ダフ・クーパー賞
だふ・くーぱーしょう
英語またはフランス語で出版された歴史・伝記・政治学(時に詩)の優れたノンフィクション作品に毎年授与される英国の文学賞。1956年創設。受賞者には『Old Men Forget』の初版本と5,000ポンドおよびPol Rogerのシャンパンが贈られる。
- 創設年
- 1956
- 主催
- ダフ・クーパー記念基金(Duff Cooper Memorial Fund)。スポンサー: Pol Roger(2013年以降)
- カテゴリー
- 詩・現代詩
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
ダフ・クーパー賞(Pol Roger Duff Cooper Prize)は、1954年に逝去した英国の政治家・外交官・著述家アルフレッド・ダフ・クーパー(1890–1954)の追悼として設立されたダフ・クーパー記念基金(登録チャリティ番号313572)が1956年に始めた英国の文学賞である。英語またはフランス語で出版された歴史、伝記、旅行記・自然記、政治、詩、文芸批評の最優秀作品に対して年1回授与される。信託は5名の審査員を任命し、そのうち2名はex officio(New College, OxfordのWardenとダフ・クーパーの家族代表)である。受賞者にはダフ・クーパーの自伝『Old Men Forget』の初版本と5,000ポンドの小切手が贈られる。2013年以降はPol Rogerがスポンサーを務め、贈呈式ではシャンパンも提供される。
賞品
- 主賞品
- Duff Cooperの自伝『Old Men Forget』の初版本と金銭賞
- 賞金
- 5,000 GBP
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 審査員の指名 | Duff Cooper Prize Trustが審査員5名を任命。うち2名はex officio(New College, OxfordのWardenとDuff Cooperの家族代表)、残り3名は信託によって指名され任期5年。現在の任命審査員にはMark Amory、Susan Brigden、David Horspoolが含まれる。 | — | — |
| 候補作の評価 | 上記5名の審査員が対象となる英語またはフランス語で出版された作品を検討・議論する。 | — | — |
| 受賞作の決定と発表 | 審査員団 | — | 公式サイトおよびプレス/メディアで発表 |
選考基準
- 歴史、伝記、政治学、または時に詩に属する作品であること
- 英語またはフランス語で出版されていること
- 学術的および文学的な価値が高いこと
- 該当年度に出版された単著(意義ある著作)であること
関連の賞
- List of history awards
- Prizes named after people
- British literary awards
- Biography awards
- Political book awards
公式情報
https://duffcooperprize.org/過去の受賞者
ポール・ゴーギャンの生涯と創作を、渡航や植民地経験、私生活の葛藤と併せて描く大著。芸術的探求と道徳的問題、植民地主義の文脈を見据えつつ、ゴーギャンの創作動機と作品の意味を総合的に再検討する。
英国の伝記作家。ニーチェやムンク、ゴーギャンなど芸術家や思想家の伝記で知られ、学術性と読み物性を兼ね備えた著述を行う。
ヴィシー政権の指導者ペタン元帥に関する出来事とその法的・道徳的評価を検証する研究。戦時中の政策と戦後の裁き、社会的記憶と責任の問題を史料に基づいて掘り下げ、フランスの戦後処理と歴史認識を問い直す。
イギリスの歴史家。フランス現代史の研究で著名であり、人物評伝や政治史の研究で国際的に評価されている。
王権と市民政治の緊張を通じて英国の政治的アイデンティティを問い直す歴史論。王冠が欠けるという視点から、政治制度・公共生活・市民意識の変容を歴史的事例を通じて検証し、近代英国の多面的な姿を浮き彫りにする。
英国の歴史家で、建築史や文化史を含む一般向け歴史書を多数執筆。王室や公共史に関する研究・解説で知られる。
1821年のギリシャ独立闘争を中心に、革命が地中海世界と欧州諸国の政治秩序やナショナリズムの形成に与えた影響を多角的に検討する。国際関係や文化的交流の側面も含め、近代ヨーロッパの構図を再評価する。
英国の歴史家で、ギリシャ史や近代ヨーロッパ史を専門とする。政治史・国際史に関する幅広い研究で知られる。
古代末期から中世にかけてのラヴェンナの政治的・宗教的・文化的役割を論じる研究。ビザンツと西欧の交差点としての都市の建築やモザイク、行政史を通じて、地中海世界とヨーロッパ形成の歴史的意義を明らかにする。
ビザンツ帝国と中世地中海世界の研究で著名な英国の歴史家。建築史や文化史に関する学術的・一般向け著作を多数執筆している。
聖書がどのように成立し、編纂され、翻訳・受容されてきたかを史料に基づいて概観する通史。写本と翻訳の歴史、宗教共同体における解釈の変遷を丁寧に追い、聖書というテキストの生成と影響を分かりやすく説明する。
英国の神学者・聖書学者。聖書の成立過程や解釈史に関する研究・著作を行い、学術的なテキスト批評と一般向け解説の双方で知られる。
シャルル・ド・ゴールの生涯と政治理念を、20世紀フランス史の文脈で精緻に描く評伝。抵抗運動から第五共和政成立に至る決断と国家観を詳細な史料に基づき再検討し、人物像と時代精神を照らし出す。
イギリスの歴史家。フランス現代史、特に20世紀の政治史に関する著作で知られ、ド・ゴールなどの人物評伝で高い評価を受ける。
1932–33年のウクライナ大飢饉(ホロドモール)を中心に、スターリン政権による食糧政策と政治的弾圧の過程を公文書・証言を用いて再構成する研究。飢饉の規模と国家の関与を明らかにし、記憶と責任の問題を問い直す力作。
アメリカ出身のジャーナリスト・歴史家。東欧・ロシア研究や独裁体制の分析で国際的に知られ、一般向けと学術向け双方の著作で高い評価を受ける。
著者が世界各地で出会った中世写本を巡る紀行とエッセイ。写本の制作技法や装飾、写字生や所蔵者の逸話を豊富な図版とともに紹介し、写本の美術的・文化的価値と保存の意義を平易に伝える一冊。
イギリスの写本研究者。中世写本の専門家として図書館に勤務し、一般読者向けにも写本の歴史や美術性を紹介する著作で知られる。
シューベルトの歌曲集『冬の旅』を演奏者の視点から詳細に分析した研究書。詩と音楽の関係、解釈史、演奏における表現の課題を自身の歌唱経験や音楽学的知見を織り交ぜて論じ、楽曲の心理的・音楽的構造を明らかにする。
国際的に活躍するイギリスのテノール歌手であり、音楽評論や音楽史の著作も手がける。シューベルト歌曲の解釈や演奏で知られる。
個人的な記憶と家族史を軸にした回想録で、ヨーロッパ各地での体験や言語的・文化的境界で育った記憶が綴られる。歴史と個人史が交差する場面を詩的な文体で描き、記憶・移動・アイデンティティの問題を鋭く考察する。
詩人であり小説家・学者としても活動する作家。記憶や場所、言語の交差を主題にした作品で知られ、回想録や詩作で高い評価を得ている。
イタリアの詩人・政治家ガブリエーレ・ダンヌンツィオの生涯を、詩作や恋愛、政治的行動を通じて多面的に描く伝記。文学的才能とカリスマ性がナショナリズムや軍事行動にどう結びついたかを精緻に追い、20世紀初頭のイタリア文化と政治を浮き彫りにする。
文化史や伝記を手がける批評家・作家。芸術家や文化的な巨人の人生を文学的かつ歴史的に描き出す作風で知られる。
スウェーデンの劇作家オーギュスト・ストリンドベリの生涯と作品世界を深く掘り下げる評伝。個人的な狂気や複雑な私生活、宗教やオカルトへの関心、劇作における革新性と社会的反発を一次資料で丹念に再構築し、近代演劇における彼の位置を立体的に描出する。
北欧や文化史を題材に伝記を執筆する作家。詳細な一次資料調査を基にした人物評伝で評価される。
チャールズ・ディケンズの初期生涯と作家としての形成過程を丹念に追う伝記。少年時代の労働や新聞記者経験、家族や時代背景が作品に与えた影響を分析し、ディケンズという作家像の誕生を歴史的かつ文学史的に明らかにする。
ヴィクトリア朝文学の研究者で、チャールズ・ディケンズの伝記や文学史的研究で知られる作家。文学的分析と伝記的叙述を融合させる手法で評価される。
モンテーニュの『随想録』を出発点に「いかに生きるか」という一つの問いを20の切り口で考察する伝記的エッセイ。モンテーニュの思索、私生活、友情や死生観を現代的に読み直し、哲学的思索を日常の実践として示す親しみやすい案内書である。
哲学や思想史を平易に紹介する作家。モンテーニュや哲学者の伝記的エッセイで知られ、学術的知見を親しみやすく伝える文体が特徴。
レフ・トロツキーの生涯と思想を史料に基づき詳述する評伝。革命運動での活動、ボリシェヴィキ内の権力闘争、流刑や亡命生活、スターリンとの対立、メキシコでの最期に至る経緯を通じ、20世紀初頭のロシア政治と革命のダイナミズムを明らかにする。
ロシア・ソ連史を専門とする歴史家。革命、スターリン期、ロシアの指導者たちを扱った複数の伝記・研究で国際的に知られる。
J. ロバート・オッペンハイマーの生涯を描く決定版伝記。マンハッタン計画での科学的・組織的役割、戦後の安全保障政策と政治的追及、個人的葛藤を豊富な一次資料で再構築し、科学者と国家、倫理の関係を深く検証する。
米国の伝記作家・ジャーナリスト。国際政治・現代史を題材にした伝記や評論で知られ、比類なき一次資料調査に定評がある。
J. ロバート・オッペンハイマーの生涯を描く決定版伝記。マンハッタン計画での科学的・組織的役割、戦後の安全保障政策と政治的追及、個人的葛藤を豊富な一次資料で再構築し、科学者と国家、倫理の関係を深く検証する。
核兵器史と科学政治を研究した米国の歴史家。オッペンハイマー伝を共著し、科学と政策の交錯を明らかにした業績で評価された。
フランス各地を歴史・文化の視点で踏査し、地方の習俗や方言、道や市場の変遷を通して近代フランス国家の成立を追うノンフィクション。広範なフィールドワークと一次資料をもとに、中央集権と地域文化の緊張、国民意識の形成過程を再検討し、既成のフランス像に新たな視角を与える。
フランスの地域史や文化史を鋭く描く英国の作家・史家。現地踏査と豊富な一次資料による地域史再評価で知られる。
1857年のインド大反乱をデリーと最後のムガル皇帝バハードゥル・シャー二世の視点から描く歴史書。現地資料や目撃談を丹念に掘り起こし、戦闘や略奪、英国の報復処刑や疫病・飢饉による市民の苦難を克明に再構成し、ムガル王朝の崩壊と植民地支配への転換を文化的・政治的観点から浮き彫りにする。
インド史や帝国史を専門とする英国の歴史家・作家。現地調査と豊富な一次資料の活用を通じ、ムガル朝や英領インドを扱った叙述的歴史書で国際的に評価されている。
大英帝国の東方辺境における征服と収集(美術品・標本など)を手がかりに、帝国が知識と権力をどのように構築したかを考察する研究。文化的接触、略奪、コレクションの役割が帝国の記憶と支配に与えた影響を分析する。
アメリカの歴史家。帝国史や文化史に関する新しい視角での研究で高い評価を受けている。
テッサロニキ(サロニカ)の長期的都市史を通じて、多様な宗教・民族の共生と対立、経済・文化の変容を描く。ユダヤ人、ムスリム、キリスト教徒が交錯する都市の社会構造とその変遷を豊富な史料で検証する。
イギリスの歴史家。バルカンやギリシャを含む近代ヨーロッパ史の研究で知られる。
ソ連の強制収容所システム(グラグ)の成立と運営、被収容者の経験を多角的に描き出す包括的な歴史。国家の抑圧機構、経済的側面、個人の証言を織り交ぜ、制度としての暴力の実相を明らかにする。
アメリカのジャーナリスト兼歴史家。共産主義体制と東欧史の研究・報道で国際的に知られる。
建築家とその妻の関係を軸に、創作過程と私生活の相互作用を描く伝記。主要作品や設計思想を夫妻の人生史と結びつけて再構築し、建築史と個人史の交錯を詳細な一次資料で明らかにする。
イギリスの歴史家。建築や公的人物の伝記執筆で知られる。
1919年のパリ講和会議を中心に、戦後秩序の構築とその限界を詳述する研究。ウィルソンやクレマンソーらの交渉、領土や賠償問題、新たな国際機構の模索がどのように将来の紛争に影響したかを、外交交渉の過程を辿りつつ明快に論じる。
カナダ出身の歴史家。国際史・外交史の研究で知られ、第一次世界大戦後の和平過程などを詳細に論じる。
ジョン・メイナード・ケインズの生涯と経済思想を包括的に論じる伝記。理論的業績の形成過程、政策参与としての役割、世界恐慌や戦間期における影響、ケインズ経済学が現代に与えた意義を歴史的文脈で描き出す。
英国の経済史家・伝記作家。ケインズに関する大著で知られ、経済思想の歴史的検証を行っている。
ベルギー王レオポルド2世の支配下にあったコンゴ自由国における搾取と暴虐を告発する歴史書。先住民の強制労働や資源の略奪、国際社会の対応の遅れと抵抗の物語を通して、植民地主義の残虐性とその長期的影響を明らかにする。
アメリカの作家・ジャーナリスト。歴史や社会問題を扱うノンフィクションで知られる。
サミュエル・テイラー・コールリッジの内面的軌跡を深く掘り下げる伝記。創作と思想、麻薬依存や精神的葛藤、友情と家族関係を織り交ぜ、詩人としての業績が個人史とどう結びつくかを繊細に描き出す。
イギリスの伝記作家・文学史家。ロマン主義詩人の伝記で高い評価を受けている。
貨幣の意味と人間の欲望を歴史的・哲学的に問う論考。貨幣の起源と信用の形成、金融制度と倫理、貨幣観が社会や個人の行動をどう規定してきたかを事例と思想史を交えて論じ、現代の金融文化への示唆を示す。
イギリスの作家・歴史家。小説やノンフィクションを手掛け、歴史と現代問題を繋ぐ著作で知られる。
イングランド宗教改革期の大主教トマス・クランマーの生涯を詳細に描く決定版的伝記。国家と信仰の交差点で揺れ動く信条、王権との複雑な関係、教義形成への寄与、そして迫害と殉教に至る経緯を豊富な一次資料で再構成する。
イギリスの宗教史学者。教会史や宗教改革の研究で知られ、学術書と一般向け著作の両面で評価されている。
アルベルト・シュペーアの生涯と戦後の自己弁護を徹底的に検証した調査的伝記。戦時中の役割や責任を問い、証言や資料を積み上げながら記憶と真実の乖離、戦後の責任回避の問題を深く掘り下げる。
オーストリア出身のジャーナリスト・伝記作家。戦争犯罪や戦後の記憶に関する実証的な取材と分析で国際的に評価される。
ジョージ・ナサニエル・カージョン(第1代カージョン伯)の生涯と外交・帝国政策を扱う伝記。特にインド総督としての統治や国際外交における役割、帝国主義の理念と矛盾を史料に基づいて検証する政治伝記である。
英国の歴史家。帝国史や外交史を専門とし、政治家や統治者の伝記的研究で知られる。
古代から現代に至る戦争の歴史を、戦術・技術・兵士の経験・社会的影響という多角的な視点から総覧した通史。戦闘の性格の変化や軍事思想、国家と戦争の関係を豊富な事例で比較分析する。
英国の軍事史家。戦争の歴史や戦術・兵站に関する著作で国際的に知られ、学術と一般読者の橋渡しを行った。
1945年から1951年の英国政治と社会変容を史料に基づき分析する政治史。戦後の労働党政権による福祉国家建設、経済再建、外交政策の転換を中心に、近代英国の制度的・社会的再構築を描く。
英国の現代政治史家・評論家。戦後英国史や政府史に関する研究で知られ、政策史の視点から政治変動を分析する。
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの思想と生涯を、哲学的議論と個人史の双方から精緻に追った評伝。教育や戦時経験、言語哲学に至る思想形成の過程を掘り下げ、彼の天才性と複雑な人間性を浮かび上がらせる。
哲学者で伝記作家。ヴィトゲンシュタインなどの思想家の伝記で知られ、思想史の文脈で人物像を描く力量に定評がある。
デズモンドとモリー・マッカーシー夫妻の生涯と知的活動を並行して描く二重伝記。夫妻の文学的貢献や批評活動、社交界での役割、個人的関係と時代背景を通して20世紀英文学界の人間関係と文化的潮流を再評価する。
英国の著者。デズモンドとモリー・マッカーシーの伝記を共著で手がけた。
デズモンドとモリー・マッカーシー夫妻の生涯と知的活動を並行して描く二重伝記。夫妻の文学的貢献や批評活動、社交界での役割、個人的関係と時代背景を通じて英文学界の人間関係を浮き彫りにする。
著者・共著者。デズモンドとモリー夫妻の伝記で共著として受賞に寄与した。
フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩作と演劇、私生活、そしてスペイン内戦下での死に至る経緯を、豊富な資料と証言に基づき再構成した長篇伝記。アンダルシアの民俗性とモダニズムの融合、政治的運命を生きた芸術家像を描く。
スペイン近現代史や文化を専門とする研究者・伝記作家。ロルカなどスペインの文学者に関する詳細な伝記で知られる。
エズラ・パウンドの詩業と政治的生涯を包括的に描く評伝。初期の実験的詩作からイタリア滞在中の政治的支持、戦後の評価に至るまで、文学史的意義と道徳的論争を丁寧に検証し、人物の複雑性を照らし出す。
イギリスの伝記作家・作家。児童文学や著名人の伝記を手がけ、文学者や文化人の評伝で広く知られる。
イギリスからオーストラリアへの犯罪者移送と植民地建設の過程を克明に描いた歴史大著。囚人の生活や刑罰制度、植民地支配の暴力とその社会的帰結を、文化史的・社会史的視点で広範に検証し、帝国主義の影響を浮き彫りにする。
オーストラリア出身の美術批評家・作家。美術評論や文化史的著作で知られ、植民地史に関する大著でも高い評価を受ける。
チャールズ・ロバート・アシュビーの生涯と業績を詳述する評伝。アーツ・アンド・クラフツ運動やギルド・オブ・ハンディクラフトへの関与、建築・家具・工芸におけるデザイン思想、社会主義的な美術観や職人復興の試みが、豊富な史料をもとに総合的に論じられる。また、産業化への反発が近代デザイン史に与えた影響も検証する。
建築史やデザイン史の研究者。アーツ・アンド・クラフツ運動や19-20世紀の建築・工芸に関する研究で知られ、C. R. アシュビーに関する評伝を執筆した。
エドマンド・ゴスの生涯と文学活動を通じて、ビクトリア期から20世紀初頭の文学的・文化的風景を描く伝記。ゴスの私的回想や文壇での役割を手がかりに、時代の文化変動と作家の位置づけを考察する。
伝記や文学史に関する著作で知られる作家。人物の私生活と作品の関係を織り交ぜた読みやすい伝記で評価されている。
作家アイヴィー・コンプトン=バーネットの1884年から1919年までの幼年期・青年期に焦点を当てた伝記。家庭環境や教育、初期の文学的影響を丹念に描き、後の独特な作風がいかに形成されたかを明らかにする。
文学者の伝記執筆で知られる英国の作家。綿密な取材と共感的な筆致で作家の生涯と作品世界を描き出す。
ピーター・ポーターの長年の詩作を集成した代表的な詩集。異邦感、社会批評、ユーモアとアイロニーを織り交ぜた作品群を通じて、彼の詩的発展と主題の多様性を概観できる一冊である。
オーストラリア出身で英国を拠点に活躍した詩人。鋭い社会観察とウィットに富む言語運用で知られ、国際的にも評価された。
ジェイムズ・ジョイスの生涯と文学世界を総合的に描いた代表的伝記。『ユリシーズ』や『フィネガンズ・ウェイク』などの創作過程、言語実験、私生活や健康問題を豊富な史料で再構築し、ジョイス研究の基礎となる一冊である。
近代文学、特にモダニズム作家の伝記研究で知られる批評家。豊富な一次資料と精緻な文学分析に基づく伝記は高く評価される。
エディス・シットウェルの生涯と芸術活動を描いた伝記。独特な舞台性や家族関係、モダニズムとの関わりを丁寧に描写し、詩人としての公的像と私的葛藤を併せて浮き彫りにする。
幅広い伝記作品で知られる英国の作家。文学人物の人間像と社会的背景を織り込みながら、読みやすく深みのある伝記を書くことで評価されている。
アルフレッド・テニスンの生涯と詩作を丹念に追った伝記。私生活、恋愛や信仰、社会的評価が詩風に与えた影響を分析し、代表作の成立過程と詩人の内的葛藤を明らかにする。
ヴィクトリア朝文学や詩人の伝記研究を手掛けた学者。詩人の私生活と作品の関係性を重視した詳細な伝記で評価される。
宗教的・道徳的主題や歴史的記憶を重層的に扱う詩集。難解な象徴、厳密な形式感、強い知的引用が交錯し、罪と贖罪、言語の限界と可能性を巡る深い思索を展開する作品群を収める。
高度に知的で引用や歴史的示唆に富む詩作で知られる英国の詩人。宗教・歴史・倫理を巡る深い洞察と厳格な言語感覚が特徴である。
イングランドのカントリーハウスの建築・内装・庭園と、それを取り巻く階級・生活文化の歴史的変遷を描く研究。所有者や使用人の生活、経済基盤、社会的役割を踏まえつつ、邸宅が地域社会と国民文化に果たした影響を明らかにする。
イギリスの建築史家で、カントリーハウスや社会史を結びつけた著作で知られる。建築と生活文化の関係を詳細に記述する。
ギリシャ古典文学や神話に関する論考を集めたエッセイ集。人物像の構築や神話の象徴性、古代社会の精神性に関する文献学的・思想史的考察を通して、個々のテクストが持つ文化的意味を再評価する。
古代ギリシャ文学・思想の研究で知られる古典学者。詩歌・神話・思想史を横断する解釈で評価された。
ムッソリーニ政権下のイタリアにおける「ローマ帝国」的イメージの構築とその政治的実践を追跡する研究。外交・植民地政策、文化的プロパガンダ、国内統制の仕組みを一次資料に基づいて丁寧に分析し、ファシズムの実態と限界を明らかにする。
イタリア近現代史を専門とする英国の歴史家。ムッソリーニや近代イタリアの政治・文化を精緻に分析した著作で国際的に評価された。
1975年刊行の代表詩集。古代の神話や泥炭塚(bog bodies)などのモチーフを通じて北アイルランドの暴力と歴史を重層的に描き、個人と共同体の記憶、言語の力を探る作品群を収める。
北アイルランド出身の詩人。歴史と記憶、地域の暴力を詩的に探求し、後にノーベル文学賞を受賞した(1995年)。
ウィルフレッド・オーエンの伝記研究。戦場体験と詩作の関係を詳細に追い、手紙や未刊詩を含む資料に基づいて詩人の精神史と文学的価値を再評価する学術的かつ読みやすい伝記。
英国の詩人・学者で、第一次世界大戦詩人の研究と伝記で知られる。文学史的な編纂・注釈作業にも従事した。
アレクサンドロス大王の生涯と遠征を古代資料に基づき再検討した歴史書。軍事的戦略や帝国形成、文化交流の影響を総合的に分析し、人物評伝と軍事史を兼ね備えた叙述を目指す。
古代ギリシア・ヘレニズム史の研究で知られる歴史学者。古典研究と一般読者向け歴史書の執筆で著名。
ヴァージニア・ウルフの包括的伝記。家族関係や精神史、創作過程を詳細に描き、個人的資料や家族の記憶を活かしてウルフの生涯と作品を総合的に再構築する。
美術・文学の分野で活動した著述家。ヴァージニア・ウルフやブルームズベリー・グループに関する研究で知られる。
自然や考古学的遺物をめぐる随筆・詩を収めた作品。骨や石といったモチーフを通して時間の層や自然と人間の営みを詩的に描写し、観察と歴史感覚の交差を探る。
英国の詩人・評論家・自然観察家。自然や美術、文化に関するエッセイと詩作で知られる。
シャルル・ド・オルレアン(15世紀フランスの王子で詩人)の生涯と詩作を扱った伝記・研究書。政治的背景や捕虜時代の詩作を史料に基づいて分析し、詩の注釈や翻訳も含めて当時の宮廷文化を再構成する。
中世フランス文学・歴史の研究者。王侯や宮廷文化に関する研究で知られる。
作家と文学の社会的役割を論じる評論・随想集。作家・批評家の職業倫理や文学伝統の継承、文学の公共性について洞察を示し、20世紀の文学的問題を批評的に考察する論考を収録している。
英国の文学評論家・編集者。文学史や批評を通じて英国文壇に影響を与えた。
ロイ・ファラーの詩集で、日常、記憶、倫理的省察を題材にした詩を収める。形式的な整えと語感への配慮が特徴で、現代生活の細部を詩的に描写しながら普遍的な人間性を探る作品群。
イギリスの詩人・作家。形式への造詣と抒情性を併せ持つ詩風で知られる。
著者が英国の荒野でハヤブサ(peregrine)を執拗に観察し記した自然観察記。詳細で詩的な描写を通して野生への執着、観察者と自然の交感、破壊と美の両義性を深く描き出す作品と評価される。
英国の自然作品作家。日常的な野外観察を詩的な散文で記す作風で知られる。
ニラッド・C・チャウドリによる文化論的エッセイ集。ヨーロッパの歴史や習俗を比較文化的な視点から考察し、文明論・社会批評を行う。個人的観察と学識を融合させ、近代社会の諸相を歴史的文脈で掘り下げる。
インド出身の英語作家・文化評論家。植民地期と近代文化に関する随筆や文化史的考察で知られる。
マルセル・プルーストの生涯と文学世界を総合的に論じた評伝。作家の私生活や作品の主題・技法を詳述し、プルースト研究の重要な基礎資料となる詳細な分析を提供する。
英国の伝記作家。マルセル・プルーストの評伝で知られ、文学研究に貢献した。
『源氏物語』を中心に平安時代の宮廷文化を西洋の読者向けに紹介する文化史。雅な美意識、儀礼、恋愛観や社会構造を文献と文学作品から解説し、当時の生活と思想を再構成する。
日本文化と文学を英語圏に紹介した学者・翻訳家。平安時代や古典文学の研究・翻訳で知られる。
ジョン・キーツの青年期と詩人としての形成過程に焦点を当てた詳細な伝記。生涯の出来事と詩作の進化を結び付け、感性と技法の形成過程を丁寧に描出する研究的著作である。
アメリカの文学研究者。ジョン・キーツに関する伝記研究で高い評価を得た。
1870–71年の普仏戦争を体系的に分析した歴史研究。政治的背景、軍事作戦、主要な戦闘や指導者の決定、戦後のヨーロッパ秩序への影響を史料に基づき検討する学術的著作。
英国の軍事史家。戦略史や戦争の思想に関する研究で知られ、教育・研究の両面で高い評価を受けた。
ジョセフ・コンラッドの生涯と作品を扱った伝記的研究。作家の背景や航海経験、作品に現れる主題を整理し、文学的評価と史的文脈を結びつけて論じる一冊。
長年の詩作を収めた詩集。自然や宗教、内省を題材にした抒情的な詩群を集成し、作者の詩風と成熟を概観できる作品集である。
スコットランド出身の詩人。自然や精神性、日常の観察をテーマにした抒情詩で知られ、翻訳や評論も手掛けた。
ギリシャ・ペロポネソス半島南部のマニ地方を巡る旅行記。地形や伝承、住民の暮らしを歴史的背景とともに描写し、地域文化への深い洞察と生き生きとした風土記を呈示する。
英国の旅行作家。長期の徒歩旅行や現地での観察を基にした緻密な旅行記で知られ、ギリシャや東欧を題材にした作品が高く評価される。
長年の詩作を集成した詩集。英国の風景や日常生活、建築物への眼差しと郷愁を帯びた抒情が特徴で、作者の代表作を網羅している。
英国を代表する詩人の一人。日常や風景、建築への愛着を詩的に表現し、国民的人気を博した。放送活動や文化財保護への関与でも知られる。
作者がキプロスで過ごした経験を綴った回想録。島の風土や人々との交流、植民地支配下で高まる政治的緊張を背景に、日常の観察とユーモア、郷愁を交えて描く作品。
イギリス出身の作家。地中海や中東を舞台にした作品群や自伝的な回想録で知られ、『アレクサンドリア四重奏』などが代表作。
第一次世界大戦のガリポリの戦役を現地取材と一次資料に基づき叙述した戦史的ルポルタージュ。連合軍とオスマン帝国の交戦、兵士の日常や作戦上の失敗を克明に描き、戦争の悲劇と戦術的教訓を伝える。
オーストラリア出身のジャーナリスト兼ノンフィクション作家。戦場取材を通じた戦史や旅行記で知られ、一般向けの歴史描写に定評がある。