-
第5回(1973年) 受賞受賞作: A Grain of Wheat(『一粒の麦』)
独立前夜のケニアを舞台に、裏切りや犠牲、共同体の葛藤を描く長編。個々の運命と歴史的変革が絡み合う物語を通じて、植民地支配と解放闘争の複雑さを描出する代表作である。
植民地主義と解放共同体と裏切り歴史と個人
ングギ・ワ・チョンゴ
ングギ・ワ・チョンゴ
Ngugi wa Thiongo
別名:
James Ngugi
ペンネーム:
ジェームズ・ングギ(洗礼名および初期の英語作品で使用)
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1938-01-05 (カミリース(ケニア、キアンブ郡))
- 死没
- 2025-05-28 (バッフォード(ジョージア州、アメリカ合衆国)) 87歳
- 国籍
- ケニア
- 言語
- 英語, ギクユ語(Kikuyu / Gikuyu)
- 宗教
- キリスト教 (洗礼名: ジェームズ・ングギ)
- 居住地歴
- カミリース(ケニア) → カンパラ(ウガンダ) → ロンドン(イギリス、亡命期) → アメリカ合衆国(アーバイン、カリフォルニア等) → バッフォード(ジョージア州、アメリカ合衆国、最期)
経歴
- 職業
- 作家, 学者, 劇作家
- 活動期間
- 1960年〜2025年
- 所属
- ナイロビ大学, メーカレレ大学(客員), ノースウェスタン大学(客員), イェール大学(客員), ニューヨーク大学(エリッヒ・マリア・レマルク講座), カリフォルニア大学アーバイン校(教授、国際執筆翻訳センター初代所長)
- 所属団体
- アメリカ芸術文学アカデミー(名誉外国人会員), アメリカ芸術科学アカデミー(選出), 王立文学協会(International Writer)
- 影響を受けた人物
- チンア・アチェベ(Chinua Achebe), フランツ・ファノン(Frantz Fanon), ジョージ・ラミング(George Lamming)
- 影響を与えた人物
- 東アフリカやアフリカ全域の現代作家, 自身の子供たち(作家としてのムコマら)
- ノミネート
- インターナショナル・ブッカー賞(The Perfect Nine、2021年長list), マン・ブッカー・インターナショナル賞(2009年ショートリスト), IMPAC Dublin Award(ノミネート、2008)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| メーカレレ大学(カンパラ) | — | 英文学科 | BA | 1959–1963 | ウガンダ |
| リーズ大学 | — | 大学院 (カリブ文学を研究) | — | 1964–1967 | イギリス |
メーカレレ大学(カンパラ)
英文学科
学位:
BA
期間:
1959–1963
卒業年:
1963
国:
ウガンダ
在学中に1962年のアフリカ作家会議に参加。BA取得。
リーズ大学
大学院 (カリブ文学を研究)
期間:
1964–1967
国:
イギリス
MA課程で研究を行ったが論文を完了せず中退。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1966 | UNESCO 第一賞 | ウィープ・ノット・チャイルド(Weep Not, Child) | — | 世界黒人芸術祭(UNESCO関連) | 受賞 |
| 1973 | ロータス文学賞 | — | — | ロータス財団 | 受賞 |
| 2001 | 国際ノニーノ文学賞 | — | — | Nonino(イタリア) | 受賞 |
| 2016 | パク・ギョンニ文学賞 | — | — | Park Kyong-ni Prize 委員会 | 受賞 |
| 2019 | プリミ・インターナシオナル・デ・カタルーニャ賞 | — | — | カタルーニャ政府 | 受賞 |
| 2018 | グランプリ・デ・メセーヌ(GPLA) | — | — | Grand Prix of Literary Associations | 受賞(作品全集に対して) |
| 2021 | EBRD 文学賞 | The Perfect Nine(英訳) | — | 欧州復興開発銀行(EBRD) | 受賞 |
| 2022 | PEN/ナボコフ賞 | — | — | PEN America | 受賞 |
| 2021 | マン・ブッカー国際賞(長list) | The Perfect Nine(英訳) | — | Man Booker Foundation | 長list(ノミネート) |
| 1993 | ザ・ローザ・ニール・ハーストン – ポール・ロブソン賞 | — | — | National Council for Black Studies | 受賞 |
UNESCO 第一賞
1966
対象作品:
ウィープ・ノット・チャイルド(Weep Not, Child)
主催:
世界黒人芸術祭(UNESCO関連)
結果:
受賞
ロータス文学賞
1973
主催:
ロータス財団
結果:
受賞
国際ノニーノ文学賞
2001
主催:
Nonino(イタリア)
結果:
受賞
パク・ギョンニ文学賞
2016
主催:
Park Kyong-ni Prize 委員会
結果:
受賞
プリミ・インターナシオナル・デ・カタルーニャ賞
2019
主催:
カタルーニャ政府
結果:
受賞
グランプリ・デ・メセーヌ(GPLA)
2018
主催:
Grand Prix of Literary Associations
結果:
受賞(作品全集に対して)
EBRD 文学賞
2021
対象作品:
The Perfect Nine(英訳)
主催:
欧州復興開発銀行(EBRD)
結果:
受賞
PEN/ナボコフ賞
2022
主催:
PEN America
結果:
受賞
マン・ブッカー国際賞(長list)
2021
対象作品:
The Perfect Nine(英訳)
主催:
Man Booker Foundation
結果:
長list(ノミネート)
ザ・ローザ・ニール・ハーストン – ポール・ロブソン賞
1993
主催:
National Council for Black Studies
結果:
受賞
受賞・候補エディション
ロータス文学賞
1回登壇
Tähtifantasia Award
1回登壇
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第2回(2008年) 受賞受賞作: Wizard of the Crow
架空の独裁国家を舞台にした長篇で、政治風刺と魔術的リアリズムを融合させた叙事詩。庶民の視点や権力者の陰謀、魔術師を巡る寓話が絡み合い、植民地主義、言語、抵抗というテーマを壮大かつユーモラスに描き出す。
政治風刺魔術的リアリズムポストコロニアル寓話
パク・キョンニ文学賞
1回登壇
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第6回(2016年) 受賞受賞作: 麦の粒(A Grain of Wheat)
『A Grain of Wheat』は、ケニア独立前夜の村を舞台に裏切りと贖罪、共同体の記憶を描く群像的長編。植民地支配からの解放と個人の選択が交錯する物語で、アフリカ解放文学の重要作とされる。
独立前夜のケニアで、裏切りと贖罪が交差する。
272ページ植民地と解放裏切りと贖罪共同体歴史と記憶
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第6回(2018年) 大賞
作品
代表作
ウィープ・ノット・チャイルド (Weep Not, Child)
1964年 小説ケニアの村と植民地期の若者たちを描いた初期の長編。東アフリカ出身の作家による英語での初期重要作の一つとして評価される。
植民地主義教育と希望土地と帰属
翻訳
- 複数言語への翻訳あり
ザ・リバー・ビトウィーン (The River Between)
1965年 小説マウマウ運動を背景に、キリスト教と伝統宗教の対立や恋愛をめぐる物語。ケニアの学校教育で取り上げられたこともある作品。
宗教の衝突民族と伝統植民地主義の影響
ア・グレイン・オブ・ウィート (A Grain of Wheat)
1967年 小説(政治的/歴史的)ファノン主義的要素を取り入れ、独立前後のケニアの政治と人間関係を描く。著者の政治的立場が顕著になった作品。
独立闘争裏切りと赦し個人と共同体
ペタルズ・オブ・ブラッド (Petals of Blood)
1977年 小説(社会批評)ポスト植民地社会の腐敗や資本主義的開発がもたらす不正義を厳しく批判する作品。
腐敗と搾取社会的不正義開発と土地問題
カイターニ・ムタラバ・イニ(Caitaani Mutharaba-Ini / Devil on the Cross)
1980年 小説(ギクユ語で執筆)獄中でトイレットペーパーに書かれた小説として有名。母語での創作への転換を象徴する作品。
資本主義への風刺反抗と解放母語と表現
ムロギ・ワ・カゴゴ(Mũrogi wa Kagogo / Wizard of the Crow)
2006年 長編小説(魔術的リアリズム的要素)架空のアフリカ国家を舞台に、権力と腐敗、社会のあり方をユーモアと寓意を交えて描く長編。
権力の腐敗寓話とユーモア制度と個人
ザ・パーフェクト・ナイン(The Perfect Nine: The Epic of Gĩkũyũ and Mũmbi)
2020年 叙事詩(長詩・民話再解釈)ギクユの起源神話をフェミニスト的・汎アフリカ的視点で再解釈した叙事詩。母語で書かれ英語に作者自身が訳した。
神話の再解釈女性性と力文化と記憶
全著作
- Weep Not, Child(ウィープ・ノット・チャイルド), 1964
- The River Between(ザ・リバー・ビトウィーン), 1965
- A Grain of Wheat(ア・グレイン・オブ・ウィート), 1967
- Petals of Blood(ペタルズ・オブ・ブラッド), 1977
- Caitaani Mutharaba-Ini(Devil on the Cross), 1980
- Matigari ma Njiruungi(Matigari), 1986
- Mũrogi wa Kagogo(Wizard of the Crow), 2006
- The Perfect Nine(ザ・パーフェクト・ナイン), 2020
翻案
- Ngaahika Ndeenda(舞台):1977年に上演され、当局により6週間後に閉鎖
作家による翻訳
- ザ・パーフェクト・ナイン(ギクユ語→英語): 自身による英訳(2020年英訳版)
作品の翻訳
- 短編『The Upright Revolution』は100を超える言語に翻訳
作風・主題
- 文体
- 政治的で明確な社会批評寓話的・寓意的な表現口承文学的要素の復権
- 頻出モチーフ
- 植民地主義と脱植民地化土地と帰属言語とアイデンティティ
健康
-
前立腺癌1995(診断)1995年に診断され、短期間余命を告げられたが回復した。
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冠動脈バイパス手術(トリプルバイパス)2019頃2019年に手術を受け、その後腎機能低下に悩まされた。
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腎不全(透析療法)晩年(2019年以降)晩年に透析治療を受けていたと報じられ、2025年に死去。
評価・遺産
東アフリカを代表する小説家であり、アフリカ語による文学と脱植民地化運動を提唱した思想家。母語重視の運動と劇場実践、獄中での創作などを通じて現代アフリカ文学に大きな影響を残した。
関連学会
- アメリカ芸術科学アカデミー
- 王立文学協会(International Writer)
資料所蔵先
- Ngũgĩ wa Thiong'o Foundation(アーカイブ等)
- 個人公式サイトおよび関連大学の記録
大衆文化への影響
- 国際的な追悼と回顧記事、言語と脱植民地化の議論で頻繁に引用される存在
引用
-
言語を飢えさせ、殺すことは人々の記憶を飢えさせ、殺すことだ。
出典: 著作・講演等(『Something Torn and New』等での主張を反映) (2009年)
豆知識
- 『Devil on the Cross』は獄中でトイレットペーパーに書かれたことで有名。
- 1967年以降、英語での創作を止めギクユ語での創作と母語文学の擁護に転じた。
- 短編『The Upright Revolution』は100を超える言語に翻訳された。