世界・海外・国外の文学賞

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アメリカン・ブック・アワード あめりかんぶっくあわーど

第21回(2000年)

文学賞多文化文学ジャンル不問(小説・詩・ノンフィクション等)

受賞者

24名
From the Belly of My Beauty

エスター・G・ベリンの詩集。都市に生きるディネの女性としての経験を軸に、移住政策、文化の断絶、家族の記憶を、鋭い声と日常語で立ち上げる。

都市のディネ女性の視線が、家族と歴史の裂け目を照らす。

96ページ
詩集ディネ都市生活移住政策家族
Allan J. Ryan 受賞
The Trickster Shift: Humour and Irony in Contemporary Native Art

アラン・J・ライアンによる現代先住民アート研究。トリックスターの発想を手がかりに、ユーモアと皮肉が表現やアイデンティティの再構築にどう働くかを分析する。

トリックスターの笑いが、現代ネイティブアートの見方をずらしていく。

303ページ
美術批評先住民アートトリックスターユーモア
The Ice Worker Sings and Other Poems

機械、暴力、貧困、希望が交差する都市の風景を、断片的で強度の高い言葉で立ち上げる詩集。亡くなった若い詩人 Andrés Montoya の最初の一冊として知られる。

断片のような言葉が、都市の痛みと祈りをいっぺんに運ぶ。

79ページ
チカーノ文学都市生活希望
Camille Peri 受賞
Mothers Who Think: Tales of Real-Life Parenthood

Salon の人気コラムを母体にしたエッセイ集で、母親であることの矛盾や喜び、苛立ちを多声的に集める。育児談ではなく、母性をめぐる社会的な感覚を広く扱う。

母親であることは、単純な感情ではなく矛盾を抱えた経験として語られる。

304ページ
母性エッセイ集家族ジェンダー
Kate Moses 受賞
Mothers Who Think: Tales of Real-Life Parenthood

Salon の人気コラムを母体にしたエッセイ集で、母親であることの矛盾や喜び、苛立ちを多声的に集める。育児談ではなく、母性をめぐる社会的な感覚を広く扱う。

母親であることは、単純な感情ではなく矛盾を抱えた経験として語られる。

304ページ
母性エッセイ集家族ジェンダー
Italian American: The Racializing of an Ethnic Identity

イタリア系アメリカ人の「民族性」が、法と文化の中でどのように人種化されてきたかを論じる一冊。アイデンティティを固定的なものではなく、歴史と権力の中で形成されるものとして捉える。

民族性は、法や文化の中で人種という形を帯びていく。

273ページ
イタリア系アメリカ人人種化法と文化アイデンティティ
David Toop 受賞
Exotica

音楽ジャンルとしての exotica をめぐり、その想像上の異国趣味がどのように作られ、消費されてきたかを考える評論。聴取の歴史と文化批評が重なる。

「異国風」の音楽が、どのように想像力と商品性を結びつけてきたかを追う。

256ページ
音楽批評exotica文化史聴取
Barefoot Heart: Stories of a Migrant Child

メキシコ系移民労働者の家庭に生まれた少女が、農場労働と教育のあいだで進んでいく回想録。貧しさの中でも家族の粘り強さと上昇への意志が前面に出る。

移民労働のなかで育った少女の記憶が、家族の強さとともに立ち上がる。

回想録移民労働メキシコ系アメリカ人教育
Amok: Essays from an Asian American Perspective

AsianWeek のコラムをまとめたエッセイ集で、アジア系アメリカ人の視点から政治、文化、日常の経験を論じる。ジャーナリズムの機動性と批評性が前に出る。

コラムの集積が、そのままアジア系アメリカ人の時代記になる。

230ページ
エッセイ集アジア系アメリカ人ジャーナリズムアイデンティティ
Frank Chin 受賞
The Chinaman Pacific & Frisco R.R. Co.

オークランドの中国系アメリカ人コミュニティを舞台にした短編集で、鋭い会話とシュールな想像力が交差する。共同体の歴史と個人の語りがぶつかり合う。

中国系アメリカ人コミュニティの内部から、鋭く、時に幻想的に描く短編集。

165ページ
短編集中国系アメリカ人オークランド共同体
Helen Thomas 受賞
Front Row at the White House: My Life and Times

ホワイトハウス記者として数十年を過ごしたヘレン・トーマスの回想録。ケネディからクリントンまでの政権を見続けた記者の視点から、報道と権力の関係を描く。

記者席の最前列から、ホワイトハウスの変化を見届けた記録。

416ページ
回想録ジャーナリズムホワイトハウス政治
Janisse Ray 受賞
Ecology of a Cracker Childhood

ジャニス・レイの回想録。ジャンクヤードで育った子ども時代と、南部のロングリーフ松林の保全に向かう環境意識が、ひとつの人生の物語として結び直される。

ジャンクヤードの少女時代から、失われゆく森を見つめ直す。

285ページ
回想録環境南部自然保護
Spoken Soul: The Story of Black English

AAVE の歴史と特徴をたどりながら、黒人英語が文学、音楽、宗教、日常会話の中でどのように生きてきたかを解き明かす入門書。言語差別とアイデンティティの問題もあわせて扱う。

黒人英語は、欠点ではなく歴史と表現力を備えた言語だ。

288ページ
黒人英語言語史人種とアイデンティティ言語差別
Spoken Soul: The Story of Black English

AAVE の歴史と特徴をたどりながら、黒人英語が文学、音楽、宗教、日常会話の中でどのように生きてきたかを解き明かす入門書。言語差別とアイデンティティの問題もあわせて扱う。

黒人英語は、欠点ではなく歴史と表現力を備えた言語だ。

288ページ
黒人英語言語史人種とアイデンティティ言語差別
Leroy TeCube 受賞
Year in Nam: A Native American Soldier's Story

ベトナム戦争に従軍したジャカリラ・アパッチの体験をたどる回想録。戦場の記憶と帰還後の人生を通して、戦争が個人と共同体に残す傷を静かに描く。

戦場の記憶は、帰還してからも長く残り続ける。

261ページ
戦争体験ネイティブ・アメリカン回想録アイデンティティ
Heads By Harry

ハワイのヒロにある家族の店を舞台に、姉妹、兄弟、父親、近所の男たちの関係をユーモラスかつ鋭く描く小説。家族の愛憎とローカルな共同体の空気が交錯する。

家族の店の上で、誰もが少しずつ自分の居場所を探している。

320ページ
家族ハワイ成長コミュニティ
Michael Lally 受賞
It's Not Nostalgia: Poetry & Prose

詩と散文を混ぜたコレクションで、都市生活、政治、記憶、家族をめぐる Michael Lally の声をまとめた一冊。懐古ではなく、いまの感情として過去を引き受ける。

昔を振り返るのではなく、過去を今の言葉として引き受ける。

256ページ
散文都市生活記憶
All Souls: A Family Story from Southie

サウスボストンの住宅地区で育った著者が、家族、貧困、依存、暴力、地域の変化を回想するノンフィクション。個人の家族史を通して、都市の階級と人種の現実が見えてくる。

家族の記憶は、そのまま街の歴史にもなっていく。

266ページ
回想録ボストン階級家族
Why She Left Us

日系アメリカ人家族をめぐる秘密と暴力、戦争の影を四人の語り手でたどる小説。世代をまたぐ断絶と、家族史の沈黙がもたらす痛みを描く。

家族の沈黙は、長いあいだ誰のものか分からない傷を残す。

295ページ
家族日系アメリカ人戦争の記憶秘密
The Collected Poems of Robert Creeley, 1975–2005

Robert Creeley の 1975 年から 2005 年までの詩を集めた大部の選集。晩年の断片的で精密な声を通して、長い詩業の全体像が見えてくる。

晩年の詩をまとめることで、Creeley の声の輪郭がいっそう鮮明になる。

688ページ
ロバート・クリーリー現代詩選集
Jack E. White 受賞
Frank Chin 生涯功労賞
Robert Creeley 生涯功労賞