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受賞作: The Shadow Lines
『The Shadow Lines』は、記憶と歴史、国境の問題を繊細に探る長編。語り手の個人的体験と集合的記憶が交差し、インド・バングラデシュ・イギリスをめぐる歴史的事件やナショナリズムの影響が浮かび上がる。時間と場所を往還する構成を通してアイデンティティと共有記憶を問う作品である。
記憶国境歴史アイデンティティナショナリズム
アミタヴ・ゴーシュ
アミタヴ・ゴーシュ
Amitav Ghosh
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1956-07-11 (カルカッタ(現コルカタ), 西ベンガル, インド)
- 国籍
- インド
- 言語
- 英語, ベンガル語
- 居住地歴
- インド(幼少期・教育) → バングラデシュ(育った地域の一部として) → スリランカ(育った地域の一部として) → ニューヨーク(在住)
経歴
- 職業
- 作家, 小説家, 随筆家, 評論家
- 活動期間
- 1986年〜
- 所属
- インディアン・エクスプレス(旧勤務), ロイヤル・ソサエティ・オブ・リテラチュア(フェロー), フォード財団(Art of Change フェロー)
- 所属団体
- ロイヤル・ソサエティ・オブ・リテラチュア(フェロー)
- 影響を受けた人物
- 影響を与えた人物
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| The Doon School(ドゥーン・スクール) | — | — | — | 〜1970年代(中等教育) | インド |
| セント・スティーブンズ・カレッジ(デリー大学) | — | 英文学など | BA, MA | 1970年代(学部・大学院) | インド |
| セント・エドマンド・ホール(オックスフォード大学) | — | 社会人類学 | D.Phil. (PhD) | 1979–1982(博士課程) | 英国 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018 | ジャナピート賞(Jnanpith Award) | — | — | ジャナピート選考委員会 | 受賞 |
| 2007 | パドマ・シュリ(Padma Shri) | — | — | インド政府 | 受賞 |
| 2010 | ダン・デイヴィッド賞(Dan David Prize) | — | — | ダン・デイヴィッド財団 | 共同受賞 |
| 1997 | アーサー・C・クラーク賞(Arthur C. Clarke Award) | 『カルカッタ・クロモゾーム』 | — | Arthur C. Clarke Award 運営 | 受賞 |
| 2024 | エラスムス賞(Erasmus Prize) | — | — | Praemium Erasmianum Foundation | 受賞 |
| 2025 | パク・キョンニ賞(Park Kyong-ni Prize) | — | — | パク・キョンニ財団 | 受賞 |
| — | プリーズ・メディシス(Prix Médicis étranger) | 『理性の輪(The Circle of Reason)』 | — | Prix Médicis 運営 | 受賞 |
| — | サヒティヤ・アカデミー賞(Sahitya Akademi Award) | 『シャドウ・ラインズ(The Shadow Lines)』 | — | サヒティヤ・アカデミー | 受賞 |
受賞・候補エディション
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受賞作: The Circle of Reason (Les feux du Bengale)
インドや周辺地域を舞台に、多様な登場人物の交流を通して伝統と近代、交易や技術移動の影響を描く初期長篇。文化間の接触と移動が個々の運命と共同体の変容を浮かび上がらせる群像的物語。
The Circle of Reason (Les feux du Bengale)
異文化接触移動と交易ポスト植民地主義成長
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第11回(1997年) 受賞受賞作: The Calcutta Chromosome
アミタヴ・ゴーシュの小説。近未来のニューヨークとヴィクトリア朝インドをまたぎながら、マラリア研究と失踪した人物の謎を通して、歴史の裏側にある知と権力を浮かび上がらせる。
科学スリラーのかたちで、植民地時代の記憶をひっくり返す。
311ページ科学小説植民地史インド記憶
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第10回(2007年) 受賞受賞作: Incendiary Circumstances: A Chronicle of the Turmoil of Our Times
政治的混乱や現代世界の変動を論じるエッセイ/論考集(該当ページは当該ソースで赤リンク)。地政学や文化的変化を鋭く分析する視点が特徴。
政治国際情勢エッセイ
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第54回(2018年) 受賞受賞作: 生涯の業績(代表作: The Shadow Lines, Sea of Poppies ほか)
アミタヴ・ゴーシュの2018年ジュナンピート賞は、特定の一冊ではなく英語で書かれた小説・ノンフィクションを含む長年の文学的業績に対する評価である。植民地主義、移動、記憶、環境を横断する作品群が、インド文学の国際的な射程を広げた点で重視された。
歴史と移動をめぐる作品群への、生涯業績としての評価。
業績賞インド文学植民地主義移動環境
作品
代表作
理性の輪
1986年 小説 / 歴史的フィクションゴーシュの処女作。インドとグローバルな歴史を背景にした長編小説で、社会的・文化的結びつきを探る作品。
シャドウ・ラインズ
1988年 小説 / ポストコロニアル国家的・個人的アイデンティティの交差を描く作品で、コミュナル暴力や記憶の問題を扱う。
カルカッタ・クロモゾーム
1995年 小説 / サイエンスフィクション科学史とミステリーを組み合わせた小説。歴史とフィクションが交錯する内容。
ザ・グラス・パレス
2000年 小説 / 歴史小説ビルマ(ミャンマー)やインド、東南アジアを舞台にした歴史叙事詩的な長編。
ハングリー・タイド
2004年 小説 / 環境文学スンダルバンスの自然と人間の関係を描き、環境問題と地域社会の葛藤を扱う。
シー・オブ・ポピーズ(イビス三部作 Ibis trilogy)
2008年 小説 / 歴史小説1830年代のアヘン戦争前夜を背景に、インド洋周辺の交易と人々の交錯を描く三部作の第一作。
リバー・オブ・スモーク(Ibis trilogy)
2011年 小説 / 歴史小説イビス三部作の第二作。広域的な歴史背景で個人史と国際的事件を結びつける。
フラッド・オブ・ファイア(Ibis trilogy)
2015年 小説 / 歴史小説イビス三部作の完結編。第一次アヘン戦争へと向かう流れを描く。
ガン・アイランド
2019年 小説 / 環境文学気候変動と人間の移動を主題に、伝説と現代が交錯する物語を描く。
ジャングル・ナーマ(詩)
2021年 詩 / 口承文学の再解釈スンダルバンスの伝説ボン・ビビを題材にした詩的作品。
イン・アン・アンティーク・ランド
1992年 ノンフィクション / 旅行記・民族誌エジプトでのフィールドワークと歴史的調査を織り交ぜたノンフィクション。
グレート・ディスアレンジメント(The Great Derangement)
2016年 ノンフィクション / 評論文学と芸術が気候変動を十分に扱っていないと指摘する評論集。
スモーク・アンド・アッシュ(Smoke and Ashes)
2023年 ノンフィクション / 歴史アヘンの歴史とその植民地的遺産、現代の企業活動との関連を論じる。
全著作
- The Circle of Reason (理性の輪) — 1986
- The Shadow Lines(シャドウ・ラインズ) — 1988
- In an Antique Land(イン・アン・アンティーク・ランド) — 1992
- The Calcutta Chromosome(カルカッタ・クロモゾーム) — 1995
- The Glass Palace(ザ・グラス・パレス) — 2000
- The Hungry Tide(ハングリー・タイド) — 2004
- Sea of Poppies(シー・オブ・ポピーズ) — 2008
- River of Smoke(リバー・オブ・スモーク) — 2011
- Flood of Fire(フラッド・オブ・ファイア) — 2015
- The Great Derangement(グレート・ディスアレンジメント) — 2016
- Gun Island(ガン・アイランド) — 2019
- Jungle Nama(ジャングル・ナーマ) — 2021
- The Nutmeg's Curse(ザ・ナツメッグ・カース) — 2021
- Smoke and Ashes(スモーク・アンド・アッシュ) — 2023
- Wild Fictions(エッセイ集) — 2025
作風・主題
- 文体
- 歴史的多層構造の物語詳細な現地調査を取り入れたリアリズム魔術的リアリズムの要素を含む評論では論理的・説得力のある論述
- 頻出モチーフ
- 海と交易移民と境界植民地主義の遺産気候と自然環境
評価・遺産
アミタヴ・ゴーシュは、インド英語文学を代表する国際的作家であり、歴史的想像力と環境問題への鋭い洞察で知られる。ジャナピート賞やパドマ・シュリ等、多くの主要賞を受賞し、現代の気候文学やポストコロニアル研究に影響を与えている。
関連学会
- ロイヤル・ソサエティ・オブ・リテラチュア(フェロー)
引用
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それは意図的ではなかったが、ときに意図せずして意図的であることがある。振り返ると、私が最も関心を持ってきたのはベンガル湾、アラビア海、インド洋とそれらの地域間のつながりと交差であることに気づく。
出典: Mahmood Kooria とのインタビュー(要旨) (2012年)
豆知識
- 英語で書くインド人作家として初めてジャナピート賞を受賞した作家の一人(54回目、2018年受賞)
- 『ザ・グラス・パレス』をコモンウェルス・ライターズ賞の検討から辞退した(英語のみの選考基準等に抗議)
- イビス三部作(Sea of Poppies, River of Smoke, Flood of Fire)は第一次アヘン戦争前夜を舞台にしている
- 気候変動に関する評論『The Great Derangement』は文学が気候危機にどう向き合うかを問う重要な著作として評価されている