第19回(2025年)
受賞者
8名アクロメガリーによって容姿が変わったハナディと、彼女を受け入れられない母のあいだに横たわる拒絶と愛着を描き、レバノンとパリをまたぐ逃避の感覚の中で、美しさの規範と自己像の揺らぎを見つめる小説。
容姿の変化が、家族の記憶と自己像を静かに崩していく。
姉ヒバの視点から、自閉症の弟ラジーの感じ方やふるまいを見つめ、学校や家庭で生じる誤解を通して、違いを理解するための想像力と共感の大切さを描くヤングアダルト小説。
姉の語りを通して、弟の世界が少しずつ輪郭を持ちはじめる。
近世東南アジアにおけるアラビア語文芸の広がりを、未研究の写本や知られざるテキストを手がかりに検討し、中東との知的交流、イスラーム、スーフィズム、そしてマレー文芸との関係を立体的に描く学術書。
写本の断片から、東南アジアに広がったアラビア語文化を読み直す。
アラビア語に翻案されたオロシウスの歴史書を、英訳と注解を通して読み直し、イスラーム世界における古典受容と、ラテン世界の歴史叙述がどのように再構成されたかを示す批判版・翻訳研究。
ラテン古典がアラビア語世界でどう生き直したかをたどる。
ウサーマ・イブン・ムンキズに帰される稀少な『 أخبار النساء 』を現代に読み直し、女性に関する伝承と記録を史料として再評価する、注解付きの校訂版。
失われかけた女性たちの記録を、校訂を通じて読み直す。
イスラーム法学と社会経験を踏まえながら、ムスリム女性の労働と財産形成への貢献をどう認めるかを問う論考。家族内の経済的公正をめぐる議論を、現代の文脈に引き寄せて整理する。
女性の働きが家族の財をどう支えるのかを、法と倫理から問い直す。
アラブ遺産における食とレトリックの関係を、詩やことわざ、物語を横断して読み解き、食卓や食の語彙が文化的な想像力と言語表現にどう結びついているかを示す文化批評。
食卓の言葉が、アラブ文化の記憶をどう編み上げてきたかを探る。