ピースメイカーズ(上): 1919年パリ講和会議の群像
マーガレット・マクミラン『Peacemakers』は、1919年パリ講和会議に焦点を当て、各国の指導者たちの判断と交渉がどのようにその後の世界秩序や紛争の発生に影響したかを解き明かす。領土決定、民族自決、外交的妥協の限界を史料に基づいて再検討する。
作品情報
マーガレット・マクミラン『Peacemakers』は、1919年パリ講和会議に焦点を当て、各国の指導者たちの判断と交渉がどのようにその後の世界秩序や紛争の発生に影響したかを解き明かす。領土決定、民族自決、外交的妥協の限界を史料に基づいて再検討する。
マーガレット・マクミラン『Peacemakers』は、1919年パリ講和会議に焦点を当て、各国の指導者たちの判断と交渉がどのようにその後の世界秩序や紛争の発生に影響したかを解き明かす。領土決定、民族自決、外交的妥協の限界を史料に基づいて再検討する。
書籍情報
- 出版社
- 芙蓉書房出版
- 発売日
- 2007-07-20
- ページ数
- 356ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784829504031
- ISBN-10
- 482950403X
- 価格
- 8800 JPY
- カテゴリ
- 本/歴史・地理/世界史/ヨーロッパ史/ヨーロッパ史一般
第一次世界大戦後のパリ講和会議のすべてを生き生きと描き出したノンフィクション。ロイド・ジョージ(英)、クレマンソー(仏)、ウィルソン(米)の3巨頭を中心に、”世界を変えた6ヶ月間”の人物群像をドキュメンタリー映画のような迫力ある記述で描く。
1943年、カナダ、トロント生まれ。ロイド・ジョージの曾孫。専門はイギリス帝国現代史、国際関係論。1975年、トロントのライアソン大学歴史学教授、現在はオックスフォード大学セントアントニーカレッジ学寮長。カナダ国際問題研究所(CIIA)のメンバー。カナダの様々なメディアでコメンテーターとしても活躍中。 1949年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科西洋史専攻博士課程修了。文学修士。元、東洋女子短期大学教授。専門はイギリス現代史、アングロ・アラブ関係史。
レビュー
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1939年に戦争になったのは1919年の協定の結果でなく、20年間に解決できなかったことの結果
本書は、第一次世界大戦の講和会議である1919年パリ講和会議を叙述するものである。日記や手紙、通信文など個人的なものから報告書、覚書、回顧録まで、大量の史料に依拠しつつ、アメリカ大統領ウッドロー・ウィルソン、イギリス首相ロイド・ジョージ、フランス首相ジョルジュ・クレマンソーらを中心に、講和条約の形成過程を生き生きと描いている。 以下、簡単な批評。 1) 叙述に関して。本書は歴史書であるが、専門書ではなく一般向けであり、非常に読みやすい。パリ講和会議という非常に大きな題材を、人物に焦点を当てることで非常にうまくまとめている。その描写は、個人の経歴や性格だけでなく体調や感情、思惑や打算などを織り交ぜており、非常に臨場感を与えるものとなっている。 2) 内容に関して。ドイツの戦争責任・軍縮・賠償問題、国際連盟などの議論だけでなく、一般的な通史などでは看過されがちなトルコやギリシアなどの国境問題をも取り上げている。日本に関しては、人種平等条項と中国山東領有問題が取り上げられており、興味深く読める。他方、講和条約に対するドイツ側の反応に関しての記述は少ない。 3) 本書は、第二次世界大戦の起源をパリ講和会議の失敗に遡る定説に対し、ヴェルサイユ条約の欠陥を認めつつも、ドイツに対する実際の賠償額はそれほど過酷ではなかったことなどを挙げつつ、疑問を呈している。むしろ本書は、パリ講和会議において様々な問題が無責任に決定されたり、先送りにされたりした過程を詳細に跡づけることによって、「平和の構築」という現在においても重要な問題を、当時の人々がどのように解決しようとしたのかを明らかにしようとするものである。一読を勧めたい。
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面白いのに…
内容は面白いけど翻訳がひどい。意味が取れない文章がたくさんあって、その度に思考が止まってしまい没頭できない。どうしてこんな訳のまま出版しちゃったのかな?実にもったいない…
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すごい、おもしろい、よい本だとおもう
このすばらしい本に日本語訳の出たことを歓迎する。 表題の「ピースメイカーズ」は、その名のとおり、 第一次大戦後の和を講じ、あわせて国際連盟の創設を 論じたのであるから、まさに字義どおり。 しかし皮肉なことに、というか当然かもしれないが、 まさにパリ会議が第二次大戦の出発点であることも 本書を読んで確信した。 太平洋と日本に関して読むならば、 委任統治は重要であると思った。 ところが一章を読みとおしても、読後感がはっきりしない。 試みに原著と対照してみて、原因が判明した。 訳が正確とは言いがたいのである。 たとえば、アメリカが領土割譲に反対しているのに、 「イギリスは、 ドイツや他のどこかを大英帝国の領土に加えるなどといったら、 アメリカ人を敵に回して何の得にもならないと・・・」 そりゃ、ベルリンが大英帝国領になったら、世界中で びっくりするだろう。 原著には「ジェーマン・テリトリーズ」とある。 たとえばニューギニア、ソロモン諸島、サモア、 たとえば独領東アフリカなどである。 ここまで読んでようやく納得できた。 なーんだ。 わかってしまえば、たいした話じゃないが、やはりこれは誤訳だろう。 訳書の出現に感謝しつつも、 英文も対照しながら読むと、 2倍も3倍も豊かな内容であることを実感した。
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原書で読まれることをお勧めします
ピースメイカーがピースブレイカーになってしまったパリ講和会議。その混乱模様を当該国ごとに述べた本ですが、原書(PEACEMAKERS)にある地図と写真や図版が全て(計34点)、また出典明示と参考文献の一覧が全頁割愛されているのは、いかに一般書とはいえ不親切。 誤訳も見受けられます。本書下巻p231に「モスル問題は会議を決裂させそうになった。双方とも国際連盟の裁定に持ち込むことで了承し、1925年にトルコのものとなった」とありますが、原文は以下の通り。The issue of Mosul came close to breaking up the conference; both sides eventually agreed to refer it to the League of Nations, which finally awarded it to Iraq in 1925. モスルはトルコ領ではなくイラクのものとなったのです。上巻「ロシア」の項では、White Russian(s)を白ロシア、白ロシア軍と訳していいますが、白軍もしくは白衛軍とすべきでしょう。 以上の点などから原書を読まれることを推奨する次第です。初めて見るだろう写真も、日本の外交官が会議の時どの席に座ったのかテーブル配置図も見られます。原書(全1巻)はAmazonで入手できます。PEACEMAKERS--six months that changed the world (Margaret Macmillan, 2001, John Murray Paperbacks, London)