T. S. エリオット賞
てぃー・えす・えりおっとしょう
英国とアイルランドで前年に初版刊行された英語詩集に贈られる年次の詩賞。
- Established
- 1993
- Organizer
- T. S. Eliot Foundation
- Category
- Poetry and Contemporary Poetry
- Selection Method
- 推薦
- Target
- Professional
- Frequency
- 1 per year
- Announcement Period
- around January
- Status
- Active
Description
T. S. Eliot Prize for Poetryは、英語で書かれ、英国またはアイルランド共和国で初めて出版された新詩集を対象に授与される権威ある詩の賞。1993年にPoetry Book Societyの40周年とT. S. Eliotを記念して創設され、長年はPoetry Book Societyが運営していたが、2016年以降はT. S. Eliot Foundationが管理している。受賞者には賞金が贈られ、ショートリストの詩人にも所定の賞金が支払われる。ショートリストは毎年10月に発表され、受賞者は年始に発表されることが多い。
Prize
- Main Prize
- 受賞者には£25,000が授与される。ショートリスト入りした各詩人には£1,500が支給される。
- Cash Prize
- 25,000 GBP
- ショートリスト詩人各£1,500(通常10名)
- ショートリスト朗読会(Royal Festival Hallでのイベント)
Selection
Selection Process
| Stage | Judges | Pass Rate | Announcement |
|---|---|---|---|
| 応募・エントリー受付と適格性確認 | 主催事務局による受付・適格性の確認(出版状況、初出の地域等) | — | 公式サイトの応募規定に基づき受付。出版社等からのノミネートに基づく(詳細は公式サイト参照)。 |
| ショートリスト選出 | 年ごとに任命される選考委員パネル(通常3名) | — | 10名のショートリストを毎年10月に発表。 |
| ショートリスト朗読会 | 選考委員とパネル(イベントに参加) | — | ショートリスト詩人による朗読がRoyal Festival Hallで行われ、受賞発表前日に開催される。 |
| 最終選考と受賞者発表 | 選考委員パネルが最終選考を行う(通常3名) | — | 受賞者は公式サイトおよびメディアで発表。発表は例年1月に行われることが多い。 |
Criteria
- 英国またはアイルランドで初めて出版された英語の新詩集であること(適格性)
- 詩の芸術性・技術的完成度
- 独創性と声の明確さ
- 詩集としてのまとまり・構成の完成度
Application Tips
Dos
- 応募要項を公式サイトでよく確認する
- 詩集が英国またはアイルランドで初出であることを確認する
- 出版社経由でのエントリー(出版社の手続きに従う)
- 詩集全体のまとまりと編集の完成度を高める
Don''ts
- 初出が他国で既に出ている本を応募しない
- 体裁や校正が不十分なまま提出しない
- 締切を過ぎて送付しない
From Judges
- 詩集全体としての一貫性と声の強さを重視する
- 個々の詩の良さだけでなく、詩集としての構成を示すこと
- 独創性と技術的完成度を両方示すこと
Related Awards
- Poetry Book Society
- Forward Prize for Poetry
- List of British literary awards
- List of poetry awards
- T. S. Eliot Prize (Truman State University)
Official Resources
http://tseliot.com/foundation/prize/about/Past Winners
喪失と死別をめぐる感情を、光と音楽を帯びた短い詩篇へと結晶させた詩集。厳しい主題を扱いながらも、重さだけに沈まず、ユーモアや親密さを保っている。
悲しみを、歩み続けるための強さへと変えていく。
アメリカの詩人。受賞作『Fierce Elegy』により第32回T. S. Eliot Prizeを受賞。詩作では喪失や記憶を巡る叙情性と形式的実験を結びつけることで知られる。
シェイクスピアのオセロー像を手がかりに、黒人男性の身体、移動、帰属、自己像をたどる詩集。ロンドン、パリ、ヴェネツィアを横断しながら、詩的回想と批評的視点が重なり合う。
オセローを鏡に、現代ヨーロッパにおける自己と他者の境界を問い直す。
英語で詩を発表する詩人。受賞作『Self-Portrait as Othello』により第31回T. S. Eliot Prizeを受賞。作品では演劇テクストや個人的・集合的記憶を通じてアイデンティティと人種の問題を探求する。
父親を失った息子の視点から、記憶と不在、家族の時間をたどる連作詩集。カリプソのリズムを思わせる推進力のなかで、愛情と喪失が複雑に絡み合う。
失われた父の輪郭を、記憶と言葉で静かに立ち上げる連作詩集。
トリニダード出身の詩人・作家・ミュージシャン。カルチュラルな交差を扱う詩作や物語詩で知られる。
バッテラ文化の女性たちやクィアな身体、反抗と自己表現をめぐる詩集。
身体と反抗の歴史を、詩でたどる。
英国の詩人で、スラム詩やパフォーマンス詩の分野で知られる。社会的周縁を扱う力強い声が特徴。
『How to Wash a Heart』は断片的で実験的な詩群を通して身体、トラウマ、愛の傷を探る作品である。語りの分裂やイメージの反復を用いて私的体験と植民地的/ポストコロニアルな問題を結び付け、読者に挑む詩的実践を示す。
インド系の詩人・作家で、実験的な文体と身体やトラウマをめぐる主題で知られる。
移民、家族、黒人英国社会、グレンフェル・タワー火災の記憶などを、音楽的なリズムと語りの力で描く詩集。楽園は遠い場所ではなく、持ち運び、守り、分け合うべき感覚として提示される。
携えられる楽園は、不正義への怒りと人への愛情のあいだに生まれる。
トリニダード系イギリス人の詩人・作家。ダブや音楽的要素を詩に取り入れた表現で知られる。
ニューヨーク、カリフォルニア、出生と喪失をめぐる三つの長詩で、都市生活と時間感覚を現代的に組み直す。
長詩のかたちで、都市の記憶と私的な経験を往復する。
英国の詩人・学者。詩の形式や時間性の探求を通じて評価を得ている。
戦争、移動、喪失、そしてクィアな自己認識を、きわめて繊細な言葉で掘り下げる詩集。
鋭い精度と抑制のきいた旋律で、個人史と暴力の記憶を照らすデビュー詩集。
ベトナム系アメリカ人の詩人・作家。移民経験や家族、戦争と愛を主題にした叙情的で力強い詩作で国際的に知られる。
『Jackself』は形式の多様性と物語性を併せ持つ詩集で、個人的記憶やユーモア、喪失と再生のテーマを扱う。比喩と音楽性を駆使し、日常の裂け目から幻想的なイメージを引き出していく作品群である。
英国の詩人・作家。詩と短編で国際的に評価されている。
『Loop of Jade』は出自と記憶、東アジアと英国の文化的接点を織り込むデビュー詩集である。家族史や移動の記憶を鮮やかなイメージで紡ぎ、伝統的モチーフと私的回想が往復することでアイデンティティと歴史の複層性を浮かび上がらせる。
イギリスの詩人。デビュー作で高い評価を受け、出自や記憶を織り込んだ詩風が特徴。
火、殉教、戦争、喪失のイメージを束ねた詩集で、緊張感のある抒情が全体を支える。
火と喪失のイメージが強く響く、緊密な詩集。
英国の詩人で、象徴的かつ音響的な詩作を特徴とする。寓意的・抒情的な表現で知られる。
政治、歴史、私的記憶を多面的に重ね、視点のずれそのものを詩にした連作。
視点がずれるたびに、歴史と私的な記憶が新しい輪郭を持つ。
北アイルランド出身の詩人。個人的記憶や歴史、視点の交差を主題とした繊細な詩作で知られる。
離婚の痛みと、その後に訪れる新しい自由を正面から見つめた、きわめて私的な詩集。
離婚の経験を、痛みを隠さずに言葉へと変える。
アメリカの詩人。告白的で率直な詩風により家族や性愛、暴力など私的領域を鋭く描き出すことで知られる。2012年に離婚を題材とした詩集『Stag's Leap』でT. S. Eliot Prizeを受賞した。
失われた愛、欲望、夢の世界を濃密なイメージで織り上げた詩集。
愛と欲望が、暗い夢のようなイメージの中で反復する。
スコットランド出身の詩人・作家。自然や記憶、喪失をめぐる密度の高いイメージで知られ、詩的な探求が高く評価される。2011年に『Black Cat Bone』でT. S. Eliot Prizeを受賞したが、同年はスポンサーを巡る議論も起きた。
カリブ海の記憶、老い、愛、芸術を、移り変わる景色のなかで捉え直す詩集。
変わりゆく風景のなかで、カリブ海の記憶と老いの感覚を見つめる。
セントルシア出身の詩人・劇作家。島嶼的視座と植民地主義の記憶を独自の言語で描き、1992年にノーベル文学賞を受賞した。豊かな叙情と歴史認識を併せ持つ作風で知られる。2010年に『White Egrets』で受賞。
水の流れを軸に、身体、言葉、土地の感覚を静かに掘り下げる詩集。
水と身体と土地が、ゆるやかに同じ流れの中へ入っていく。
イギリスの詩人・作家。日常の物質や自然現象への細やかな観察を通じて普遍的な主題を掘り下げる詩作で知られる。2009年に『The Water Table』でT. S. Eliot Prizeを受賞した。
シェトランドとカナダの旅から生まれた、場の感覚と呪術的な響きをもつ詩集。
土地の感触と呪文めいた音が、旅の記憶を形にする。
カナダ生まれでシェトランド諸島を拠点に活動する詩人。孤立した風景や自然の細部を鮮やかに描く作風で注目を集め、若手詩人の代表として国際的評価を得た。2008年に『Nigh-No-Place』で受賞した。
追悼と喪失を中心に据えた、記憶の水底をたどるような瞑想的な詩集。
喪失の感覚を、水底をたどるように静かに掘り下げる。
イギリスの詩人・作家・批評家。労働や都市の風景を鋭く描き、社会的な視座と個人的感情を兼ね備えた詩作で知られる。2007年に『The Drowned Book』でT. S. Eliot Prizeを受賞した。
地下鉄の旅や記憶の断片を手がかりに、現代の不穏さと過去の影を呼び起こす詩集。
地下鉄の揺れのなかで、記憶と現在が重なり合う。
北アイルランド出身の詩人。1995年にノーベル文学賞を受賞し、土地や労働、家族の記憶を主題にした詩で国際的評価を獲得。古典的技巧と現代性を統合した成熟した詩作が特徴。2006年に『District and Circle』で受賞した。
恋の始まりから喪失までをたどる連作で、親密さと感情の揺れを丹念にすくい取る。
愛の高まりと失われゆく感情を、ひと続きの声でたどる。
イギリスの詩人。女性の視点や社会的主題を鮮やかに表現することに定評があり、2009年には英国の桂冠詩人(Poet Laureate)に就任。2005年の詩集『Rapture』でT. S. Eliot Prizeを受賞した。
『Reel』は映画のリールを想起させる断片的イメージと連続性を用い、個人史と文化的記憶を再構成する詩集だ。移民の経験や家族の記憶、過去の痕跡を視覚的な比喩で描き、映像性と抒情性が融合した作品群となっている。
ハンガリー生まれで英国を拠点に活動する詩人・翻訳者。記憶と映像的イメージを結びつける技巧に優れ、移民経験や歴史の断片を詩に織り込む作品で知られる。2004年に『Reel』で受賞した。
『Landing Light』は私的な感情と日常の瞬間を繊細に照らす詩集で、愛や喪失、父性、時間の経過を主題に据える。短詩から長詩まで多様な形式を用い、言葉の響きと口語のリズムを生かした語りでユーモアと哀感を同居させながら人生の儚さを描き出す。
『Landing Light』は私的な感情と日常の瞬間を繊細に照らす詩集で、愛や喪失、父性、時間の経過を主題に据える。短詩から長詩まで多様な形式を用い、言葉の響きと口語のリズムを生かした語りでユーモアと哀感を同居させながら人生の儚さを描き出す。
スコットランド出身の詩人・作家。音楽的なリズム感と口語表現を融合した詩作で知られる。2003年に詩集『Landing Light』でT. S. Eliot Prizeを受賞し、現代英語詩における独自の声を示した。
アリス・オズワルドがダート川沿いの人々の声を集め、川の源から海までをたどる長編詩。自然と労働、口承と記憶が重なり、流れそのもののリズムで土地を描く。
川の声、人の声、土地の記憶を一本の詩に編み上げた、流れるような長編作品。
イギリスの詩人。口承詩や自然詩の手法を取り入れ、川や風景を主題にした長篇詩で高い評価を受ける。音声的リズムと群像的語りが特徴。
アン・カーソンが、結婚の崩壊を29の『タンゴ』に分けて描いた詩的散文作品。キーツの美学への応答を軸に、愛着、欺瞞、執着の揺れを鋭く見つめる。
愛と美の関係を、壊れていく結婚の物語として切り詰めた、鮮烈な一冊。
カナダ出身の詩人で古典学者。古典文学の引用や学術的知見を詩に取り入れる独自の作風で知られ、詩と論考、翻訳を横断する作品群を発表している。
北アイルランドの詩人マイケル・ロングリーが、戦争の記憶や日常の静かな場面を通して、故郷と文明の脆さを見つめる詩集。簡潔な言葉の中に、歴史と風景の手触りが重なる。
戦争と日常、遠い土地と身近な風景を行き来しながら、静かな強度で世界を見る詩集。
北アイルランド出身の詩人。繊細な自然描写と歴史的・個人的記憶を織り交ぜる作風で高く評価される。国際的にも知られる詩人の一人。
終わった恋の五年間をたどる詩集で、愛の記憶と感情の揺れを繊細に描く。
恋の終わりを、皮肉とやわらかな痛みの両方で見つめる。
イギリスの詩人・随筆家。家族や個人的記憶をユーモアと抒情性を交えて描く作風で知られる。エッセイや批評も手掛ける。
北アイルランドの詩人マイケル・ロングリーが、戦争の記憶や日常の静かな場面を通して、故郷と文明の脆さを見つめる詩集。簡潔な言葉の中に、歴史と風景の手触りが重なる。
戦争と日常、遠い土地と身近な風景を行き来しながら、静かな強度で世界を見る詩集。
イギリスを代表する詩人の一人。自然や動物、神話を核に力強いイメージを繰り出し、後に桂冠詩人(Poet Laureate)も務めた。私生活や関係性を主題にした詩でも注目を集める。
私的経験を機知と技巧で切り取り、愛と家庭を主題にした詩集。
私的な経験が、精密な詩の手つきで変奏される。
スコットランド出身の詩人。技巧的で音楽性のある詩作が特徴で、翻訳や批評活動も行う。私的な主題を機知と技術で表現する。
オーストラリアの詩人レス・マレーが、農民や父親、周縁化された人々、そして土地の歴史を、鋭いユーモアと怒りを含む詩で描く。
オーストラリアの風景が、言葉の力で熱く照らされる。
オーストラリアを代表する詩人。地域性と自然、農村生活を題材にして国民的経験を鋭く描き、ユーモアと社会批評を交えた作風が特徴。
死、喪失、美しさ、都市生活をめぐる瞑想が連なる詩集。AIDS 時代の喪失感を含みながら、言葉の明晰さで個人的な悲しみを普遍へひらく。
喪失と美しさを、透明な言葉で照らす詩集。
アメリカの詩人・作家。個人的な喪失や身体性を主題にした率直で叙情的な詩作で知られる。批評や回想録も手掛ける。
ポール・マルドゥーンが、記憶の層や言葉遊びを交えながら、個人的経験と歴史的な想像力を交錯させる詩集。長めの連作と抒情的な断片が、変幻する語りを形づくる。
技巧と遊び心を保ちながら、記憶と歴史の断片をひとつの強い流れにまとめた詩集。
北アイルランド出身の詩人。複雑な比喩と技巧的な韻律、言語遊びを用いる作品で国際的に高い評価を受ける。学術活動や編集にも携わる。
キアラン・カーソンが、アイルランド語と英語のあわいにある声を起点に、言語そのものの手触りを探る初期の詩集。遊び心と技巧が、バイリンガルな感覚の層を押し広げる。
言語の境界をそのまま詩に変えた、カーソンの出発点となる作品。
北アイルランド出身の詩人。ベルファストを拠点に活動し、言語の音や日常の細部を鋭敏に捉えた作品で知られる。詩集や散文、翻訳も手掛け、地域の記憶と歴史を題材にすることが多い。