世界・海外・国外の文学賞

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ラーズロー・クラースナホルカイ

ラーズロー・クラースナホルカイ

Rāzurō Kurasunahorukai

プロフィール

性別
男性
生誕
1954-01-05 (ハンガリー、ギュラ)
国籍
ハンガリー
言語
ハンガリー語
宗教
ユダヤ系(出自)
居住地歴
ギュラ(生誕地) → ブダペスト(長期滞在) → ベルリン(滞在・客員職) → 京都(滞在) → ニューヨーク(短期滞在・交流)

経歴

職業
小説家, 脚本家, 随筆家
活動期間
1985年〜2025年
所属
ベルリン自由大学(S. Fischer客員教授、短期)
影響を受けた人物
サンドール・マーライ, アレン・ギンズバーグ(交流・助言), 東アジアの美学・思想(日本・中国・モンゴル訪問による影響)
影響を与えた人物
現代の東欧作家や国際的な文学者たち, 映画監督ベーラ・ター(共同作業を通じて相互影響)

学歴

ヨーゼフ・アティラ大学(現在のセゲド大学)
法学部(中途退学) / 法学
期間: 1973(中途)
国: ハンガリー
入学後まもなく中断。法曹界に馴染めなかったため。
エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)
人文科学部 / ハンガリー語・文化教育学科
学位: 学士(人文)
期間: 1978–1983
卒業年: 1983
国: ハンガリー
卒業論文はサンドール・マーライの研究に関するもの。

受賞歴

ノーベル文学賞
2025
主催: スウェーデン王立科学アカデミー(Nobel Prize)
結果: 受賞
Man Booker International Prize
2015
主催: Man Booker International
結果: 受賞
コシュート賞
2004
主催: ハンガリー政府(文化)
結果: 受賞
Best Translated Book Award (BTBA)
2013
対象作品: Sátántangó(英訳版)
主催: Best Translated Book Award(米国)
結果: 受賞
Best Translated Book Award (BTBA)
2014
対象作品: Seiobo There Below(英訳版)
主催: Best Translated Book Award(米国)
結果: 受賞
Prix Formentor
2024
主催: Prix Formentor 運営
結果: 受賞
New York Public Library Dorothy and Lewis B. Cullman Center フェローシップ
2015
主催: ニューヨーク公共図書館
結果: 受賞・選出

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 受賞業績(小説作品群)

    社会の崩壊や人間の孤独を描く長篇群により、独自の実験的文体と文学的表現で国際的評価を得ており、その業績が評価され受賞した。

    現代文学長編小説実験的文体
  1. 受賞作: Satantango

    雨の降り続く孤立したハンガリーの集落を舞台に、停滞した共同体へ帰還した人物をきっかけとして、欺瞞、金銭、支配、裏切りが連鎖していく長編小説。終末的な閉塞感の中で、人々の期待と破綻がじわじわと露わになる。

    閉ざされた村に、救済の約束だけが不穏に広がっていく。

    320ページ
    ハンガリー文学共同体崩壊裏切り終末感権力
  2. 受賞作: Seiobo There Below
  1. 受賞作: サタンタンゴ

    地方の共同体がゆっくりと崩れていく様を緩慢な時間感覚で描く長編。複数の視点と反復的な叙述によって、欺瞞・裏切り・再生の兆しを浮かび上がらせる群像劇的作品。

    社会崩壊群像劇時間の流れ権力と欺瞞
  1. 受賞作: 受賞対象: 全体の文学業績

    長く連なる一文と重厚な叙述を特徴とする長編群は、共同体の崩壊や存在の不安を映し出す。映像的な描写と哲学的な問いかけを併せ持つ独特の文体により高い評価を得た業績が認められた。

    小説実験的文体存在論社会崩壊
  1. 受賞作: 受賞業績(生涯の業績に対する表彰)

    この受賞は単一作品ではなく、作家ラスロー・クラスナホルカイの長年の業績を顕彰するもの。長文体と寓話性を通じて近代社会や存在の問題を追究してきた点が評価された。

    単一作品ではなく、作家の業績全体に与えられた国際賞。

    長文体存在論的探求歴史的寓話
  1. 受賞作: Baron Wenckheim's Homecoming

    破天荒な伯爵の帰郷を軸に、地方都市の噂、政治、哲学が渦巻くハンガリー文学の大作。

    破天荒な伯爵の帰郷を軸に、地方都市の噂、政治、哲学が渦巻くハンガリー文学の大作。

    576ページ
    翻訳文学ハンガリー実験小説
  1. 受賞作: 生涯業績

    本賞は単一の作品に対してではなく、受賞者の長年にわたる創作活動と欧州文学への総合的な貢献を称えるものです。本件における「作品」は個別の書籍ではなく、受賞者が残した代表作群とその文学的影響を総括したものとして扱われます。

    生涯業績欧州文学国際的影響文化交流
  1. 受賞作: 受賞対象: 全体の文学業績

    ハンガリーの辺境や崩れゆく共同体を舞台に、終末感と欺瞞、暴力、救済への希求を長大な文体で描き続けた作家の全体業績を対象とする。『サタンタンゴ』、『抵抗の憂鬱』、『戦争と戦争』、『北は山、南は湖、西は道、東は川』、『セイボーそこにありき』、『Herscht 07769』などは、荒廃の中でなお芸術の力を問い直す代表作として並ぶ。

    終末の気配が漂う世界で、文学そのものの持続力を問い続ける。

    共同体の崩壊終末感欺瞞芸術の力実験的文体

作品

代表作

サータントンゴ(Sátántangó)

1985年 長編小説

崩壊しつつある田舎共同体を舞台に、人間の嘆きと破局を長大な筆致で描く作品。終末的な雰囲気と連続する視点で構成される。

終末論共同体の崩壊虚無と再生
映像化・舞台化
  • [映画] サータントンゴ(映画) / Béla Tarr (1994)
翻訳
  • 英訳(George Szirtes)

抵抗の憂鬱(Az ellenállás melankóliája)

1989年 長編小説

不可解な出来事が町を覆い、群衆心理や暴力の生成を描く。本作はユーモアと不穏さが交錯する寓話的な性格を持つ。

暴力と群衆心理寓話性文明批評
映像化・舞台化
  • [映画] Werckmeister harmonies(映画) / Béla Tarr (2000)
翻訳
  • 英訳(George Szirtes)

セイオボ・ジャルト・オダレント(Seiobo járt odalent)

2008年 短編連作集 / 短編集

美術や儀礼、技術と精神性をめぐる短編群。東洋の美学への傾倒が色濃く反映されている。

美術と儀礼職人性東洋思想
翻訳
  • 英訳(Ottilie Mulzet)

戦争と戦争(Háború és háború)

1999年 長編小説

奔放な旅と執念に駆られた探索を描く作品。西欧の都市やアジアを巡る旅が、語りと思想の交錯を生む。

執念文化間交流
翻訳
  • 英訳(George Szirtes)

ヴェンクハイム男爵の帰郷(Báró Wenckheim hazatér)

2016年 長編小説

帰郷する男を巡る群像劇。コミュニティと個の関係、ユーモアと悲劇が交錯する現代的寓話。

帰郷共同体讃嘆と諷刺
翻訳
  • 英訳(Ottilie Mulzet)

全著作

  • Sátántangó(1985)
  • Az ellenállás melankóliája(1989)
  • Az urgai fogoly(1992)
  • Háború és háború(1999)
  • Rombolás és bánat az Ég alatt(2004)
  • Seiobo járt odalent(2008)
  • Báró Wenckheim hazatér(2016)
  • Herscht 07769(2021)
  • Zsömle odavan(2024)
  • A magyar nemzet biztonsága(2025)

翻案

  • サータントンゴ(映画、監督:ベーラ・ター、1994)
  • Werckmeister harmonies(映画、監督:ベーラ・ター、2000)
  • トリノの馬(台本協力/原作関係、監督:ベーラ・ター、2011)

作品の翻訳

  • Sátántangó — 英訳: Satantango(George Szirtes)
  • Az ellenállás melankóliája — 英訳: The Melancholy of Resistance(George Szirtes)
  • Seiobo járt odalent — 英訳: Seiobo There Below(Ottilie Mulzet)
  • Báró Wenckheim hazatér — 英訳: Baron Wenckheim's Homecoming(Ottilie Mulzet)

作風・主題

文体
長く連なる文、要求的で難解な文体寓話的・黙示録的な構図東洋美学や儀礼への関心を取り入れた叙述
頻出モチーフ
終末と破局孤独と執念旅と境界の越境美術・職人技への執着

評価・遺産

クラースナホルカイは20世紀末から21世紀にかけて国際的に評価されたハンガリーの作家であり、その難解かつ黙示録的な作品群は多くの翻訳と映像化を通じて影響を与えた。2025年のノーベル文学賞受賞により、国際的評価はさらに確定的になった。

記念館・博物館

  • オーストリア国立図書館 文学アーカイブ(Krasznahorkai の所蔵) ウィーン、オーストリア

関連学会

  • ハンガリー科学アカデミー(関連の受賞や評価)

資料所蔵先

  • オーストリア国立図書館 文学アーカイブ(Vienna)

大衆文化への影響

  • ベーラ・ターによる複数の映画化(サータントンゴ、Werckmeister harmonies 等)でカルト的な映画ファン層にも知られる存在となった。

引用

  • 現代の黙示録の巨匠であり、そのビジョンはゴーゴリやメルヴィルと比較されうる。
    出典: スーザン・ソンタグ(評) (2011年)

豆知識

  • 父方にユダヤ系の出自を持つことを幼少期に知ったと語っている。
  • 若年期はピアニストとしてジャズやビートバンドで演奏していた経験がある。
  • ベーラ・ターとは長年の友人かつ協力者で、いくつかの作品が映画化された。
  • 2015年にマン・ブッカー国際賞を受賞した初のハンガリー人作家の一人である(ハンガリー出身作家として初)。