神なるオオカミ・上
文化大革命期の内モンゴルを舞台に、北京から下放された青年が遊牧民の暮らしと狼の生態に惹かれ、草原の均衡と人間の開発欲の衝突を見つめる長編。自然と共生する知恵と、近代化がもたらす破壊の痛みが、冒険譚の勢いとともに描かれる。
作品情報
草原を守るのは、狼への畏れと敬意、そして土地とともに生きる知恵だった。
北京の知識青年・陳陣が、文化大革命期の内モンゴルで遊牧民と暮らし、狼の生態と草原の均衡に引き込まれていく。草原の民が守ってきた自然観と、近代化がもたらす変化の痛みを、大河小説のスケールで描く。
レビュー要約
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草原の生態系や狼への畏敬を軸に、冒険譚としての勢いと環境への警句が同時に立ち上がるという受け止め方が多い。長編ならではの厚みや語りの重さはあるが、自然と人間の関係を考えさせる力が評価されている。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2007-11-29
- ページ数
- 514ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.2 x 3 x 18.5 cm
- ISBN-13
- 9784062138499
- ISBN-10
- 4062138492
- 価格
- 2090 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/中国文学
草原の民とオオカミ――。共存と闘争の果てにあるものは? 中国で1800万人の読者を獲得した話題の超ベストセラー! 雄大なモンゴルの草原を舞台に、遊牧民とオオカミの宇宙を描く大長編! 「中国の近代化で追われたオオカミの悲劇を丹念に描いた名作。勤勉で、強者におもねず、初志を貫徹するというオオカミ・トーテムの精神を回復することが中国発展の鍵とする著者の見解に心を打たれた。」――佐藤優 文化大革命時代、北京の知識青年・陳陣(チェンジェン)は内モンゴルのオロン草原に下放され、現地の古老・ビリグのもとで羊飼いをはじめた。天(タンゴル)の教えを守り、草原とともに生きる遊牧民の暮らしに魅せられていく陳陣。やがて、かれの興味は、遊牧民の最大の敵でありながら、かれらの崇拝の対象である「オオカミ」へと向かう。オオカミにのめりこんでゆく陳陣は、自らの手でオオカミの子を捕らえ、飼うことを夢見るのだが……。
レビュー
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オオカミの子を育てる、苦労、愛情、憎しみ、驚き
あなたは犬を飼っていますか。もし飼っているのなら、この本をおすすめします。もし飼っていなくても動物が好きなら、読むと面白いでしょう。そうでなくても、中国に興味がある方や、自然というものに関心が強い方にとってはかなり面白い小説です。 小説ですが、著者自身の経験をベースに書かれているので、書かれていることのほとんどが事実にもとづいているようです。物語の中心にあるのがオオカミの子を育てていく著者自身の飼育記とでも呼べるもの。本書とは別にその「飼育記」部分が子ども向けの読み物として出版されて、中国では大ベストセラーになったのだそうです。 そのオオカミの子を育てていく苦労や、愛情、憎しみ、驚きといった、著者自身の感動がありありと描かれていて、ほんとうに面白いし、魅き込まれます。こんな物語はいままでなかったし、これからもないのではないかと思うほどです。 犬とオオカミは祖先を同じくしながらも、ずいぶんと違うところがある。本書の描写を読みながら、「ああ、犬もそういう仕草をするよなあ」とか、「こういうなつき方をするよなあ」とか、「犬はこんな能力はもっていないなあ」とか。ここに描かれているオオカミの子「小狼」についつい感情移入してしまって、読んで、わが家の愛犬がなおさら愛しくなるような物語です。
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綺麗な状態でした。
商品も綺麗な状態で迅速にお送りいただきました。
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久しぶりの力作
素晴らしい骨太の作品です。中国の文化や歴史、また人類と自然を考えるよい機会になりました。ご一読おすすめします。
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神なるオオカミ
息をのむ面白さ、驚きの連続、そして寂寞感。こんなタイプの小説は初めて読んだ。中国の失われてしまった草原の民とオオカミの話。たまに日本でニュースになる中国から飛んでくる「黄砂」のもとは、じつは広大で雄大な中国の草原だった、、その事実を知っただけでも、頭を殴られるほどの衝撃を受けた。歴史の知識がなくても、充分楽しめるし、また「自然との共生」や「環境破壊」が叫ばれて久しい今の時代に投げかける問題も多く示唆されていると思う。あまりにスケールの大きな小説なだけに、感想をうまくいえないのが悔しいのですが、ぜひ多くの人に読んでもらって、またその感想を聞いてみたいと思う本。
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天(タンゴル)と草原のあいだ
1960年代、文化大革命のさなか、知識青年としてモンゴルのオロン草原に下放された青年の物語。著者の自伝的小説である。オロン草原で羊飼いをすることになったチェンジェン。壮大な草原の中で遊牧生活を送るなかで、人と家畜、捕食者であるオオカミがどのように影響しあって互いを支えてきたかが明らかになっていく。オオカミに魅せられたチェンジェンは巣穴から子オオカミを盗み、古老の反対を押し切って飼うことに・・。 遊牧民にとってオオカミは家畜を襲う敵でもあるが、同時に生活をうるおす神でもある。彼らが守っているのは草原と自然の命であり、ときにオオカミとの激しい攻防もあるが、彼らは生態系を熟知している。捕食者を欠いた草原は家畜が草を食べつくし、砂漠化してしまうのだ。オオカミ=悪者として、ただ楽しみのためだけに駆逐しようとする軍幹部への古老の警鐘は無視される。チェンジェンの子オオカミ、シャオランの悲痛な最後に象徴されるように、緑豊かなオロン草原は滅びてゆく。 農耕民は羊性、遊牧民は狼性であるとシャオランは言う。中国の長い歴史のなかで、農耕民が増えて失われてゆく狼性に、草原に生きる遊牧民がその性質を輸血するようにして中国という国は続いてきた。人間とオオカミが戦いを繰り返しながらも互いを支えてきたように。後半で中国の長い歴史が国民性の視点で考察されており、中国史、世界史の勉強にもなった。壮大な物語です。
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狼と羊
中国語版を読みました。 これほど止まらなくなって一気に長編を読んだのは久々でした。 本業は学者で小説家ではないのに、著者の半自伝の記述で(全て真実に基づいたストーリ)美しい草原の風景を広がり、そこに生活している人、狼、犬、馬、牛、羊、鼠。。。皆は生き生きし、読みながら頭の中では映画を出来上がりました。遊牧のモンゴル族の狼精神と農耕の漢民族の羊精神につて、硬い説教など一切なく、なるほどと自然に納得してしまいます。 250万冊完売、ネット上の連載、英語、フランス語などへの翻訳、出版も実体験からならではの傑作の証拠です。
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稀代の傑作!
冒頭から展開されるオオカミが黄羊を追い詰めていく様子は息を飲むものがあり、その知略に驚嘆せざるを得ない。一方でまた、小狼や犬の日常描写にはなんともいえないかわいらしさといとおしさが感じられ、命そのものの尊さにも胸をつかれる。みごとな動物文学であり、鋭い文明論である。
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良作
文化大革命の時の環境破壊などの過ちを深く斬り込んだ一作。漢民族や遊牧系のモンゴル族、農耕も取り入れた東方のモンゴル族など多民族国家中国ならではの問題点やスケールがとても面白かった。思えば日本でニホンオオカミが絶滅してしまったように、利益のために我々は伝統や先祖の動物との共存を忘れてしまっているのかもしれません。中国だからどうのこうのとか、漢民族がどうのこうのとか変な偏見を持ったまま見る作品ではありません。
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