ケイン賞(Caine Prize for African Writing)
けいんしょう
アフリカ出身の作家による英語の短編小説に贈られる年次文学賞。2000年創設、優勝賞金は£10,000。
- Established
- 2000
- Organizer
- The Caine Prize for African Writing(登録慈善団体)
- Category
- General Fiction and Popular Fiction
- Selection Method
- 公募
- Target
- Open
- Frequency
- 1 per year
- Application Deadline
- around February
- Announcement Period
- around September
- Status
- Active
Description
Caine Prize for African Writingは、アフリカ人作家による英語で書かれた短編小説に対して毎年贈られる文学賞。2000年に英国で設立され、故Sir Michael Harris Caineの名にちなむ賞で、優勝賞金は£10,000。受賞者は例年7月に発表され、ショートリスト入りの候補者は読み聞かせやサイン会などの一連のイベントに招待される。2020–2022年はAKO財団の助成により「AKO Caine Prize」として運営された。賞はアフリカ文学の普及と次世代作家の育成を目的にワークショップ等も実施している。
Prize
- Main Prize
- 優勝者に現金賞£10,000(受賞による広報・イベント参加等の機会あり)
- Cash Prize
- 10,000 GBP
- ショートリスト入り候補者は読み聞かせやサイン会、メディア露出などのイベントに招待される
- 年ごとに開催される作家ワークショップへの招待
- 受賞による国際的な注目と出版機会の拡大(広報支援)
Selection
Selection Process
| Stage | Judges | Pass Rate | Announcement |
|---|---|---|---|
| 応募・受理 | Caine Prize事務局と選考委員会(年ごとに選ばれる審査員) | — | 応募締切後、事務局で一次確認を行う(詳細は公式サイトの応募要項参照) |
| ショートリスト選定 | 選考委員(年ごとに任命) | — | 数名(通常5名程度)のショートリストが発表され、候補者は発表時に招待される |
| 最終選考・受賞者発表 | 最終選考を行う審査員団 | — | 例年7月開催のディナー等で受賞者を発表。以前はオックスフォード、近年はSOAS(ロンドン)で行われ、2024年以降はアフリカ大陸に発表を再中心化する計画が示されている |
Criteria
- 英語で書かれた短編であること(公開済であることが要件となる場合があるため公式要項を確認)
- 作者がアフリカ出身であること(アフリカ在住である必要はない)
- 文学的価値(文章表現、語り、構成)の高さ
- 独創性・オリジナリティ(出典や引用の適切な明示)
Application Tips
Dos
- 英語でオリジナルの短編を書き、作品の声と構成に注意する
- 応募要項(出版要件や提出フォーマット)を公式サイトで事前に確認して厳守する
- 作品の独創性と文章表現(語り口、登場人物描写、テーマの深さ)を磨く
- ショートリストに残った場合のイベント参加に備え、朗読やプレゼンの準備をする
Don''ts
- 出典・参照を正しく明示せずに他者の素材を流用しない(2019年の事例を参照)
- 安直なステレオタイプに頼った描写を行わない
- 応募要項に反する言語やフォーマットで提出しない
From Judges
- 審査は作品の独創性と文章の力量を重視する(声、語りの一貫性、リスクテイクを評価)
- 文化的なステレオタイプに頼らず、誠実で深みのある視点を持つこと
- 出典や資料は明確にし、著作権や引用規則に注意する
Related Awards
- Booker Prize(関連団体や支援ネットワークとの繋がり)
- Commonwealth Short Story Prize
- その他のアフリカ関連文学賞・フェスティバル(地域の作家ワークショップ等)
Official Resources
https://www.caineprize.com/Past Winners
『Bridling』は、植民地主義の遺産や言語・土地との関係性を背景に、個人の主体性と抑圧の間で揺れる登場人物を描く短編。過去の痛みと現在の抵抗が交差し、解放への可能性を探る作品。
南アフリカ出身の劇作家・作家。都市と記憶、植民地主義の遺産やジェンダーを巡るテーマを扱う作品で知られ、2024年にCaine Prizeを受賞した。
『A Soul of Small Places』は、小さな場所に宿る記憶や言い伝えを紡ぎ、共同体と個人の関係を探る短編。断片的な場面が連なり、身近な風景の中にひそむ喪失と連帯を浮かび上がらせる。
セネガル出身の作家。短編『A Soul of Small Places』でCaine Prizeに名を連ねる(該当ウィキページなし)。詳細は限られるため基本情報のみ記載。
(同上)小さな場所やその記憶を手がかりに共同体の歴史と個人の感情を結びつける短編。小規模な舞台描写を通じて普遍的なテーマを描出する。
セネガル出身の作家(詳細な公的情報は限定的)。2023年の受賞対象作として名前が挙がっているが、ウィキページは存在しないため情報は限定される。
『Five Years Next Sunday』は、ある出来事とそれから五年後の視点を行き来しながら、時間の経過と家族の変化、記憶の重みを描く短編。小さな選択が持つ影響や世代間の断絶が静かに浮かび上がる作品。
ケニアの作家。短編で家族関係や時間、喪失と赦しをテーマにした繊細な物語を手がけ、国際的にも評価されている。2022年にCaine Prizeを受賞。
『The Street Sweep』は、街の掃除を生業とする人物の視点を通して都市の見えない労働や階級差、移民の孤立を描く短編。日常の細部に光を当てることで、個人と共同体の関係性を静かに浮かび上がらせる。
エチオピア出身の作家。都市生活や移民経験を繊細に描く短編で注目を集め、社会的疎外や日常の細部を通じて人間の尊厳を描く作風で知られる。2021年にCaine Prizeを受賞。
「Grace Jones」は現実と幻想が交錯する短編で、断片的なイメージを通じて登場人物の記憶やアイデンティティの揺らぎを描く。ポップカルチャーを象徴的に用いながら、移民や自己再定義の主題を詩的に探る作品。
ナイジェリア出身で英国在住の作家。短編に幻想的で詩的な要素を取り入れた作風で知られ、文化やアイデンティティの問題を扱う。2020年にCaine Prizeを受賞。
身体や家族、社会の境界を問い直す寓話的な短編。近未来的・寓意的な要素を用いながら、母性や身体性、社会的圧力に対する個の抵抗と脆さを描く。
ナイジェリア出身の作家で、寓話的かつ社会批評的な視点を持つ短編で知られる。短編「Skinned」により2019年のケイン賞を受賞した。
都市ケニアの若者や労働者の日常を鮮やかに切り取り、消費文化やブランドが象徴する希望と失望、経済的現実を鋭く描く短編。社会的格差や夢の脆さがテーマとなる。
ケニア出身の作家。都市の現実と個人の希望を鋭く描く短編で注目され、短編「Fanta Blackcurrant」で2018年のケイン賞を受賞した。
少女とその鳥たちを巡る寓話的な物語。象徴的なイメージを通して自由や喪失、成長を描き、文化的・社会的テーマを詩情豊かに表現する。
スーダン出身の作家。寓話的で詩的な語り口を特色とし、短編『The Story of the Girl Whose Birds Flew Away』で2017年のケイン賞を受賞した。
個人や共同体の記憶が失われる過程を追う短編。過去の断片や忘却が現在の生活にどう影響するかを静かに見つめ、歴史的な傷痕と個の営みを重層的に描く。
南アフリカ出身の作家。短編『Memories We Lost』で2016年のケイン賞を受賞。個人と共同体の記憶を丁寧に掘り下げる作風が評価された。
日常と神話が交錯する短編。象徴としての『袋(sack)』を巡り、家族や記憶、歴史の重みを探る。魔術的リアリズム的な要素が物語に独特の響きを与える。
ザンビア出身の作家。長編と短編の両方で高い評価を得ており、短編「The Sack」で2015年のケイン賞を受賞。幻想的・象徴的な手法を好んで用いる。
父の不在や家族の記憶をめぐる短編。幼い視点や象徴的イメージを通じて、個人の喪失と和解、過去が現在にもたらす影響を繊細に描き出す。
ケニア出身の作家。詩的でイメージに富む文体で家族や記憶を描き、短編「My Father's Head」により2014年のケイン賞を受賞した。
信仰と現実、個人の望みが交錯する物語。登場人物たちが奇跡や運命と向き合う過程を通じて、家族の期待や移民としての葛藤、自己の再発見が描かれる。
ナイジェリア生まれで米国を拠点に活動する作家。短編「Miracle」で2013年のケイン賞を受賞し、移民や信仰、家族を繊細に描く作品で知られる。
インドの都市を背景に、異国で生きる人々やコミュニティ形成を通して文化の交差と権力構造を描く短編。寓話的な手法と現実的観察が融合し、移動と帰属の問題を浮き彫りにする。
ナイジェリア出身の作家で劇作家。寓話的・神話的な要素を織り込みながら社会を描く作風で、短編「Bombay's Republic」により2012年のケイン賞を受賞した。
故郷を離れて異国で暮らす人々の疎外感や記憶を描く短編。移民としての孤立や文化的摩擦、個人の内面と共同体の断絶が繊細な筆致で綴られる。
ジンバブエ出身の作家。移民・ディアスポラを題材にした作品群で知られ、短編「Hitting Budapest」で2011年のケイン賞を受賞した。
内戦の影が残る都市を舞台に、若者たちがスティックファイト(棒による決闘)に身を投じる様子を描く短編。友情と暴力、誇りと生存の狭間で揺れる彼らの青春と社会の荒廃が生々しく描写される。
シエラレオネ出身の作家。短編「Stickfighting Days」で2010年のケイン賞を受賞し、暴力と生存を巡る生々しい描写で注目を集めた。
「待つ」行為を通して期待と失望、共同体の脆さを描く短編。政治的・社会的混乱が個人の日常にどのように影響するかを浮き彫りにし、登場人物たちの希望と現実が対照的に示される。
ナイジェリア出身の作家。短編を中心に人々の日常と政治的背景の交差を鋭く描き、ユーモアと皮肉を織り交ぜた作風で知られる。
環境や人間関係の交差を描く寓話的短編。日常に潜む不安や危険性が徐々に明らかになり、小さな選択や出来事が倫理的な問いを生み出す。現代社会における責任や罪悪感を問う作品。
南アフリカ出身の作家。環境や都市生活をめぐる繊細な物語を得意とし、現代的なテーマを寓話的に描く作品で知られる。
ウガンダの若い女子学生二人の親密な関係を描く短編。秘密の関係が周囲の保守的な価値観や圧力に晒されることで、愛と疎外、勇気と脆さが浮かび上がる。同性の愛を率直に描いた物語として国際的な注目を集めた。
ウガンダ出身の作家。社会的タブーや女性の経験を扱う作品で注目を集め、率直な筆致で人間関係や抑圧を描く。
象徴的なイメージを織り込みつつ、若い女性たちの成長、友情、喪失を静謐な筆致で描く短編。内面の微細な変化と外的な出来事が交錯し、登場人物の関係性が徐々に変容していく様子を見つめる。
南アフリカ出身の作家。短編で国際的に評価され、繊細かつ象徴的な表現で人物の内面と変容を描く作風が特徴。
日常の一幕としての「月曜の朝」を舞台に、平凡な瞬間が引き起こす緊張と倫理的選択を描く短編。小さな出来事の積み重ねを通して、登場人物の内部に潜む葛藤と社会的背景が明らかになる。
ナイジェリア出身の作家。短編・長編を通じて国際的に活動し、社会の緊張や個人の倫理を扱う作品で注目される。
都市の一角で起きる小さな出来事を通じて、人々の生活や希望、欺瞞が露わになる短編。経済的困窮や移動の現実を背景に、日常の細部が変容をもたらす様子を錬金術的な比喩で描く。
ジンバブエ出身の作家。都市生活や庶民の視点から社会の変貌を描く作品で知られる。ユーモアと辛辣さを併せ持つ筆致が特徴。
噂や沈黙、隠された記憶がコミュニティを蝕む様子を描く短編。過去の暴力やトラウマが個人と共同体の関係に深い影響を与え、言葉にならない記憶の重さが静かに明らかになる。
ケニア出身の作家。過去の暴力やトラウマ、記憶や地域社会の問題を題材にした力強い作風で評価される。
故郷と居場所の意味を問い直す短編。再会や回想を通して、都市化や移住が個人の記憶や関係にもたらす影響を描き、ユーモアと切なさを織り交ぜながらアイデンティティの再発見を浮かび上がらせる。
ケニア出身の作家・エッセイスト。短編や社会評論で国際的に注目され、アフリカ文学における重要な論客としても知られる(2019年没)。
個人の愛と表現の葛藤を描く短編。恋愛や人間関係を軸にしつつ、政治的・社会的な圧力や言葉の力が登場人物の生き方にどのように影響するかを詩的かつ観察眼の鋭い筆致で描写する。
ナイジェリア出身の作家・批評家。短編や長編で社会的・政治的題材を扱い、記憶や表現の困難をテーマにした作品で国際的に評価される。
異国で暮らす主人公が博物館の展示に触れる中で、故郷への郷愁や記憶、宗教的信念と家族への思いを再認識していく短編。日常の細部を通して移民経験に伴う孤独と希望、自己のアイデンティティを静かに描き出す。
スーダン出身の作家。亡命や移民、イスラムと女性の視点を扱う短編・長編で国際的に知られる。英語で執筆し、異文化間の感情や記憶を繊細に描くことで評価されている。