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受賞作: 業績(受賞対象:全体の業績)
本賞はカダレの歴史的寓話と政治的洞察に富む業績に対して贈られた。彼はアルバニアの社会的経験を普遍化し、権力や記憶をめぐる物語を寓話的・象徴的な語りで表現している。
全体主義歴史政治寓話民族と記憶
イスマイル・カダレ
イスマイル・カダレ
Ismail Kadare
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1936-01-28 (ギロカストラ(ギロカスタル))
- 死没
- 2024-07-01 (ティラナ、アルバニア) 88歳
- 国籍
- アルバニア, フランス, コソボ
- 言語
- アルバニア語, フランス語, 英語
- 宗教
- 無宗教(出生はムスリムの家系)
経歴
- 職業
- 小説家, 詩人, 随筆家, 脚本家, 劇作家
- 活動期間
- 1954年〜2020年
- 所属
- Académie des Sciences Morales et Politiques(フランス), アルバニア科学アカデミー, ベルリン芸術アカデミー, アカデミー・マラルメ(Académie Mallarmé)
- 所属団体
- Académie des Sciences Morales et Politiques(外国准会員), アルバニア科学アカデミー, ベルリン芸術アカデミー, アカデミー・マラルメ(Académie Mallarmé)
- 影響を受けた人物
- フランツ・カフカ, ニコライ・ゴーゴリ, ジョージ・オーウェル, ガブリエル・ガルシア=マルケス, ミラン・クンデラ, バルザック, ジャン=ポール・サルトル, アルベール・カミュ, アーネスト・ヘミングウェイ
- 影響を与えた人物
- 現代アルバニア文学, 東欧・バルカン地域の作家群
- ノミネート
- ノーベル文学賞(15回ノミネート)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| ティラナ大学(歴史・文献学部) | 歴史・文献学部 | 言語・文学 | — | 1954–1956 | アルバニア |
| マキシム・ゴーリキー文学学院 | — | 文学 | — | 1958–1960 | ソビエト連邦(当時) |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1992 | シーノ・デル・デューカ世界賞(Prix mondial Cino Del Duca) | — | — | Prix mondial Cino Del Duca | 受賞 |
| 1998 | ヘルダー賞 | — | — | Herder Prize | 受賞 |
| 2005 | マン・ブッカー国際賞(首回) | 生涯業績 | — | Man Booker International Prize | 受賞 |
| 2009 | アストゥリアス王子賞(文学) | — | 文学 | プリンセサ・デ・アストゥリアス財団 | 受賞 |
| 2015 | エルサレム賞 | — | — | Jerusalem Prize | 受賞 |
| 2016 | レジオンドヌール勲章(コマンドゥール/グランオフィシエ) | — | — | フランス共和国 | 受章 |
| 2019 | パク・ギョンニ文学賞 | — | — | Park Kyong-ni Prize | 受賞 |
| 2020 | ノイシュタット国際文学賞 | 生涯業績 | — | Neustadt Prizes | 受賞 |
| 2003 | オヴィド賞 | — | — | Ovid Prize | 受賞 |
| 2018 | インターナショナル・ノニーノ賞 | — | — | Nonino | 受賞 |
| 2023 | アメリカ賞(America Award in Literature) | 生涯貢献 | — | America Awards(Green Integer) | 受賞 |
| — | アルバニア「国家の栄誉」勲章(Honor of the Nation) | — | — | アルバニア共和国 | 受章 |
| 2016 | アルバニア国旗勲章(National Flag Decoration) | — | — | アルバニア共和国 | 受章 |
受賞・候補エディション
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第1回(2005年) 受賞受賞作: 受賞業績(生涯の業績に対する表彰)
寓話的な語りと歴史への鋭い洞察で知られるアルバニアの作家。独裁期の記憶や権力の寓話化を通じて近現代史を問う作品群が国際的に評価され、生涯の業績として本賞が贈られた。
寓話的な語りと歴史への洞察で知られるアルバニアの作家。
権力と独裁歴史と記憶寓話
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第0回(2008年) 受賞
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第29回(2009年) 受賞受賞作: 死者の軍の将軍(The General of the Dead Army)
戦後の記憶と喪失を主題にした初期代表作。戦没者の遺骨収集にまつわる旅を通じて、権力、暴力、記憶の不可避な重みを描き、寓話的手法で総体的な歴史の悲劇性を浮かび上がらせる作品である。
記憶と歴史独裁と権力戦争の影響寓話的手法
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第27回(2015年) 受賞受賞作: 受賞業績(全作品)
イスマイル・カダレの文学全体に対して授与された賞で、単一の受賞作を特定する対象ではない。
個別の書籍ではなく、長年にわたる創作活動そのものが評価された。
文学賞業績作家
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第9回(2019年) 受賞
第二次大戦後、戦死者の遺骨を回収するためアルバニアを訪れた外国の将軍と司祭の旅を描く長編。死者を掘り起こす作業は、戦争の記憶、加害の歴史、征服者への屈辱を呼び戻す寓話となる。
掘り起こされるのは遺骨だけではなく、戦争が残した敵意と記憶である。
301ページ戦争の記憶寓話アルバニア遺骨収集加害と喪失
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第26回(2020年) 受賞受賞作: 業績全体
アルバニア近代史を背景に、寓話と歴史のモチーフを通じて権力、検閲、記憶、暴力を描いてきた業績全体。小説、詩、エッセイ、戯曲にまたがる仕事は、全体主義下での生の条件を普遍的な問いへと引き上げたものとして評価されている。
権力と検閲の圧力を、寓話的な語りで歴史の記憶へと変えていく。
寓話権力と検閲歴史と記憶全体主義象徴主義
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第30回(2023年) 受賞受賞作: 死者の将軍(The General of the Dead Army)
戦後のバルカンを舞台に、戦死者の遺骨回収の任務に派遣された将軍と神父の旅を描く物語。歴史の重みと個人の記憶、戦争の不条理が静かに、しかし強烈に浮かび上がる。
歴史記憶国家と個人戦争とトラウマ
作品
代表作
死者の軍の将軍(Gjenerali i ushtrisë së vdekur / The General of the Dead Army)
1963年 小説(アイロニー、寓話的要素)第二次世界大戦後、イタリアの将軍と司祭が戦死者の遺骨を収集するためアルバニアを訪れるという筋を通じて戦争と喪失を描く作品。
- [映画] 死者の軍の将軍(映画化) / 複数(例:ルチアーノ・トヴォリ他) (1983)
- 多言語翻訳(フランス語をはじめ多数)
包囲(Kështjella / The Siege)
1970年 歴史小説スカンデルベグ時代のオスマン帝国との戦いを描き、民族と歴史を巡る物語。
- フランス語などへの翻訳
石の年代記(Kronikë në gur / Chronicle in Stone)
1971年 マジックリアリズム/小説少年の視点から第二次世界大戦中の城塞都市の生活と占領の影響を描いた作品。
夢の宮殿(Pallati i ëndrrave / The Palace of Dreams)
1981年 ディストピア/寓話夢を収集・分類する巨大な官僚機構を通じて全体主義と監視社会を風刺する反全体主義的長編。
壊れた4月(Prilli i thyer / Broken April)
1980年 小説(地方社会の悲劇)北アルバニアの血族復讐(血の掟)を題材に、運命と名誉の必然性を描く物語。
- [映画(翻案)] Behind the Sun(ブラジル映画;原作の翻案) / Walter Salles (2001)
ピラミッド(Piramida / The Pyramid)
1992年 寓話的歴史小説古代エジプトを舞台に、権力と記念碑的事業をめぐる政治的寓意を描く作品。
スピリトゥス(Spiritus)
1996年 小説(幻想的要素)幽霊と過去が交錯する物語を通じて、ポスト共産主義の世界の変容を描く。
石の都市の陥落(Darka e Gabuar / The Fall of the Stone City)
2008年 半自伝的小説著者の出身地や記憶を織り交ぜ、個人史と国史の交錯を描写する長編。
人形(Kukulla / The Doll: A Portrait of My Mother)
2020年 回想録/小説母との複雑な関係と故郷アルバニアへの感情を綴った半自伝的作品。
全著作
- Gjenerali i ushtrisë së vdekur(死者の軍の将軍)
- Kështjella(包囲/The Siege)
- Kronikë në gur(石の年代記/Chronicle in Stone)
- Pallati i ëndrrave(夢の宮殿/The Palace of Dreams)
- Prilli i thyer(壊れた4月/Broken April)
- Piramida(ピラミッド/The Pyramid)
- Spiritus(スピリトゥス)
- Darka e Gabuar(石の都市の陥落/The Fall of the Stone City)
- Kukulla(人形/The Doll)
翻案
- 『死者の軍の将軍』は複数回映画化(イタリア語・フランス語・アルバニア語での映画化あり)
- 『壊れた4月』は映画『Behind the Sun』などに影響を与えた
作品の翻訳
- 作品は45言語以上に翻訳
作風・主題
- 文体
- 寓話的・寓意的な語り主観的リアリズム象徴と神話を用いる文体簡潔で詩的な散文
- 頻出モチーフ
- 権力と全体主義夢と象徴歴史と記憶民話・伝説監視と官僚制
健康
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長年の健康不良・心臓疾患(最終的に心停止/心臓発作)数年〜2024年長年の健康問題があり、2024年に心臓発作で死去
評価・遺産
イスマイル・カダレは20世紀・21世紀を代表する国際的な小説家であり、全体主義に対する普遍的な声と評される。アルバニア文学を世界文学に位置づけ、寓話や歴史を通じて検閲を巧みに回避しつつ抵抗の文学を築いた。
記念館・博物館
- イスマイル・カダレの家(Ismail Kadare House Museum) ギロカストラ(アルバニア)
関連学会
- アルバニア科学アカデミー
- Académie des Sciences Morales et Politiques(フランス)
- ベルリン芸術アカデミー
- Académie Mallarmé
資料所蔵先
- ティラナの個人資料・Ismail Kadare Houseのアーカイブ
大衆文化への影響
- アルバニアでは国民的作家として広く読まれ、ほとんどの家庭に本があると評される
引用
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マルクス主義の未来観には文学の居場所はない。
出典: 2020年ノイシュタット国際文学賞受賞スピーチ(講演) (2020年) -
アルバニアではカダレの本がない家庭はほとんどない。
出典: The New York Timesによる評伝的記述 (1990年)
豆知識
- 作品は45言語以上に翻訳されている。
- ノーベル文学賞に15回ノミネートされた。
- 1990年にフランスへ亡命(政治亡命)した。
- 代表作には『死者の軍の将軍』『夢の宮殿』『ピラミッド』などがある。