中継ステーション〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF シ 1-5)
ウィスコンシンの農家に隠された銀河の中継ステーションを守る男の物語。静かな田舎の風景の中で、地球と宇宙の接点が淡々と広がる。
作品情報
何百年も同じ場所に立つ家が、実は宇宙の玄関口だった。
Clifford D. Simak の受賞作で、派手な戦闘よりも孤独な観察と静かな驚きが中心にある。SF を牧歌的な感触で包み直した作品。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2015-12-18
- ページ数
- 368ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.5 x 15.7 cm
- ISBN-13
- 9784150120450
- ISBN-10
- 4150120455
- 価格
- 1012 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
アメリカ中西部、ウィスコンシン州の片田舎にある一軒家--ごくふつうの農家にしか見えないその建物は、じつは銀河の星々を結ぶ中継ステーションだった。その農家で孤独に暮らす、元北軍兵士のイーノック・ウォレスは百年のあいだステーション管理人を務めてきたが、その存在を怪しむCIAが調査を開始していた……異星人たちが地球に来訪していると知っているただひとりの男の驚くべき日々を描く、ヒューゴー賞受賞作。 解説:森下一仁
レビュー
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ノスタルジー溢れる名作
最初に読んだのは、40年以上前の学生時代でした。その後も文庫本で、持ち歩いて来ましたが、今回Kindle版を購入したのを機会に数十年ぶりに読み返して、やはり名作はいつまでも名作なんだと改めて感動した次第です。混乱した現代にこそタリスマンが必要では?
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いつかは分かり合えるという牧歌的な希望
他力本願ではありこれだけを示すだけの本ですが、それが十分になされた優しい小説でした。
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抒情派SFの名作
この作品を読んでいて思いうかんだのは、サン・テグジュペリの「人間の土地」、レイ・ブラッドベリの諸作、そしてカズオ・イシグロ (※) の「わたしを離さないで」でした。 (※) この人は2017年ノーベル文学賞受賞作家だけど「わたしを・・・・」はSFです。 ・「人間の土地」のような常に世界を高所から眺めている〈飛行機乗り〉持ちまえの宇宙的ともいえる壮大な想像力の羽ばたき。 ・レイ・ブラッドベリのようなポエジー (詩趣) と抒情性。 ・「わたしを離さないで」のような淡々とした牧歌的な語り口と、SF的物語のなかで「人間とは何か」という問題をひたすら追求する真摯さ。 上記の3つの美点を兼ね備えているように見える本作「中継ステーション」が、いまからちょうど60年前の発表当時より高い評価を得てヒューゴー賞を受賞し、現在にいたるまで読み継がれていることに不思議はない。 もっと具体的に言えば、南北戦争に従軍した経験があるとはいえ、ごく平凡な田舎者イーノック・ウォレスが、銀河の星々を結ぶ中継ステーションの管理人というのも一般読者が感情移入しやすい要素のひとつだろう。 外見はありふれた農家の家屋にしか見えない中継ステーション内で、銀河系内の様々な異星人を送り迎えするという超グローバルな職務をこなすかたわら、家の近くにひろがる美しい丘陵地帯の散歩も欠かさないイーノック。そんな彼の日常生活をとおして、宇宙の壮大さと人間の卑小さとがみごとに浮き彫りにされているところはSFでしか味わえない醍醐味だろう。 さらには恋愛に不器用な男イーノックの淡い恋みたいなものが、これまた抑制のきいた牧歌的な筆致で描かれているところも、特に女性読者には好印象をあたえるに違いない。 あえて難点を言えば、他のレビュアーさんもご指摘のとおり最後の部分がやや唐突で、結末を書き急いだきらいがないではないけど、でも上記のような美点がそれを補って余りある。 読後こころ温まる、という意味では本作はたぶんSF史上屈指の傑作と言っていいでしょう。
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何たる不覚!
アマゾンさんからのオススメ本の中に見つけて、なんとなく気になって、翻訳者名を見てみると、大好きな山田順子さんで、それなら…と買ってみたら、これが大当たりでした! アマゾンさん、ありがとうございます。 こんな面白い本をこれまで見逃してたなんて、不覚~ 舞台はウィスコンシン州のド田舎、山中のポツンと一軒家、という感じの農場。そんな場所でこんなに銀河の広大さ、宇宙の深さ、人間の物心両面における可能性…それらを存分に感じさせてくれる物語を展開させられるなんて、びっくりでした。 しかも書かれたのが1960年代の初め、60年も昔、なんですから又びっくりです。 その上、山田さんの流麗な訳文が感動を一層高めてくれます。 あんまり感動したので、ついつい「いや、CIAとアメリカ政府が、こんなに物分かりいいわきゃないよねぇ…」と、余計な突っ込みを入れたくなってしまう程です。 でも、CIAにもきっと、良い人はいるよね、うん。
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特別すごい内容ではなかった。
特別すごい内容ではなかったと思う。 この手の内容では一般的な展開だった気がする。
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新訳と同時にKindle版が出ていたので、当然Kindle版を購入
新訳と同時にKindle版が出ていたので、当然Kindle版を購入。 紙の方は持っているけれども何処にあるか不明で探す気がしない。 保管場所も取らないので書籍流も発生しないし見つけ易い電子版は便利だね。 で、大枠は思い出したが、詳細はすっかり忘れていたので、ラスト近くは面白かった。 中継ステーションは、物質伝送装置みたいだけれども明らかになっていないな。 昔読んだ物が新訳で電子化と言う流れは良いな、今月出るデューンの新訳版も楽しみだ。 そう言えば、デューンは石森章太郎の挿絵だった記憶が有るな。
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とても面白かった!
とても面白くて1日で読み終えてしまった。 残念ながらこの作品が描かれた当時から人類はあまり成長しておらず、 今も多くの危機をはらみ続けているし、 狂気以外の何物でもないというレベルの超消費主義社会となっている。 私はそんなことを思うたびに、 以前なら「人類は滅亡するべきなのではないか」と感じていた。 多分それは浅はかで幼稚な発想なのだろう。 シマックもアーサーCクラークも、どんなに人類の在り方に絶望しても、進歩を願い続けていたのだと思う。 シマックの作中の言葉を借りれば、 人類は大義のために狂気を容認し、狂気が大義に変わってから、絶滅への歩みつつあり、 怨恨や怒りを抱くという子供っぽいパターンからいまだ抜け出せていない。 けれども人類とはまだ若く、幼年期にも達しておらず、まだまだ未発達な存在であるという見方。 何十世紀何百世紀かかろうともいつかは成熟した存在となり得るかもしれない。そうなって欲しいと願う見方。 その達観視は愛に満ちていてとても大人だ。 そういう達観視を前にすると、 結局のところ終末思想を抱いていた以前の自分も、 幼年期にも達していないまだまだ未発達な存在なのだと思い知らされてしまう。 それはものの見方がほんの少し変わるような、ちょっとした気づきとなった。
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傑作。そして欠点あり
愛されているがゆえに、ベストセラーにならない本が存在するのかもしれません。 「一番好きだけど、読めとは言わない。」 高校時代、先輩が言ったこの一冊。 「構成が甘いからな。」 と、もう一人の先輩が返してました。そのまま私は読むことなく、「中継ステーション」 は品切れ、復刊、また品切れに。その間何十年も古書価は下がらなかった。 今回新訳を機に、入手読了。そして、先輩たちの言葉がよくわかりました。 善意と知性にあふれたファンタスティックな傑作です。 「甘い話」 ではなくて 「甘やかな話」 ですよこれは。先輩、すごいロマンチストだったんですね……と言われるのが嫌で後輩に勧められなかったんだな。 でも先輩、この本読んで幸せだったでしょう? 独り占めしないでどんどん人に勧めましょうよ。
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