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ビクトリア州首相文学賞

びくとりあしゅうしゅしょうぶんがくしょう

オーストラリア・ビクトリア州が1975年に設立した主要な文学賞の一つ(1985年創設)。複数カテゴリの受賞者と総合賞を毎年選出する。

FictionNonfictionPoetryDramaWriting for Young AdultsChildren's literatureIndigenous WritingUnpublished ManuscriptPeople's Choice AwardJohn Clarke Prize for Humour Writing
創設年
1985
主催
Wheeler Centre(運営)、Victorian Government(主催)。1997年まではState Library of Victoriaが管理
カテゴリー
児童文学・童話・絵本
選考方式
公募
受賞対象
不問
開催頻度
年1回
発表時期
2月頃
賞のステータス
活動中

説明

Victorian Premier's Literary Awards(VPLAs)は1985年にビクトリア州政府によって創設され、現代の創作とオーストラリアの出版産業の認知度向上を目的とする。1997年にState Library of Victoriaが管理を引き継ぎ、2011年以降はWheeler Centreが運営を担っている。2011年の再編で主要カテゴリ(Fiction, Nonfiction, Poetry, Drama, Young People's)が設けられ、各カテゴリの受賞者にA$25,000が授与される。5部門の受賞者のうち1名がVictorian Prize for Literature(総合賞)に選ばれ、追加でA$100,000が授与される(総額A$125,000)。近年は児童文学賞(2022追加、出品は2023から受け付け)やJohn Clarke Prize for Humour Writing(2024追加)などカテゴリの拡張も行われている。

賞品

主賞品
各部門の受賞者はA$25,000。5部門の受賞者のうち1名がVictorian Prize for Literature(総合賞)に選ばれ、さらにA$100,000を受け取る(総合優勝の合計はA$125,000)。未発表原稿賞はA$15,000。児童文学賞はA$25,000。People's Choiceは読者投票による名誉賞。
賞金
125,000 AUD
  • Category winners: A$25,000 each
  • Unpublished Manuscript Award: A$15,000
  • Children's Literature Award: A$25,000 (added 2022; entries accepted 2023)
  • People's Choice Award: honorary, reader-voted
  • John Clarke Prize for Humour Writing: category added 2024

選考情報

選考プロセス

Submissions / Eligibility check
審査員 応募は出版社や著者から提出。事務局(Wheeler Centre等)による受付と適合性確認が行われる。
発表 適格性確認後、ショートリスト作成プロセスへ進む。
Shortlist (部門ごと)
審査員 各カテゴリごとに任命された審査員団がショートリストを選定する。
発表 各カテゴリのショートリストは該当カテゴリの記事や公式発表で公開される(ショートリストは各カテゴリのメイン記事で維持)。
Category winners
審査員 各カテゴリの審査員が最終選考を行い、各カテゴリの受賞作を決定する(受賞金 A$25,000)。
発表 カテゴリごとの受賞者が公式に発表される。
Overall Victorian Prize for Literature selection
審査員 5つの主要カテゴリの受賞者の中から総合賞受賞者を選出する(選考は同審査員団または特別パネルが行う場合あり)。
発表 総合賞受賞者は追加賞金A$100,000と共に公式発表される(総額A$125,000)。

選考基準

  • 文学的価値(文体・表現の質)
  • 独創性・新規性
  • 構成と物語・論旨の完成度
  • 研究・ノンフィクションの場合は調査の質と根拠
  • 作品の文化的・社会的意義およびオーストラリア文学への貢献

応募のヒント

推奨

  • 公式の募集要項・応募規定を最初に必ず確認する(応募資格・出版年の要件など)
  • 提出形式(ファイル形式、ページ設定、書式)に従う
  • マージン・ページ番号・行間など体裁を整え、校正を徹底する
  • 出版済み作品は出版情報を明記し、未発表作品は指定の要件に従って提出する
  • 締切を守る(事務局の受付日時が厳格な場合がある)

注意

  • 応募規定を無視して形式を崩したまま提出しない
  • 権利関係や著作権情報を不明瞭なまま応募しない
  • 必要な書類や説明を省略して送らない
  • 複数カテゴリに不適切に重複応募しない(規定を確認)

審査員から

  • 作品の原稿は完成度を高め、校正(タイプミスや整形)を必ず行うこと
  • 独創性と明確な視点を示すことが評価される
  • カテゴリごとの求められる要件(例えばYAや児童向けの対象年齢等)に合わせること
  • ノンフィクションは資料・出典の明示と調査の信頼性が重要

関連の賞

  • Vance Palmer Prize for Fiction (defunct / predecessor category)
  • Nettie Palmer Prize for Non-fiction (defunct / predecessor category)
  • Victorian Community History Awards
  • Wheeler Centre の他プログラム
  • 各部門別の主要賞(Victorian Premier's Prize for Fiction, Nonfiction, Poetry, Drama 等)

公式情報

https://www.wheelercentre.com/projects/victorian-premier-s-literary-awards

過去の受賞者

ワンダ・ギブソン わんだ・ぎぶそん 受賞
Three Dresses

児童向けの物語。幼少期に受け継がれる三着のドレスを手がかりに、家族、思い出、成長を視覚的に温かく描き出す作品。シンプルな語り口で子どもの感受性と喪失を伝える。

子ども家族成長記憶
作家

オーストラリアの作家。児童向けの物語を含む作品で家庭や記憶を描く表現で評価を得ている(ウィキページ未作成)。

グレース・イー ぐれーす・いー 受賞
Chinese Fish

詩集。移民としての記憶、家族史、言語や食にまつわるイメージを繊細に編み上げ、個人的断片と歴史的文脈を往還しながらアイデンティティや継承を問いかける。

移民経験アイデンティティ記憶家族
詩人・作家

詩人・作家。移民経験や文化的アイデンティティ、家族の記憶を主題とした詩作で注目される。

ジェシカ・オー じぇしか・おー 受賞
Cold Enough for Snow

母と娘の旅を通じて二人の関係性や記憶、感情の微妙なずれを静謐な筆致で描く長編。会話の余白や風景描写を通じて、喪失や疎外、愛情の形を繊細に浮かび上がらせる。

家族親子関係記憶海外旅行疎外
作家

オーストラリアの作家。繊細でミニマルな文体を用いた人物描写に定評があり、国際的にも評価されている。

ヴェロニカ・ゴーリー べろにか・ごーりー 受賞
Black and Blue: A Memoir of Racism and Resilience

元警察官としての経験と先住民としての日常を重ね合わせ、勤務中に直面した人種差別や暴力、そこからの回復と抵抗を綴る回想録。個人的証言と公的な制度批判を結びつけ、読者に制度的暴力の実態を突きつける作品。

人種差別先住民警察回顧録社会正義
作家

先住民出身の著者であり活動家。元警察官としての経験をもとに、制度的な人種差別やその影響を赤裸々に綴った回顧録で注目を集めた。

ローラ・ジーン・マッケイ ろーら・じーん・まっけい 受賞
The Animals in That Country

パンデミック後の世界で人間が動物の言葉を理解し始めるという奇妙な変化を背景に、他者性や共感、利用と倫理を問い直す長編。風刺的要素と温かなユーモアを織り交ぜつつ、種を超えたコミュニケーションの可能性と限界を描く。

ポストヒューマニズムパンデミック人間と動物の関係倫理コミュニケーション
作家

オーストラリアの作家。短編・小説を手がけ、『The Animals in That Country』で国際的な注目を集めた。人間と動物の関係やパンデミック後の社会性を題材にする。

S・シャクティダラン えす・しゃくてぃだらん 受賞
Counting and Cracking(カウンティング・アンド・クラッキング)

スリランカ出身の家族を中心に、多世代にわたる移民と内戦の記憶を扱う舞台劇。時間軸と語りを交錯させながら、アイデンティティ、家族の絆、離散と再生を壮大に描く叙事的作品。

移民家族史ディアスポラ民族紛争
劇作家・脚本家

多文化的背景を持つ劇作家で、移民やディアスポラを題材とした舞台作品で知られる。『Counting and Cracking』の共同受賞者の一人。

イーモン・フラック いーもん・ふらっく 受賞
Counting and Cracking(カウンティング・アンド・クラッキング)

スリランカ出身の家族を中心に、多世代にわたる移民と内戦の記憶を扱う舞台劇。時間軸と語りを交錯させながら、アイデンティティ、家族の絆、離散と再生を壮大に描く叙事的作品。

移民家族史ディアスポラ民族紛争
演出家・劇場ディレクター

オーストラリアの演出家。Belvoir劇場の芸術監督として知られ、作品の共同上演・制作に携わったことで『Counting and Cracking』の受賞に関与した。

ベフルーズ・ブーチャニ べふるーず・ぶーちゃに 受賞
No Friend But the Mountains(No Friend But the Mountains: Writing from Manus Prison)

マンヌス島の難民収容所での体験をもとに、拘禁と抑圧、抵抗と尊厳を記述したノンフィクション。収容所という極限状況での人間性と政治の問題を生々しく伝える重要な証言記録。

難民問題収容所人権抵抗
作家・ジャーナリスト

イラン(クルド)出身の作家・ジャーナリスト。マンヌス島の収容所からの書き手として国際的に注目され、難民の声を記録した著作で評価された。

サラ・クラズノスタイン さら・くらずのすたいん 受賞
The Trauma Cleaner(トラウマ・クリーナー)

トラウマ処理や遺品整理を仕事とするサンドラ・パンカハーストの半生を丹念に追ったノンフィクション。死や破壊の現場で働く仕事を通して、社会的少数者の苦悩と再生を繊細に描く。

伝記トラウマ再生社会的排除
作家・ジャーナリスト

ジャーナリスト出身の作家。実在の人物に寄り添うノンフィクションで社会の周縁にいる人々の人生を描き出す。

リア・パーセル りあ・ぱーせる 受賞
The Drover's Wife(ドローバーの妻)

ヘンリー・ローソンの古典を出発点に、先住民女性の視点から植民地期の暴力や差別、ジェンダー問題を再構築した戯曲。歴史の周縁に置かれた声を掘り起こす力強い作品。

植民地主義ジェンダー先住民の視点フェミニズム
作家・劇作家・俳優

先住民出身の作家・俳優・演出家。古典的作品の再解釈や先住民の視点を取り入れた創作で高い評価を得ている。

メアリー・アン・バトラー めありー・あん・ばとらー 受賞
Broken(ブロークン)

地方社会を舞台に、家族の崩壊と再生、罪と赦しを掘り下げる現代劇。緊張のある対話と心理描写を通して、暴力や救済、関係性の脆さを鮮明に描く作品。

家族トラウマ赦し現代劇
劇作家

オーストラリアの劇作家。現代の家族やコミュニティを題材にしたリアルな人物描写と対話で知られる。

アラン・アトキンソン あらん・あときんそん 受賞
The Europeans in Australia: Volume Three: Nation(ヨーロッパ人のオーストラリア 第3巻:Nation)

19世紀後半から20世紀初頭にかけてのオーストラリアの国家形成過程を、政治・経済・文化の諸相から精緻に分析する学術的歴史書。移民・植民地主義・国家意識の形成を主題とする長篇研究。

歴史国家形成植民地主義社会史
歴史家

オーストラリアの歴史学者。植民地期から現代にかけての社会変容を詳細な一次資料でたどる大著で知られる。

ジェニファー・メイデン じぇにふぁー・めいでん 受賞
Liquid Nitrogen(リキッド・ナイトロジェン)

政治、歴史、個人的記憶を横断する詩篇を集めた詩集。断片的なイメージと鮮烈な比喩を通して現代社会の矛盾や倫理的問題を掘り下げ、読者に強い印象を残す作品群。

政治記憶社会批評
詩人

オーストラリアの詩人。政治的・歴史的主題を詩の形式で扱う作品群で知られ、言語とイメージの鋭い運用が特徴。

該当なし
ビル・ギャマッジ びる・ぎゃまっじ 受賞
The Biggest Estate on Earth(世界で最大の領地)

オーストラリア先住民が長年にわたり行ってきた火入れや土地管理が、広範な生態系や風景の維持に重要な役割を果たしていたことを、歴史資料と環境史の視点から示す研究書。従来の景観観を再考させる内容。

先住民の土地管理環境史生態学植民地主義
歴史家

オーストラリアの歴史家。先住民の土地管理と火を用いた景観形成に関する研究で知られ、オーストラリア史・環境史への貢献が評価された。

キム・スコット きむ・すこっと 受賞
That Deadman Dance(ザット・デッドマン・ダンス)

19世紀初頭の西オーストラリア・アルバニーを舞台に、Noongarの青年とヨーロッパ移民との出会いや文化衝突を通じて、植民地化が地域社会にもたらした変化や複雑な人間関係を繊細に描いた歴史小説。

先住民の視点植民地主義文化衝突歴史小説
作家

オーストラリア先住民(Noongar)出身の作家。歴史と先住民文化の交錯を主題とする作品で知られ、『That Deadman Dance』で高い評価を得た。