Kitschies(キッチーズ)
きっちーず
2009年から2024年まで英国で授与された、スペキュレイティブ/ファンタスティック要素を含む進歩的で知的かつ娯楽性の高い作品を表彰する文学賞。
- Established
- 2009
- Organizer
- The Kitschies(創設: Pornokitsch、運営: Kitschies 非営利団体)
- Category
- Genre Fiction
- Selection Method
- 公募
- Target
- Newcomer
- Frequency
- 1 per year
- Status
- Active
Description
Kitschiesは2009年にPornokitschによって設立され、Anne C. PerryとJared Shurinが創設に関わった賞で、「スペキュレイティブあるいはファンタスティックな要素を含み、進歩的で知的かつ娯楽性の高い作品」を表彰することを目的としていた。主要カテゴリはRed Tentacle(最優秀小説)、Golden Tentacle(最優秀デビュー小説)、Inky Tentacle(最優秀カバーアート)、Invisible Tentacle(ネイティブデジタルフィクション)、Glentacle(裁量賞/旧Black Tentacle)。受賞者には賞金とテキスタイル製の“タコ足”トロフィーが贈られた。スポンサーは年によって変わり、Kraken Rum(2010–2013)、Fallen London(2014–2015)、Blackwell's(2017以降など)が関与した。2016年と2021年は授与が行われず、最終的に2024年11月に最終受賞者が発表され賞は終了した。
Prize
- Main Prize
- Red Tentacle(最優秀小説) — 主要賞。受賞者には賞金とテキスタイルのタコ足トロフィーが授与される。
- Cash Prize
- 1,000 GBP
- Golden Tentacle(最優秀デビュー小説): £500
- Inky Tentacle(最優秀カバーアート): £500
- Invisible Tentacle(ネイティブデジタルフィクション): 賞金の記載は年による/未記載
- Glentacle(裁量賞、旧Black Tentacle): 表彰および特別賞
Selection
Selection Process
| Stage | Judges | Pass Rate | Announcement |
|---|---|---|---|
| 応募受付 | 出版社・著者からの公募を受付(事務局が受理) | — | 公式サイトで募集要項を公開し応募を受け付ける |
| 一次選考(長いリスト / ショートリスト作成) | 年ごとに編成される審査員パネル(作家・批評家・アーティスト等) | 不明 | 長短リストは公式サイトやメディアで発表 |
| 最終選考 | 審査員パネルによる最終投票・協議 | 不明 | 審査委員による最終決定 |
| 受賞発表 | 審査委員・事務局 | — | 公式サイト、SNSおよびプレスリリース(The Bookseller、The Guardian等)で発表 |
Criteria
- 作品にスペキュレイティブまたはファンタスティックな要素が含まれていること
- 英国で出版された作品であること(該当年の対象範囲に準拠)
- 『進歩的 (progressive)』『知的 (intelligent)』『娯楽性 (entertaining)』を兼ね備えていること
- ジャンル文学の水準を高める表現や構成の独創性
Application Tips
Dos
- 応募作品が対象年に英国で出版されていることを確認する(応募要項を必ず確認)
- 作品にスペキュレイティブ/ファンタスティック要素が含まれている点を明確にする
- 必要書類・メタデータ(出版情報、ISBN、著者情報など)を正確に揃える
- デジタル作品(Invisible Tentacle応募)はアクセス方法や動作環境を明記する
- 装丁・カバーアート応募時は高解像度画像とクレジット情報を用意する
Don''ts
- 英国で出版されていない作品を応募しない
- 応募規程に従わない形式(フォーマット違反)で提出しない
- 既に他の年で同一カテゴリに受賞した作品を誤って再応募しない
- 必要な権利(翻訳権・掲載許可等)を確認せずに応募しない
From Judges
- 『進歩的 (progressive)』であること、つまり内容や構成に新しさや挑戦が見られる点を重視する
- 単にジャンル要素があるだけでなく、知性と娯楽性のバランスが評価される
- 装丁や翻訳など物理的・編集的側面も選考に影響することがある
- 審査員は年ごとに変わるため、多様な視点での評価を想定して応募資料を整えるとよい
Related Awards
- Arthur C. Clarke Award
- British Fantasy Award
- BSFA Awards (British Science Fiction Association)
- World Fantasy Award
- Hugo Award
Official Resources
https://thekitschies.com/Past Winners
Jonathan Lethem著『The Arrest』の表紙(カバー)デザイン/イラストによる受賞。
Hastings の Big Green Bookshop における活動と「Buy a Stranger a Book」イニシアティブにより表彰。
SF/Fコミュニティへの貢献に対してGlentacleが授与された受賞者の一人。
SF/Fコミュニティへの貢献に対して表彰された受賞者の一人。
ギリシャ神話の魔女キルケー(Circe)を主人公に据え、神々と人間との関係、自己の成立と変容を描く再解釈的小説。女性の視点と古典再読が特徴。
古典神話を現代的に再解釈する作風で知られる米国の作家。神話的人物を女性の視点から描いた作品で高い評価を得た。
戦争で荒廃したバグダッドを舞台に、死体から作られた“怪物”をめぐる物語を通じて暴力、復讐、社会の病理を描く魔術現実主義的な小説。
イラク出身の作家。戦争や暴力を題材にした作品で国際的に注目された。
書籍のカバーや装丁を手掛けるデザイナー。『Killing Commendatore』の装丁でインキー賞を受賞した。
異なる時間や記憶が交錯する不穏な物語。日常と非日常が曖昧に交わる舞台でアイデンティティを問うSF長編。
英国のSF作家。短編・長編を通じて記憶や郷愁、不確かな現実を扱う作品で知られる。
出版社のアート部門とデザイナーが共同でカバーを制作。The History of Bees の装丁でインキー賞を受賞したチーム表彰。
経済崩壊後の近未来を舞台に、安全と自由、個人の尊厳の間で揺れる人々を描くディストピア小説。制度と倫理のジレンマが中心テーマ。
カナダの著名作家。フェミニズムやディストピア的視点を取り入れた作品で国際的に高い評価を受ける。
装丁やアートディレクションを手掛けるデザイナー。書籍のビジュアル表現で評価される。
選択とその帰結をテーマにしたエピソディックなアドベンチャーゲーム。若者の成長や倫理的ジレンマを描く作品。
フランスのゲームスタジオ。物語主導のゲーム制作で知られ、『Life Is Strange』の物語性とプレイヤーの選択を評価されてInvisible Tentacleを受賞。
2015年におけるスペキュレイティブ/SFコミュニティの反応と慈善活動(例:募金活動等)を称える趣旨の表彰。
2015年は『ジャンル・コミュニティ』を象徴しての受賞。慈善活動やコミュニティへの貢献が評価された(代表的人物としての受賞)。
若者たちと巨大なバッタ群が登場するブラックユーモア寄りのSF/ヤングアダルト長編。成長と混乱、世代間の軋轢を描く。
アメリカの作家。若者向けフィクションで知られ、ブラックユーモアと奇抜な設定を用いる作風が特徴。
魔術的リアリズムと演劇的構成を併せ持つアドベンチャーゲーム。物語性と空気感のある世界構築が特徴で、デジタル作品として評価された。
インディゲーム制作チーム。演劇的な脚本と詩的な世界描写で知られる『Kentucky Route Zero』で評価された。
アーティストの権利保護や普及活動への貢献に対して授与された賞。
英国のイラストレーター兼作家。アーティストの権利擁護や若手支援への活動が評価され、グレントクルを受賞した。
日系の少女と作家の視点が交錯する物語を通じて、時間、存在、記憶が重層的に描かれる長編。哲学的・個人的テーマが融合する作品。
日系アメリカ人の作家・映画制作者。東西文化や記憶を巡る作品で国際的に知られる。
帝国と個の関係、AIや意識を巡るスペースオペラ。語りの仕方やジェンダー表現の扱いが革新的と評されるデビュー長編。
アメリカのSF作家。代名詞や視点の扱いが特徴的なスペースオペラで注目を集めた。
ジャンル文学の普及や読者への啓発活動に対する功績を讃えた受賞。
英国の児童文学作家。2013年にはChildren's Laureateを務め、ジャンル文学の普及と若年読者支援に尽力した功績が評価された。
時計職人や暗殺者を巡る陰謀と機械装置が絡む物語。父子関係やテクノロジーの暴走を主題にしたスリリングな長編。
イギリスの作家。スリラー的要素と哲学的寓話を巧みに融合させた作風で知られる。
カリブの民話的要素を取り入れた幻想的な物語。失われたものの回復や変容を扱う作品(版により形態が異なる)。
バルバドス出身の作家。民話や神話を取り入れた幻想的な物語で国際的に評価される。
友情と静かな冒険を描く絵本。イラスト表現の繊細さが高く評価された作品。
イラストレーター/デザイナー。『A Boy and a Bear in a Boat』のイラストでインキー賞を受賞した。
国際的なスペキュレイティブ・フィクションを紹介・論じるウェブ上のプロジェクト。編集・寄稿により国際交流を促進した。
イスラエル出身で英国を拠点にする作家。国際的なSF・ファンタジーの普及に貢献し、World SF Blog関連の活動でグレントクル受賞。
病や喪失に直面する少年と、彼の内面に現れる“怪物”の交流を通じて、悲嘆や受容、家族の問題を描く寓話的な物語。絵本的要素と深い主題が共存する。
英国の児童・YA作家。社会性のあるテーマを扱った作品で知られ、遺稿を基にした作品が共著扱いで評価された。
病と向き合う少年と怪物の物語。悲嘆と癒やしを描く寓意的な長編で、共著的な扱いで受賞した。
英国の作家。YA文学やダークファンタジーで知られ、『A Monster Calls』を執筆し高い評価を得た。
戦争と宗教、性別や権力関係を巡るダークなSF。暴力と生存の戦略を中心に据えた物語。
アメリカのSF作家。政治的・フェミニズム的な主題を含む力強い世界構築で知られる。
国際的に知られるブックデザイナー。独創的な装丁で文学作品の視覚表現を高める仕事をしている。
出版社としての年次の出版物や編集活動に対する評価により授与された賞。
英国のコミック出版社。2011年の刊行活動と邦訳・翻訳作品を含む業績が評価され、グレントクル(当時ブラック・テントacle)を受賞。
ヨハネスブルグを舞台に、“罪の代償”として動物を連れ歩く者たちが存在する世界で、主人公が過去の罪と向き合いながら事件の真相に迫る都市ファンタジー。
南アフリカ出身の作家。都市の暗部や社会問題をSF/ファンタジー要素と融合させた作風で知られる。
未発表だった作品が復刊され、純然たるノワール作品として評価された一作。犯罪と倫理、作家性に関する主題を含む。
アメリカの犯罪小説作家。職人的なノワール作品で知られる。本作『Memory』は遺稿の刊行によって注目された。
互いに“見ない/見られない”ことで共存する二つの都市という奇抜な設定のもと、警察官が殺人事件の謎を追う。認知と境界、政治的寓意を絡めたミステリ風長編。
英国の作家。ニュー・ウィアードやスペキュレイティブ・フィクションで知られ、政治的・社会的なテーマを織り込んだ幻想的な作品が多い。