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第11回(1967年) 受賞受賞作: Bring Larks and Heroes
歴史的な背景を持つ長編。共同体と権力、個人の倫理的葛藤を通じてオーストラリア社会の緊張を描く作品で、登場人物の抵抗と妥協が主題となっている。
歴史的な背景を持つ長編。共同体と権力、個人の倫理的葛藤を通じてオーストラリア社会の緊張を描く作品で、登場人物の抵抗と妥協が主題となっている。
247ページオーストラリアの生活歴史権力と抵抗共同体 -
第12回(1968年) 受賞受賞作: Three Cheers for the Paraclete
Thomas Keneally の初期長編。若い神父の信仰と反抗を軸に、カトリック教会の権威と世代間の緊張を、風刺と心理描写を交えて描く。
信仰の内部で、従順と反抗の境界が少しずつ崩れていく。
240ページカトリック教会神父信仰の危機権威風刺
トム・キーニーリー
トム・キーニーリー
Thomas Keneally
別名:
Tom Keneally / Thomas M. Keneally
ペンネーム:
バーナード・コイル(初期の短編発表時に使用した筆名),
ウィリアム・コイル(一部作品(特に米国出版)で使用した筆名)
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1935-10-07 (オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニー)
- 国籍
- オーストラリア人
- 言語
- 英語(主に執筆)
- 宗教
- カトリック
- 居住地歴
- ニューサウスウェールズ州ケンプシー(幼少期) → ニューサウスウェールズ州ホームバッシュ(成長期) → ニューサウスウェールズ州シドニー(出生地・居住)
経歴
- 職業
- 小説家, 劇作家, エッセイスト, 俳優, 教師, 大学講師
- 活動期間
- 1962年〜
- 所属
- オーストラリア・カウンシル(文学委員会), ナショナル・ブック・カウンシル(会長 1985–1989), Australian Republic Movement(設立会長 1991–1993)
- 所属団体
- Royal Society of Literature(フェロー), Australian Republic Movement(創設者・初代会長), Asylum Seekers Centre(アンバサダー)
- 影響を受けた人物
- 歴史的物語や人間喜劇の伝統(比較対象としてバルザックと評されることがある)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| セント・パトリックス・カレッジ(ストラスフィールド) | — | — | — | 〜1952 | オーストラリア |
| セント・パトリックス神学院(マンリー) | — | 神学課程(司祭志望) | — | 約1950年代(6年間在籍) | オーストラリア |
セント・パトリックス・カレッジ(ストラスフィールド)
期間:
〜1952
卒業年:
1952
国:
オーストラリア
中等教育(Leaving Certificate)で英語優等、奨学金を得た
セント・パトリックス神学院(マンリー)
神学課程(司祭志望)
期間:
約1950年代(6年間在籍)
国:
オーストラリア
助祭(ディーコン)までになったが、司祭任命は受けずに退学
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1982 | ブッカー賞 | シンドラーの箱(Schindler's Ark) | — | ブッカー賞選考委員会 | winner |
| 1967 | マイルズ・フランクリン賞 | Bring Larks and Heroes | — | Miles Franklin Award 運営 | winner |
| 1968 | マイルズ・フランクリン賞 | Three Cheers for the Paraclete | — | Miles Franklin Award 運営 | winner |
| 1972 | ブッカー賞(ショートリスト) | The Chant of Jimmie Blacksmith | — | ブッカー賞選考委員会 | shortlisted |
| 1975 | ブッカー賞(ショートリスト) | Gossip from the Forest | — | ブッカー賞選考委員会 | shortlisted |
| 1979 | ブッカー賞(ショートリスト) | Confederates | — | ブッカー賞選考委員会 | shortlisted |
| 2007 | ペギー・V・ヘルメリッヒ賞(Helmerich Award) | — | — | Helmerich 財団 | winner |
| 2008 | ニューサウスウェールズ州首相文学賞(スペシャル賞) | — | Special Award | ニューサウスウェールズ州政府 | winner |
| 1983 | オーストラリア勲章(Officer of the Order of Australia, AO) | — | — | オーストラリア勲章委員会 | conferred |
| 2022 | ARA Historical Novel Prize | Corporal Hitler's Pistol | — | Australian Recording Artists / ARA | winner |
| 1973 | ロイヤル・ソサエティ・オブ・リテラチュア(フェロー) | — | — | Royal Society of Literature | elected |
ブッカー賞
1982
対象作品:
シンドラーの箱(Schindler's Ark)
主催:
ブッカー賞選考委員会
結果:
winner
マイルズ・フランクリン賞
1967
対象作品:
Bring Larks and Heroes
主催:
Miles Franklin Award 運営
結果:
winner
マイルズ・フランクリン賞
1968
対象作品:
Three Cheers for the Paraclete
主催:
Miles Franklin Award 運営
結果:
winner
ブッカー賞(ショートリスト)
1972
対象作品:
The Chant of Jimmie Blacksmith
主催:
ブッカー賞選考委員会
結果:
shortlisted
ブッカー賞(ショートリスト)
1975
対象作品:
Gossip from the Forest
主催:
ブッカー賞選考委員会
結果:
shortlisted
ブッカー賞(ショートリスト)
1979
対象作品:
Confederates
主催:
ブッカー賞選考委員会
結果:
shortlisted
ペギー・V・ヘルメリッヒ賞(Helmerich Award)
2007
主催:
Helmerich 財団
結果:
winner
ニューサウスウェールズ州首相文学賞(スペシャル賞)
2008
部門:
Special Award
主催:
ニューサウスウェールズ州政府
結果:
winner
オーストラリア勲章(Officer of the Order of Australia, AO)
1983
主催:
オーストラリア勲章委員会
結果:
conferred
ARA Historical Novel Prize
2022
対象作品:
Corporal Hitler's Pistol
主催:
Australian Recording Artists / ARA
結果:
winner
ロイヤル・ソサエティ・オブ・リテラチュア(フェロー)
1973
主催:
Royal Society of Literature
結果:
elected
受賞・候補エディション
マイルズ・フランクリン文学賞
2回登壇
ブッカー賞
1回登壇
-
第14回(1982年) 受賞受賞作: Schindler's Ark
オスカー・シンドラーと彼の工場に集められたユダヤ人たちの実話を土台に、ナチ占領下ポーランドでの救済と危機を描く歴史小説。事実の重みと物語の推進力が強く結びついている。
戦時下の工場が、命を救う現場へと変わっていく。
ホロコースト戦争救済実話に基づく物語道義的選択
ロサンゼルス・タイムズ ブック賞
1回登壇
-
第4回(1983年) 受賞受賞作: Schindler's Ark
トマス・キニーリーの『Schindler's Ark』は、オスカー・シンドラーとユダヤ人救出の実話を軸にした歴史小説。
実話をもとに、勇気と偶然が人命を救う物語を描く。
ホロコースト歴史小説戦争道徳的勇気
ペギー・V・ヘルメリッチ顕彰作家賞
1回登壇
-
第23回(2007年) 受賞受賞作: シンドラーの方舟 (Schindler's Ark)
実業家オスカー・シンドラーがナチス占領下で多数のユダヤ人を救った実話を基に、戦時下の倫理と救済を描く歴史小説。人物の細やかな心理描写を通して暴力の記憶と人間の良心を問う作品。
ホロコースト救済と良心歴史と記憶実話に基づく
ARA歴史小説賞
1回登壇
-
第3回(2022年) 受賞受賞作: Corporal Hitler's Pistol
戦争の遺物を手掛かりに、暴力の記憶と個人の責任を問う歴史小説。遺物にまつわる出来事を起点に登場人物たちが過去と向き合い、戦争が残した痕跡とその世代間の影響を掘り下げる作品。
戦争記憶暴力歴史
作品
代表作
シンドラーの箱(Schindler's Ark)
1982年 歴史小説/ドキュメンタリー・フィクション 400ページ実在の実業家オスカー・シンドラーがホロコーストの最中にユダヤ人を救った実話を基にした小説。機会主義と利他主義の境界、善意の出現を描く。
ホロコースト道徳的曖昧さ救済歴史と記憶
映像化・舞台化
- [映画] シンドラーのリスト / Steven Spielberg (1993)
翻訳
- シンドラーのリスト(日本語訳)
ジミー・ブラックスミスの歌(The Chant of Jimmie Blacksmith)
1972年 社会小説/歴史フィクション 320ページ抑圧された先住民の男性が社会的・人種的差別の末に暴発する物語。実際の事件に着想を得た作品。
人種問題抑圧と反抗植民地社会
映像化・舞台化
- [映画] The Chant of Jimmie Blacksmith(映画) / Fred Schepisi (1978)
翻訳
- ジミー・ブラックスミスの歌(日本語訳)
Bring Larks and Heroes
1967年 歴史小説 280ページ不特定の英国流刑植民地を舞台にした物語で、コミュニティと権力関係を描く。
植民地権力と社会
全著作
- The Place at Whitton(1964)
- Bring Larks and Heroes(1967)
- The Chant of Jimmie Blacksmith(1972)
- Schindler's Ark(1982)
- Homebush Boy: A Memoir(1995)
- The Daughters of Mars(2012)
- Corporal Hitler's Pistol(2021)
- Fanatic Heart(2022)
翻案
- シンドラーのリスト(映画, 1993)
- The Chant of Jimmie Blacksmith(映画化, 1978)
作品の翻訳
- シンドラーのリスト(日本語版)
- ジミー・ブラックスミスの歌(日本語版)
作風・主題
- 文体
- 歴史資料を取り入れたフィクション化心理描写を重視する近代的文体多角的な語り
- 頻出モチーフ
- 道徳的曖昧さ宗教と信仰の葛藤戦争とその余波植民地社会の人間模様
評価・遺産
オーストラリアを代表する作家の一人であり、1982年に『シンドラーの箱』で初めてブッカー賞を受賞したオーストラリア人作家として国際的な評価を確立した。作品は歴史的事件を再構成し、道徳的複雑性を描くことで広く読まれている。トム・キーニーリー・センターなどを通じて研究・普及にも寄与している。
記念館・博物館
- トム・キーニーリー・センター(Sydney Mechanics' School of Arts) ニューサウスウェールズ州シドニー 2011年開館
関連学会
- Royal Society of Literature(フェロー)
資料所蔵先
- ニューサウスウェールズ州立図書館(Pfefferberg資料を所蔵)
大衆文化への影響
- スティーブン・スピルバーグ監督による映画『シンドラーのリスト』(1993)は世界的ヒットとなり、キーニーリーの作品を大衆文化に広めた。
引用
-
私は自分が帝国のコマンダーであるなどと呼ばれるのは哀れだと言った。
出典: インタビュー(参考記事) -
どこまでが機会主義でどこからが利他主義かを断定できないという点に惹かれた。最もあり得ない場所から善が生まれるという逆説が好きだ。
出典: インタビュー (2007年)
豆知識
- 1962年に短編をBernard Coyle名義で『The Bulletin』に発表した。
- 1964年までは“Mick(ミック)”という愛称で呼ばれていた。
- 1982年に『シンドラーの箱』でブッカー賞を受賞し、初めてのオーストラリア人ブッカー受賞者となった。
- 1973年にRoyal Society of Literatureのフェローに選出された。
- 1983年にオーストラリア勲章(AO)を受章した。
- 2010年にオーストラリア郵政が記念切手を発行した。
- 2011年にトム・キーニーリー・センターが開設された。
- アサイラム・シーカーズ・センターのアンバサダーを務める。