アイダホ (エクス・リブリス)
辺境の自然と沈黙の中で起きた悲劇が、記憶と家族の傷を静謐な筆致で浮かび上がらせる。
作品情報
辺境の自然と沈黙の中で起きた悲劇が、記憶と家族の傷を静謐な筆致で浮かび上がらせる。
辺境の自然と沈黙の中で起きた悲劇が、記憶と家族の傷を静謐な筆致で浮かび上がらせる。
書籍情報
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2022-07-30
- ページ数
- 368ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 2.8 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784560090756
- ISBN-10
- 4560090750
- 価格
- 3960 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/英米文学
記憶は消えても悲しみは消えない アイダホの山中に住む音楽教師アンは、夫ウエイドのかつての家族のことを何年も思い続けている。9年前、一家が薪を取りに出かけた山で、ウエイドの前妻ジェニーが末娘メイを手にかけ、上の娘ジューンはその瞬間を目撃、ショックで森に逃げこみ失踪した。長女の行方を必死に捜し続けてきたのに、最近のウエイドは若年性認知症の影響で、事件のことも娘がいたこともわからないときがある。ジェニーは、罰を受けること以外、何も望まず誰とも交わらずに服役してきたが、新たな同房者とあることを機にぎごちないやりとりが始まる。アンは夫のいまだ癒えぬ心に寄り添いたいと願い、事件に立ち入ることを躊躇いながらも、一家の名残をたどり、断片を繋ぎ合わせていく……。 凄惨な事件を核としながら、本書が目を凝らすのは事件そのものではなく、人々の心の動き。人の心の襞をひとつずつそっとめくるように静かに物語は進む。また、厳しく美しいアイダホの大自然の描写も魅力的で、もうひとつの主人公ともいえる。 日常が一瞬で打ち砕かれる儚さ、愛よりも深い絆、贖罪を、静謐な筆致で鋭く繊細に描く珠玉のデビュー長篇。2019年度国際ダブリン文学賞受賞作。
アイダホ北部で育つ。アイオワ大学創作科で修士号を取得。大学で創作を教えるかたわら、「ゾエトロープ」や「ワンストーリー」等に作品を寄稿。2015年に短篇OwlでO・ヘンリー賞を受賞。2017年、長篇第一作となる本書を刊行。2018年度Pacific Northwest Book Awardsを受賞し、同年度ディラン・トマス賞、ニューヨーク公共図書館若獅子賞の最終候補に選ばれ、2019年度国際ダブリン文学賞を受賞した。
レビュー
-
切ない
美しい表紙が静かで繊細な内容にピッタリ。 年代もバラバラなまま、色々な登場人物の視点で描かれていくため、最初、誰と誰がどう繋がっているのか分かりにくく混乱しましたが、読み進めて行くうちにぼんやりと輪郭が見えてきて、もう一度最初に戻って読んでみると全部が繋がってきて分かってくると、とても悲しい気分に。。でもそういう時もあるかもとか、そこはどうしてもあり得ないとか色々考えながら読了。心揺さぶられる読書体験でした。
関連する文学賞
- 国際ダブリン文学賞 第24回(2019年) ・受賞