タイム・シェルター
認知症患者のために過去の時代を再現する施設が、やがて社会全体の過去への逃避と政治的ノスタルジアへ広がっていく過程を描く長編。英訳版が2023年の国際ブッカー賞を受賞した。
記憶ノスタルジア歴史認知症政治
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2026-04-02
- ページ数
- 512ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 3.7 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784152104717
- ISBN-10
- 4152104716
- 価格
- 3960 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/その他の外国文学
2023年ブッカー国際賞受賞! 「ブルガリアのジョージ・オーウェル」がノスタルジアに警鐘を鳴らす傑作 謎めいた散策者、ガウスティンが開設した「過去のためのクリニック」。 そこでは認知症患者のため、各階に異なる年代を細部まで再現し、患者を自らの記憶へと“送り返す”。 助手である語り手は、1960年代の家具や1940年代のシャツのボタン、匂い、さらには午後の光に至るまで、失われた時代の断片を集め続けることに。 だが再現された“過去の部屋”があまりに精巧になると、健康な人々までもが現在の恐怖から逃れるため、郷愁にのみこまれていく。やがて過去は避難所ではなく、現在を侵食する存在となっていき――。
1968年、ブルガリアのヤンボル生まれの作家、詩人。共産主義体制崩壊後のブルガリアから登場した作家のなかで、最も多くの言語で翻訳され、国際的な賞を受けてきた作家である。 『タイム・シェルター』は、長篇第三作目。本作のイタリア語版は、権威あるストレーガ・ヨーロッパ賞を受賞。そして英訳版で、ブルガリア人として初のブッカー国際賞を受賞した。ニューヨーカー誌、ガーディアン紙、フィナンシャル・タイムズ紙ほか数多くの媒体でブック・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど世界的な注目を浴びた。 小説のほかにも、詩、エッセイ、脚本、グラフィック・ノベルなど幅広い分野で作品を発表し、現代ヨーロッパ文学を代表するひとりとして評価されている。