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第5回(1970年) 受賞受賞作: 闇の左手
氷の惑星を舞台に、性別が流動する種族との接触を通じて、ジェンダーや異文化理解、政治を問う。外交官の視点から孤独や信頼、社会構造を哲学的に掘り下げる作品。
性別の流動性を通して、異文化理解と政治を見つめる。
400ページジェンダー文化人類学政治アイデンティティ -
第10回(1975年) 受賞受賞作: 所有なき人々
アナーキズム社会アナーシュと資本主義的なウラスを対比させ、自由と共同体の意味を問うレ・グウィンの代表作。
アナーキズム社会アナーシュと資本主義的なウラスを対比させ、自由と共同体の意味を問うレ・グウィンの代表作。
SF小説政治思想ユートピア/ディストピア
アーシュラ・K・ル=グウィン
アーシュラ・ケー・ル=グウィン
Ursula K. Le Guin
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1929-10-21 (カリフォルニア州バークレー)
- 死没
- 2018-01-22 (オレゴン州ポートランド) 88歳
- 国籍
- アメリカ合衆国
- 言語
- 英語
- 宗教
- 無宗教(育ち) / タオイズムや仏教に関心
- 居住地歴
- カリフォルニア州バークレー(出生) → ナパ・バレー(夏季滞在) → パリ(留学・フルブライト期間) → オレゴン州ポートランド(長年の居住地)
経歴
- 職業
- 作家, 詩人, 翻訳者, 文芸批評家, 大学講師
- 活動期間
- 1959年〜2018年
- 影響を受けた人物
- シオドア・スターゲン(Theodore Sturgeon), コーダウェナー・スミス(Cordwainer Smith), カール・ユング(Carl Jung), 文化人類学(父アルフレッド・クローバーからの影響), 道教(思想的影響)
- 影響を与えた人物
- ニール・ゲイマン, サルマン・ラシュディ, デイヴィッド・ミッチェル, アイアン・バンクス(Iain Banks), マイケル・チャボン
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ラドクリフ・カレッジ(ハーバード大学付属) | ルネサンス期フランス・イタリア文学 | — | BA | 1947–1951 | アメリカ合衆国 |
| コロンビア大学 | フランス語学・文学(大学院) | — | MA | 1951–1952 | アメリカ合衆国 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1970 | ヒューゴー賞(Best Novel) | 闇の左手 | — | 世界SF協会(WSFS) | Winner |
| 1970 | ネビュラ賞(Best Novel) | 闇の左手 | — | サイエンス・フィクション作家協会(SFWA) | Winner |
| 1975 | ヒューゴー賞(Best Novel) | 没収された者たち | — | 世界SF協会(WSFS) | Winner |
| 1975 | ネビュラ賞(Best Novel) | 没収された者たち | — | サイエンス・フィクション作家協会(SFWA) | Winner |
| 1973 | ナショナル・ブック賞(児童文学部門) | 最遠の岸(The Farthest Shore) | — | National Book Foundation | Winner |
| 2003 | SFWAグランドマスター賞 | — | Lifetime achievement | サイエンス・フィクション作家協会(SFWA) | Winner |
| 2014 | アメリカ文学への卓越した貢献メダル | — | — | ナショナル・ブック・ファンデーション | Winner |
| 2000 | Library of Congress Living Legend | — | — | アメリカ議会図書館 | Honoree |
| 2002 | ワールド・ファンタジー賞(最優秀長編) | もう一つの風(The Other Wind) | — | World Fantasy Convention | Winner |
受賞・候補エディション
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第51回(1972年) 候補受賞作: The Tombs of Atuan
アースシーシリーズの一作で、若い女司祭テナーが自らの存在と自由を求めて葛藤する物語。暗い神殿や古代の力を背景に、成長と救済、個の選択が描かれるダークファンタジー。
アースシーシリーズの一作で、若い女司祭テナーが自らの存在と自由を求めて葛藤する物語。暗い神殿や古代の力を背景に、成長と救済、個の選択が描かれるダークファンタジー。
163ページファンタジーアイデンティティ権力と自由神話
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第4回(1974年) 受賞受賞作: Locus
Locus誌に関わる受賞対象で、単独書籍ではない。
書籍ではなく、雑誌・媒体の存在そのものを示す。
雑誌Locus非書籍
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第11回(1985年) 受賞受賞作: Always Coming Home
文明崩壊後のカリフォルニアを舞台に、ケッシュ(Kesh)と呼ばれる共同体の生活、歌、神話、日常を民族誌風に織り交ぜて描く実験的長篇。詩や歌詞、地図や断章を用いながら文化保存や自然との共生、人間の営みを深く考察する作品。
ポストアポカリプス文化人類学エコロジー共同体実験的形式
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第6回(1992年) 受賞受賞作: Searoad
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第28回(2014年) 受賞受賞作: The Unreal and The Real: Collected Stories, Vols. 1 and 2
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第4回(1994年) 受賞受賞作: The Matter of Seggri
惑星セグリ(Seggri)の歴史や制度を通じてジェンダーと権力の仕組みを検証する短編。社会制度が個人と集団の関係をどう形成するかを歴史記述風の語りで描き、文化相対主義的な問いを投げかける作品。
ジェンダー研究社会制度文化相対主義短篇 -
第5回(1995年) 受賞受賞作: The Left Hand of Darkness
氷の惑星ゲセンを舞台に、性が流動的な住民と地球からの使節との出会いを描く古典的長編。友情や政治的陰謀を通してジェンダーの構築、異文化理解の困難さ、人間性の本質を問う作品。
ジェンダー異文化交流政治友情 -
第6回(1996年) 受賞受賞作: Mountain Ways
山間の集落とそこに生きる人々を描いた短編。伝統と変化、性役割や権力関係の摩擦を通して、共同体のあり方と個人の選択を静かに描写する作品。
伝統と変化ジェンダーコミュニティ短篇
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受賞作: Four Ways to Forgiveness
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第20回(1999年) 受賞
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第3回(2001年) 受賞受賞作: The Telling
エクメンの使節が、伝統的な物語伝承『The Telling』が抑圧されている惑星を訪れ、記憶と文化の保存をめぐる葛藤に巻き込まれる物語。言語と物語の力、抑圧と抵抗、文化保存の重要性を問いかける哲学的なSF。
文化人類学言語と物語抑圧と抵抗SF -
第4回(2002年) 受賞受賞作: Tales from Earthsea
アースシー世界の短編・中編を集めた作品集で、魔法、均衡、責任、贖罪などのテーマを扱う。シリーズの世界観を広げ、神話的・寓話的側面に焦点を当てた内容。
ファンタジー魔法倫理伝承
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受賞作: 短編小説における業績(想像力と哲学的探求)
ル=グウィンは異文化や社会制度、ジェンダーの問題を想像的に描きつつ、短編でも哲学的・人類学的な問いを深めた。想像力に支えられた倫理的探求と物語の豊かさにより、短編文学に重要な貢献を果たした。
ユートピア/ディストピア文化と人類学ジェンダー想像力と倫理
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第21回(2006年) 候補受賞作: Pimeälipas ja muita kertomuksia
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第25回(2010年) 候補受賞作: Kahdesti haarautuva puu
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第72回(2014年) 生涯功労賞受賞作: Medal for Distinguished Contribution to American Letters(功績メダル)
アメリカ文学への長年の貢献をたたえる功績メダルで、特定の一冊ではなく作家としての蓄積が評価された。
一冊の受賞作ではなく、長年の創作全体への表彰。
生涯功績アメリカ文学作家の業績
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第12回(2018年) 候補受賞作: The Beginning Place
異界への入口を通じて若者たちの成長と選択を描く幻想小説。現実と異界の境界、個人の責任と変容を繊細に扱う物語。
異界成長境界魔法
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第44回(2024年) 受賞受賞作: Immer nach Hause (Always Coming Home)
部族的文化や神話、歌を織り込んだ実験的な長編で、架空の社会を民族誌的に描くことで文明と自然、文化の持続について探る作品。
人類学文化史エコロジー実験文学
作品
代表作
アースシーの魔術師
1968年 ファンタジー(ヤングアダルト含む) 184ページ若き魔法使いゲドが成長し、自らの影(シャドウ)と向き合い均衡を取り戻すまでを描くビルドゥングスロマン。
- [アニメーション(部分的に)] ゲド戦記(映画『Tales from Earthsea』の原作要素) / Gorō Miyazaki (2006)
- アースシーの魔術師
闇の左手
1969年 サイエンス・フィクション(社会科学寄り) 304ページジェンリー・アイという地球人の外交官が、両性の特徴を持つゲセンという惑星での文化的隔たりと関係を通じて人間性と性差を問い直す物語。
- [舞台] The Left Hand of Darkness(舞台版) / Jonathan Walters (adaptation director) (1995)
- 闇の左手
没収された者たち
1974年 サイエンス・フィクション(政治・思想探求) 341ページ二つの対照的な惑星(ウラスとアナレス)を舞台に、物質的豊かさと倫理的自由の対立を描き、無政府主義や共同体の在り方を問う作品。
- 没収された者たち
天の錬盤(原題:The Lathe of Heaven)
1971年 サイエンス・フィクション 184ページ主人公の夢が現実を書き換える能力を持ち、その能力を巡る倫理的問題と介入の危険を描く物語。
- [テレビ映画] The Lathe of Heaven(TV映画) / David Loxton(1979版関与) / 2002版ディレクター別 (1979)
- 天の錬盤
全著作
- ロカノンの世界(Rocannon's World)
- アースシーの魔術師(A Wizard of Earthsea)
- 闇の左手(The Left Hand of Darkness)
- 没収された者たち(The Dispossessed)
- 天の錬盤(The Lathe of Heaven)
- Always Coming Home(常に帰る家)
翻案
- ゲド戦記 → 映画『Tales from Earthsea』(2006)
- 『闇の左手』舞台化(1995)
- 『天の錬盤』テレビ映画化(1979、2002)
- 『Legend of Earthsea』ミニシリーズ(Sci Fi Channel/2004)
作家による翻訳
- 『道徳経』翻訳(1997)
作品の翻訳
- 『闇の左手』日本語版等多数翻訳
作風・主題
- 文体
- 簡潔で叙情的な文体社会的・哲学的テーマを織り込むジャンル横断的(SF、ファンタジー、現実主義)
- 頻出モチーフ
- 均衡と調和成長と通過儀礼(ビルドゥングスロマン)文化人類学的な観察名前とアイデンティティ
健康
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晩年の体調不良、心臓発作の可能性晩年(死去直前)数か月の体調不良が報告され、2018年の死去の一因とされる
評価・遺産
ル=グウィンはジャンル文学において社会的・哲学的テーマを導入し、SFとファンタジーを文学的正統性のあるものへと押し上げた。多くの作家や批評家に影響を与え、数多くの主要賞を受賞した。
関連学会
- サイエンス・フィクション作家協会(SFWA)関連コミュニティ
- 学術的研究・シンポジウムの対象
資料所蔵先
- オレゴン大学図書館(Ursula K. Le Guin papers)
- アメリカ議会図書館関連所蔵(栄誉認定あり)
大衆文化への影響
- 2021年にアメリカ郵便局が記念切手を発行
- 2024年に水星のクレーターが彼女の名で命名
引用
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私は、私たちが今の生活の代替を見いだし、恐怖と技術に支配された社会を見抜くことのできる作家たちの声を必要とすると思う。自由を思い出せる作家たちを我々は必要とする。
出典: スピーチ/エッセイ (2014年)
豆知識
- 1977年にSFWAの政治的決定に抗議してネビュラ賞を辞退したことがある。
- 一時『Playboy』にイニシャル表記で掲載されたことがある(U. K. Le Guin)。
- 「アンシブル(ansible)」という瞬時通信装置の名称を造語し、他作家にも広まった。
- 2014年にナショナル・ブック・ファンデーションの貢献メダルを受賞。
- 死後にアースシーの完全版でヒューゴー賞を受賞(遺作コレクション等で受賞歴あり)。