ドリュー・ハインツ文学賞
どりゅー・はいんつ ぶんがくしょう
University of Pittsburgh Press が主催する英語の短編小説に対する文学賞(1981年創設)。2027年受賞分より賞金が25,000ドルに増額され、デジタル・オンライン専門誌掲載作や英語訳作品も応募対象となった。
- Established
- 1981
- Organizer
- University of Pittsburgh Press
- Category
- General Fiction and Popular Fiction
- Selection Method
- 公募
- Target
- Open
- Frequency
- 1 per year
- Application Deadline
- around July
- Announcement Period
- around January
- Status
- Active
Description
ドリュー・ハインツ文学賞(Drue Heinz Literature Prize)は、University of Pittsburgh Press(ピッツバーグ大学出版)による英語の短編小説を対象とした文学賞。1981年にDrue Heinz によって創設され、Frederick A. Hetzel により発展した。応募資格は、書籍としての短編集を出版しているか、または商業誌・文学誌・評判の高いデジタル/オンライン専門誌に短編・ノヴェラを少なくとも3作発表していること(2027年受賞分より)。また英語訳原稿も初めて対象となった。原稿は著名な作家による匿名審査で選考される。過去の審査員には Ann Patchett、Richard Russo、Joyce Carol Oates、Raymond Carver、Margaret Atwood、Michael Chabon、Joan Didion、Quan Barry らが名を連ねる。2027年受賞分から賞金は25,000ドルとなり(従来は15,000ドル)、University of Pittsburgh Press からの刊行および世界的プロモーションのサポートが与えられる。受賞者は毎年1〜2月に発表される。
Prize
- Main Prize
- $15,000(現金)およびUniversity of Pittsburgh Pressによる出版
- Cash Prize
- 15,000 USD
- University of Pittsburgh Pressによる出版
Selection
Selection Process
| Stage | Judges | Pass Rate | Announcement |
|---|---|---|---|
| 応募受付 | University of Pittsburgh Press(事務局が受付) | — | 応募は主催の指定する方法で受け付けられる(詳細は公式サイト参照)。 |
| 匿名審査 | 著名な作家による匿名審査(過去の審査員例: Robert Penn Warren, Joyce Carol Oates, Raymond Carver, Margaret Atwood, Michael Chabon, Richard Ford 等) | — | 選考結果はUniversity of Pittsburgh Pressのプレスリリースとウェブサイトで発表される。 |
| 最終選考・受賞決定 | 最終選考委員(前述の著名作家等) | — | 受賞作は刊行され、受賞者に賞金が授与される。受賞者発表は毎年2月。 |
Criteria
- 短編作品としての完成度・文学性(文体、構成、人物描写など)
- 独創性・語りの力
- 出版に値する完成度(刊行可能性)
- 応募資格(短編集の出版歴、または商業誌/文学誌で短編3編以上の発表)の充足
Application Tips
Dos
- 応募資格(短編集出版歴、または商業誌/文学誌での短編3編以上の発表)を事前に確認する
- 原稿は完成度を高め、入念に校正する
- 匿名審査であるため、原稿やファイル名に個人を特定する情報を含めない
- 応募要項(フォーマット、提出方法、締切等)に厳密に従う
Don''ts
- 未完成・校正不足の原稿を提出しない
- 原稿に著者名や所属などの識別情報を記載しない(匿名審査の妨げになる)
- 応募資格を満たしていないのに応募する
From Judges
- 審査では作品の完成度、独創性、文体の力が重視される
- 短編は限られた分量で印象を残す構成と登場人物描写が求められる
- 刊行可能な一貫した声(voice)と品質を示すことが重要
Related Awards
- Flannery O'Connor Award for Short Fiction
- O. Henry Prize
- The Story Prize
- PEN/Robert W. Bingham Prize
Official Resources
https://upittpress.org/prize/drue-heinz-literature-prize/Past Winners
『Obligations to the Wounded』は、ザンビアの女性たちの生活と傷を中心に描く短編集です。移民や歴史的・社会的圧力、家族の記憶と回復、責任の問題を通じて、個人と共同体の結びつきやトラウマの継承を繊細に掘り下げます。
ザンビア出身の作家。女性の経験や移民、世代間に引き継がれるトラウマを主題に据えた作品で知られ、2024年に短編集『Obligations to the Wounded』でDrue Heinz Literature Prizeを受賞した。
『Small in Real Life』は、ハリウッドや映画産業を背景にした短編を集めた作品集です。華やかさの裏側にある挫折や欲望、名声と孤独を通じて、現実と虚構の境界に立つ人物たちの倫理的葛藤と内面を鋭く描きます。
アメリカの作家。カリフォルニアやハリウッドを舞台にした短編で注目を集める。2023年に短編集『Small in Real Life』でDrue Heinz Literature Prizeを受賞し、映画産業や名声を巡る物語の描写が評価された。
『It Falls Gently All Around and Other Stories』は、暮らしの隙間にある喪失や回復、家族や地域社会の力学を描く短編集です。抑制の効いた筆致で普通の人々の選択とその結果を丁寧に掘り下げ、静かな共感を誘います。
作家。短編を主軸に作品を発表しており、日常の微妙な情景や人間関係の機微を繊細に描く作風が特徴。2022年に短編集『It Falls Gently All Around and Other Stories』でDrue Heinz Literature Prizeを受賞した。
短編集『Now You Know It All』は、日常の細部と人間関係の複雑さを静かに掘り下げる作品群です。郊外や都会の風景を背景に、登場人物たちの記憶や不安、孤独が繊細な筆致で描かれ、些細な出来事が心の振幅を浮かび上がらせます。
アメリカの作家。短編を中心に活動し、日常の心理や人間関係を繊細に描写する作風で知られる。2021年に短編集『Now You Know It All』でDrue Heinz Literature Prizeを受賞した。
喪失や移民経験、文化的な軋轢を背景にした短編集。悲哀とユーモアが交錯する語りで、個人の記憶とアイデンティティの再構築を描く作品群。
作家。短編集『The Prince of Mournful Thoughts and Other Stories』で2020年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
ホームレスの男性たちと車内で交わされる短いエピソードを通じて、社会の周縁にある人々の孤独や尊厳、思わぬ結びつきを静かに描写する短編集。
作家。短編集『Driving in Cars with Homeless Men』で2019年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
デトロイトの都市風景を背景に、犬やその飼い主たちを通して経済的・社会的喪失や再生、都市の哀歓を描く短編集。地域の現実と個々の物語が重なり合う作品群。
作家。短編集『The Dogs of Detroit』で2018年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
孤立した場所や島を舞台に、登場人物の内面や欲望、帰属意識を掘り下げる短編集。地理的隔絶が人物関係や記憶を際立たせる作品群。
(アイルランド出身の)作家。短編集『The Islands』で2017年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞した。
犬と人間の関係を通じて人生の局面や記憶、癒しを描く短編集。動物との交流を契機に人間の孤独や親密さ、喪失と再生の瞬間を繊細に描写する作品群。
作家。短編集『Dog Years』で2016年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
家族や喪失、自己の歴史を主題にした短編集。ユーモアと哀感を織り交ぜた語り口で、登場人物の複雑な感情と日常の脆さを巧みに描き出す作品群。
アメリカの作家。短編集『The Angel on My Chest』で2015年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。短編・小説の著者として活動している。
自然や記憶、家族の絆をめぐる短編を集めた作品集。幻想的なイメージと日常描写が交錯し、過去と現在の断片から人物の心理や失われたものへの思索を静かに浮かび上がらせる。
アメリカの作家。短編集『The Spirit Bird: Short Stories』で2014年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞した。
年老いた聖職者やその周辺を題材に、信仰や道徳、時代の変化に伴う価値観の揺らぎを問う作品。人間の弱さと赦し、良心の葛藤を描き出す短編群または中篇を含む集成。
作家。短編または中篇を含む作品『The Old Priest』で2013年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。ボストン大学の関連情報が確認されている(出典あり)。
多彩な登場人物の視点を通じ、喪失や再生、家族やコミュニティのつながりを描く短編集。抑制の効いた筆致で日常に潜む決断と希望の瞬間を描写する作品群。
ブルックリン在住の作家。短編集『The Source of Life and Other Stories』で2012年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
行動や習慣が人物の関係性や自己認識に与える影響を掘り下げる短編集。日常の小さな局面での選択や反応を通して、登場人物たちの孤独や欲望、再生の瞬間を繊細に描く作品群。
アメリカの短編作家。短編集『The Necessity of Certain Behaviors』で2011年のDrue Heinz Literature Prizeを受賞。
想像力と科学的思考を結びつけた短編集。日常的な素材を奇妙にねじることで現実の輪郭を曖昧にし、認識や存在について寓意的に問いかける。詩的で思索的な物語群。
時間と記憶の層を巡る短編集。過去と現在が複雑に交差する構成を用いて、登場人物のアイデンティティや喪失、再生を探る実験的な短編を収める。形式と感情の両立を試みる作風。
声と語りの多様性を生かした短編集。個人の秘密や家族の軋轢、赦しや成長の瞬間を率直かつ繊細に描写し、ユーモアと哀しみが混じり合うことで強い読後感を残す。
短編作家。語りのリズムと人物の内面描写に定評があり、教育の場で指導する経験を持つこともある。
郊外や小さな共同体の人々を描く短編集。日常の亀裂や欲望、後悔を静かに掘り下げ、控えめな語りながら心理の奥底に触れる。些細な出来事が人物の人生を変えていく様を描く。
メディアや情報環境が個人の認識や関係性に影を落とすことをテーマにした短編集。虚実のあわいで揺れる人物たちを、皮肉と共感の混ざった視点で描き、現代社会の不安を浮き彫りにする。
アメリカの小説家・短編作家。メディアや現代社会の虚実を題材にした作品で知られる。
詩的な語り口と温かな観察眼が特徴の短編集。家族や友情、喪失を扱いながら、日常の些細な瞬間に潜む感情の厚みを掬い取る。言葉のリズムを生かした叙述が物語に深みを与える。
詩作と短編の両方で活動するアメリカの作家。詩的な言語感覚と繊細な人物描写を特色とする。
辺境や小都市を背景にした短編集。ユーモラスでありながら乾いた悲哀を帯びた語りを通して、孤独や後悔、赦しの瞬間を描き出す。人物の弱さとしぶとさを静かに照射する短編群。
アメリカの小説家・短編作家。辺境や小さな共同体を舞台に、ユーモアと悲哀を織り交ぜた人物描写を行う。
ユーモアと哀感が交錯する短編集。日常の軽やかな出来事や人間関係の歪みが連鎖して、登場人物たちの内面に小さな亀裂を生む様を鋭く描く。女性の視点やアイロニーの効いた語りが特徴。
短編作家。ユーモアと哀感を織り交ぜた人物描写を得意とし、日常の不協和音を鮮やかに描く。
現代アメリカの家族と個人を描く短編集。平凡な日常の隙間から孤独や断絶、赦しの兆しを掬い取り、静謐な筆致で人物の内面を照らす。些細な出来事が重なって人生の大きな変化を導く様を描写する。
短編を中心に活動するアメリカの作家。静かな筆致で日常の隙間に潜む人間の内面を描く。
都市や郊外を舞台にした短編連作集。登場人物たちは過去の決断や些細な出来事に翻弄され、帰属や贖罪を模索する。緊張感ある心理描写と抑制されたユーモアで、人間関係のほころびと再生の瞬間を浮かび上がらせる。
アメリカの小説家・短編作家。鋭い心理描写と人物の機微を描く短編で知られる。
『In the Gathering Woods』は、自然や風景を通して記憶と関係性を織り成す短編集。森や集落の描写が登場人物の内面を映す鏡となり、過去の断片と現在の選択が交差する静謐で余韻ある物語が連なる。
作家・翻訳者としても活動する執筆者。風景や記憶を通じて人間の関係性を繊細に描き出す作品が特徴。
『The Truly Needy and Other Stories』は、社会の脆弱層や個人の切迫した必要性を題材にした短編集。福祉や家族の問題を通して人間の尊厳や助け合いの限界を問いかけ、温かさと厳しさを併せ持つ筆致で描く作品群である。
アメリカの作家。社会的脆弱性や日常の困窮をテーマにした人間味あふれる短編で評価される。
『Necessary Fictions』は、虚構と真実の境界、他者との関係性を問い直す短編集。人物が自らを守るために作り出す物語が現実に影響を及ぼす様を多角的に描き、記憶や自己像の揺らぎを巧みに提示する作品群である。
アメリカの短編作家。物語の構造や記憶の不確かさをテーマにした作品を手がけ、抑制の効いた筆致が特徴。
『Fado and Other Stories』は、ポルトガル文化や移民経験を背景に、音楽(ファド)が漂う郷愁とアイデンティティを主題にした短編集。故郷と異郷の間で揺れる登場人物たちの心情を詩的に描き出す。
ポルトガル系の背景を持つアメリカの作家。文化や移民経験を主題にした叙情的な短編を多く手がける。
『Vaquita and Other Stories』は、緻密な観察と温かな共感を持って人間関係や記憶を描く短編集。日常の些細な瞬間から深い心理を掬い上げ、ユーモアと哀惜が混ざる語り口で登場人物の複雑さを照らす作品群である。
アメリカの短編作家。緻密な観察と人間への深い共感をもって、日常の中の複雑な感情を描くことで高く評価される。
『Dangerous Men』は、男性性や抑圧、暴力性をテーマに据えた短編集。日常の中の欲望や恐怖が些細な判断を通して顕在化する様を鋭く描き、ブラックユーモアと倫理的葛藤を伴う作品群が読者の思考を刺激する。
アメリカの作家。男性性や道徳的葛藤を扱った短編で知られ、鋭い観察眼とブラックユーモアを併せ持つ作風が特徴。
『Departures』は、別れや旅立ちを通じて人間関係や自己変容を問う短編集。出発というモチーフを軸に、喪失や希望、世代間の断絶と繋がりを繊細に描写し、静謐で情緒的な物語が連なる作品集である。
アメリカの短編作家。出発や別離を通じて人物の内面変化を描く繊細な語り口が持ち味。
『In The Walled City』は、小都市や閉塞したコミュニティを舞台に、日常に潜む孤独と緊張をリアリスティックに描く短編集。人物の内面や経済的な困窮が物語を動かし、平凡の裏側にある悲哀と希求を細やかに浮かび上がらせる。
アメリカの小説家・短編作家。日常の細部を通じて人物の内面を描くリアリズムに定評がある。
『Director of the World and Other Stories』は、労働や家庭、日常の緊張を鋭く捉える短編集。ささいな出来事が人物の価値観や人間関係を揺るがす様を、抑制の効いた文体で描写し、社会的・倫理的な問いを静かに提示する作品群である。
アメリカの短編作家。家庭や労働、日常の葛藤を鋭く捉えた作品で知られ、人物の心理的揺らぎを丁寧に描く。
『Have You Seen Me?』は、家族や喪失、個人の孤独を主題にした短編集。日常の細部を繊細に描き、登場人物が過去の選択や記憶と向き合う過程を通して関係性の断絶と再生を静かに描き出す。都会と郊外の風景が効果的に用いられている。
アメリカの短編作家。家族や記憶、日常の細部を繊細に描く作風で知られ、人物の内面に寄り添う文体が特徴。
『Limbo River』はリック・ヒリスの短編集で、喪失や再生、家族の関係をめぐる物語が中心。自然や風景描写を通して登場人物の内面の揺らぎを繊細に描写し、穏やかながら重層的な読み取りを促す作品群。
『Cartographies』はマヤ・ソネンバーグの短編集で、記憶や場所、関係性の地図を描くような物語が特徴。言葉と感情の微妙な摺り合わせを通し、個人の歴史や現在を多面的に描出する短篇群。
『Moustapha's Eclipse』はレジナルド・マックナイトの短編集。移民経験や人種、文化的アイデンティティをテーマに、ユーモアと痛切さを併せ持つ語りで家族や帰属の問題を描き出す作品群。
『In the Music Library』はエレン・ハニカットの短編集で、音楽や図書館など知的空間を背景にした人物たちの繊細な心情を描く。小さな出来事の積み重ねから深い人間ドラマが浮かび上がる短篇が集まる。
『Under The Wheat』はリック・デマリニスの短編集。土地や労働、家族にまつわる記憶と喪失を淡々と描き出し、農村的な風景と人物の内面を重ね合わせることで人生の重層性を静かに示す作品群。
『The Man Who Loved Levittown』はW・D・ウェザレルの短編集。アメリカ郊外の生活や中産階級の願望と現実を温かく、時に皮肉を込めて描く。家族や共同体の機微を掬い取り、生活の細部から人間像を浮かび上がらせる。
『The Luckiest Man in the World』はランドール・シルヴィスの短編集。運や偶然、人生の転機をめぐる物語を通して登場人物の希望と挫折を描き出す。郊外や自然の描写を織り交ぜながら、人間の脆さと再起を描く作品群。
『Private Parties』はジョナサン・ペナーの短編集で、私的空間に潜む緊張や秘密、誤解を鋭い観察眼で描く。人間関係の機微と微妙なユーモアを織り交ぜながら、登場人物たちの欲望と脆弱さを描出する。
『Dancing for Men』はロブリー・ウィルソンの短編集。男女の関係や欲望、孤独を繊細かつユーモアを交えて描き、私生活の滑稽さと哀しみが交錯する瞬間を通して人間の脆さと温かさを浮かび上がらせる作品群。
『The Death of Descartes』は、デイビッド・ボズワースによる短編集。日常の断片を通して個人の内面に潜む哲学的な問いや倫理的葛藤を掘り下げ、記憶やアイデンティティの揺らぎを静謐な筆致で描き出す作品群。