完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)
ホロコースト生還者の父ヴラデックの証言を、息子アートとの対話とともにたどるグラフィックノベル。ユダヤ人をネズミ、ナチスを猫として描き、家族史、記憶、罪悪感、世代間の断絶を重ね合わせながら、圧倒的な視覚表現で戦争の記憶を刻む。
作品情報
父の記憶をたどりながら、ホロコーストの影を描き直す。
1986年に第1部が刊行され、1991年に完結した二部構成の作品を、1996年に一冊へまとめた決定版。アウシュヴィッツを生きのびた父ヴラデックの語りと、ニューヨークで父の記憶を聞き取る息子アートの現在が交錯し、戦争体験が家族のあいだでどう受け継がれるかを描き出す。動物の姿を借りた表現が、悲惨さを直接的でありながら寓話的にも伝える。
レビュー要約
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圧倒的な構成力と感情の強度を称える声が多い。読後には重い余韻が残るが、家族の記憶と歴史の残酷さを視覚表現でここまで伝え切った点に強い評価が集まっている。
書籍情報
- 出版社
- パンローリング株式会社
- 発売日
- 2020-05-18
- ページ数
- 295ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784775942215
- ISBN-10
- 4775942212
- 価格
- 3850 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/コミック
30以上の言語に翻訳された名著 ピューリッツァー賞を受賞した最初のグラフィック・ノヴェル 本書は、マンガ家アート・スピーゲルマンの代表作『マウス』と『マウス II』を一体化させ、翻訳に改訂を施した“完全版"。 ホロコーストのユダヤ人生存者ヴラデックの体験談を、息子のアート・スピーゲルマンがマンガに書き起こした傑作。独自の手法と視点で、これまでに語られてこなかった現実を伝え、世界に衝撃を与えた。本書の一番の特徴は、ユダヤ人をネズミ(=マウス)、ドイツ人をネコ、ポーランド人をブタ、アメリカ人をイヌとして描いていることだ。斬新かつ親しみやすいアプローチで、読者をホロコーストの真実へと引き込んでいく。 語り手の父ヴラデックはポーランド出身。大戦後は妻とともにニューヨークに移住した。第1部では、ヴラデックの青年時代から結婚、過酷な逃亡生活を経て、ナチの手に落ちアウシュヴィッツに収容されるまで。第2部では、アウシュヴィッツでの悲惨な体験、解放、そして故郷ソスノヴェツへの帰還までが綴られている。全編をとおして、著者が父の体験談を聞くニューヨークでの場面が織り込まれている。それにより、生存によってもたらされた罪悪感を背景に、いつまでも消えない恐怖と闘うヴラデックのその後と、両親がホロコーストで負ったトラウマが、息子にどのような影響を及ぼしたのかまでを描ききっている。また、本書の第1部である『マウス』発売後の予想外の反響に、アート・スピーゲルマンが心のバランスを崩した様子も第2部に盛り込まれている。 ひとり、またひとりと家族が減っていく悲しさ、徐々に普段の生活が崩壊していくやるせなさ、迫害、飢餓、虐待、死……言葉ではなく視覚に訴えるグラフィック・ノベルだからこその恐ろしさが伝わる。全人類必読の「ある父親の記憶」。 ※本書は電子版の刊行予定はありません。
アート・スピーゲルマン(Art Spiegelman) 1948年、ストックホルム生まれ。マンガ家。『ザ・ニューヨーカー』をはじめとする雑誌で活躍している。1980年代、国際的に有名なアヴァンギャルド・コミックスとグラフィックスの雑誌『RAW』の創刊・編集を手掛け、「マウス」を連載。1992年、『マウス』でピューリッツァー賞受賞。さらにグッゲンハイム・フェロー、全米批評家協会へのノミネートなど、数々の賞に輝き、国内外の美術館やギャラリーで作品展が開催されてきた。2004年、同時多発テロの体験を描いた『消えたタワーの影のなかで』(小野耕世 訳、岩波書店)を発表。ニューヨーク在住。
レビュー
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読みごたえがある
アウシュヴィッツを生き延びた両親を持つ作者の実話の漫画。 1日では読み終わりませんが、買ってよかった。
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さりげない描写、表現のなかに重い深い真実を感じとれる
作品の時代背景 歴史認識
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コミックの歴史の残る1冊
ウォッチメン、ダークナイトリターンズと並ぶ、コミックの歴史を変えたとされる1作。過去と現在を交錯させ、収容施設や当時の恐ろしさを浮き彫りにしつつ、それが人に与えた影響も容赦なく描き出す作品。迫力に圧倒されました。
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一気に読みました
厚い本ですが、内容に引き込まれ、マンガということもあり、数日で一気に読んでしまいました。アウシュビッツの話はいろいろ読んだことがありますが、生還したお父さんの話と聞いている今の状況が順繰りに出てきて、すごく臨場感あり、でも人間がマウスなど動物になっているので生々しくなく、重い話が読みやすいと思います。この作者の他の作品も読んでみたいと思います。
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気になって
買いました・・・まだ途中だけど買ってもいいんじゃない
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後世に残すべき作品
アウシュビッツで何が行われていたのか、ユダヤ人として実際に体験し、生き残った作者の貴重な体験を漫画で描いた作品。
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映画に匹敵する表現力を持ったグラフィックノベルの傑作
著者のアート・スピーゲルマンは1948年生まれのマンガ家であり、本書は父親のヴラデック・スピーゲルマンがアウシュヴィッツをいかにして生き延びたかをグラフィックノベルとして描いたものである。アウシュヴィッツについては夥しい歴史書や体験記が出版され、あるいは小説や映画も多いが、本書は映画に匹敵する表現力で、アウシュヴィッツの悲劇を描いている。 本書では、アウシュヴィッツに送り込まれるユダヤ人たちをマウスに見立てて描いている。その理由は「マウスⅡ」の表紙扉にあるように、1930年代半ばのドイツの新聞がアメリカのキャラクターであるミッキーマウスを侮辱しながら、ユダヤ人を「不潔な害虫ネズミ」に譬えたことにあるようだ。このような擬人化で想像を絶する悲劇がグラフィックノベルとして成り立ったように思える。画風は素朴で、このようなシリアスな物語に相応しい。 本訳書の原書は1973年(MAUS)および1986年(MAUSⅡ)に出版され、著者が主人公の父親ヴラデック・スピーゲルマンに聞き書きしていた頃は、アウシュヴィッツ解放から30年程度経過している(著者は30歳前後)。ヴラデックは同じアウシュヴィッツを生き延びたアンジャ(つまりアートの母親)と結婚したが、不幸なことに1968年にアンジャは自殺してしまった。つまり、本書の材料となった聞き書きはその自殺から数年たった頃に行われたことになる。父親ヴラデックはその後やはりアウシュヴィッツ生存者のマーラと再婚したが、その夫婦関係はかならずしも円満とは言えなかった。ヴラデックは糖尿病を患い、心臓発作も起こしていた。また、母親の自殺を巡って、父子関係にも緊張があった。つまり本書は、アウシュヴィッツの悲劇と、アメリカに住んでいるアウシュヴィッツ生存者の複雑な家族関係が折り込まれながら、物語が進行していくのである。冒頭に「映画に匹敵する表現力」と述べたが、むしろグラフィックノベルでしか出来なかった表現力を持った作品と言えよう。
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事実として伝えたい内容
外国の漫画で、日本のとは違って少し見づらいかな。著者が父親から聞いた話を、聞いた時の状況も合わせて描いているので、内容が若干飛び飛びになります。 人権なんて吹っ飛ぶ戦争中ですが、特定の人種であると言うだけで組織的に狩られるような非道さを何と表現すればいいのか。 現在、そのユダヤ人がパレスチナ人を同じように扱ってる事や、ロヒンギャやアフリカの様々な迫害を真剣に考えないと駄目だと思います。
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