ワールド・ファンタジー賞
わーるどふぁんたじーしょう
World Fantasy Convention が前年刊行のファンタジー作品に毎年授与する国際文学賞。
- 創設年
- 1975
- 主催
- World Fantasy Convention(World Fantasy Convention Board / World Fantasy Awards Administration)
- カテゴリー
- ジャンル小説
- 選考方式
- 投票
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 6月頃
- 発表時期
- 10月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
World Fantasy Awardsは1975年に創設され、前年に刊行されたファンタジー作品や現役のファンタジー関係プロフェッショナルを対象に毎年授与される賞です。ノミネートはConvention出席者の投票で決まる上位2候補と、選考委員(通常5名)が追加する候補により確定し、選考委員の投票で各カテゴリの受賞者が決まります。長年にわたりカテゴリ構成に変化はあるものの、現在は複数の書き物部門、アーティスト部門、個人の業績を称える特別部門が含まれます。トロフィーは2015年までH. P. Lovecraftの胸像が用いられましたが、批判を受けて廃止され、以降はVincent Villafranca氏がデザインした木と満月を描く新スタチュエットが用いられています。
賞品
- 主賞品
- トロフィー(スタチュエット)。2015年まではH. P. Lovecraftの胸像、以降は木と満月を描いた新しいスタチュエットが授与される。
- 受賞による業界での認知・名誉
- 受賞者リストへの掲載
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 出席者投票(予備ノミネーション) | 現行および過去2回のWorld Fantasy Convention出席者(投票者) | — | 6月に投票用バレットが公開され、最多票の上位2候補が選出される |
| 選考委員による追加ノミネーションと最終投票 | 通常5名で構成される選考委員(主にファンタジー作家や関係者) | — | 選考委員が3件以上の候補を追加し、委員の投票で各カテゴリの受賞者を決定。最終結果はWorld Fantasy Convention(例年10月末頃)で発表される |
| ライフ・アチーブメント賞/コンベンション賞の選出 | ライフ・アチーブメントは選考委員が決定、コンベンション賞は主催側(Convention主催者)が決定 | — | これらの部門は通常ノミネートを公表せず、他部門のノミネート発表に併せて受賞者が発表される |
選考基準
- 対象作品は原則として前年度に出版されたファンタジー作品であること
- プロフェッショナル部門の対象者は存命であること
- ジャンル(ファンタジー)とみなすかはノミネーターおよび選考委員の裁量による
- カテゴリごとの語数基準(例:Novel=40,000語以上、Novella=10,000〜40,000語、Short Fiction=10,000語未満)
応募のヒント
推奨
- 対象作品が前年度に出版されたものであることを確認する
- 応募(ノミネート)に関してはWorld Fantasy Conventionの出席・投票が関係するため、関係者/参加者としての手続きを確認する
- カテゴリの語数基準や対象範囲(単著コレクション/アンソロジー等)を確認して正しい部門でエントリーされるようにする
- 作品情報(出版日、出版社、著者名など)を正確に用意する
- 編集者やアンソロジーの場合、寄稿者表記や権利関係を整えておく
注意
- 前年以外の出版物を対象として申請・期待しない
- ノミネーションの仕組みを誤解して、単に販売成績だけで受賞を期待しない
- グラフィックノベルを誤ったカテゴリ(例:短編)にそのまま当てはめること(カテゴリ適合性を確認する)
- 差別的・人種差別的と受け取られる表現を軽視する
審査員から
- 審査員は作品の独創性、物語力、文体・表現の質を重視する傾向がある
- ジャンル判定は委員の裁量に委ねられるため、作品がファンタジーとして明確に識別できる形で提示すること
- 出版情報やクレジットを明確に提示すると審査時の確認がスムーズになる
関連の賞
- Hugo Award
- Nebula Award
- Locus Award
- Mythopoeic Awards
- Crawford Award
- British Fantasy Award
- Japan Fantasy Novel Award
- Gandalf Award
公式情報
http://www.worldfantasy.org/過去の受賞者
巨大な帝国と不穏な生態系が同居する世界で、癖のある捜査官と助手が殺人事件の真相を追うファンタジー・ミステリ。
魔法と捜査が交差する、奇妙で鋭いファンタジー。
暗殺者養成学校にいる見習いと、好奇心旺盛な言語学者が物語を交わしながら復讐と理解のあいだを探る、Birdverse 連作の中篇。
語り合うことそのものが、復讐と再生の入口になる。
『Heartwood』アンソロジーに収録された短編で、Robert Holdstock の Mythago Wood 世界へのオマージュとして読まれる作品。
伝承と想像力の系譜に連なる、アンソロジー収録の短編。
Robert Holdstock の Mythago Wood を記念し、その森の世界を別の作家たちが書き継ぐアンソロジー。
名作ファンタジーの世界を新たな作家陣が再訪する。
幽霊や不穏な気配、身体の変容をめぐる物語を集めた短編集で、日常の裏に潜む恐怖を鋭く描く。
日常に潜む怪異を、残酷で鮮やかな筆致で切り出す。
フィリピンのスペキュレイティブ・フィクションの歴史と実践をたどる、エッセイ集兼ソースブック。
フィリピン SFF の地図を描き直すための一冊。
独立系ホラー出版社として、現代と古典の weird fiction を幅広く刊行してきた出版社への特別賞。
本そのものではなく、編集と刊行の仕事に向けられた評価。
Ace Books と Roc Books の編集長として、長年にわたりファンタジーと SF の出版を支えた Ginjer Buchanan への生涯功労賞。
編集者としてジャンルの土台を支えた功績に向けられた賞。
英国の出版社 Jo Fletcher Books を率い、ホラー、ファンタジー、SF の出版に長く携わってきた Jo Fletcher への生涯功労賞。
編集者、出版社、批評家としての長年の仕事をたたえる。
1950年代フロリダの改革学校を舞台に、幽霊を見る力を持つ少年が人種差別と暴力の恐怖に向き合う長編。
幽霊が見える少年の視点から、南部の暴力史を掘り下げる。
『Spin a Black Yarn』に収録された中篇で、家の中に潜む気配と家族の記憶が重なり合う怪異譚。
家の怪異が、家族の過去と結びついていく。
『New Suns 2』に収録された短編で、王の衣装を仕立てる職人が、侵略と生存のはざまで静かに抵抗する物語。
仕立ての仕事を通じて、支配に対する静かな抵抗を描く。
世界中の新作ウィッチ・ストーリーを集めたアンソロジーで、民話、ホラー、幻想譚の幅を横断する。
魔女というモチーフを、現代の多様な作家が再解釈する。
不可能な状況に置かれた人間たちの関係性を軸に、宇宙的な不穏さと温かさを同時に立ち上げる短編集。
怖さと人間味が共存する、鋭いデビュー短編集。
ファンタジー・イラストレーションとペインティングを手がける Audrey Benjaminsen の活動への評価。
作品そのものではなく、幻想的なビジュアル表現への賞。
Locus Magazine は、SF・ファンタジー・ホラー出版界の動向を扱う月刊誌として長く機能してきた。
書評、ニュース、インタビュー、受賞情報を束ねる業界誌。
オンラインの SF/F 雑誌として、物語、詩、エッセイ、ポッドキャスト、アートを掲載する Uncanny Magazine への特別賞。
作品単体ではなく、マガジン全体の継続的な編集力が評価された。
死者を操る力を持つ少女が、家族の借金と政治の混乱に巻き込まれていく、黒いユーモアを含んだファンタジー長編。
死と家族と政治が絡み合う、奇想に満ちた成長物語。
ペルセポネ神話を下敷きに、気候変動と家族の破綻を重ねて描く中篇。
神話の再解釈に、終末感と家族の痛みを重ねる。
『Other Terrors』に収録された怪異譚で、閉ざされた場所での不穏な出来事を軸にした短編として評価された。
隔離された空間で高まる不穏さが核になる短編。
アフリカとアフリカ系ディアスポラの SF・ファンタジーを32編集めたアンソロジー。
多様な語り手で、アフリカ系スペキュレイティブ・フィクションの現在地を示す。
アフリカとアフリカ系ディアスポラの SF・ファンタジーを32編集めたアンソロジー。
多様な語り手で、アフリカ系スペキュレイティブ・フィクションの現在地を示す。
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多様な語り手で、アフリカ系スペキュレイティブ・フィクションの現在地を示す。
都市怪談から終末世界まで、さまざまな恐怖を集めた短編集。
眠れなくなるような悪夢を次々と並べた、濃密なホラー集。
テキスト、音楽、絵を組み合わせて、ある少年の精神疾患体験を寓話として描く多媒体作品。
絵本、音楽、寓話を横断する、感覚的な一冊。
独立系の weird fiction / horror 出版社として、作品群全体と編集方針が評価された。
作品単体ではなく、出版社の仕事全体への賞。
『サンドマン』第19号に収録された短編で、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』の上演を、妖精王オーベロンとティターニアたちが自分たちの物語として見つめ直す。古典劇の舞台裏を幻想世界から描き返し、創作と現実の境界を静かに揺らす作品。
妖精たちが舞台上の物語をのぞき込み、演劇そのものを幻想の鏡として映し返す。
イギリス出身の作家。コミック『サンドマン』や小説『American Gods』『Neverwhere』などで知られ、ファンタジーと神話を取り入れた作品が評価されている。短編や脚本でも活躍する多作の作家。
Stephen Jones と Ramsey Campbell が始めた年刊アンソロジーの第1巻で、その年のホラーとダークファンタジーを幅広く集めた見本市のような一冊。選りすぐりの短編群を通して、当時のジャンルの勢いと変化を映し出す。
その年の最良のホラー短編を集め、ジャンルの輪郭を一冊で見せる年刊アンソロジー。
イギリスの編集者。ホラーやダークファンタジーのアンソロジー編集で知られ、シリーズ『Best New Horror』などを手掛ける。1991年のWorld Fantasy Award(アンソロジー部門)受賞により国際的な評価を高めた。