世界・海外・国外の文学賞

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ナショナル・ブック賞(翻訳文学) なしょなるぶっくしょう(ほんやくぶんがく)

第7回(2024年)

翻訳文学フィクションノンフィクション

受賞者

10名
Taiwan Travelogue

台湾の風景、歴史、食、移動の記憶をたどりながら、場所とアイデンティティの関係を見つめる。旅の記録が、植民地史と現代の感覚を静かに結びつける。

旅は、土地の歴史を読み返す方法になる。

281ページ
旅行記台湾記憶植民地史アイデンティティ
作家

中文で執筆する作家(表記はローマ字)。

The Book Censor's Library

本を禁じる側と読む側のあいだで揺れる、検閲と知の物語。図書館をめぐる寓話的な設定のなかに、権力と読書への欲望が鋭く浮かぶ。

禁じられた本が並ぶ場所では、読むことそのものが抵抗になる。

272ページ
検閲図書館読書権力寓話
作家
Ædnan

サーミの土地、家族、移動の歴史を、長い呼吸でつづる叙事詩。奪われた場所と継承の痛みを、個人の声から集団の記憶へと拡張する。

土地を奪われた記憶が、長い詩の流れのなかで息をする。

449ページ
サーミ土地家族記憶
作家
The Villain's Dance

混沌と暴力が日常を侵食するコンゴを背景に、音楽と身体のリズムが物語を駆動する。熱気とユーモアを帯びた文体が、社会の断片を一気に走らせる。

踊りのリズムが、混乱した世界の脈動になる。

207ページ
コンゴ音楽暴力リズム社会
作家
Samar Yazbek 候補
Where the Wind Calls Home

戦禍のシリアを離れた者たちの痛みと再生を、帰る場所の喪失という視点から描く。故郷と避難先のあいだで揺れる感情が、静かな強さを生む。

風が呼ぶ家は、すでに失われた場所かもしれない。

168ページ
シリア亡命戦争再生
作家
Nasser Abu Srour ロングリスト
The Tale of a Wall: Reflections on the Meaning of Hope and Freedom

パレスチナ人囚人として過ごした長い年月を振り返りながら、壁と希望、自由の意味を問い直す回想録。監禁の現実が、静かな文体のなかで圧倒的な重みを持つ。

壁のそばで生きることが、希望の輪郭を変えていく。

321ページ
回想録パレスチナ監禁希望自由
作家
Solvej Balle ロングリスト
On the Calculation of Volume (Book I)

一日が繰り返される世界に閉じ込められた女性の感覚を通して、時間と現実のズレを見つめる。反復のなかで、日常の輪郭が少しずつ変形していく。

同じ一日が、少しずつ違う顔を見せはじめる。

162ページ
反復時間実験小説日常感覚
作家
Layla Martínez ロングリスト
Woodworm

古い家に染みついた記憶と、そこで暮らす家族の緊張が、呪いのような空気を生む。女性たちの怒りと継承をめぐる、土の匂いのするゴシック小説。

家にしみついた不穏さが、世代をまたいで膨らんでいく。

96ページ
ゴシック家族継承女性不穏
作家
Fernanda Trías ロングリスト
Pink Slime

環境の崩壊が進んだ世界で、毒のような空気と海を背景に、人々の生活と不安が立ち上がる。終末後の日常を、静かな圧迫感で描く小説。

世界が壊れたあとも、生活はそのまま続いてしまう。

196ページ
環境破壊ディストピア不安日常
作家
Fernando Vallejo ロングリスト
The Abyss

メデジンの家と家族の崩壊を背景に、兄の死と国の暴力をめぐる怒りと愛を吐き出す自伝的小説。辛辣で流麗な語りが、記憶の中にかすかな救いを残す。

怒りがすべてを焼きつくす前に、記憶だけがかろうじて残る。

192ページ
自伝家族メデジン喪失暴力
作家