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楽園の泉 (ハヤカワ文庫 SF ク 1-40)

ヒューゴー賞

楽園の泉 (ハヤカワ文庫 SF ク 1-40)

アーサー・C・クラーク

架空の島を舞台に、スペースエレベーター(天空の塔)建設という巨大プロジェクトに取り組む物語。技術革新と文化遺産、宗教的価値の対立を織り交ぜながら、人間の壮大な夢とその実現に伴う困難を描く。

宇宙エレベーター技術と文化土木工学未来計画

作品情報

宇宙エレベーター建設の夢が、文化と信仰の衝突を呼ぶ。

1980年ヒューゴー賞長編部門受賞作。アーサー・C・クラークが巨大建設計画を通じて、人類の技術的野心と文化・宗教の摩擦を描く。日本語版『楽園の泉』も早川書房から刊行されている。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2006-01-01
ページ数
415ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784150115463
ISBN-10
415011546X
価格
990 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学

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レビュー

  • 軌道エレベータに興味があれば、必読

    軌道エレベータを主軸にしたSF名作。45年くらい前に書かれたものだけれど、今読んでも、軌道エレベータについての描写は、破綻していない。当時は、そのアイデアに圧倒された。今回、懐かしくなって、読み直したけれど、クラークらしさでノスタルジーにひたれた。

  • LOTUS49

    大変気に入りました。

  • クラーク氏が愛したスリランカを連想させる異国情緒と、近未来のテクノロジー!

    静止軌道のある赤道の上空に、カーボンナノチューブ製のケーブルを渡して、 宇宙への輸送をおこなったり、月への移動を容易にしたりする 「宇宙エレベーター」を建設しようというプロジェクトは、 現在、既に、進行中。 「静止軌道」とは、自転する地球の動きと同じスピードで移動可能な、 天空の地点(軌道)のこと。つまり、静止軌道に浮かんでいるものは、 地上から見ると、あたかも、天空の一点に「静止」しているかのように 見える、という意味なのです。 該博な科学知識と、可能なテクノロジーを予言する先見の明では、 世界中の科学者たちも一目置いていた、SF作家のアーサー・C・クラーク氏は、 この小説のなかで、地球の自転と同じ速さで宇宙空間を移動する、 安定した「エレベーター」での昇降、という夢を実現しているのです。 この小説では、「宇宙エレベーター」の建設地としてふさわしい 南国に赴任して来た技師の活躍を、仏教寺院の僧侶たちや、 在留外国人らとの関わりも交えながら、 「この先、どうなるのだろう?」と、ワクワクさせてくれる ストーリーが展開されています。 小説の舞台は、「静止軌道」の真下(赤道上)にある架空の南国 「タプロバニー」という設定になっていますが、クラーク氏が 執筆当時には既に移住していたスリランカ(セイロン)の歴史と文化が、 随所に反映されています。 異国情緒たっぷりの自然がひろがるなかで、ついには、空に向かって 伸びる「宇宙エレベーター」の一本線が伸びてゆく光景は、 まったくのフィクションとはいえないだけに、 近未来のテクノロジーを、目の当たりにする思いがします。 その意味でも、本書のブックカバーのデザイン (Cover Design= 岩郷十力+T.K)にみられる ジャングルの夕景を描いた画像は、まさに、ぴったりの演出。 急峻な山の頂から、空へと一直線に昇っている強烈な光線は、 「宇宙エレベーター」の軌跡なのだ、と判ります。 SF小説のブックカバーのなかには、小説の本質をとらえている とは言えないような駄作が多いのに、この『楽園の泉』の場合は、 稀に見る傑作なデザインといえます! 読み終えてみてから、後でまた、読み直したいと思える科学知識が 網羅されていますので、分厚い文庫本ながら、2023年10月現在で 「本体900円+税」は、破格の安値にみえてきます。 「アーサー・C・クラーク」が、SF小説界の王者として、没後もなお、 君臨している理由を、本作だけでも、納得できます。 『2001年 宇宙の旅』や『2010年』のように映画化された作品も、 小説のほうが、科学の基礎知識にあふれていて勉強になりますので、 理系か文系かにかかわらず、『楽園の泉』と併せて、お薦めします。 ※ なお、『2001年 宇宙の旅』の続編としては、「2010年」と 「2061年」のお話がありますが、「2001年」で宇宙の彼方に 行ってしまったフランク・プールのその後については、 『3001年 終局への旅』で、明らかになります。その中には、 「2010年」と「2061年」の筋をほとんど、そのままの形で、 おさらいしている箇所がありますので、 「2001年」の次に「3001年」をお読みになることを、 お薦めします!

  • 宗教の語りは必要か?

    いわゆる「宇宙エレベーター」を建設する、それだけの物語、と言えば身も蓋もないが、その建設地が寺院だったことで建設には困難が立ちはだかり……という展開。しかしなぜ宗教施設なのか、宗教と科学の相克あるいは協同を語りたかったのかと言えばそうでもないような気がする。むしろ著者クラーク自身が晩年に居住していたスリランカの反映である、という以上の理由が見出せない。そして宗教を語った分だけ物語は散漫になったようにも思う。徹頭徹尾「宇宙エレベーター」の建設のみを語ることを貫いた方が骨太な物語となったのではないだろうか。それにしてもその「宇宙エレベーター」は、果たして宇宙探査と観光以外の産業的価値があるのだろうか、あるとすれば具体的にはどのようなものなのかが今もって謎。

  • 宗教について、日本だから書いていいでしょ?

    いかなる信仰のきわめて熱烈な信者であろうとも、二‐四‐七‐オルソパラテオザミンの慎重な投与によって、ほかのいかなる信仰にも改宗させられるという発見…… アーサー C クラーク; 山高 昭. 楽園の泉 (pp.97-98). 株式会社早川書房. Kindle 版. 長々と引用してしまいましたが、これと類似の現象がロビン・ダンバーの「宗教の起源」の6章、儀式の神経心理学、の中で述べられています。 クラークの先見性たるや恐るべし! それはともかく、 一般市民の宇宙への道は軌道エレベータなしではありえそうもありませんから読むに値する本です。 航空機に乗るのと同じ感覚やコストで……

  • ちょっと先の未来に想像を巡らせる

    この著者はいつも読者に思考の余地を残す広がりのある物語を提供してくださって、作品はSFであり文学だなと思います。 今作も歴史的・地理的な話から工事の工学的な詳細、そしてハラハラさせる後半と、幅広いトピックを扱っていて作者らしいなと。 ちょっと先の未来に想像を巡らせることができる良質のSFですね。

  • やっぱりお気に入りだわ

    ずっと前に読んで、本が行方不明になったので購入。やっぱりいいわ。壁のところ。

  • 好きなものを追求する美しさを描いた作品

    主人公は過去に巨大な橋を設計した技術者で、本編では宇宙エレベーターをつくるために画策する。科学、宗教、社会的な色んな問題に直面しながらも、ただ「デカいものを建てたい」という夢を追求する姿から、生き方について色々と考えさせられるものがあった。

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