アーサー・C・クラーク賞
アーサー・C・クラーク賞
英国で前年度に刊行された最優秀SF長編小説に贈られる文学賞。1987年創設。
- 創設年
- 1987
- 主催
- Serendip Foundation(非営利団体として運営)。審査員はBritish Science Fiction Association、Science Fiction Foundation、Sci-Fi-London映画祭から推薦
- カテゴリー
- ジャンル小説
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
The Arthur C. Clarke Award is a British prize, established in 1987 with a grant from Arthur C. Clarke, awarded annually to the best science fiction novel first published in the United Kingdom during the previous calendar year. Titles are submitted (publishers; self-published works eligible under conditions since 2016), a panel of judges drawn from the British Science Fiction Association, the Science Fiction Foundation and a third organisation (as of 2019 Sci‑Fi‑London) form a shortlist of six and select the winner. The winner receives an engraved bookend and a cash prize in pounds sterling equal to the current year.
賞品
- 主賞品
- Engraved bookend and a cash prize in pounds sterling equal to the current year (e.g. £2012 for 2012).
- Engraved bookend
- Publicity and recognition
- Shortlist and winner promotion
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| Submission | Titles are submitted by UK publishers; judges and organising committee may call in titles. Self-published titles eligible from 2016 with qualifications. | N/A (depends on number of submissions) | N/A (submissions reviewed internally) |
| Shortlist | Panel drawn from British Science Fiction Association, Science Fiction Foundation and a third organisation (as of 2019: Sci‑Fi‑London). | Shortlist of six works selected | Shortlist announced publicly (media / official channels) |
| Final selection | Same judging panel selects the winning book from the six shortlisted titles. | 1 winner from shortlist of six | Winner announced at the award ceremony and via press release/official website; winner receives engraved bookend and cash prize |
選考基準
- Full-length science fiction novel (written or translated into English)
- First published in the United Kingdom during the prior calendar year
- No restriction on author nationality
- Must be actively submitted to be considered (publishers submit; judges/committee may call in titles)
- Self-published works eligible under conditions since 2016
- Literary merit, originality and contribution to the genre considered by judges
応募のヒント
推奨
- 英国での初出(前年度)であることを確認する
- 出版社を通じて正式に提出する(2016年以降は条件付きで自己出版も可だが要確認)
- 提出資料にISBN・出版日・版元など正確なメタデータを添付する
- 応募要項・提出方法を公式サイトで必ず確認する
- 必要なら英語の出版情報・紹介文を用意する
注意
- 英国での初出でない作品を提出しない
- 未編集・未完成の原稿を提出しない
- 出版社からの提出がないまま審査を期待しない(提出が必須)
- 応募規定に反する方法で提出しない
審査員から
- 応募時は作品の完成度(編集品質)を重視する
- オリジナリティとストーリーテリングの力が評価される
- 出版情報を明確に示し、必要な書誌情報を提供する
- 締切・募集要項の最新情報を確認すること
関連の賞
- Sir Arthur Clarke Award (British space achievement)
- BSFA Award
- John W. Campbell Memorial Award for Best Science Fiction Novel
- Hugo Award
- Nebula Award
- Locus Award
- Kitschies
公式情報
https://www.clarkeaward.com/過去の受賞者
人間の恋人のために作られたロボットのアニーが、従順さを求められる暮らしの中で、自分の欲望と尊厳を少しずつ見いだしていく。支配と同意、親密さと自律の境界を、近未来の寓話として鋭く描いた作品。
従うために作られた存在が、自分の人生を問い直す。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
海洋生物学者リーが、深海の異常と宇宙開発の謎をつなぐ研究に巻き込まれ、生命の起源と人間の居場所を問い直していく。家族の問題と宇宙規模の探求が重なり合う、思索的で壮大なSF長編。
海の底から宇宙の彼方へ、ひとりの探究が広がっていく。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
絶滅が市場化した近未来で、知能をもつ魚を救うために、研究者と企業人が危うい同盟を組む。環境破壊、資本主義、官僚主義を辛辣に風刺しながら、軽妙な会話で突き進むSFスリラー。
たった一種の魚を追う旅が、世界の歪みをあぶり出す。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
Scots 詩と SF を重ね合わせた実験的な長編で、宇宙都市 Deep Wheel Orcadia の生活と記憶を描く。言語そのものの手触りが作品の核心になっている。
宇宙都市を、方言詩のリズムで立ち上げる。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
チクングニアウイルスの経験に触発された、パンデミックによって引き起こされた異種間のコミュニケーションについての思弁小説小説。
チクングニアウイルスの経験に触発された、パンデミックによって引き起こされた異種間のコミュニケーションについての思弁小説小説。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
ルサカとその周辺の世代にわたる 3 つの家族の絡み合った歴史をたどり、植民地主義、移民、テクノロジーと政治の相互作用を探求する広大なデビュー作。この小説は、歴史的な物語と、思索的/近未来的な要素、およびさまざまな物語形式を組み合わせています。
ルサカとその周辺の世代にわたる 3 つの家族の絡み合った歴史をたどり、植民地主義、移民、テクノロジーと政治の相互作用を探求する広大なデビュー作。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
ナイジェリアの都市ローズウォーターと、そこに現れた謎のバイオドームをめぐるSF長編。政府の諜報員が、記憶と異能、未知の存在をめぐる事件に巻き込まれていく。
異星のドームを囲む街で、未来と政治と超常が重なり合う。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
近未来のロンドンを起点に、生殖医療と家族の形が急速に変わる社会を数世代にわたって描くSF長編。人工子宮、単独での生殖、遺伝的選択といった技術が、人間の親密さ、階級、親であることの意味を揺さぶる。
技術がすべての答えを差し出すとき、家族という問いはかえって複雑になる。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
Colson Whiteheadによる『Chika tetsudō』。African American / GeneralやUnderground Railroadを軸に、Fugitive slavesまで射程に入れるノンフィクション。
African American / Generalのなかで、Underground Railroadが立ち上がる。
この作品でアーサー・C・クラーク賞を受賞した作家。
人類が新天地に託した進化実験が予期せぬ方向に進み、クモなどの生物が高度な知性を獲得して文明を築く様を描く大河的SF。人類側の生存を懸けた航海と、非人類側の文明発展を対比させ、進化と共生の倫理を問う壮大な物語。
イギリスのSF作家。進化や生態学的テーマを大胆に扱った壮大な物語で知られる。
致命的なパンデミックによって文明が急速に崩壊した後、旅する演劇団や生存者たちの物語を断片的に描く群像劇。過去と現在のつながり、芸術や記憶の価値、人間の脆さと希望を静謐に描き出す作品。
カナダの作家。パンデミックを題材に人間関係と文化の意味を繊細に描いた作風で知られる。
かつて多数の
アメリカのSF作家。『Ancillary Justice』で国際的な注目を集め、ジェンダーや意識の問題を斬新に扱う。
太陽のない惑星に閉じ込められた共同体が、世代を経て変質していく様子を描くSF小説。限られた世界の中で、言語、信仰、権力がゆっくり崩れ始める。
閉ざされた世界の中で、人間社会が少しずつ変質していく。
イギリスのSF作家。社会的視点や倫理的問題を織り込んだ文明論的な作品で知られる。
終末的な社会で、若い女性が出産と生殖をめぐる抑圧に立ち向かうディストピア小説。危機の中で、身体と選択の問題が中心に据えられる。
生き延びることと、身体の自由は切り離せない。
イギリスの小説家。文学性の高い筆致で多様な主題を扱い、本作ではSF的要素を通じて倫理的問題を掘り下げる。
ヨハネスブルグを舞台に、犯罪者に動物の“アニマル・コンパニオン”が付く世界で、失踪事件と都市の闇を追うダークな幻想小説。
都市幻想と犯罪小説が交差するジョハネスブルグの物語。
南アフリカ出身の作家。都市の闇や社会問題を織り込んだ都市幻想・スリラー作品で国際的に評価されている。
二つの都市が互いを認識しないまま隣り合って存在する、奇妙で政治的な犯罪小説。境界そのものが物語の中心になる。
境界線が、殺人事件よりも大きな謎になる。
イギリスの作家。ニュー・ウィアードと呼ばれる潮流の代表的作家で、政治的・社会的テーマを幻想的に描くことで知られる。
Song of Time は、時間と記憶の変容 を通して SF長編 としての読み応えを示す作品。
時間と記憶の変容 を軸に、静かな余韻を残す。
イギリスの作家。幻想性と叙情性を兼ね備えた物語で知られ、SFとファンタジーの間を行き来する作品を発表している。
遺伝子操作と差別が進んだ近未来社会で、改造兵士の出自と暴力の連鎖を追うディストピア長編。個人の身体が制度によってどう管理され、復讐と生存の論理に巻き込まれるのかを鋭く描く。
身体を設計された世界で、暴力は誰のものになるのか。
イギリスのSF作家。サイバーパンクやハードSF的要素を取り入れたスリリングな作風で知られる。
近未来都市を舞台に、不可思議な現象が発生する境界地帯をめぐって人々の思惑が交錯する。喪失や欲望、現実と異界の境目が曖昧になる感覚を通して、都市そのものの異質さを浮かび上がらせる。
都市の片隅で、現実と異界の境目が静かに崩れていく。
イギリスの作家。SFや幻想文学を手がけ、詩的で暗澹とした作風と独特の都市描写で知られる。
離れた村が新たな通信技術「Air」に接続されることで起きる文化的・社会的変容を描く。外部からの情報流入が個人の生活、記憶、創造性に与える影響と、それに伴う倫理的・感情的な衝突や再生を繊細に追う。
未来の接続は、村の記憶と共同体のかたちを変えていく。
英語圏の小説家。実験的で感情に訴える作風を持ち、テクノロジーと個人の関係を繊細に描く作品で知られる。
ニュー・クロブゾンが内戦と外敵の圧力で揺れるなか、鉄道を奪った反乱者たちの伝説と、革命の可能性が交差する。
失われた列車伝説が、都市の崩壊を前に再び動き出す。
イギリスの作家(上記参照)。ベース・ラグという独自世界を舞台にした政治的ファンタジーを展開し、社会批評と幻想的設定を融合する。
科学史と冒険小説を横断する長編。17世紀ヨーロッパの技術、貨幣、知識の流れをたどりながら、複数の人物の運命が交錯する。
科学史と冒険が交差する大作長編。
アメリカの小説家。SFと歴史、技術論を融合した大作で知られる。複雑な知識やテクノロジー、思想を物語に織り込む作風が特徴。
戦争の時代を背景に、同一の出来事が異なる視点で語られることで現実の不確かさを浮かび上がらせる作品。双子や歴史の分岐、記憶のズレを巧みに扱い、何が真実かを読者に問いかける心理的SFサスペンス。
分岐する歴史が現実感を揺らす。
イギリスの小説家。現実と虚構、記憶の曖昧さを主題にした技巧的な物語構成で知られる。SFと心理サスペンスを融合した作品が特徴。
音楽が政治力学と結びついた近未来社会を舞台に、ミュージシャンや活動家たちの視点で国家や文化の変革が語られる群像劇。ポップカルチャーとイデオロギーが交差し、個人のアイデンティティと公的責任が問われる作品。
音楽と政治が絡み合う未来社会を描く。
イギリスのSF作家。フェミニズムや音楽、政治などを織り込みながら社会変化を描く作品群で知られる。
巨大都市ニュー・クローブゾンを舞台に、科学者イサック・ダン・ダ・グリムネブルインが禁断の研究の余波に巻き込まれ、半鳥人ガルーダの依頼から街全体を脅かす怪異へ踏み込んでいく。魔術と工業社会、異種族、抑圧が渾然一体となった、想像力の限界を押し広げる長編だ。
魔術と工業の都市ニュー・クローブゾンで、ひとつの依頼が街全体の悪夢を呼び起こす。
イギリスの作家。独自の「ニュー・ウェーブ」的幻想と政治的想像力を持つ世界構築で知られ、社会批評性と怪奇性を併せ持つ長編で高い評価を得ている。
情報経済の崩壊後、分断された近未来アメリカを舞台に、政治工作員オスカー・ヴァルパリソが選挙、企業、軍事、遺伝子工学が絡む混乱へ巻き込まれていく。鋭い風刺とテクノロジー批評が、国家の疲弊と再編の不安を描き出す。
崩壊した国家で、選挙戦と遺伝子工学がひとりの工作員の足元を揺さぶる。
アメリカのSF作家。サイバーパンク運動の中心人物の一人で、テクノロジーと社会の関係を鋭く描く風刺的作品で知られる。
AIガネーシュが維持する植民地社会を舞台に、カリプソ・ディードが夢を介した操作と崩壊寸前の共同体のあいだで生き延びようとする物語。夢のネットワーク、記憶、欲望、そして生存の条件が交差する、緊張感の強いSF長編だ。
夢を介したAI社会が崩れ始めたとき、若いオペレーターの選択が植民地の未来を左右する。
アメリカ出身のSF作家。社会構造や意識・心理をめぐるテーマを扱う作品が多く、実験的かつ社会的な視点の強い長編で知られる。
イエズス会の宣教師団が地球外知的生命体のいる惑星へ接触する任務に赴き、帰還した神父の証言と過去の出来事が交錯する。信仰と倫理、文化的誤解が悲劇を生み出す過程を通して、第一接触の理想と現実を問い直す。
イエズス会の宣教師団が地球外知的生命体のいる惑星へ接触する任務に赴き、帰還した神父の証言と過去の出来事が交錯する。
アメリカの小説家。宗教、倫理、異文化接触を主題にした作品で知られる。代表作『The Sparrow』は第一接触を宗教的・倫理的観点から掘り下げた重厚な長編。
アミタヴ・ゴーシュの小説。近未来のニューヨークとヴィクトリア朝インドをまたぎながら、マラリア研究と失踪した人物の謎を通して、歴史の裏側にある知と権力を浮かび上がらせる。
科学スリラーのかたちで、植民地時代の記憶をひっくり返す。
インド出身の小説家。歴史、植民地、科学・医学と個人の記憶を題材にした複雑で多層的な長編で国際的に評価される。代表作に『The Calcutta Chromosome』など。
科学的視点と寓話的要素を組み合わせたSF。人間と環境、記憶や物語の力を巡るテーマを扱い、テクノロジーが自然や共同体に及ぼす影響を倫理的に問う作品である。
英国のSF作家。ハードSFから生態学的テーマまで幅広く扱い、科学的洞察と物語性を兼ね備えた作品で知られる。
ホログラムのプールで目を覚ました女優マーヴァが、殺人の記憶を抱えたまま、逃走と記憶の迷路に巻き込まれるサイバーパンク小説。現実と仮想が何層にも重なり、追跡劇は不穏なユーモアと暴力を帯びて進む。
記憶と仮想現実がずれ始めるとき、逃走劇は別の顔を見せる。
アメリカ出身で英国在住のSF作家。メディアとテクノロジーの関係を批評的に描く作風が特徴。
マージ・ピアシーのサイバーパンク小説。荒廃した未来社会を舞台に、女性、サイボーグ、ゴーレムの物語を重ねながら、身体、家族、権力の関係を描く。
未来の荒廃と古い神話が交差する、フェミニストSFの代表作。
アメリカの小説家・詩人。フェミニズムや社会政治を題材にした作品で知られ、社会批評的な視点を持つ。
パット・キャディガンのサイバーパンク小説。テクノロジーと人間の境界が薄れた世界で、メディア、依存、身体の変容が絡み合う。
技術が身体と意識を変えていく時代の、不穏で鋭い物語。
アメリカ出身で英国在住のSF作家。サイバーパンク的なテーマやメディア批評を扱う作品で知られる。
個性的な主人公を中心に銀河規模の冒険と文化的出会いを描くスペースオペラ。ユーモアと人間洞察を交えながら、異文化接触やアイデンティティの問題を探る物語である。
銀河規模の冒険と文化的出会いを描くスペースオペラ。
英国のSF作家。洗練された語り口でスペースオペラ的要素と社会的洞察を織り交ぜた作品を手がける。
詩的で実験的な文体を特徴とする近未来長編。遺伝学や言語、教育の変容が人間と社会に及ぼす影響を描き、創造性と抑圧、個人の成長を巡る物語を展開する。
変わり果てた未来で、言語と身体の両方が管理される。
イギリスを拠点に活動するSF作家。言語、身体、社会構造をテーマに実験的な作品を発表している。
宗教的モチーフや霊的探求を絡めた近未来小説。信仰やカルト、個人の再生といったテーマを通じて、社会と個人の境界やアイデンティティの変容を寓話的に描く作品である。
奇跡が日常になった世界で、信仰と自由の意味が揺れ動く。
アメリカの作家・評論家。タロットやジェンダー、精神性に関する著述でも知られる。文学的かつ象徴的な作品を発表している。
海面上昇や気候変動が進行した近未来のオーストラリアを舞台に、資源の枯渇と社会階層化が引き起こす緊張と暴力を描く気候ディストピア。政治腐敗や富裕層と貧困層の対立が人々の日常を蝕む様子を描写する。
海が上がるほど、社会の断層も深くなる。
オーストラリアの作家。社会的・環境的テーマを扱った長編で知られ、気候変動や都市問題を扱う作品が評価されている。
全体主義国家ギレアドを舞台に、女性の生殖能力が管理され「侍女」として子を産むことを強いられる主人公オフレッドの視点で、抑圧と記憶、抵抗を描くディストピア小説。宗教的過激主義と社会支配を通して個人の自由とアイデンティティを問う。
生殖を統治する社会のなかで、自由と記憶が静かに抵抗する。
カナダの作家。フェミニズム、環境問題、ディストピアを題材にした作品で国際的に知られる。代表作『The Handmaid's Tale』(邦題:侍女の物語)で高い評価を得た。