世界・海外・国外の文学賞

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ネリー・ザックス

ネリー・ザックス

Nerī Zakkusu

別名: Leonie Sachs

プロフィール

性別
女性
生誕
1891-12-10 (ベルリン(シェーネベルク)、ドイツ帝国)
死没
1970-05-12 (ストックホルム、スウェーデン) 78歳
国籍
ドイツ, スウェーデン
言語
ドイツ語, スウェーデン語
宗教
ユダヤ教
居住地歴
ベルリン(出生・幼少期) → ストックホルム(移住・死没)

経歴

職業
詩人, 劇作家
活動期間
1910年〜1970年
影響を受けた人物
ゲルトルート・コルマー, エルゼ・ラスカー=シューラー, ドイツ・ロマン主義
影響を与えた人物
戦後のドイツ語圏の詩人たち(例:ハンス=マグヌス・エンツェンスベルガー等)

学歴

家庭教育
期間: 幼少期〜青年期(家庭での教育)
国: ドイツ
幼少期は健康上の理由で家庭教育を受ける

受賞歴

ノーベル文学賞
1966
主催: スウェーデン王立アカデミー(ノーベル賞)
結果: 受賞
ドロステ賞
1960
主催: ドロステ賞(授与団体)
結果: 受賞
ネリー・ザックス賞
1961
主催: ドルトムント市(ネリー・ザックス賞)
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 詩作(生涯の業績)

    ホロコーストと亡命の体験を象徴的・宗教的なイメージで詩情豊かに表現した詩作群。喪失と救済、記憶の責任を主題に、個人的な悲嘆を普遍的な人間性へと昇華させる作品群で高く評価された。

    ホロコースト亡命ユダヤ人の経験記憶救済
  1. 受賞作: 生涯の業績(詩作)

    亡命、ユダヤ人の記憶、ホロコーストの悲嘆を、象徴性の高い抒情詩へ結晶させた詩業。宗教的言語と断片化したイメージを通じて、喪失と祈りのあいだを往復する表現が、Nelly Sachs の代表的な特徴となっている。

    破壊された世界に、祈りとしての言葉を与える詩。

    ホロコースト亡命哀悼ユダヤ人の記憶宗教的象徴
  1. 受賞作: Revelation Freshly Erupting

    ホロコーストと亡命の体験を詩的に扱う作品集。黙示録的・宗教的イメージを用いて喪失、救済、記憶の重量を深く問いかける詩篇が並び、歴史的な悲劇を個の内面へと結び付けて表現する。

    ホロコースト亡命宗教的イメージ記憶

作品

代表作

Eli:イスラエルの苦しみのミステリープレイ(Eli: Ein Mysterienspiel vom Leiden Israels)

1950年 戯曲(詩劇)

ホロコーストの苦悩と贖罪を象徴的に描いた詩劇。ユダヤ人の苦悩と救済をめぐる宗教的・象徴的イメージが重層的に用いられる。

贖罪苦悩ユダヤの運命宗教的象徴
映像化・舞台化
  • [オペラ] Eli(ワルター・シュテッフェンス作曲によるオペラ) / Walter Steffens (作曲) (1967)
翻訳
  • Eli(英訳)

死の住居にて(In den Wohnungen des Todes)

1947年 詩集

ホロコースト体験の喪失と嘆きを詩的に表現した初期の詩集。死や灰、断片化したイメージが繰り返される。

喪失灰・塵記憶
翻訳
  • O the Chimneys: Selected Poems(英訳、1967)

逃走と変容(Flucht und Verwandlung)

1959年 詩集

亡命や変容を主題にした詩集。喪失と再生、漂流する主体のイメージが中心。

亡命変容再生
翻訳
  • Flight and Metamorphosis(英訳、2022)

砂の上のしるし(Zeichen im Sand)

1962年 詩集

しるしや痕跡を巡る詩的断章を収めた作品。記憶と消失のモチーフが現れる。

痕跡記憶消失

全著作

  • Legenden und Erzählungen(伝説と物語), 1921
  • In den Wohnungen des Todes(死の住居にて), 1947
  • Sternverdunkelung(星の暗転), 1949
  • Eli(エリ: ミステリープレイ), 1950
  • Flucht und Verwandlung(逃走と変容), 1959
  • Fahrt ins Staublose(旅立ち: 無塵の領域へ), 1961
  • Zeichen im Sand(砂の上のしるし), 1962
  • Suche nach Lebenden(生者を求めて), 1971

翻案

  • Eli(ワルター・シュテッフェンス作曲のオペラ、1967初演)

作品の翻訳

  • O the Chimneys: Selected Poems, Including the Verse Play, Eli(英訳、1967)
  • The Seeker and Other Poems(英訳、1970)
  • Flight and Metamorphosis(英訳、2022)

作風・主題

文体
強烈な抒情性象徴主義的・宗教的イメージの多用圧縮された詩的言語と断片的表現
頻出モチーフ
塵・灰呼吸石や宝石踊り子水から出た魚(苦悶)狂気失われた愛

健康

  • 精神病的な発作(幻覚・妄想・偏執)
    母親死後の数年〜晩年にかけて
    入院・療養を要しつつも執筆を継続。精神状態は生涯を通じて脆弱だった。
  • 結腸直腸がん(大腸がん)
    1969–1970
    1970年に死因となった。

評価・遺産

ネリー・ザックスはホロコーストを主題化した詩作で国際的な評価を得た詩人・劇作家であり、1966年にノーベル文学賞を受賞。ユダヤ人の悲嘆と渇望を象徴的な言語で表現した業績は現代詩に大きな影響を与え、ドルトムントのネリー・ザックス賞など彼女の名を冠した賞や記念施設が存在する。遺品はスウェーデン国立図書館等に所蔵されている。

資料所蔵先

  • スウェーデン国立図書館(Kungliga biblioteket)所蔵
  • レオ・ベック研究所(ニューヨーク)アーカイブ(Nelly Sachs Collection, AR 3991)

大衆文化への影響

  • ベルリンとストックホルムに記念プレートや公園(ネリー・ザックス公園)が存在する

引用

  • 私は悲劇の代表として立っている。アグノンはイスラエルを代表し、私はユダヤ人の悲劇を代表する。
    出典: ノーベル賞受賞スピーチおよび晩餐会での発言(1966年) (1966年)
  • 大いなる恐怖が来たとき、私は言葉を失った。
    出典: 詩中の回想

豆知識

  • ネリー・ザックスは元々レオニー・ザックス(Leonie Sachs)という名で生まれた。
  • 彼女と母は1940年にスウェーデンへ避難し、ナチスによる強制収容前に脱出した最後の飛行の一つで出国した。
  • 遺品はスウェーデン国立図書館などに寄贈された。