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歌え、葬られぬ者たちよ、歌え

アニスフィールド=ウルフ賞

歌え、葬られぬ者たちよ、歌え

ジェズミン・ワード

ミシシッピ州の架空の町ボワ・ソヴァージュを舞台に、少年ジョジョと妹ケイラ、薬物依存を抱える母レオニー、祖父母の家族を描く長編小説。父の出所に向かう道中で、生者と死者の声、刑務所の記憶、人種差別の歴史が重なり、家族の愛と傷の深さを浮かび上がらせる。

家族南部文学人種と刑務所幽霊世代間トラウマ

作品情報

ロードノヴェルの形を借りて、南部の家族史に残る痛みと、死者の声を聴く子どものまなざしを描く。

ジョジョは祖父母の農場で妹の世話をしながら、母レオニーの不安定さと祖母の病に向き合っている。白人の父が刑務所から出る日、一家は車で迎えに向かうが、その旅は家族の秘密と過去の暴力を呼び覚ます。リアリズムとマジックリアリズムを重ね、死者の声と子どもの視点からアメリカ南部の現在を描いた作品。

レビュー要約

  • 抒情的な文体と民話的な響きが、南部の貧困、人種差別、家族の喪失を重く響かせている。幽霊の要素は装飾ではなく、過去が現在に居座る感覚を強めるものとして読まれている。

書籍情報

出版社
作品社
発売日
2020-03-25
ページ数
328ページ
言語
日本語
サイズ
14.2 x 2.9 x 19.6 cm
ISBN-13
9784861828034
ISBN-10
4861828031
価格
2860 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

全米図書賞受賞作!アメリカ南部で困難を生き抜く家族の絆の物語であり、臓腑に響く力強いロードノヴェルでありながら、生者ならぬものが跳梁するマジックリアリズム的手法がちりばめられた、壮大で美しく澄みわたる叙事詩。現代アメリカ文学を代表する、傑作長篇小説。「胸が締めつけられる。ジェスミン・ウォードの最新作は、いまなお葬り去ることのできないアメリカの悪夢の心臓部を深くえぐる」――マーガレット・アトウッド「トニ・モリスンの『ビラヴド』を想起させる痛烈でタイムリーな小説。しかもこの作品自体がすでにアメリカ文学のクラシックの域に達している」――「ニューヨーク・タイムズ」書評家が選ぶトップ・ブックス2017「まさしくフォークナーの領域だ。ウォードの最新作は現実世界の複雑な状況を背負った人びとにより肉づけされ、ぞっとするほど魅力的に仕上がっている」――「タイムズ」

(Jesmyn Ward)ミシガン大学ファインアーツ修士課程修了。マッカーサー天才賞、ステグナー・フェローシップ、ジョン・アンド・レネー・グリシャム・ライターズ・レジデンシー、ストラウス・リヴィング・プライズ、の各奨学金を獲得。本書『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え(Sing, Unburied, Sing )』(2017 年)と『骨を引き上げろ(Salvage the Bones )』(2011 年)の全米図書賞受賞により、同賞を2 度にわたり受賞した初の女性作家となる。そのほかの著書に小説『線が血を流すところ(Where the Line Bleeds )』および自伝『私たちが刈り取った男たち(Men We Reaped )』などが、編書にアンソロジー『今が火だ(The Fire This Time )』がある。『私たちが刈り取った男たち』は全米書評家連盟賞の最終候補に選ばれたほか、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞および公正な社会のためのメディア賞を受賞。現在はルイジアナ州テュレーン大学創作科にて教鞭を執る。ミシシッピ州在住。 琉球大学文学科英文学専攻課程修了。通信会社に入社後、フェロー・アカデミーにて翻訳を学び、フリーランス翻訳者として独立。ロマンス小説をはじめ、「VOGUE JAPAN」、「ナショナルジオグラフィック」、学術論文、実務文書など、多方面の翻訳を手掛ける。 アメリカ文学、東京都立大学非常勤講師。

レビュー

  • テーマは重いけど読後は不思議と爽やか

    アメリカ南部の片田舎。人種問題、貧困、ドラッグ、暴力と、ストーリーは暗く重いのだけど、不思議と読後感は爽やか。ネイティブアメリカン、黒人、白人と複雑な血を引く13歳になったばかりの少年ジョジョのピュアな感性には魅きつけられる。透明感のある美しい文体も好き。ミシシッピの森の画が見えるよう。 ジェスミン・ウォードの他の作品を読んでみたくなった。

  • アメリカの深い影

    切ない人種差別の実態を表面から向き合って書かれた書、ミネソタの現在の暴動が身につままされる。しかし、美しい。

  • 気になったら買って損なし

    とっつきにくい種類のものではないです、読み始めたら止まらないやつです。

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