ウィメンズ・プライズ・フォー・フィクション
うぃめんず・ぷらいず・ふぉー・ふぃくしょん
英語で書かれ英国で刊行された女性作家の長編小説に贈られる、毎年の英国文学賞。
- 創設年
- 1996
- 主催
- Women's Prize for Fiction(Women's Prize Trust)
- カテゴリー
- 出版文化・書籍文化
- 選考方式
- 公募・推薦
- 受賞対象
- 不問
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 6月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Women's Prize for Fiction(旧称 Orange Prize 等)は1996年創設の年次文学賞で、英語で執筆され英国で出版された女性作家のオリジナル長編小説に授与される。受賞者には賞金£30,000とGrizel Niven作のブロンズ像「Bessie」が贈られる。通常ロングリストは3月頃、ショートリストと受賞発表は6月に行われる。過去のスポンサーにはOrangeやBaileysがあり、2018年以降はファミリー・スポンサー制を採用している。2023年には姉妹賞としてWomen's Prize for Non-Fictionが創設された。
賞品
- 主賞品
- 受賞者には賞金£30,000とGrizel Niven作のブロンズ像「Bessie」が贈られる。
- 賞金
- 30,000 GBP
- ロングリスト・ショートリスト入りによる広報効果・販売促進
- 受賞トロフィー(Bessie、ブロンズ像)
- 関連イベントやメディア露出
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| ロングリスト(一次選考) | 年ごとに選ばれる審査パネル(複数名) | null | 公式サイト・プレスリリースで発表、例年3月頃 |
| ショートリスト(二次選考) | 審査パネルにより選出(ショートリストとなる候補を選定) | null | 公式発表、例年6月 |
| 受賞者選定(最終選考) | 最終選考は毎年選ばれる『5名のリーディング女性』等の最終審査員による選定 | null | ショートリスト発表後数日以内に公式に発表(例年6月) |
選考基準
- 英語で書かれたオリジナルの長編小説であること
- 英国で出版されていること(前年に出版されていることが原則)
- 著者が女性であること(規約は法的に女性、トランス女性を含む定義を示している)
- 文学的価値、独創性、文章表現の完成度を重視
応募のヒント
推奨
- 応募規程をよく読み、期限と提出形式を厳守する
- 出版社または正式なノミネーション経路を通じて応募する
- 校正済みで完成度の高い原稿(英語)を提出する
- 英国での刊行情報(出版社・刊行日)を明示する
- 作品の独自性や文学的価値を応募資料で明確に伝える
注意
- 期限や提出要件を無視して提出すること
- 必要な言語・出版条件を満たさないまま応募すること
- 未編集・不備の多い草稿で応募すること
- 虚偽または不正確な出版情報を記載すること
審査員から
- 文学性と物語の独自性、キャラクター造形や文章表現の完成度を重視する
- 編集された最良の版で提出すること(出版社の編集作業が評価されることがある)
- 英語での表現力や構成の巧みさが選考で重要となる
関連の賞
- Women's Prize for Non-Fiction
- Orange Award for New Writers
- Booker Prize(Man/Booker Prize)
- List of literary awards honoring women
公式情報
http://www.womensprizeforfiction.co.uk/過去の受賞者
第二次世界大戦後のオランダを舞台に、静かな屋敷で暮らす女性の均衡が、兄とその恋人の訪問をきっかけに崩れていく。抑え込まれてきた欲望と過去の記憶が、閉ざされた空間の緊張を少しずつ高める。
静かな屋敷の秩序が、訪問者をきっかけに崩れ始める。
スリランカ内戦の初期を背景に、医師を目指す少女サシが、家族の分断と政治的暴力に巻き込まれていく過程を描く長編。抑制された語りが、戦争が日常から奪うものを静かに見つめる。
戦争が一人の少女の進路と家族のかたちを変えていく。
ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』を現代アパラチアに置き換え、貧困、薬物依存、里親制度の歪み、成長の痛みを少年の視点で描く長編。ユーモアを交えた語りが、過酷な現実のなかでも生き延びる力を浮かび上がらせる。
現代アパラチア版『デイヴィッド・コパフィールド』として、ひとりの少年の生き延びる力を描く。
グリーフ、喪失、成長、気候危機、ジャズ、物への執着を織り込みながら、ものと人の関係を問い直す長編。オブジェが半ば意志を持つかのように語りかける発想を通して、読書と物語の力を描く。
二重の語り構造(異なる順序で読めるヴァージョン)を持つ実験的小説。視点や時間軸を交差させながら、芸術と人生の関係、人間関係の複雑さを描く。
独創的な語り口と実験的な構成を得意とする英国の作家。社会や時間を巡る作品で知られる。
家族の暴力や喪失、思春期の混乱を、断片的で詩的な文体でたどる実験的小説。少女の内面に深く入り込みながら、痛みと抒情が同時に立ち上がる。
裂け目だらけの文体が、少女の内面をそのまま響かせる。
実験的な文体で注目されたアイルランドの作家。デビュー作で高い評価を受けた。
旧ユーゴスラビアの小さな町を舞台に、祖父の死の謎を追う若い女性が語り手となり、民話、家族の記憶、戦争の影響が交錯する物語。現実と伝説が混ざり合う独特の語り口が特徴。
民話と記憶が、祖父の死をめぐる謎に重なっていく。
若手作家。伝承や家族史を融合させた幻想的な作風で高い評価を得た。
母とその幼い息子が閉じ込められた狭い空間で暮らす日常から始まり、やがて外の世界へ出て自由を取り戻すまでを、幼い視点と母親の視点から描く感動的な物語。トラウマと再生をテーマにしている。
閉ざされた部屋の中で続く日常が、やがて外の世界へとつながっていく。
小説家・劇作家・翻訳家。リアリスティックな描写と登場人物の心理に深い関心を持つ。
16世紀のイングランドを舞台に、トマス・クロムウェルの視点からヘンリー8世の宮廷政治と権力闘争を描く長編歴史小説。政治的計算と人間関係の機微が緻密に組み合わされる。
宮廷の権力闘争を、クロムウェルの視点から緻密に描く。
歴史小説を中心に執筆する英国の作家。政治と個人の葛藤を緻密に描くことで知られる。
1960年代のナイジェリア独立戦争を背景に、異なる階級や視点の人物たちの生活と愛、喪失を描く群像小説。個人的な関係と国家的な出来事が絡み合い、戦争の影響を受ける人々の内面を浮き彫りにする。
戦争の時代を生きる人々の愛と喪失を、複数の視点から描く。
ナイジェリア出身の小説家。植民地後のナイジェリアや家族、政治を題材にした作品で国際的な評価を得る。
テオはメトロポリタン美術館で起きた爆発で母を失い、盗み出した一枚の小さな絵を手がかりに、喪失と依存、芸術と犯罪のあいだを漂う。少年時代の破局が、その後の人生を長く縛り続ける。
美術館の爆発のあと、小さな絵が喪失と生存をつなぎとめる。
戦後のロンドンとジャマイカを舞台に、クイーニー、ギルバート、ホーテンス、バーナードの人生が交差し、移民、偏見、戦後英国の変化、帰属意識の揺らぎを描く小説。
帝国、偏見、戦争、そして愛を織り込みながら、戦後英国の現実を鮮やかに描き出す。
ジャマイカ系イングランド人の作家。移民、植民地主義、アイデンティティをテーマにした作品で知られ、2004年に『Small Island』でOrange Prize(Women's Prize for Fiction)を受賞した。
1946年にロンドンの若い美容師エブリンがパレスチナへ渡り、テルアビブで新国家の誕生に伴う理想と暴力、自己変容に巻き込まれていく歴史小説。
若い美容師が、理想と危うさの入り混じるパレスチナへ渡る。
イギリスの小説家・ジャーナリスト。移民やユダヤ系コミュニティを題材にした作品で知られる。2000年に小説『When I Lived in Modern Times』でOrange Prize(Women's Prize for Fiction)を受賞。