センター・フォー・フィクション ファースト・ノベル賞
せんたーふぉーふぃくしょん ふぁーすと のべるしょう
ニューヨークのCenter for Fictionが英語で書かれたデビュー長編小説に贈る年次文学賞。
- 創設年
- 2006
- 主催
- Center for Fiction(ニューヨークの非営利団体)
- カテゴリー
- 一般文芸・大衆小説
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- 新人
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 3月頃
- 発表時期
- 12月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Center for Fiction First Novel Prizeは2006年に創設された年次の文学賞で、英語で書かれたデビュー長編小説(first novels)を対象とする。出版社のノミネートを受け、Common Readers(図書館員、作家、センターのスタッフ・会員・友人など)によるロングリストの推薦を経て、著名なアメリカ作家からなる委員会がショートリスト(通常5~7作)を選出する。ファイナリストはFirst Novel Fêteで朗読に参加し、受賞作は通常12月の授賞イベントで発表される。受賞者には賞金$10,000、各ファイナリストには$1,000が贈られる。
賞品
- 主賞品
- 受賞者にUS$10,000、各ファイナリストにUS$1,000が贈られる。
- 賞金
- 10,000 USD
- 各ファイナリストにUS$1,000の賞金
- ファイナリストはFirst Novel Fêteでの朗読に招待される
- ショートリストは通常5~7作品
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 出版社ノミネート → Common Readersによるロングリスト作成(一次選考) | Common Readers(図書館員、作家、Center for Fictionのスタッフ・会員・友人などの読書コミュニティ) | null | Common Readersの推薦に基づきロングリストを作成し、次段階の委員会へ提出する。 |
| 選考委員会によるショートリスト選定(二次選考) | 著名なアメリカ作家からなる委員会 | null | ショートリストは通常遅い夏頃に公開発表される(通常5~7作品)。 |
| ファイナリスト朗読(First Novel Fête) | 選考委員会およびCenter for Fiction運営 | null | ファイナリストはFirst Novel Fêteで朗読に招待される(公開イベント)。 |
| 受賞作の最終発表(授賞式) | 選考委員会(最終選考) | null | 受賞作は通常12月の授賞イベントで発表される。 |
選考基準
- 文学的完成度(文体・表現の質)
- 物語構成とプロットの完成度
- 登場人物の深さ・描写
- 独創性・オリジナリティ
- デビュー作としての完成度・将来性
応募のヒント
推奨
- 出版社を通じて正式にノミネートしてもらう(出版社ノミネート制)
- 英語で書かれたデビュー長編小説であることを確認する
- 出版情報や必要な資料(刊行日、ISBN、校了版等)を整理しておく
- 作品の文体・声(voice)と独自性を明確にする
- ショートリスト発表時期(遅い夏)や授賞関連イベント(12月)に向けた広報・スケジュールを準備する
注意
- 出版社のノミネートを経ずに個人で直接応募しない(原則ノミネート制)
- デビュー作でない作品を応募しない
- 英語以外の言語で書かれた作品を応募しない(対象は英語作品)
- 不正確な出版情報や虚偽の申告をしない
審査員から
- 文章の“声(voice)”と文体の独自性は重要である
- 登場人物の深さや物語の一貫性を大切にすること
- 編集済みで読みやすい清書を提出すること(誤字脱字の少ない状態)
- 完成度とオリジナリティの両方を示す作品が評価されやすい
関連の賞
- John Sargent, Sr. First Novel Prize(2006–2011の旧称)
- Flaherty-Dunnan First Novel Prize(2011–2014の旧称)
- PEN/Hemingway Award(デビュー小説向け)
- List of American literary awards(アメリカの文学賞一覧)
公式情報
https://centerforfiction.org/grants-awards/the-first-novel-prize/過去の受賞者
作家。デビュー作『God Bless You, Otis Spunkmeyer』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した(主催発表に基づく)。
作家。デビュー作『We Are a Haunting』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した(出典は赤リンク)。
言語とアイデンティティの問題を掘り下げる長編。英語と母語の間で揺れる自己認識や家族関係、文化的摩擦と受容を繊細に描き、移民が抱える複雑さと帰属の感覚を問う作品。
作家。移民や言語、アイデンティティを主題にした作品で評価され、『If an Egyptian Cannot Speak English』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した。
ラテン系アメリカ人の家族を中心に、信仰や喪失、赦しを扱う物語。宗教的儀式や日常の細部を通して登場人物たちの抱える個人的な傷と癒し、世代間の断絶と再生を繊細に描写する。
アメリカの作家。短編・長編で評価され、『The Five Wounds』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した。
若い黒人女性エディーを主人公に、欲望や孤独、労働と創作の葛藤を鮮烈に描く作品。人間関係や親密さの危うさ、消費文化と身体性に切り込み、現代社会での居場所を問い直す。
アメリカの作家。デビュー作『Luster』で注目を集め、Center for Fiction First Novel Prizeを受賞した。
小さな町ウエストミルズを舞台に、家族の秘密と過去の出来事が世代を超えて残す影響を描く物語。複数の視点で人物の人生が重なり合い、罪と赦し、喪失と回復の過程が繊細に語られる。
アメリカの作家。デビュー作『In West Mills』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した。
オークランドを舞台に複数の先住民の視点を交差させる群像劇。都市における先住民のアイデンティティや歴史的トラウマ、断絶と連帯を描き、パウワウを契機に各人物の物語が収束していく。
アメリカの作家。先住民の都市生活を描いたデビュー作『There There』で高い評価を受け、本賞を受賞した。
作家。デビュー作『Mikhail and Margarita』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した(出典は赤リンク)。
20世紀初頭から現代に至る時間軸で、二つの家族の運命が交錯する大河的長編。人種差別、階級、暴力、移動と記憶をテーマに、個人の選択が世代に及ぼす影響と和解の可能性を描き出す。
アメリカの作家。長編『The Castle Cross the Magnet Carter』でCenter for Fiction First Novel Prizeを受賞した。
南ベトナムの将校でありながら共産側のスパイである語り手の視点で、戦争、亡命、二重性をブラックユーモアと鋭い批評意識をもって描く。国家と個人のアイデンティティを問い直す重要作。
ベトナム系アメリカ人の作家・学者。亡命体験や戦争の記憶を題材にした政治的な作品で国際的に高く評価されている。
米領ヴァージン諸島を舞台に、家族史と島の歴史、愛と喪失を描く叙事的作品。植民地主義や伝承、自然災害が人物の運命に影を落とす群像劇として構成される。
アメリカ領ヴァージン諸島出身の作家。島の歴史や家族の物語を叙情的に描く作風で知られる。
奴隷制時代のアメリカ南部を舞台に、女性たちの関係や身体、尊厳を通じて歴史的暴力とその継承を描く重厚な歴史小説。記憶と贖罪が主要な主題として扱われる。
アメリカの作家。歴史的テーマを扱う重厚な筆致で知られ、奴隷制やその余波を扱った本作で注目された。
イラク戦争帰還兵ビリー・リンとその小隊が、栄誉としてアメリカのスタジアムで披露される一幕を通じて、戦争の現実と英雄像のメディア化、帰還兵の心理的な断絶を辛辣に描く短く凝縮された小説。
アメリカの作家。風刺的な眼差しで戦争と社会を描き、本作で高い評価を受けた。
日常の境界が崩れる瞬間を通じて、人間同士の複雑なつながりや同情、孤独を描く静かな問題作。倫理と成長の境目を問いかける。
アメリカの作家。人間関係や倫理の微妙な揺らぎを繊細に描く作風で知られる。
ベトナム戦争における海兵隊の小隊を中心に、戦闘の苛烈さ、指揮の葛藤、兵士たちの心理的負担を生々しく描く長篇戦争小説。軍内部の制度的問題も浮き彫りにする。
アメリカの作家。本作はベトナム戦争の前線体験を克明に描いた戦争文学として高い評価を得た。
自然と人間の関係を背景に、過去の出来事が現在へ与える影響や記憶の在り方を静謐に描く物語。土地と家族、罪と贖罪が重層的に扱われる。
アメリカの作家。自然や地域の記憶を織り交ぜた叙情的な筆致で評価される。
孤児の若者が盗みや冒険を通じて自らの居場所を模索する物語。倫理観と再生を問うヒューマンドラマで、ユーモアと哀感が混在する語り口が特徴。
アメリカの作家。孤児や周縁にいる人物を温かみのある筆致で描き、本作で高い評価を得た。
ドミニカ系アメリカ人の青年オスカーとその家族史を通じて、呪い(いわゆる“フク”)や政治的暴力、移民としての苦悩を描く。ポップカルチャーや歴史の引用を多用した群像的な作品。
ドミニカ系アメリカ人の作家。家族史や移民体験を重層的に描く作風で知られ、本作で国際的な注目を集めた。
寄宿学校を舞台に、主人公ブルーが教師や友人との複雑な関係や家族の秘密、そして不可解な出来事の謎に迫る。豊富な文学的引用と推理的要素を織り交ぜた野心的な青春長編。
アメリカ出身の小説家。デビュー作『Special Topics in Calamity Physics』で注目を集め、文学的引用や探偵小説的要素を織り交ぜた作風で知られる。