DSC賞(南アジア文学)
でぃーえすしーしょう(みなみあじあぶんがく)
南アジアを題材にした、英語で書かれたまたは英語に翻訳された長編小説を対象とする国際文学賞。
- 創設年
- 2010
- 主催
- Surina Narula & Manhad Narula(DSC Prize)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 1月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
DSC Prize for South Asian Literatureは2010年にSurina NarulaとManhad Narulaによって創設された国際文学賞で、南アジアを題材にした長編小説(英語で書かれた作品、または英語に翻訳された作品)を対象とする。受賞作は選考前年に出版された長編小説であることが条件とされる。目的は南アジア地域についての優れた作品を国際的に紹介することである。
賞品
- 主賞品
- 受賞者には賞金および国際的な顕彰が与えられる(賞金は米ドル)。
- 賞金
- 25,000 USD
- 最終候補およびショートリスト入りによる国際的な注目
- 翻訳作品の場合は翻訳者へのクレジット/評価(共同表彰されることがある)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 一次選考(ロングリスト) | 作家・編集者・学者などで構成される審査員団による書類選考 | — | 公式サイトやプレスリリースで発表 |
| 二次選考(ショートリスト) | 審査員団がロングリストから最終候補を選定 | — | 公式発表(ショートリストはプレスと公式サイトで告知) |
| 最終選考・受賞者決定 | 審査員による議論と投票で受賞作を決定 | — | 公式サイトおよび報道で発表(多くの年で1月に発表) |
選考基準
- 南アジアを題材としていること(文化・政治・歴史・人々などのテーマ)
- 英語で書かれているか、質の高い英訳が付されていること
- 選考前年に出版されていること(出版年の適合)
- 文学的完成度、独創性、テーマの深さ、語りの力
- 翻訳作品は翻訳の質も評価対象となること
応募のヒント
推奨
- 応募要項を公式サイトで確認し、指定フォーマットで提出する
- 作品が南アジアを主題としている点を明確に示す
- 原稿が英語であること、または質の高い英訳を添付する(翻訳者名を明記)
- 出版社情報や出版年が選考対象年に合致しているか確認する
- 校正・編集を行い、完成度の高い原稿を提出する
注意
- 短編や断片的な作品、未完成の原稿を提出しない
- 応募要件(言語・出版年・地域など)に合致しない作品を出さない
- 翻訳者のクレジットを省略しない
- 公式の提出方法や締切を無視しない
審査員から
- 南アジアの文脈や複雑性を深く描写した作品が評価される
- 翻訳作品は翻訳の質が選考に大きく影響するので注意すること
- 独創性と人物描写の深さ、語りの一貫性を重視する
- 完成度の高い英文表現(または英訳)を心がける
関連の賞
- Man Asian Literary Prize
- Commonwealth Book Prize
- JCB Prize for Literature
- International Booker Prize
公式情報
http://dscprize.com/ (domain hijacked - now serves unrelated Vietnamese sports streaming site GaVangTV)過去の受賞者
北インドを舞台に、失った息子への想いを抱える父親を中心に家族史が展開する大河的長編。言語、宗教的緊張、暴力の記憶が代々受け継がれる様を多層的に描き、個人と共同体の関係、赦しと罪の問題を重厚に掘り下げる。
インドの作家。家族史や言語、社会的緊張を題材に重層的な物語を紡ぐことが多い。
カンナダ語の短編を英訳した短編集で、都市と田舎の境界に生きる人々の日常の機微を捉える。些細な出来事に宿る孤独やユーモア、切なさを静かに描き、翻訳は原語のリズムや情感を丁寧に再現している。
カンナダ語圏を代表する作家・詩人。短編や歌詞など多彩な表現で日常と人間の機微を描く。
英訳者として原文の抒情性や語感を英語へ移し、カンナダ語短編集を国際読者に紹介した貢献が評価された(訳書としての受賞)。
学者であり翻訳者。カンナダ語の短編を英訳し、原文の語感と文化的文脈を丁寧に伝えた功績により著者と共に受賞。
スリランカ内戦の最中、短期間の結婚に至った男女の視点を通じて、戦争がもたらす日常性の崩壊と人間の尊厳を鋭く描く。緊張感のある文体で内面の細部へ迫り、極限状況における倫理や生存を深く考察する濃密な長編。
スリランカ出身の作家。内戦の経験や個人の内面を静謐な文体で描くことで国際的に注目された。
沿岸部の巡礼地を背景に、過去の暴力やトラウマを抱えた複数の登場人物の記憶が交差する群像劇。個人の傷と共同体の断絶、赦しの可能性を繊細に見つめる。風景描写と心理描写の調和による静謐な筆致が印象的。
インドの作家・編集者。記憶やトラウマを丁寧に紡ぐ作風で国際的に評価されている。
西ベンガルの村で育った兄弟が政治的抗争や移住を通じて異なる生を歩む様を描く家族叙事詩。過激な政治参加、家族の崩壊、移民としての喪失と贖罪が世代を越えて影を落とす。繊細な心理描写と歴史的厚みが融合した作品。
ベンガル系アメリカ人の作家。移民体験や家族の機微を繊細に描くことに定評がある。
パールシー共同体に属する“屍搬送人”の視点から、葬送儀礼や職業的差別、家族の絆を丁寧に描く物語。宗教的慣習と社会的階層の緊張が浮き彫りになり、伝統と個人の尊厳という普遍的テーマに迫る重厚な長編。
インドの作家。マイノリティの生活や慣習に焦点を当てた題材で知られる。
ムンバイを舞台に麻薬取引と中毒の世界を詩的かつ断片的な語りで描き出す長編。多様な登場人物の視点が交錯し、依存と救済、都市の倫理的崩壊や芸術と暴力の交錯が鮮烈に示される。言語実験的な文体と濃密な内面描写が特徴。
詩人としても知られるインドの作家。実験的で詩的な文体を用い、都市の周縁や中毒の問題を描く作品群で評価される。
クリケットを軸に据えた私的な捜索譚を通して、スリランカの政治的暴力や戦争の記憶、国家神話の崩壊を黒いユーモアと痛烈な風刺で描く長編。伝説的選手の足跡を追うことで個人的喪失と民族的トラウマが重層的に露呈する。
スリランカ出身の作家。クリケットを通じて国民的記憶や政治的暴力を描く独特の視点で知られる。
パキスタン出身の若者たちとその仲間を中心に、9/11以降のニューヨークで経験する排外主義、暴力、友情と裏切りを辛辣なユーモアと激しいリアリズムで描く長編。移民としてのアイデンティティの揺らぎ、多言語的語りと都市の断片的風景が作品全体を支配する。
パキスタン出身の小説家。英語による作品で国際的な注目を集め、都市の周縁や移民経験を率直に描く作風で知られる。