと時代の空気が重層的に組み上げられている。
作品情報
十二人の男が集うとき、物語の歯車が静かに回りだす。
岩波書店の日本語版『ルミナリーズ』として刊行された長編。金鉱熱に沸く植民地時代のニュージーランドを、人物群像と複雑な構造で立ち上げる。
書籍情報
- 出版社
- 岩波書店
- 発売日
- 2022-11-25
- ページ数
- 748ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 4.6 x 14.8 x 21 cm
- ISBN-13
- 9784000256025
- ISBN-10
- 4000256025
- 価格
- 5480 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
舞台はゴールドラッシュに沸く19世紀ニュージーランド。隠者の死と娼婦の悲劇、失踪した金鉱掘り……事件の真相を求めて12人の男が集う時、輝く者たちは天球を廻りはじめる。野心的な構想と創意溢れる設計、圧倒的長大さで世界を驚嘆させた2013年ブッカー賞受賞作。最後の2頁に、すべての運命が帰着する。
エレノア・キャトン(Eleanor Catton) 1985年カナダ・オンタリオ州生まれ,ニュージーランド・クライストチャーチ育ち.ウェリントン,ヴィクトリア大学国際近代文学研究所にてクリエイティヴ・ライティングの修士号を取得.デビュー作 The Rehearsal(未邦訳)でクリエイティヴ・ライティング・アダム賞ほか受賞.本作『ルミナリーズ』では,ブッカー賞(2013年当時最年少受賞者)はじめ多数の賞を受賞. 安達まみ(あだち まみ) 1956年東京都生まれ.聖心女子大学教授.東京大学大学院人文科学研究科(英語英文学)修士課程修了.シェイクスピア研究所(バーミンガム大学)にて博士号(文学)を取得.初期近代英文学専攻.著書に『イギリス演劇における修道女像』(岩波書店),『くまのプーさん 英国文学の想像力』(光文社新書)など.訳書にラスムッセン『シェイクスピアを追え!』,ローグ他『英国王のスピーチ』(以上,岩波書店)ほか多数.
レビュー
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ミステリーと天文学
久しぶりに推理小説を読んだ。主要登場人物が20人程度いて、各登場人物が恒星や惑星に見立てられている。彼らの出会いが、星の運動として表されているところ、犯人かもしれない人物が推理を展開するところなどが面白い。最初は受け身で小説を読んでいたが、こちらも軽く推理しながら読むという能動的な読書に変わっていくところに作者の力量が表れている。時折表れるニュージーランドの風景描写も美しい。この手のものは映画化するよりも連続ドラマのほうが親和性が高いように思える。 最近は確信犯が多くてこういうミステリーを地で行く犯罪が少ないだけに新鮮に感じられる。推理小説ファンには陳腐に思えるかもしれないが、私のようにふだんミステリーを読まない者にとっては物語が急展開するところなど、いろいろと驚きがあってよかった。