バート賞(ファースト・ネイションズ、イヌイット、メティス文学)
ばーとしょう
カナダの先住民作家によるヤングアダルト(YA)文学を対象とした年次文学賞。
- 創設年
- 2012
- 主催
- Canadian Organization for Development through Education (CODE)、運営: Canada Council for the Arts(他にAssembly of First Nations、Métis National Council、Inuit Tapiriit Kanatami、National Association of Friendship Centres、Association of Canadian Publishersなどが関与)
- カテゴリー
- 児童文学・童話・絵本
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 10〜11月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Burt Award for First Nations, Inuit and Métis Literature(バート賞)は、カナダの先住民(First Nations、Inuit、Métis)作家によるヤングアダルト文学の優れた作品に贈られる年次賞。スポンサーはCanadian Organization for Development through Education(CODE)と慈善家William Burt、運営はCanada Councilであり、複数の先住民団体や出版社団体が関与する。2012年に発表され、2013年に初回授与。第1位は$12,000、第2位は$8,000、第3位は$5,000が支払われるほか、CODEが受賞作品を各2,500部購入して先住民コミュニティの図書館・学校・センターへ配布する。2019年以降は先住民言語部門の導入などの拡張も行われている。
賞品
- 主賞品
- 第1位 $12,000(第2位 $8,000、第3位 $5,000)。受賞作品はCODEが各タイトル2,500部を購入して先住民コミュニティへ配布。
- 賞金
- 12,000 CAD
- 2位: $8,000
- 3位: $5,000
- CODEが各受賞タイトルを2,500部購入して先住民コミュニティ図書館・学校・センターへ配布
- 2019年以降、先住民言語部門が追加されるなど部門拡張(例: 先住民言語部門に$6,000の設定が報じられた例あり)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 応募/ノミネーション | — | 応募やノミネーションの受付は年度により公表。詳細は公式案内を参照。 | |
| 審査(審査員団による選考) | 年度ごとに選ばれる審査員団(詳細は公式発表) | — | — |
| 受賞者決定と発表 | — | 公式サイトおよびプレスリリース、メディアで発表。 |
選考基準
- ヤングアダルト読者向けとしての文学的優秀性
- 先住民(First Nations、Inuit、Métis)出身の作家による作品であること
- カナダで出版され、流通していること
- 文化的意義や読者への影響力
関連の賞
- First Nations literary awards(各種先住民文学賞)
- Young adult literature awards(ヤングアダルト文学賞)
- Indigenous Voices Awards(インディジェナス・ボイス賞)
公式情報
http://www.codecan.org/burt-award-canada過去の受賞者
詩的・散文的テキストを基にした作品の先住民言語訳や言語表現の試み。身体性、差別、アイデンティティに関するテーマを詩的に扱い、翻訳を通じた言語復興や文化的意義が評価される。
Shane Koyczanはカナダの詩人/パフォーマーであり、口頭詩や社会的テーマを扱う作品で知られる。ここでは先住民言語への翻訳等を通じた言語文化的取り組みが評価された。
『Those Who Run in the Sky』のイヌクティトゥット語翻訳版。伝承や冒険を若い読者に届けると同時に、先住民言語での文学作品供給と文化継承の促進を目的とする。
Aviaq Johnstonはイヌイットの作家で、Blandina Tulugarjukはイヌクティトゥット(Inuktitut)訳を手がける翻訳者。言語版の出版を通じて伝承と若者文学の接続を図る。
挿画と翻訳を含む二部構成の刊行物(あるいは二題を併録した作品)。先住民の語りや歴史的主題を視覚・言語両面で提示し、翻訳によるアクセス拡大と文化記録の双方を目指す。
作家、イラストレーター、翻訳者の協同による刊行物。挿絵と翻訳を伴って先住民の物語や歴史を多言語で提示する試み。
集合住宅“Moccasin Square Gardens”を舞台に、住人たちの日常や人間関係を通してコミュニティ、連帯、喪失、ユーモアと悲哀を織り交ぜて描く短編集または連作集的作品。先住民の生活感を繊細に表現する。
先住民コミュニティを題材に短編・長編・児童書など幅広く手がける作家。日常の風景とコミュニティの力を描く作品に定評がある。
若者向けのミステリー/サスペンス要素を含む作品で、失踪や過去の事件を巡る展開を通じて真実や癒しを探る。コミュニティと個人の関係に焦点を当てる。
イヌイットの伝承や神話を下敷きにしたファンタジー。深海や海に関わる神秘的な要素を通じて、家族やルーツ、勇気を描く若者向けの物語。
イヌイットの作家。児童文学やYA向け作品で北極の伝承や文化を題材に作品を発表している。
近未来のディストピアを舞台に、人々が夢を失った世界で先住民の骨髄が夢を取り戻す力を持つとされ狙われるという設定の長編。文化、記憶、サバイバル、共同体の再生を描くYA向け小説。
メティス系カナダ人作家。ディストピア小説『The Marrow Thieves』で広く知られ、文化と記憶を主題にした作品を発表している。
若者の喪失と自己発見を描く物語。家族やコミュニティの問題、性的指向や精神的苦闘といったテーマを扱い、再生と希望を模索するヒューマンドラマ的要素が強い作品。
先住民をテーマにした映画や脚本を手がける監督・脚本家。若者の葛藤や家族の物語を描く作品で知られる。
和解を主題にした二編のノヴェラを収録。異なる登場人物と状況を通して和解の課題、文化的回復、個人と共同体の再生を探る構成の作品集。
共同による短編集・ノヴェラ集で和解をテーマにした作品を収める。複数の視点から文化的回復や個人の物語を描く。
ウィニペグ北部を舞台に、ある暴力事件を軸として交錯する複数の女性たちの視点を通して家族、暴力、癒し、コミュニティの力を描く長編。繊細な人物描写と社会的洞察が特徴。
メティス系のカナダ人作家。詩や小説を通じて先住民女性の経験やコミュニティの声を描くことで知られる。
イヌイットの伝承を下敷きにしたYA向けファンタジー。若い主人公が伝承的な試練や冒険を通じて自己と共同体のつながりを発見していく物語。
イヌイットの作家。児童文学やYA向けの物語で北極の伝承や文化を題材にする作品を発表している。
グラフィックノベル。暴力や犯罪の連鎖(
Patti LaBoucane-Bensonは作家、Kelly Mellingsはイラストレーター/アーティスト。グラフィックノベルを通して先住民の若者の体験と癒しを描く。
寄宿学校での教育と虐待の体験を綴る回想録。個人の記憶を通して制度的同化の実態とその影響、コミュニティの回復の過程を描く。
寄宿学校を生き延びた当事者の証言を共同執筆でまとめた作品。個人史と制度の記録を通じて歴史的真実を伝える。
北極を舞台にイヌイットの伝承や民間信仰を織り交ぜたYA向けファンタジー。魔法的要素と冒険を通じて文化継承、アイデンティティ、自然との関係を描き出す物語。
イヌイットの伝承や北極地域の文化を作品に取り入れる共著の作家ペア。神話や民話を現代のYA読者向けに再構築する作品で知られる。
先住民コミュニティの中で繰り広げられる人間ドラマを通して、喪失、暴力、希望を描く小説。登場人物の内面に迫りながら社会的・歴史的背景を掘り下げる。
先住民コミュニティを舞台にした物語で知られる作家。家族や地域社会の課題を題材にした作品を発表している。
若者向けの物語で、自己や過去と向き合う旅を描く作品。アートやコミュニティを通じた癒しと成長がテーマになっている。
作家でありアーティストでもある。先住民の視点を取り入れた作品とビジュアルアートで知られる。
幼い少女ティリーの視点で、困難や喪失を乗り越えながら希望と回復を見出す物語。家族の絆やコミュニティの支え、文化的つながりを重視した児童・YA向けの作品。
児童文学やヤングアダルト向けの作品で家族や癒し、文化継承を描くカナダの先住民作家。
北米先住民の歴史とその表象を批評的かつユーモラスに概観するノンフィクション。植民地主義、条約、文化的誤解を鋭く指摘し、現代における先住民と社会の関係を問い直す。
カナダの著名な作家で、ユーモアと批判精神を交えて先住民の歴史や文化を描くことで知られる。
著者自身の寄宿学校での体験を綴った回想録。制度的同化と虐待の実態を告発しつつ、個人とコミュニティの回復の過程を描く重要な証言記録。
寄宿学校での体験を綴った回想録で知られる先住民の著者。歴史的事実の記録と証言に貢献している。
先住民の少年ソール・インディアンホースを主人公に、寄宿学校での虐待や差別、家族の喪失を経ながらアイスホッケーを通して自己と文化を再発見していく長編。世代を越えたトラウマと癒し、アイデンティティ回復が主要テーマ。
カナダの先住民作家。小説やノンフィクションで先住民の経験、トラウマ、癒しを描き、『Indian Horse』などで知られる。
著者自身の回想録。幼少期や養育制度、家族との断絶とその影響、そこからの回復を率直に綴り、カナダにおける同化政策や社会的課題を照らし出す作品。
先住民出身の著者。自身の経験を基にした回想録で知られ、制度による分離や家庭の喪失と回復を描く。
北米先住民の歴史と経験を取り上げ、条約や関係性、植民地主義の影響を考察するノンフィクション。個人的証言と歴史的文脈を織り交ぜて先住民の立場を浮かび上がらせる。
カナダの外交官であり作家。先住民の歴史や文化を題材にした作品や若者向けの著作でも知られる。