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第16回(1986年) 受賞受賞作: An Artist of the Floating World
戦後日本を舞台に、一人の旧時代的な美術家が自らの過去と責任に向き合う物語。個人の記憶と歴史の交錯を抑制された語りで描く。
戦後日本記憶責任個人的回想
石黒 一雄
いしぐろ かずお
Ishiguro Kazuo
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1954-11-08 (長崎(長崎県))
- 国籍
- 日本(〜1983), イギリス(1983年〜)
- 言語
- 英語
- 居住地歴
- 長崎(出生) → ギルフォード(サリー州) → ゴルダーズ・グリーン(ロンドン)
経歴
- 職業
- 小説家, 短編作家, 脚本家, 作詞家, コラムニスト
- 活動期間
- 1981年〜
- 所属団体
- 王立文芸協会フェロー
- 影響を受けた人物
- 谷崎潤一郎, 小津安二郎(映画), 成瀬巳喜男(映画), フョードル・ドストエフスキー, マルセル・プルースト
- 影響を与えた人物
- 現代英語文学の作家たち(幅広い影響)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ケント大学 | — | 英語・哲学 | BA (Hons) | 1974–1978 | イギリス |
| イースト・アングリア大学 | — | 創作講座(Creative Writing) | MA | 1979–1980 | イギリス |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1982 | ウィニフレッド・ホルトビー記念賞 | A Pale View of Hills | — | — | 受賞 |
| 1986 | ウィットブレッド賞(Whitbread Prize) | An Artist of the Floating World | — | — | 受賞 |
| 1989 | ブッカー賞 | The Remains of the Day | — | ブッカー賞選考委員会 | 受賞 |
| 2017 | ノーベル文学賞 | — | — | スウェーデン・アカデミー | 受賞 |
| 1995 | Order of the British Empire(OBE) | — | — | — | 叙勲 |
| 2018 | ナイト爵(Knight Bachelor) | — | — | — | 叙勲 |
| 2018 | 旭日重光章(Order of the Rising Sun, 2nd Class) | — | — | 日本政府 | 叙勲 |
| 2019 | ボドリー・メダル | — | — | ボドリアン図書館 | 受賞 |
| 2017 | アメリカン・アカデミー・オブ・アチーブメント ゴールデンプレート賞 | — | — | American Academy of Achievement | 受賞 |
| — | ブッカー賞 ノミネート(複数回) | — | — | ブッカー賞選考委員会 | ノミネート(複数回) |
受賞・候補エディション
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第21回(1989年) 受賞受賞作: The Remains of the Day(日の名残り)
ダーリントン・ホールで三十年仕えてきた執事スティーブンスが、英国上流社会への忠誠と、その忠誠が隠してきた後悔を見つめ直す。抑制のきいた語りの中に、階級意識と自己欺瞞の痛みがにじむ。
忠誠を尽くしたはずの人生の奥に、言い遅れた後悔が潜んでいる。
執事階級忠誠記憶戦後イングランド
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第29回(2013年) 受賞受賞作: 日の名残り (The Remains of the Day)
老執事の回想を通じて、職務への忠誠と個人的感情の抑圧、過去の選択に伴う後悔を静かに描く作品。抑制された語り口で個人史と英国社会の変容を重層的に浮かび上がらせる。
記憶と自己忠誠と後悔英国社会歴史の私的側面
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第110回(2017年) 受賞
記憶と忘却、和解の可能性をめぐり、霧に包まれた古代英国風の世界を旅する寓話的長編。
忘れられたものが静かに揺り起こされる、霧深い旅の物語。
416ページ記憶忘却和解幻想
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第11回(2017年) 受賞受賞作: The Buried Giant
戦後に近い曖昧な時代背景をもつ小さな村を舞台に、記憶を失いはじめた老夫婦が息子を探す旅をする物語。戦争の傷跡と忘却、赦しと暴力の問題を幻想的に織り込む。
記憶忘却歴史と個人和解幻想
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受賞作: Klara and the Sun
人工友(AF)クララの視点で語られる近未来小説。観察者として成長するクララを通して、愛や孤独、人間性、遺伝子選別といった倫理的問題を静かに描き出す作品。
人工知能人間性孤独倫理遺伝子選別
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第37回(2022年) 受賞受賞作: Klara and the Sun
『Klara and the Sun』は人工的な友人(AF)クララの視点で語られる物語で、観察者としての彼女の眼差しを通じて人間の孤独や愛、倫理的ジレンマ、希望の意味を静かに問いかける作品である。
人工知能孤独友情倫理
作品
代表作
A Pale View of Hills
1982年 初期小説 / 文学フィクション日本の背景を想起させる村を舞台にした初期の小説。過去と記憶、罪と贖罪の主題を扱う。
- [映画] A Pale View of Hills (2025)
An Artist of the Floating World
1986年 歴史的フィクション / 文学戦後日本を思わせる無名の都市を舞台に、過去の決断と責任に向き合う元画家の回想録的物語。
The Remains of the Day
1989年 歴史的フィクション / 文学英国の大邸宅を舞台に、忠誠心と自己欺瞞、過去の選択を問い直す執事の視点から語られる物語。1989年のブッカー賞受賞作であり、1993年に映画化された。
- [映画] The Remains of the Day / James Ivory (1993)
- [ミュージカル] The Remains of the Day(ミュージカル) (2010)
Never Let Me Go
2005年 SF的要素を含む文学並行世界に近い英国を舞台に、クローンに類する存在たちの友情と運命を通じて人間性を問う物語。Time誌の2005年最良の小説に選出。
- [映画] Never Let Me Go / Mark Romanek (2010)
- [テレビミニシリーズ] Never Let Me Go(テレビ) (2016)
The Buried Giant
2015年 幻想的歴史小説記憶と和解を巡る寓話的要素を含む物語。イギリスの古代を思わせる舞台で、忘却と和解のテーマを探る。
Klara and the Sun
2021年 SF的寓話 / 文学人工友(Artificial Friend)クララの視点から語られる物語で、技術発展の危険や人間らしさの意味を問い直す。
- [映画(製作予定)] Klara and the Sun
全著作
- A Pale View of Hills (1982)
- An Artist of the Floating World (1986)
- The Remains of the Day (1989)
- The Unconsoled (1995)
- When We Were Orphans (2000)
- Never Let Me Go (2005)
- Nocturnes: Five Stories of Music and Nightfall (短編集, 2009)
- The Buried Giant (2015)
- Klara and the Sun (2021)
翻案
- The Remains of the Day(1993年映画)
- Never Let Me Go(2010年映画)
- Living(2022年映画、脚色:石黒一雄)
作風・主題
- 文体
- 控えめで抑制のある筆致一人称の内省的語り歌詞的な簡潔さと余白の表現
- 頻出モチーフ
- 記憶と忘却職務と個人の葛藤戦後の影と和解
評価・遺産
石黒一雄は英語で書く現代の主要な小説家の一人であり、記憶やアイデンティティ、道徳を繊細に描く作風で国際的評価を受けている。ノーベル文学賞やブッカー賞など多数の受賞により、20世紀後半から21世紀の英語文学に大きな影響を与えた。
記念館・博物館
- ハリー・ランサム・センター(アーカイブ所蔵) テキサス大学オースティン校
関連学会
- 王立文芸協会(フェロー)
資料所蔵先
- ハリー・ランサム・センター(テキサス大学オースティン校)
大衆文化への影響
- 映画化・舞台化を通じて一般大衆への認知が高い(The Remains of the Day, Never Let Me Go など)
引用
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「感情の強さを持つ小説で、世界との我々のつながりという幻想の下の深淵を明らかにした作家」
出典: スウェーデン・アカデミー(ノーベル賞選考理由、2017) (2017年) -
「私にとってそれは非常に大きな栄誉だ。それは私がこれまで生きた偉大な作家たちの足跡に入るということだ。」
出典: 石黒一雄(ノーベル賞受賞時のコメント) (2017年)
豆知識
- 元々は歌手・作詞作曲家を志していた。
- スタッシー・ケントのために多数の歌詞を書いている。
- 『The Remains of the Day』は1993年に映画化され、アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンが主演した。
- 2022年の映画『Living』の脚色でアカデミー賞脚色賞にノミネートされた(2023)。
- 2017年にノーベル文学賞を受賞、2018年にナイト爵を叙せられた。