World Literary Awards

← Back to Literary Awards

フィリップ・K・ディック賞

ふぃりっぷ・けー・でぃっくしょう

米国で前年に刊行されたオリジナルのペーパーバックSF小説に贈られる年次のサイエンスフィクション賞。

science fictionpaperback original novel
Established
1983
Organizer
Philadelphia Science Fiction Society; Philip K. Dick Trust; Northwest Science Fiction Society
Category
Genre Fiction
Selection Method
推薦
Target
Professional
Frequency
1 per year
Announcement Period
around April
Status
Active

Description

Philip K. Dick Awardは1983年に創設されたアメリカのサイエンスフィクション賞で、Philadelphia Science Fiction SocietyとPhilip K. Dick Trust(2005年以降)およびNorthwest Science Fiction Societyなどが関与している。対象は前年に米国で刊行されたオリジナルのペーパーバック小説で、選考は管理者と選考委員パネルによって行われ、受賞作はNorwesconで毎年発表される。設立にはThomas Dischらが関与し、2016年時点の管理者にはPat LoBrutto、John Silbersack、Gordon Van Gelderがいる。

Prize

Main Prize
受賞による表彰(トロフィー/賞状など)。金銭的賞金は公式ページで明示されていないことが多い。

Selection

Selection Process

推薦(エントリー)
Judges 出版社・編集者などからのノミネーション(公式サイトの手順に従う)
ノミネート選考(ファイナリスト選出)
Judges 選考委員パネル(管理者により編成。2016年時点の管理者例:Pat LoBrutto、John Silbersack、Gordon Van Gelder)
Announcement ノミネートは公式サイトや告知で公表される
最終選考・受賞者決定
Judges 同上の選考委員による最終選考
Announcement 受賞作はNorwesconで発表され、公式サイト・プレスリリースでも告知される(毎年春、通常4月)

Criteria

  • 前年に米国で出版されたオリジナルのペーパーバックであること(対象要件)
  • 文学的価値(文体、構成、表現の質)
  • 独創性・アイデアの新規性
  • SFジャンルとしての貢献度・影響力

Application Tips

Dos

  • 対象資格を確認する(前年に米国で刊行されたオリジナルのペーパーバックであること)
  • 出版社経由でのノミネーションを調整する(出版社に応募可否を確認)
  • ISBN、出版日、版元などの出版情報を正確に揃える
  • 公式サイトで最新の提出方法・締切を確認する

Don''ts

  • ハードカバー初版のみ・再刊のみの作品を応募しない(対象外となる可能性が高い)
  • 締切を過ぎて提出しない
  • 不正確な出版情報や提出資料を送らない

From Judges

  • 独創性(新規性)と物語の完成度(文体・構成)の両方を評価する傾向がある
  • 作品がSFジャンルに対してどのように貢献するかを示すと有利
  • 米国内での刊行・流通状況や英語での版情報は選考時に重要となる場合がある

Related Awards

  • Arthur C. Clarke Award
  • John W. Campbell Memorial Award for Best Science Fiction Novel
  • Nebula Award
  • Hugo Award
  • Locus Award
  • Arthur C. Clarke Award

Official Resources

https://www.networksolutions.com/typepad?siteID=100&channelID=P99C100S653N0B5A1D0E0000V111

Past Winners

Time's Agent

時間の流れが異なるポケットワールドをめぐる調査を通じて、喪失と和解、そして科学が資本に回収されていく過程を描く。個人的な痛みと制度の冷たさが交差する、思索的で余韻の深い物語。

時間を売り買いする世界で、失われた関係ともう一度向き合う物語。

208 pages
時間操作喪失と和解企業支配ポケットワールドスペキュラティブSF
アドリアン・チャイコフスキー あどりあん・ちゃいこふすきー 特別引用
Alien Clay

政治犯として惑星キルンに送られた生物学者が、危険な生態系と失われた文明の痕跡に向き合う。異星生命の精密な描写と、権力に対する反抗の物語が重なり合う、濃密なSF長篇。

牢獄惑星で見つかるのは、異星の生命だけではない。

432 pages
異星生態系政治的抑圧牢獄惑星進化と共生発見と反抗
作家
These Burning Stars

帝国の支配、復讐、そして隠された真実をめぐって、三人の女性と一つの星間文明が激しくぶつかり合う。政治劇としての緊張感と、人物の感情のねじれが強く印象に残るスペースオペラ。

星々をまたぐ復讐劇の中で、権力と秘密がゆっくり崩れていく。

464 pages
スペースオペラ復讐権力闘争帝国と植民秘密と裏切り
The Extractionist

仮想空間から人を救い出すエクストラクショニストとして働く主人公が、企業の思惑と危険な依頼の渦に巻き込まれる。サイバーパンクの手触りと、俊敏な逃走劇の感覚がよく立った技術スリラー。

仮想世界に閉じ込められた意識を回収する、その一件が思ったよりはるかに危険だった。

290 pages
サイバーパンク仮想現実企業抗争ハッキングテクノスリラー
テイド・トンプソン ていど・とんぷそん 特別賞
The Legacy of Molly Southbourne

血から生まれる複製たちの物語を締めくくる一冊で、恐怖と家族の感情が同時に押し寄せる。シリーズの最後にふさわしい、残酷さと余韻を両立したホラー中篇。

血がこぼれるたびに生まれるものがある。その呪いに、最後まで向き合う。

160 pages
ホラー複製と自己家族トラウマシリーズ完結
カーリ・ウォレス かーり・うぉれす 受賞
Dead Space

宇宙ステーションで起きた殺人事件をきっかけに、主人公が過去の襲撃と隠された真相に迫る、密室感の強いSFミステリー。

宇宙ステーションでの殺人が、過去の秘密を呼び出す。

宇宙サスペンススリラー孤立テクノロジー
作家

アメリカのSF作家。サイコロジカルなスリラーや宇宙を舞台にした作品で知られ、『Dead Space』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

アリソン・スタイン ありそん・すたいん 受賞
Road Out of Winter

気候変動で極端な寒波が続く荒廃した世界を舞台に、若い女性が生き延びるために移動しながら自分の居場所を探すサバイバル小説。

凍りついた世界で、生き延びる道を探す旅。

気候変動サバイバル女性の自立社会崩壊
作家

アメリカの作家。気候変動や地域コミュニティを題材にした作品で知られ、『Road Out of Winter』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

サラ・ピンスカー さら・ぴんすかー 受賞
Sooner or Later Everything Falls into the Sea

1980年代のメキシコを舞台に、十代のルイサが家族、欲望、喪失、奇妙な出会いのあいだで揺れながら、自分の輪郭を探していく物語。夢のように漂うイメージと、現実から少しずれた感覚が重なり、成長の痛みを独特の密度で描く長編。

現実からわずかにずれた世界で、少女の不安と憧れが静かに膨らんでいく。

224 pages
成長記憶喪失幻想メキシコ
作家・音楽家

アメリカの作家・ミュージシャン。短編を中心に幅広いジャンルを横断する作品で知られ、音楽や記憶、テクノロジーを扱った短編集『Sooner or Later Everything Falls into the Sea』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

オードリー・シュルマン おーどりー・しゅるまん 受賞
Theory of Bastards

近未来、慢性的な痛みから回復した研究者 Francine が、ボノボの研究施設で独自の進化理論を検証する。気候変動と技術依存が社会を脆くする中、研究者と動物の境界、人間の愛と生存の形が問い直される。

人間を理解するための研究は、人間中心の世界観そのものを揺さぶる。

416 pages
近未来SFボノボ気候危機進化理論愛と生存
小説家

アメリカの作家。環境や共同体、倫理的テーマを扱う作品で知られ、『Theory of Bastards』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

キャリー・ヴォーン きゃりー・ゔぉーん 受賞
Bannerless

崩壊後の未来社会で起きた殺人事件をきっかけに、若い調停人が共同体のルールと自分の信じてきた価値観を見直していく。ディストピアの秩序と個人の選択を重ねる物語。

壊れた世界の秩序を保つための制度が、かえって何を失わせているのかを問う。

288 pages
ディストピアミステリー共同体生殖管理ポストアポカリプス
小説家

アメリカの作家で、ファンタジーやSF、ポストアポカリプスものを手がける。コミュニティや制度を題材にした物語で知られ、『Bannerless』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

クラウディア・キャスパー くらうでぃあ・きゃすぱー 受賞
The Mercy Journals

気候崩壊後の世界で、傷ついた兵士の日誌を通じてトラウマと再生を描く文学的SF。

荒廃した未来を、生き残った者の記録として静かに見つめる。

234 pages
SF気候変動トラウマ再生
小説家

カナダ(出身)を含む英語圏で活動する作家。環境変化や精神的トラウマを描く文学的SFで評価され、『The Mercy Journals』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

ラメズ・ナーム らめず・なーむ 受賞
Apex

神経拡張テクノロジーと国家間の対立が激化する近未来を舞台に、人間強化の倫理と政治的暴力をスリリングに描くSF完結編。技術の進歩がもたらす道徳的な代償を問う。

人間強化の倫理を問う、加速感のある近未来SF。

608 pages
トランスヒューマニズム人工知能倫理テクノロジー社会影響
作家・研究者

テクノロジーと未来社会を主題にしたSF作家で研究者としての背景を持つ。人体改変や人工知能を扱う作品で知られ、『Apex』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

メグ・エリソン めぐ・えりそん 受賞
The Book of the Unnamed Midwife

ポストアポカリプス世界で生き延びる無名の助産師を追う、暴力と自己防衛の物語。

世界が壊れたあと、彼女は名を捨てて歩く。

190 pages
SFディストピア女性サバイバル
小説家

アメリカの作家。フェミニズム的視点とポストアポカリプス設定を組み合わせた作品で注目され、『The Book of the Unnamed Midwife』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

ベン・H・ウィンターズ べん・えいち・うぃんたーず 受賞
Countdown City

終末へ向かう世界で、元刑事ハンク・パレスが失踪した夫の捜索を追ううちに、社会の崩壊と人が互いに果たすべき責任を見つめ直す。

迫りくる小惑星災害のさなか、捜索はやがて文明そのものの問いへと広がっていく。

316 pages
終末世界ミステリー責任捜索文明の崩壊
小説家

アメリカの作家。終末を背景にしたミステリや社会派作品で知られ、『Countdown City』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

ブライアン・フランシス・スラッタリー ぶらいあん・ふらんしす・すらったり 受賞
Lost Everything

『Lost Everything』は、社会インフラが崩壊した近未来のアメリカを舞台に、家族や仲間と離散しながら生き延びる人々の旅路を描く長編。暴力と欠乏、喪失の痛みと再起への希求が交錯し、共同体の再構築や記憶の継承が主題となるポストアポカリプス小説。

ポストアポカリプス社会崩壊サバイバル家族再生
小説家

アメリカのSF作家。ポストアポカリプスや社会崩壊を題材にした作品で知られ、本作『Lost Everything』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

サイモン・モーデン さいもん・もーでん 受賞
The Samuil Petrovitch Trilogy
小説家

イギリスのSF作家。シリーズものやスリリングな近未来SFで知られる。

マーク・ホッダー まーく・ほっだー 受賞
The Strange Affair of Spring-Heeled Jack

ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、スプリングヒールド・ジャック伝説と時空を越える陰謀を織り交ぜたスチームパンク長編。歴史的風景と奇想の科学が混交する冒険譚で、ユーモアと風刺的な視点が特徴。

スチームパンクヴィクトリア朝冒険怪奇
小説家

イギリスの作家。スチームパンク的要素を含むユーモラスかつ冒険的な長編で知られる。

C.L. アンダーソン(サラ・ゼトル) しーえる・あんだーそん(さら・ぜとる) 受賞
Bitter Angels
小説家

本名サラ・ゼトル(Sarah Zettel)。アメリカのSF作家で、本作はペンネームC.L. Anderson名義で発表された作品として受賞している。

アダム・トロイ・カストロ あだむ・とろい・かすとろ 受賞
Emissaries from The Dead

人工的に作られた生態世界で起きた二件の殺人をめぐり、調査役の女性が真相を追うSF長編。異種知性との緊張関係や、暴力と外交の境界が、閉ざされた世界設定の中で描かれる。

閉ざされた人工世界で、二つの殺人の謎を追う。

400 pages
SFミステリー異種知性外交と暴力
作家

アメリカのSF/ファンタジー作家。短編・長編ともに幅広く執筆している。

デイヴィッド・ウォルトン でいゔぃっど・うぉるとん 受賞
Terminal Mind

神経科学や記憶操作を主題にしたスリラー的要素を含むSF。個人の記憶が社会的に扱われる近未来を背景に、真実と自己の境界が揺らぐ状況を描き出す。

記憶が操作できる近未来で、真実と自己の境界が揺らぐ。

314 pages
神経科学記憶倫理テクノロジーと社会
作家

アメリカのSF作家。科学的テーマを扱ったスリラーや近未来小説を執筆している。

M・ジョン・ハリソン えむ・じょん・はりそん 受賞
Nova Swing

『Nova Swing』はKefahuchi Tractと呼ばれる謎の領域を巡る不穏で夢幻的な物語。都市的なノワールとウィアードSFを融合し、異物と欲望、偶発的な出来事を通じて人間の脆弱性と奇妙な魅力を描く。

ウィアードSFアーバンノワール異界遭遇異物性
小説家・評論家

イギリスの作家。ウィアードSFや文学性の高い作品で知られ、独特のムードと語り口で知られる。

クリス・モリアーティ くりす・もりあーてぃ 受賞
Spin Control

情報ネットワークと神経インターフェースが発達した近未来を舞台に、個人の自由と監視、記憶とアイデンティティを巡る犯罪と政治的陰謀を描くサイバーパンク的長編。技術の倫理と人間関係の摩擦が物語の核になる。

サイバーパンク監視社会意識・記憶政治的陰謀
小説家

アメリカのSF作家。神経科学や情報技術を軸にした近未来的テーマを扱う作品で知られる。

M・M・バックナー えむ・えむ・ばっくなー 受賞
War Surf
小説家

アメリカのSF作家。環境問題やテクノロジーを題材にした作品を執筆している。

グウィネス・ジョーンズ ぐうぃねす・じょーんず 受賞
Life

近未来を舞台に、バイオテクノロジーや医療の進展が個人と社会に及ぼす影響を描く社会派SF。遺伝子改変や身体改造、ジェンダーと権力の絡み合いを通じて、アイデンティティと倫理、社会変動の複雑さを掘り下げる。

近未来バイオテクノロジージェンダーとアイデンティティ社会批評
小説家

イギリスのSF作家。ジェンダー、政治、テクノロジーを題材にした社会派的な作品群で知られ、思想性の強い長編・短編を発表している。

リチャード・K・モーガン りちゃーど・けー・もーがん 受賞
Altered Carbon

意識を記録する“スタック”技術が普及し、肉体(スリーブ)を換装することで死が相対化された未来を舞台に、元エンヴォイの傭兵タケシ・コヴァックスが富豪の“復活”に絡む殺人事件の解明に挑むハードボイルドSF。記憶とアイデンティティ、階級や企業の支配を問いかける作品。

サイバーパンク意識の移転/スタックアイデンティティノワール企業支配
小説家

イギリスのSF作家。サイバーパンク的要素とハードボイルドを融合させた作風で知られ、社会的・倫理的問題を扱うことが多い。代表作『Altered Carbon』で広く知られる。

キャロル・エムシュウィラー きゃろる・えむしゅうぃらー 受賞
The Mount

異星人に飼われる少年の視点から、自由と隷属を寓話的に描く長編。奇妙な世界設定の中で、成長と選択の意味が問われる。

異星人の飼育する世界で、自由を選ぶ物語。

200 pages
寓話自由ディストピア
小説家・短編作家

アメリカの小説家・短編作家。実験的で寓話的な作風を持ち、幻想的かつブラックユーモアのある作品で知られる。晩年まで精力的に創作を続け、『The Mount』でPhilip K. Dick Awardを受賞した。

Ship of Fools

放浪する巨大な世代船を舞台にしたダークなSF小説。救助・探検隊が船内で遭遇する宗教的狂信や未知の脅威を通じて、人間の本性や社会の崩壊、信仰の問題を重厚に描く。

世代船の闇の底で、信仰と恐怖が静かに食い合う。

490 pages
世代船宇宙SF宗教ホラー要素
作家
Only Forward

都市を舞台にしたミステリ仕立てのSFで、主人公が奇妙な依頼を追ううちに現実の層や記憶の奥底に迫る。ユーモアと不穏さが混在する作風で知られる。

奇妙な都市を歩くたび、現実の手触りが少しずつ剥がれていく。

384 pages
都市SFミステリアイデンティティ現実の層
作家

英国の作家。幻想的かつブラックユーモアを含む作風で、奇妙な設定や心理的ミステリを組み合わせたSF作品を発表している。

Vacuum Diagrams

Xeeleeシリーズに関連する短編・中編をまとめた作品群で、宇宙論的スケールを背景に文明の興亡や時間と真空にまつわる問題を扱う。科学的な発想で壮大な視点を提示する。

宇宙の果てまで伸びる、知性と時間の年代記。

400 pages
宇宙論ハードSF短編連作文明史
作家

イギリスのSF作家。ハードSFや宇宙論的なスケールの物語で知られる。

Geoff Ryman 受賞
253: The Print Remix

ロンドン地下鉄の 253 人の乗客それぞれに 1 ページずつを割り当てた実験的小説。視点が細かく切り替わり、都市の移動空間のなかで人々の断片的な人生がつながっていく。

地下鉄の 7 分半が、253 の人生を並走させる。

364 pages
実験小説ロンドン地下鉄都市の群像視点の断片化現代性
作家
The Troika

シュールで幻想的な語り口を持つ長編。寓意的な要素や奇想に富んだ描写を通して、変容する世界での存在や人間性を問いかける。

三つの異形の旅人が、意味のわからないまま砂漠を進む。

251 pages
幻想文学シュール寓意アイデンティティ
作家
The Time Ships

H.G.ウェルズの『タイム・マシン』の正統的続編として書かれたハードSF。時間旅行者がさらに未来や別の時間流を旅し、文明の興亡や時間そのものの構造を壮大なスケールで描く。

古典の続編でありながら、時間そのものを解体する大スケールの冒険。

454 pages
時間旅行ハードSF多世界文明史
作家

イギリスのSF作家。ハードSFや宇宙規模の物語を得意とし、科学的なスケールで文明や時間を描く作品で知られる。

Bruce Bethke 受賞
Headcrash

ブルース・ベスキーの『Headcrash』が受賞作。企業支配の下で仮想空間に潜る男を通して、サイバーパンクを風刺的に描く。

企業と仮想空間をめぐる風刺的サイバーパンク。

サイバーパンク風刺仮想空間企業社会
作家
Mysterium

ある町が忽然と消えたという怪異から始まる、宗教、科学、平行世界をまたぐオルタナティブ・ヒストリーSF。

町ごと消える謎が、世界の構造そのものを揺るがす。

354 pages
SFオルタナティブ・ヒストリー宗教
作家
John M. Ford 受賞
Growing Up Weightless

月面の低重力社会で育った若者が、自分の進路と家族の重みを見つめ直す成長小説。親密なスケールで未来社会を描く。

月で育った青年の視線から、未来社会の重みと軽さが見えてくる。

261 pages
成長月面社会家族未来社会
作家
Jack Womack 受賞
Elvissey

代替歴史と文化的アイデンティティを織り交ぜたディストピアSF。現実や記憶が変容する世界を通して、権力と共同体のねじれを描く。

終末後の世界で、文化と権力が奇妙に変形していく。

319 pages
代替歴史ディストピア文化アイデンティティ
作家
Richard Grant 受賞
Through the Heart

異形の移動機械オアシスを舞台に、少年が過酷な世界で大人になっていくディストピア小説。荒廃と成長が同時進行する。

砂と機械の世界で、少年が世界の本当の姿に触れていく。

384 pages
ディストピア成長荒廃
作家
Ian McDonald 受賞
King of Morning, Queen of Day

象徴的で幻想的な要素を含むSFで、多文化的な舞台と個人の変容を描く。細やかな世界描写と文学的な手触りが特徴。

民話と歴史が重なり合う、静かで濃密な幻想譚。

389 pages
多文化幻想的SF変容
小説家

緻密で文化的に多層的な世界描写を得意とする作家。技術と社会の接点をテーマにした作品が多い。

Pat Murphy 受賞
Points of Departure

個人の転機や世界の裂け目をテーマとした短編集。文化的・心理的な変容を通じて登場人物の成長や選択を描く。

希望と不安のあいだで揺れる、端正で多彩な短編集。

336 pages
SF変容心理
小説家

繊細な視点でSF作品を手掛ける作家。文化や心理を掘り下げる作風がある。

Subterranean Gallery

暗いトーンのSFで、地下空間や閉鎖的な環境を舞台に人間の心理や恐怖、未知との遭遇を描く。探索と不安感が重なる物語。

サンフランシスコの地上と地下を往復しながら、不穏さが深まっていく。

344 pages
ダークSF探索地下世界心理
小説家

暗めのトーンや閉鎖空間を舞台にしたSFを手掛ける作家。人間心理と恐怖を交えた物語が特徴。

Four Hundred Billion Stars

宇宙規模の舞台で文明・生態・連関を描くハードSF。科学的考察とスケール感を重視し、人間と未知の接触をテーマに据える。

死んだ惑星に眠る謎を、硬質な想像力で掘り起こす。

256 pages
ハードSF宇宙進化
小説家

科学的考察を重視するハードSF作家。生物学や技術の社会的影響をテーマにした作品が多い。

Rudy Rucker 受賞
Wetware

有機的要素と機械の融合、意識やアイデンティティの境界をコミカルかつ風刺的に描く。ルディ・ラッカーの「Ware」シリーズを支える、サイバーパンク的な続編。

人間と機械の境界が、ばかばかしさと興奮の中で溶けていく。

183 pages
人工知能バイオテクノロジーポストヒューマンサイバーパンク
小説家

(上記と同様)数学やコンピュータ文化を背景にポストヒューマンを扱う作家。風刺的で奇想的な筆致が持ち味。

Strange Toys

現実と幻想の境界を揺らす幻想小説。奇妙な「おもちゃ」を通じて記憶やアイデンティティ、不安を描き、ホラー的な要素と詩的な描写が交差する。

記憶の奥に沈む不穏さを、幻想の断片としてすくい上げる。

248 pages
幻想文学心理アイデンティティ
作家

幻想的で不穏な情景を描く作家。日常と異界の境界を曖昧にする作風が特徴。

Homunculus

錬金術や奇術をモチーフにした幻想的な物語で、人工生命や奇怪な発明をめぐる冒険とユーモアが展開する。ヴィクトリアン風の雰囲気が全編を貫く。

霧のロンドンを思わせる、怪奇とユーモアのスチームパンク。

247 pages
ファンタジー錬金術スチームパンク
小説家

幻想的で奇想的な要素を持つファンタジー作家。スチームパンク風味のユーモアや奇怪な発明を描くことがある。

Tim Powers 受賞
Dinner at Deviant's Palace

核戦争後の荒廃したアメリカを舞台に、歌い手のリーバスがカルトに囚われた人々を救い出そうとする。奇妙で活気のある未来世界の中で、冒険と宗教的対立が重なり合う。

荒廃した未来世界を駆け抜ける、奇妙で熱量のある救出行。

294 pages
ポストアポカリプス宗教救出劇冒険
小説家

歴史的要素と超自然を織り交ぜたファンタジーで知られる作家。テーマに時間や魔術を扱うことが多い。

Neuromancer

人工知能とサイバースペースが現実を塗り替えていく近未来を描く、サイバーパンクの決定版となった長編。

未来の都市は、データと幻覚の境目が曖昧なまま動き続ける。

サイバーパンクAIネットワーク都市身体と技術
小説家

サイバーパンクの代表的作家。仮想空間やネットワーク社会を描き、現代SFに大きな影響を与えた。

Tim Powers 受賞
The Anubis Gates

『The Anubis Gates』はタイムトラベルと魔術を融合した歴史ファンタジー。現代の学者が1810年代のロンドンに巻き込まれ、詩人や魔術師、エジプト神話に絡む陰謀に挑む。緻密な歴史描写と超自然の交錯が特徴。

歴史の渦へ飛び込み、謎と魔術が連鎖する。

タイムトラベル歴史ファンタジー魔術神話
小説家

歴史的背景に魔術や超自然を融合させたファンタジー作品で知られる作家。緻密な歴史描写と幻想的要素の組合せが特色。

Rudy Rucker 受賞
Software

Rudy Rucker の『Software』は、自己意識を持つボッパーたちと人工知能をめぐるサイバーパンク小説。

機械が自我を持ったとき、自由の意味も変わる。

サイバーパンク人工知能自我SF
小説家

数学やコンピュータ文化を背景に、ポストヒューマンや人工知能をユーモアを交えて描くSF作家。実験的な作風とサイケデリックな表現が特徴。