カンディル歴史賞
かんでぃるれきししょう
Annual prize administered by McGill University for the best history book in English.
- 創設年
- 2008
- 主催
- McGill University
- カテゴリー
- ノンフィクション・記録文学
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 2月頃
- 発表時期
- 10月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
The Cundill History Prize, established in 2008 by Peter Cundill and administered by McGill University, is awarded annually to the author of the best history book published in the previous year. It recognizes historical scholarship, originality, literary quality and broad appeal. The grand prize is US$75,000; two additional Recognition of Excellence prizes of US$10,000 are also awarded. There are no restrictions on topic or the nationality of the author; translations are permitted (with prize shares split for translated works). Winners are selected by a jury of prominent historians and writers chosen by McGill University.
賞品
- 主賞品
- Grand prize for best history book (US$75,000); plus two Recognition of Excellence prizes of US$10,000 each.
- 賞金
- 75,000 USD
- Two Recognition of Excellence prizes (US$10,000 each)
- For translated works: prize split 80% to author, 20% to translator
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| Submission and triage | Submissions accepted from publishers and authors; initial triage/administrative review by the Cundill Prize team at McGill University. | — | Longlist/shortlist information published on the official website |
| Jury deliberation | A jury of prominent historians and writers appointed by McGill University evaluates finalists and selects winners. | — | Finalists and winners determined by the jury; decisions communicated to winners prior to public announcement |
| Award announcement | N/A | — | Winners announced publicly on the Cundill Prize website and via press releases (typically in November) |
選考基準
- Historical scholarship
- Originality
- Literary quality
- Broad appeal to general readers
- Book published within the eligible publication period (past year)
- Translations permitted (with appropriate translator credit)
応募のヒント
推奨
- 確認する: 書籍の刊行日が応募資格期間(過去1年など)に該当することをまず確認する
- 応募書類で、一次資料の使用や独自の研究成果、議論の明確さを強調する
- 文章の読みやすさ・文学的な質と一般読者への訴求力を示す
- 翻訳作品の場合は訳者情報を明記し、翻訳時の取り分(80%/20%)に関する扱いを明示する
注意
- 応募資格期間外の作品を提出しないこと
- 翻訳作品で訳者情報や同意を記載しないまま提出しないこと
- 必要な補助資料(参考文献や版元の情報など)を省略しないこと
審査員から
- 堅固な史料・史実に基づく学術性と、読者を惹きつける叙述の両方を重視する
- 新規性(独自の視点)とその裏付けを明確に示すこと
- 専門家だけでなく幅広い読者に伝わる表現を心がける
関連の賞
- List of history awards
- Pulitzer Prize for History
- Wolfson History Prize
公式情報
https://www.cundillprize.com/過去の受賞者
北米の先住民族の千年にわたる歴史を主権と外交の視点から再構成する。植民地主義、抵抗、外交関係の連続性と断絶を長期的視座で描き出し、先住民史の全体像を提示する。
公民権運動以前に黒人コミュニティが行っていた権利獲得や自治の実践を掘り下げる研究。地域レベルの法的闘争や草の根の活動が後の全国的運動にどうつながったかを明らかにする。
文化大革命の記憶と忘却をめぐる研究。個人の証言と公的記録の齟齬や世代間の語りを検証し、記憶の政治がどのように形成され伝承されるかを中国の事例を通じて明らかにする。
アウグスティヌスの『告白』に登場する女性たちの歴史的痕跡を追い、古代ローマにおける女性の経験や信仰、社会的役割の見えにくい側面を回復・再評価する研究書。
『Ashleyの袋』という遺品を手がかりに、黒人女性の世代間にわたる記憶と回復の物語を描く。個人的遺産と公的歴史の接点から奴隷制の継承とレジリエンスを明らかにする。
ハーバード大学の歴史学者。黒人女性の家族史と記憶史を主題とし、物的遺産を通じて奴隷制の継承と記憶の実践を探る研究で知られる。
ソ連崩壊の政治的・外交的プロセスを内外の要因から総合的に分析する研究。指導層の決定、経済的圧力、国際関係の変化がどのように絡み合って国家解体に至ったかを詳述する。
18世紀中頃の反乱と解放の諸相を史料に基づき再構成し、奴隷や抵抗者たちの行動が植民地社会と法制度に与えた影響を明らかにする叙述史。
メリーランド大学の教授で植民地時代と奴隷制度を研究する歴史学者。本作は1763年の反乱と自由獲得を史料に基づいて再構成したもの。
モンゴル帝国の征服と支配がユーラシア世界に及ぼした政治的・経済的・文化的影響を、多面的な交流と統治の視点から再検討し、モンゴルの変容力を明らかにする。
征服前から植民地期に至るアステカの歴史を先住民の文献や視点を重視して再構築する。文化・政治・宗教の変容を丹念に描き、征服の影響と持続性を再評価する。
先住民資料を重視してアステカ史を再構築する歴史学者。先住民視点を取り入れた新しい文明史の提示で評価される。
東インド会社の勃興とインド支配の成立を、商業的野心と軍事力、現地政治の駆け引きという観点から詳述する。帝国形成の暴力性と制度的変化を人物史と事件で示す。
毛沢東主義が中国国内にとどまらずアジア、アフリカ、ラテンアメリカなど世界各地でどのように受容・変容したかを追う国際史。イデオロギーの移植と地域別の実践の差異を明らかにする。
中国近現代史を専門とする英国の研究者。毛沢東主義の国際的広がりと各地域での受容の差異を比較史的に論じることで知られる。
建国以来のアメリカ合衆国を政治思想、法、社会の視点から縦断する大著。民主主義の理念と現実、情報の役割、不平等の持続を通じて国家の成り立ちと矛盾を再検討する。
アメリカ史の研究者で著述家。幅広い史料と物語性をもって米国史を総覧する大著で受賞。
ジョゼフ・コンラッドの生涯を帝国主義と海洋史の文脈で描く精緻な伝記。航海経験や植民地との関係が彼の文学に与えた影響を検証し、コンラッド作品を近代世界の政治的・文化的背景で再評価する。
ハーバード大学の歴史学者。帝国史・文化史的視座から英文学・植民地主義の交差を研究しており、本作はジョセフ・コンラッドの生涯と作品をグローバル文脈で再検討した伝記である。
小氷期(Little Ice Age)がヨーロッパと北米の出会いに与えた影響を環境史的に分析する。気候変動が航海や交易、植民地形成、先住民との関係に及ぼした変化を複合的に描写する研究。
ツァーリ時代のシベリア流刑制度と囚人の暮らしを史料に立ち戻って描き、帝国の処罰・統治実践と囚人たちの生存戦略、記憶形成を明らかにする。流刑制度を通じて権力と社会の接点を浮かび上がらせる地域史研究。
ロシア帝政期の社会史・流刑史を研究する歴史学者。シベリア流刑に関する詳述で評価される。
古代から現代に至る長期的比較を通じて、戦争・革命・疫病といった暴力的ショックが不平等をどのように再配分してきたかを分析する。量的史料と比較史的手法で不平等の歴史的変動を論じる論争的な研究。
古代から近現代にわたる不平等史や経済史を研究する歴史学者。量的史料と比較史的手法で著述している。
遺体、埋葬、記念に関する慣習を通じて社会の死生観や権力構造を考察する比較文化史。遺物や儀礼の変遷が政治・経済・記憶の構造にどう結び付くかを多時代的に明らかにする。
死の文化史や身体史を研究する文化史家。遺体・埋葬に関する比較史的研究で知られる。
アレクサンダー・フォン・フンボルトの生涯と科学的観察を通じて、自然学の形成と自然観の変容を描く。探検・観察・科学ネットワークの役割を明らかにし、近代自然史に重要な視座を提供する伝記史。
自然史や伝記を得意とする作家。ハンボルトの伝記で科学史・環境史の視点を提示したことで知られる。
国際連盟の植民地政策と帝国統治の相互作用を行政記録・外交文書を用いて検討し、国際機関が帝国秩序の再編に果たした役割と限界を示す。20世紀前半の国際主義と帝国の関係を深く分析する研究。
国際史・帝国史を専門とする歴史家。国際機関と帝国統治の関係を史料に基づき分析する研究で知られる。
アイヒマンの裁判以前の経歴と思想を精査し、戦中における彼の役割や責任、戦後に形成された物語との齟齬を明らかにする。新資料を用いた人物史的再検討で、法的・倫理的問いを提示する。
ナチ時代の人物史や責任の問題を掘り下げる研究者・著者。法と記憶に関する精緻な研究で知られる。
1971年バングラデシュ独立戦争に対する米国政府の対応を外交文書と証言で明らかにし、ニクソン政権とキッシンジャーが選択した政策の倫理的・政治的帰結を検証する。外交と人道の対立を掘り下げた調査史。
外交史や国際政治を扱う研究者・著述家。米外交の史的検証で広く知られる。
コンゴの先史から現代までを多声的な史料で再構成し、植民地主義、独立、資源紛争が民族と社会に与えた影響を叙事的に描く。地域史を通じて現代コンゴ社会の起源を問う長大な試み。
コンゴ史をはじめとする地域史の叙述で知られる作家・研究者。多様な史料を用いた長大な歴史叙述が特徴。
1944年以降の東欧でソ連がどのように支配体制を確立したかを、地方資料と証言に基づいて詳細に描く。共産化の手法、弾圧と協力の構図、社会文化の変容を浮き彫りにする冷戦前史の決定的研究。
東欧史と共産主義研究に詳しい歴史家・ジャーナリスト。冷戦史研究で広く知られる。
フランス帝国のインドシナ支配の崩壊と、それがいかに米国の関与へとつながったかを外交史・政策決定の観点から描く。植民地の終焉と冷戦構造が地域にもたらした長期的影響を検証する。
外交史や米国と東南アジアの関係史を研究する歴史学者。ベトナム戦争史などで評価される。
太平天国の乱を中心に、19世紀中国の大規模な内戦とそれが地方共同体や国際関係に与えた影響を描く。軍事的経緯、指導層と大衆の関係、列強の介入まで含めて中国近代の転換を再構成する総合史。
中国近代史を専門とする歴史学者。太平天国の研究で知られる。
米国の戦争と外交において宗教が果たした役割を歴史的に検証し、信仰が外交政策や戦時動員にどう影響したかを事例を通じて明らかにする。宗教と国家利益の交錯を再評価する研究。
宗教史と外交史を横断する研究を行う歴史学者。米国の外交における宗教の役割を論じる。
パドレ・ピオを巡る奇跡信仰と政治的文脈を分析し、世俗化が進むイタリア社会において宗教的人気がどのように政治的利用や社会的議論を生み出したかを追う。伝記的資料と社会史的視座を併用した研究。
イタリアの歴史学者。宗教と政治の交錯を主題とした研究を行う。
ヒトラーとスターリン支配下で集中した殺戮と抑圧の地域を『血の地帯』として捉え、20世紀における大量虐殺、飢餓、強制移住といった暴力が東欧社会に与えた変容を比較史的に検証する。国家犯罪と近代史の再考を促す重要作。
東欧現代史、ホロコースト研究で知られる歴史学者。比較史的な暴力研究で著名。
キリスト教の起源から現代に至る三千年にわたる歴史を広範に総覧する大著。教義・教会制度・宗派の変遷、宗教と政治の相互作用を豊富な史料で論じ、キリスト教の多層的展開を全球的視点で描く。
キリスト教史、教会史の研究で国際的に知られる英国の歴史学者・教育者。
ベッツィー・ロスの生涯とその記憶が米国初期のナショナル・アイデンティティ形成に果たした役割を検証する。伝説と史実を分離し、記念文化やジェンダー観が歴史叙述に与えた影響を史料に基づいて明らかにする。
公共史やアメリカ初期史を専門とする歴史学者。伝記研究と史料に基づく再検討で知られる。
17世紀の英蘭関係を通じて、イングランドがオランダの経済的・文化的繁栄をどのように取り込み、模倣し、搾取したかを政治・商業・文化交流の観点から論証する。海上覇権と文化伝播が中心テーマで、交易と知的移転の具体例を示す。
近世文化史や知識史に詳しい英国の歴史家。学際的な史料分析と公的歴史の普及で知られる。
コマンチェ族が北米草原地帯で築いた支配構造を帝国論的に再評価する。馬と武力、交易を基盤とした勢力拡大の過程を示し、先住民主体の政治・経済戦略が地域秩序をどのように再構築したかを明らかにする。
先住民史を専門とする歴史学者。草原地帯の政治的・軍事的変容を研究することで知られる。
16〜18世紀のイベリア大西洋世界を舞台に、カトリック共同体や植民地社会における救済観と寛容の実践を史料に基づき詳細に検討する。異端や宗教的少数派への対応、宣教と制度の相互作用を通じて宗教的多様性の歴史を描く。
イベリア・ラテンアメリカ世界の宗教史を専門とする歴史学者。宗教的寛容と救済観の研究で知られる。
ナチ期ドイツの一般市民生活と死生観を通して、国家と個人の関係や暴力の文化を分析する。戦争・大量殺戮が市民生活や記憶に与えた影響を文化史的視点から描き、体制の恐怖の社会的構図を明らかにする。
ドイツ現代史、文化史を専門とする歴史学者。ナチ期の社会史に関する著述で知られる。