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ハリケーンの季節

ナショナル・ブック賞(翻訳文学)

ハリケーンの季節

Fernanda Melchor

メキシコ湾岸の架空の村ラ・マトサで、〈魔女〉と呼ばれる女性の死体が用水路から見つかる。噂、貧困、暴力、ミソジニーが渦を巻く村で、複数の語りが殺人の周辺にいた人びとの孤独と加害の連鎖を浮かび上がらせる長篇小説。

メキシコ暴力貧困ミソジニー地方共同体

作品情報

〈魔女〉の死をめぐる噂が、村に沈んでいた暴力の根をあらわにしていく。

『ハリケーンの季節』は、フェルナンダ・メルチョールがスペイン語で発表した長篇小説『Temporada de huracanes』の英訳作で、ソフィー・ヒューズが翻訳を手がけた。物語は、村で恐れられ頼られていた〈魔女〉の死から始まり、目撃者、若者、売春宿の関係者、逃げてきた少女らの語りを通じて、現代メキシコの地方に根を張る暴力と絶望を描く。日本語版は宇野和美訳で早川書房から刊行されており、NDL と版元系書誌で単行本として確認した。Amazon JP は ISBN-10 直リンクを確認したが HTTP 503 のため本文取得はできず、日本紙書籍のため ASIN は確認済み ISBN-10 と同一として補完した。

レビュー要約

  • 日本語書評では、ラテンアメリカ文学の伝統を受け継ぎながら新しい声で語り直した作品として評価されている。過酷な性と暴力の描写を含みつつ、人間の生を規定する力への洞察が読後に残ると受け止められている。

  • 英語圏の批評では、絶え間ない散文の推進力、ゴシックな閉塞感、噂を通じて真実へ近づく構成が注目されている。暴力、階級、性をめぐる不合理な力を扱う小説として、技法と社会的視野の両面で強く読まれている。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
2023-12-20
ページ数
248ページ
言語
日本語
サイズ
13.7 x 2.2 x 19.4 cm
ISBN-13
9784152102904
ISBN-10
415210290X
価格
3410 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/スペイン文学

とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。彼女を殺したのは一体誰か--。暴力と貧困がはびこる現代メキシコの田舎を舞台に狂気と悲哀を描き、名だたる文学賞候補となった西語圏文壇新星による傑作長篇

レビュー

  • NYT年ベス!

    暴力的で残酷。 ラテンアメリカ、まさにメキシコで実際にありそうなくらいリアリティがあり、生々しく感じた。 読みにくいみたいなレビューもあったけど、対話や段落のない独自のスタイルで書いているところが素晴らしいし、評価できる。 しかも新鋭。 メキシコ作家凄いな、バレリア・ルイセリの俺の歯の話とか、 ダニエル・サルダナ・パリのRamificationsとか若い人が書いてるんだよね。 まぁ感性が豊かになるくらい怖い要素とノリの良さがたっぷり詰まった国ではあるけどさ。

  • 買いです。

    久しぶりにラテンアメリカの作品を読んだせいか、その猥雑さといいますか、身もふたもない残虐さといいますか、逆にこれを読み慣れてしまったらそれはそれで大切な何かが麻痺してしまいそうな、そんな後味の悪さが読後に残りました。とはいえ、地の文と会話文、時制をないまぜにした改行なしの語り口には中毒性がありますし、登場人物のそれぞれの視点から進められる物語には謎解きの要素もまぶされているので、好悪を超えてそこに引き込まれます。ただ、繰り返しになりますが、不意にと細密な描写によって生々しすぎる場面に出くわすことが多く、マジックリアリズムだからという糖衣にくるんで飲み込まないと心を火傷しそうです。 ずいぶん前に読んだ「2666」をなぜか思い出しました。

  • 日本もこうなるかも、と感じた小説

    メキシコの田舎で起こった殺人事件。殺された女の周囲の人たちの行動、回想、人間関係などを追っている。登場人物は、すべてロクデナシ。薬物中毒、売春婦、義理の娘とセックスする男、妊娠した少女、偶然見た獣姦のビデオが忘れられない少年、友人のものを舐めたい少年、などが登場人物だ。 外国の田舎町の話だが、日本もこうなるかもしれないと気づいた。出てくる人たちの日常は、日本人である自分と違わない。酒を飲む、車に乗る、携帯を使う、ゲームをする、、、、同じことをしている。

  • メキシコ版『罪と罰』

    読みにくい人は、第6章から読み始めても十分楽しめます。

  • 原作も翻訳も力作

    読み進めるうちに少しずつ小説の構成がわかってくる仕組み。 一読したときは途中で「あれ、私同じところを読んでる!? デジャブ??_」と自信がなくなったりしたのですが・・・ネタバレになるのでこれ以上は書きません。 驚きに満ちたストーリー、残酷で救いのない結末、とても美しい小説です。

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