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82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

ナショナル・ブック賞(翻訳文学)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

Cho Nam-Joo

ソウル郊外で夫と幼い娘と暮らすキム・ジヨンが、ある日から母や友人など別の女性の声で話しはじめる。精神科医の記録という形式で誕生、学校、就職、結婚、育児をたどり、平凡な人生の中に積み重なる性差別と沈黙を描く小説。

韓国文学フェミニズムジェンダー差別結婚と育児社会批評

作品情報

一人の女性の半生を通して、日常に埋め込まれた差別が静かに輪郭を現す。

『Kim Jiyoung, Born 1982』は、韓国で広く読まれたチョ・ナムジュの長編小説である。主人公キム・ジヨンの症状をきっかけに、彼女が娘、学生、会社員、妻、母として経験してきた出来事が時系列で語られる。淡々とした記録調の語りは、個人の不調を特異な事件としてではなく、家庭、学校、職場、育児の場にまたがる構造的な圧力として浮かび上がらせる。

レビュー要約

  • 簡潔な構成と強い問題意識が評価される一方、主張の明確さが物語の複雑さを抑えているという受け止めもある。結末の皮肉は重く、読者に女性の権利をめぐる社会的条件を考えさせる。

  • 臨床記録のような抑えた語りが、主人公の息苦しさと社会的役割から逃れられない感覚を強めている。平凡さそのものを通じて怒りを開く作品として読まれている。

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2018-12-07
ページ数
192ページ
言語
日本語
サイズ
13.2 x 1.5 x 18.9 cm
ISBN-13
9784480832115
ISBN-10
4480832114
価格
1000 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/アジア文学

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 韓国で136万部突破 チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化 社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」 異例の大ヒットで、ついに29万部突破!! 「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」――松田青子 2019年間ベストセラー (「単行本 文芸書」部門第8位/トーハン調べ、「単行本 フィクション」部門第10位/日販調べ) 6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ) ひとつの小説が韓国を揺るがす事態に K-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど32の国・地域で翻訳決定。 本書はもはや一つの<事件>だ。 ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。 誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。 「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より) 「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。 小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより) 解説:伊東順子 装画:榎本マリコ 「装画について」 表紙の顔の中の風景は、ニューメキシコ州のアビキューという土地を描いています。 乾いた風の音と鳥の声以外何も聞こえないような場所で、浄化される感覚を覚えた私の一番好きな場所です。 きっと常々思い焦がれているので無意識にこの風景を描きたくなるんだと思います。 私の作品は、"此処ではないどこかへ"という想像の中の自由な世界を描くことが多いので、名久井さんがこの絵を選んでくださったことで、今回の主人公の心情にも少しリンクすることができたのかなと思っています。 装丁:名久井直子 「装丁について」 わたしが榎本さんのあの絵を選んだコンセプトは、 社会の中で自分の顔(主体)があやうい状態を表したかったのです。 透明人間になっているような。 鏡にも風景が映っているのは、 鏡にさえ、自分が映らないという喪失感のようなもの、を追加したかったのです。 ―――――――――――――――――――――― これは女性だけの物語ではない。 フェミニズムに抵抗がある人にも読んで欲しいし、一緒に考えるべき一冊だと思う。 10年後のキム・ジヨンがどんな人生を送っているか、それは今を生きる私たちにかかっているのだ。 ――村田沙耶香 フェミニズムって、実は学問でも思想でもなく、女性たちの日常の中にある。それは生きるものであり、暮らすものだ。 ということを小説にしたからこんなにパワフルなんだと思う。日本のキム・ジヨンも読みたくなった。 ――ブレイディみかこ この本のノンフィクション的書法での女性差別への抗議は一歩先に行ってる。良きベストセラーが国を動かすケースだ。 ――いとうせいこう (twitterより) たくさんの私たちに本の中で出会い、時々胸が詰まる思いでした。 ――伊藤詩織 誰もが一度は気になったことがあるかもしれないけどやり過ごしていたこと、 或いは疑問も抱かず当たり前だと思っていたことに今更ながら気づきを与えてくれる。 ――和田彩花 誰よりもまずは男性にこそ読んでほしい本。 多くの女性が普通に経験していて、でも男性がまったく気づいていないことがどれだけあることか。 自分がここに出てくるどの男性でもあり得たことに思い至ることからしか男女の未来はない。 ギスギスしたこの時代に、隣国のこんなすてきな本が普通に日本で売れていることもまた希望だと思っている。 ――大友良英 次から次に積み上げられる不条理を前に、思わずもっと楽しんで生きようよ、と言ってしまいたくなる人もいるだろう。だから私はあえて言いたい。 「これが私たちの日常だけど、なにか」、?と。 ――鳥飼茜 一気に読んだ。登場人物が、理不尽さに甘んじることなく、自らの手で成功を掴んでいく様子は痛快だ。 それにしても驚くのは、これが百年前ではなく、現代の物語ということ。 もちろん日本も他人事ではない。哀しみと同時に、勇気をもらえる小説だと思う。 ――古市憲寿 女であるということ。たったそれだけで、そのせいで、被らなければならなかった無数の悲しみ、それらを耐えなければと繰り返しこらえ続けた狂おしさが…… 実は、自分だけのものではなかった、と思えたなら、それだけでもたぶん救いになるんだ。救われるべき人たちに届きますように。 ――温又柔 小説は語れなかった名もなき感情に言葉を与えることができる。だから、韓国中の女性たちがこの本に熱狂したのだ。 自分の中の言葉にならなかった、声に出せなかった感情が、ここにすべて書かれているから。 ――星野智幸 (「ちくま」2019年1月号書評より) つらかった。出来事も感情もわかりすぎてきつかった。女性を取り巻く状況はそう簡単には変わらないだろう。 それでも勇気をもって書かれ、刊行された本がここにある。このスタートラインに立って走ろう。一緒に。 ――深緑野分

1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。卒業後は放送作家として社会派番組のトップ「PD手帳」や「生放送・今日の朝」などで時事・教養プ ログラムを10年間担当。2011年、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。フェミニズムをテーマにした短篇集『ヒョンナムオッパへ』(タサンチェッパン)に「ヒョンナムオッパへ」が収録されている。 『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』(タサンチェッパン)、2019年『サハマンション』(民音社)刊行。

レビュー

  • 時代変化〜

    発送早くて助かった

  • 韓国社会に対する女性の怒りが分かる本

    韓国の女性たちが子供のときの家庭、学校、職場、結婚後の家庭において男性と比べていかに不利な扱いを受けているかと、そういう社会に対する女性たちの怒りが強く伝わり、おもしろかったです。 一人の女性が一生の間に産む子供の数が、韓国では日本より少ないと報じられていますが、韓国で子供を産み、育てることが難しい主な理由は、子供の教育費がかかり過ぎるからではなく、子育てと家事の負担が女性に重いからだと思いました。母親の子育ての負担を軽減する昔ながらの方法は、祖父母が子供の世話をすることで、将来その必要があれば実行したいです。

  • あなたは何を失うの?

    戦後韓国の壮絶な差別に直面する女性の半生を描いたもので、メンタルヘルスの問題に直面して受診した精神科医が患者について第三者として語るという秀逸な手法。 男性の兄弟の家庭内優先、学校で隣の男子から受ける嫌がらせ、それを受けた先生の理不尽な扱い、生理、生きたい大学に行けない、IMF危機と親の失職、飲み会のセクハラ、就活の男女差別、…これでもかと、女性の不遇と差別を次から次へと繰り出してきて読者を畳みかけ、暗澹たる思い。特に前半の、思いやりのない苛烈な競争社会は、日本はここまでひどくないのでは…と思ってしまうが、ベクトルは同じ気がする。 男性優遇がデフォルトな社会に生きていると、男性はそれを当たり前に思ってしまい、女性たちが悔しい思いをしてきたであろうことに思いが至らないのだ。そして願わくば、男女がどうやって協力してよい社会を築いていくかと考える一助になるとよいのだが。単なる糾弾や、ましてや男女の対立や分断をあおるなどもってのほか。 子どもができて失うもののことばかり考えるなと、夫は言うけれど、妻は全部を失うかもしれない。「あなたは何を失うの?」と聞かれて戸惑った夫が並べ立てたものは、早く帰らなければならない、家事、接待できない、扶養責任、…どれも些末なこととはその通り!

  • とてもいい!

    初めて韓国の方の書籍を手に取りました 同じ女性として感じた事を的確にし表現出来ていて、心悲しくもあり、温かくもあり・・ ステキな本に巡り会えて幸せです Amazon primeでも今映画が公開されているので本を読んでから観るとなおさら良い!!

  • 男女双方の視点をバランスよく取り入れることが必要だと思う。

    男性の私には、自分の知らないところでこんなにも女性が苦しんでいるなんて想像もできなかった。 一瞬たりとも女性として生きたことのない私には、こうした女性の実体験を見聞きすることでしか女性の苦しみを理解することができない。 そういう意味で、この本を読んで、本当に勉強になった。 ただこの作品がフィクションだということもあり、また韓国人作家が韓国の実態を記したものであるということもあって、現実世界では、あるいは日本の場合はここまでひどくないのではないかという疑問が湧いたのも事実だ。 もしこれが韓国において日常的に起こっている話であれば、その国民性を疑わざるを得ない。 ただ日本の場合ここまでひどくなくても、少なからず起こっている問題だとの認識は必要だと思う。 重要なのは、元来男は男目線で、女は女目線でしか物事を見ることができないので、偏った思想に染まることなく、相互の苦しみを理解し、相互に配慮していくことだと思う。 この作品は相当に女目線に傾いている傾向があるので、これだけを読んでわかった気になるのも危険だと思う。

  • 大人男子読んで!

    主人公ジヨンを抱きしめてあげたい!ジヨンのお母さんのたくましさは素晴らしい。あっという間に読み終わった。

  • 文庫になったら買おうと思っていました。

    ジェンダーを考える上で、たいへん勉強になりました。 東アジア特有の問題で、日本の数十年前までも同様の話なんだと思います。 2023年に読んだ本で1番考えさせられることが多かったです。

  • 前から読みたかった本。

    前から読みたいと思ってました。文庫化を機に購入。面白いです。買って良かったです。

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