アメリカン・ブック・アワード あめりかんぶっくあわーど
第31回(2010年)
受賞者
17名アフリカ系アメリカ音楽と文化についてのエッセイを集め、歴史、批評、回想を横断する一冊。
音楽と文化をめぐる思考が、エッセイの連なりとして立ち上がる。
ナバホの伝承やサウンドと、都市の現実が交差する詩的な連作。
伝統と現代がぶつかり合う、イメージ豊かな詩集。
イタリア系移民がアメリカで言語をどう手放し、どう維持したかをたどる歴史研究。言語が民族的アイデンティティを形づくる過程を描く。
言語史から移民史を読み直す。
ハリケーン・カトリーナ後のニューオーリンズで、ある家族とその日常が崩れていく過程を追うノンフィクション。災害と制度の暴力が重なる。
災害の後に残るのは、水だけではない。
都市のスポーツ、移動、記憶を、詩と散文が入り混じるかたちで描くハイブリッド作品。日常の風景が異世界の気配を帯びる。
ボールを追う街の視線から、別の地図が見えてくる。
フレズノやロサンゼルス周辺のチカーノ文化を背景にした短編集。ユーモアと痛みが交差し、地域の声が生々しく立ち上がる。
土地の匂いがする短編が、都市の輪郭を描き出す。
カルトから生き延びた男が、奇妙な調査隊に加わっていく幻視的な長編。信仰、疑念、暴力が不穏なユーモアとともに絡み合う。
信じることの不確かさを、怪異の形で描き出す。
1928年に北カナダで語り下ろされたチペワイアン語の物語群を英語で伝える口承文学集。伝承と生活の細部が豊かに残る。
声で受け継がれた物語を、紙の上へ戻す。
ベトナム系アメリカ人の姉妹を中心に、家族、移民、自己像のずれを描く長編小説。穏やかだが切実な緊張が続く。
姉妹の距離が、やがて家族の物語になる。
アフリカ系ディアスポラとシュルレアリスムの関係をたどるアンソロジー。編集と批評の双方から、見えにくかった系譜を掘り起こす。
シュルレアリスムを、白人中心の物語から解き放つ。
アフリカとディアスポラのシュルレアリスム文献を集めたアンソロジーで、黒人シュルレアリスムの広がりを示す。
シュルレアリスムの系譜を、人種とディアスポラの観点から引き直す。
ロマン主義からポストロマン主義へ向かう詩と実験的表現を集めた大部のアンソロジー。
近代詩の周縁と中心を、広い射程で見渡す。
同じ大冊アンソロジーを、別の受賞者に紐づけた重複エントリ。内容は Jerome Rothenberg と Jeffrey C. Robinson の共編による第3巻。
同一書誌を共有する共受賞エントリ。
ハワイの土地、記憶、文化的な継承を軸に、女性の視点から詩を編んだ一冊。島で生きることの誇りと痛みが、静かな強さで響く。
島の記憶を、詩の声で手渡す。
愛、家族、政治、自然をめぐる詩を通して、女性の声を力強く押し出す詩集。率直さとイメージの豊かさが前面に出る。
やわらかさと鋭さをあわせ持つ、力のある詩集。