ミルドレッド・L・バッチェルダー賞
みるどれっど・える・ばっちぇるだーしょう
米国で英訳・出版された外国語の児童書の優れた翻訳を出版社に贈るALSCの年次賞。
- 創設年
- 1968
- 主催
- Association for Library Service to Children (ALSC), a division of the American Library Association (ALA)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 1月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Mildred L. Batchelder Awardは、Association for Library Service to Children(ALSC、American Library Associationの児童部門)が授与する年次賞で、もともと外国語で外国で出版され、後に英語に翻訳されて米国で出版された児童書のうち「最も優れた」作品を出した出版社を表彰する。1968年に創設され、賞は出版者に与えられるが、該当作品、翻訳者、著者も明記される。目的は高品質な翻訳出版を奨励し、文化間のコミュニケーションを促進することである。
賞品
- 主賞品
- 出版社に対するcitation(表彰)
- 表彰状(citation)
- 翻訳者と著者のクレジット表示による顕彰
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| Eligibility(資格確認) | ALSC Batchelder Award Committee(選考委員会) | — | 委員会が対象作品(原語で外国で出版され、その後英語訳が米国で出版された児童書)を確認。 |
| 審読・予備選考(候補作の選定) | ALSC Batchelder Award Committee | — | 委員が候補作品を読み討議し、Honor Books(通常1~3点)を選出する場合がある。 |
| 最終選考・決定 | ALSC Batchelder Award Committee(投票) | — | 最終決定はALAの公式発表(Youth Media Awards/プレスリリース)で公表される(通常1月)。 |
選考基準
- The award shall be made to an American publisher for a children's book considered to be the most outstanding of those books originally published in a foreign language in a foreign country and subsequently published in English in the United States during the preceding year.
- The translation should be true to original work and retain the viewpoint of the author.
- The translation should reflect the style of the author and of the original language.
- The book should not be unduly "Americanized." The book's reader should be able to sense that the book came from another country.
- Folk literature is not eligible.
- Picture books are not eligible unless the text is substantial and at least as important as the pictures.
- The book must have the potential to appeal to a child audience (age 0-14).
- The overall design of the book should enhance and not detract from the text; consideration should be given to retention of the original illustrator's work in the U.S. edition.
応募のヒント
推奨
- 翻訳者・原作者・原出版国と言語を明確に表示する。
- 翻訳の忠実性(原作の視点・文体を保つ)を重視する。
- 子ども(0–14歳)に訴求する内容かを確認する。
- 挿絵や装丁などのデザインが本文を損なわないようにする(原画の保持を検討)。
- ALA/ALSCの応募要項と提出部数・フォーマットを必ず確認する。
注意
- 原作を過度に「アメリカ化」しない。
- 民話・フォークロア(Folk literature)は応募対象外であることを忘れない。
- ピクチャーブックを本文が不十分なまま応募しない(テキストが重要であること)。
- 翻訳者のクレジットや原著情報を曖昧にしない。
審査員から
- The translation should be true to the original work and retain the viewpoint of the author.
- The translation should reflect the style of the author and of the original language.
- The book should not be unduly "Americanized."
- Consideration should be given to the retention of the original illustrator's work in the U.S. edition.
関連の賞
- ALA Youth Media Awards
- Newbery Medal
- Caldecott Medal
- Pura Belpré Award
- Belpré Medal
- Best Translated Book Award (children's categories where applicable)
- その他ALS Cの児童文学賞(例:Schneider Family Book Award)
公式情報
https://www.ala.org/alsc/awardsgrants/bookmedia/batchelderaward過去の受賞者
イラストレーターSeiji Yoshidaによるビジュアル寄りの作品の英訳版。多様な家や建物にまつわる短い物語や紹介を集めた構成で、視覚的な魅力と読み物としての面白さを兼ね備えた一冊とされる。Jan Mitsuko Cashによる英訳版がAmulet Booksより刊行され、2024年の受賞作となった。出典には個別ストーリーの詳細は記載されていない。
米国の出版社。2024年はSeiji Yoshida(イラストレーター)による『Houses with a Story: A Dragon’s Den, a Ghostly Mansion, a Library of Lost Books, and 30 More Amazing Places to Explore』の英訳版(訳:Jan Mitsuko Cash)を刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
イタリアの作家Lia Leviによる実話に基づく児童向けの物語で、第二次世界大戦下における少女の体験を描く。歴史的記憶と個人の経験を通して戦時下の生活と子どもの視点を伝える内容とされる。英訳はSylvia Notiniによる(出典記載)。
米国の大手出版社。2023年はLia Levi著『Just a Girl: A True Story of World War II』の英訳版(訳:Sylvia Notini)を刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
日本の作家Sachiko Kashiwabaによる児童文学作品の英訳版。夏を舞台にした小さな町での出来事を通して成長や共同体、やや幻想的な要素を織り込む作品とされる。Avery Fischer Udagawaによる英訳版がRestless Booksより刊行され、2022年の受賞作となった。出典には詳細なあらすじは記載されていない。
米国の出版社。2022年は柏葉佐知子(Sachiko Kashiwaba)著『Temple Alley Summer』の英訳版(Avery Fischer Udagawa訳)を刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
イタリアの児童作家ジャンニ・ロダーリによる短編集(原題:Favole al telefono)の英訳版。出張中の父親が娘に電話で語る短い物語を集めた作品で、奇想天外な発想とユーモアに富み、子どもの想像力を刺激する語りが特徴。Antony Shugaarによる英訳版が英訳・米国刊行され、受賞作となった。
米国の独立系出版社。2021年はジャンニ・ロダーリ(Gianni Rodari)の短編集『Telephone Tales』(Antony Shugaar訳)の英訳版を刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
ノルウェーの作家Håkon Øvreåsによる作品(原題:Brune)。Kari Dicksonによる英訳版が米国で刊行され、同社がその出版社として2020年のBatchelder賞を受賞した。出典には作品の詳細なあらすじは記載されていない。
米国の独立系出版社。2020年はHåkon Øvreås作『Brown』(原題:Brune)の英訳版(訳:Kari Dickson)を刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
リトアニアの作家Evelina Daciūtėによる児童書。原作はリトアニア語で、Translation Bureauによる英訳版が米国で刊行され、Thames & Hudsonがこの英訳版の米国出版社として2019年のMildred L. Batchelder Awardを受賞した。出典にはあらすじの詳細は記載されていない。
英国の出版社。2019年はEvelina Daciūtė著『The Fox on the Swing』(原語:リトアニア語)を英訳(Translation Bureau)して米国で刊行した出版社としてMildred L. Batchelder Awardを受賞した。
海を舞台に展開する冒険ミステリ。オランウータンのサリー・ジョーンズが親友である船の技師の無実を証明するために奔走する。友情と正義がテーマの長編児童小説。
スウェーデンの作家・イラストレーター。巧みな物語構成とイラストで児童向け長編を手がける。
教育を求める少女マララ・ユサフザイの活動と背景を紹介する伝記的作品。若い読者にも理解しやすく、教育と勇気の重要性を伝える。
ブラジルの絵本作家・イラストレーター。独創的な造形表現と詩的な語りで国際的に評価される。
死をやわらかく扱う絵本。死神がある家族に訪れ、残された者たちの悲しみと慰め、命の儚さを静かに語る。喪失と受容を優しく描いた作品。
デンマークの児童文学作家。繊細なテーマをやさしい表現で描く作風が特徴。
海や遠い場所への想像を喚起する絵本。シンプルで力強いイラストとテンポの良い語りで、子どもの好奇心を喚起する構成。
日本を代表する絵本作家・イラストレーター。多数のベストセラー絵本を持ち、子どもの想像力を刺激する作品が多い。
見たことのない奇妙な生き物(Fluffy Little Squishy)との出会いを通じて、孤独や居場所、他者とのつながりを描く絵本。独特の造形とやさしい語りが特徴。
イタリア出身の絵本作家・イラストレーター。詩的で個性的な造形表現と温かな物語で国際的に評価される。
アルゼンチン出身の漫画家・イラストレーター(ペンネーム:Liniers)。独特のユーモアと柔らかな表現で知られる。
少年ミキスとロバの心温まる交流を描く児童向け作品。友情と責任、日常の中の小さな冒険が丁寧に綴られる(原作:Mikis, de Ezeljongen、絵:Philip Hopman)。
オランダの児童文学作家。実話や動物を題材にした暖かい作風で知られる。挿絵家と組んだ絵本も多数ある。
ホロコースト期に隠れて生き延びた子どもの視点を描くグラフィックノベル。戦争と記憶、子どもの経験を静かに伝える作品(訳:Alexis Siegel)。
フランスの漫画作家・脚本家。歴史を題材にしたグラフィック作品も手がける。
親しみやすい人物(Mister Orange)を通して、孤独や絆、日常の変化を柔らかく描く物語。ユーモアと哀感が交差する児童文学作品として評価された。
オランダの作家。ユーモアと人間味のある語り口で児童書を手がける。
親子の関係や愛情、喪失といったテーマを繊細に描く作品。穏やかな語りで家族の絆を見つめ直す構成が特徴。
ノルウェーの作家。児童文学を含む幅広い作品で知られる。
歴史的事実を背景に、戦争が人々の生活に及ぼす影響を描く作品。若い読者にも届く叙述で、記憶と抵抗の物語を伝える。
ベルギーの作家。歴史を題材にした作品で知られる。
戦時下の家族を題材に、喪失や絆、日常の変化を子どもの視点から描く物語。家族の結束と個々の成長が繊細に綴られる作品。
ヨーロッパで活動する作家。戦時下の家族を扱う物語で評価された。
レバノンの戦時下での子どもたちの生活や生存の工夫を、グラフィックノベル形式で描く。戦争が日常にもたらす苦悩と希望を視覚的に伝える作品。
レバノン出身のグラフィックノベル作家。戦時下の記憶や家族をモノクロの繊細な線で描くことで知られる。
兵士と熊の関わりを通じて友情や戦争の影響を伝える児童向けの物語。実話的要素を織り交ぜ、子どもの視点で歴史の一端を伝える。
オランダの児童文学作家。動物や実話に着想を得た子ども向け作品で知られる。
運命や奇跡、個人のつながりをテーマにした物語。多様な登場人物の交差する人生を通じて希望と喪失が描かれる静かな感動作(訳: Y. Maudet)。
フランスの作家。YAや児童書で国際的に作品を発表している。
若者たちの間で「何も意味がない」という思想が広がり、エスカレートする行為を通じて倫理や共同体の在り方を問いかける衝撃作。虚無と責任、成長の暗い側面が描かれる。
デンマークの作家。哲学的で物議を醸す作品『Nothing』で国際的に知られる。
第二次世界大戦期、プラハからスウェーデンへ避難したユダヤ人の子どもたちを描く物語。見知らぬ土地での孤立、友情、家族への想いを通じて戦争の影響が子どもの目線から繊細に描写される。
スウェーデンの児童文学作家。戦時下の子どもの視点を描いた作品などで知られる。
存在の対比を用いて関係性や共感を描く絵本。大と小、強さと弱さを通じて友情や思いやりを伝える構成が想定される作品。
フランスの作家。児童向けのテキストや詩的な表現を用いる作品がある。
日本の児童文学作家。『精霊の守り人』シリーズなどで知られる。シリーズの続編が英訳出版され、候補となった。
女武者バルサは、命を狙われた王子チャグムを救い、その護衛として旅に出る。チャグムの体内に宿る謎めいた存在と王国の陰謀が絡み、守ることの意味や犠牲を問いながら成長と冒険が描かれる東洋風ファンタジー。
日本の児童文学作家。独自の世界観をもつファンタジー作品で知られ、『精霊の守り人(Moribito)』シリーズなどが代表作。若年層向けに深いテーマを織り込み多くの読者に支持されている。
内向的な少年ガルマンが夏休みに経験する出来事を通じて、不安や感情と向き合いながら少しずつ成長していく絵本。自然や日常の細部の観察を通して安心感と自己発見が描かれる。
ノルウェーの絵本作家・イラストレーター。詩的で繊細な図像による絵本で知られる。
現実世界で悩みを抱える少年が異世界へ入り、運命や願いをめぐる試練に向き合う長編ファンタジー。友情や自己発見、喪失と再生といったテーマを通して成長が描かれる。若年・YA層に読み応えのある構成。
日本の作家。ミステリやファンタジーを含む幅広いジャンルの作品で知られ、若年層向けの長編ファンタジーでも高い評価を受けている。
幻想的な要素を含む冒険物語。海や旅をモチーフに、失われたものを探す旅を通じてアイデンティティや勇気、他者との絆を描く傾向があり、若い読者に響く寓話性が特徴である。
フランスの児童・ヤングアダルト作家。寓話的で幻想的な物語を得意とし、欧州を中心に広く翻訳されている。
詳細な経歴情報が英語版で限定的な作家。受賞作『The Shadows of Ghadames』は翻訳を通じて英語圏で評価された作品である。
第二次世界大戦期のユダヤ人少年の生存体験を描く物語(実話に近い設定とされる)。逃亡しながら生き延びる少年の視点で戦争の残酷さと生存への執念、喪失と希望が簡潔な筆致で描かれる。
ポーランド生まれでイスラエルで活動した児童文学作家。自身の戦時体験を題材にした作品で国際的に評価されている。
ベネチアを舞台にした児童向けファンタジー。両親を頼れない二人の兄弟が孤児たちの秘密の集団「泥棒団」と出会い、“泥棒の王”と呼ばれる少年と共に冒険を繰り広げる。友情・家族・成長がテーマで、幻想的な要素も織り交ぜられる。
ドイツ出身の児童文学作家。ファンタジー作品で国際的に知られ、多くの訳書が世界で読まれている。
移民や文化的適応をテーマにした若年層向けの物語。新しい土地での生活や言語・文化の違いに直面する主人公を通じて、アイデンティティの模索やコミュニティとの関わりを描く。
ドイツ語圏の作家。英語圏では翻訳を通じて紹介される作品がある(詳細な経歴情報は限定的)。
異なる背景を持つ二人の少年、サミールとヨナタンの友情と成長を描く物語。文化や立場の違いを乗り越え互いを理解し合う過程をやさしく描写し、若い読者に共感と寛容を促す作品。
イスラエルの児童文学作家。友情や共感を主題にした作品で知られる。
寓話的な色彩を帯びた児童向けの物語。動物や寓意を通じて権力、責任、友情などを問いかける構成で、ユーモアと寓意を織り交ぜながら成長や連帯を描く作品とされる。
オランダ出身の作家。児童文学を中心に多くの作品を残し、寓話的・象徴的な物語で知られる。
著者が幼少期にナチス占領下で経験した迫害と生存の記憶を、母への感謝を軸に綴る回想録。子どもの視点で戦争の恐怖と日常の断片、喪失と希望を静かに描き、若い読者にも伝わる平易な語り口が特徴。
ホロコースト生存者であり、自身の幼少期の体験を母への感謝とともに綴った回想録で知られる。戦時下の困難と家族の絆を子どもの視点から描いた作品が評価された。
少年と盗賊の交流を通じて信頼や勇気、道徳的な選択を問いかける寓話的な児童文学。冒険的要素と人間関係の描写を通して若い読者に問いを投げかける作品。
子どもたちの友情や孤独、成長を繊細な筆致で描く物語。学校や家庭での出来事を通して他者理解や葛藤、友情の複雑さを丁寧に浮き彫りにする作品。
日本の児童文学作家。日常の機微や子どもの心理を繊細に描く作風で知られ、国内外で評価されている。
日常の出会いや小さな事件を通じて、喪失や記憶、再生のテーマを静かに掘り下げる物語。繊細な人物描写と温かな視点で、読者に希望と共感を与える一冊。
戦争体験や記憶をテーマにした児童文学で国際的に知られる作家。重いテーマを子どもの視点で描くことで広く読まれている。
第二次世界大戦下のデンマークを舞台に、少年たちが秘密裏にレジスタンス活動に関わる姿を描く歴史的青少年小説。友情と勇気、倫理的ジレンマが物語の中心となる緊張感ある作品。
デンマークの作家。歴史的背景を持つ青少年向け長編を得意とし、戦争や社会問題を若い視点で描く作品で評価されている。
見習いや修業を通して主人公が自分の技や責任を学び、成長していく過程を描く物語。師弟関係や文化的背景が丁寧に描写され、若い読者の自立や自己発見を促す作品。
スペインの児童文学作家。若者の成長や家族、伝統と個人の葛藤を丁寧に描く作品を多数発表している。
戦争や迫害の影を背景に、異なる境遇の人との出会いを通して共感や生きる力を問う物語。厳しい現実を子どもの目線で描きつつも、人間性や希望を探る作品となっている。
イスラエルの児童文学作家。ホロコーストや戦争体験を題材にした作品で国際的に評価されている。子どもの視点から重い歴史を描くことが多い。
中東の語りや日常の細部を織り交ぜた短めの物語集的作品。家族や隣人との関係、記憶や希望をやわらかく描き、文化間の交流や人間のつながりを温かく示す。
シリア出身でドイツ語で執筆する作家。語りの伝統を生かした豊かな物語で移民や文化、家族のテーマを扱うことが多い。
主人公バスターの視点で綴られる成長物語。家族や友人との関係、日常の出来事や小さな冒険を通して少年が少しずつ自立していく過程をユーモアと温かさをもって描く作品。
デンマークの児童文学作家。ユーモアと人間理解に富んだ作風で、若い読者の成長を温かく描く作品が多い。
身体的ハンディやその影響を受ける人物たちの心理と回復の過程を描く作品。子どもの視点から日常の困難や周囲の支えを丁寧に描写し、成長と自立の物語として読める。
ドイツの作家・児童文学者。家族や成長、社会的テーマを繊細に扱う作品で知られる。詩や評論も手掛ける多作な作家。
日常の細やかな出来事を通して、子どもの友情や孤独、依存といった感情を繊細に描く児童向け物語。やさしい語り口で他者の存在の大切さを静かに伝え、読者に共感を呼び起こす。
スウェーデンの児童文学作家。子どもの内面や友情、日常の小さな出来事をやさしい筆致で描く作品が多く、国際的に翻訳されている。
ドイツ語圏の作家。受賞作『No Hero for the Kaiser』はPatricia Cramptonによる英訳で評価された。
第二次世界大戦中、幼い少女が森で見つけた鉄条網の向こうの現実(囚人収容所)に触れ、無垢な視点から戦争の残酷さを描く絵本。深い挿絵と静かな筆致で強い印象を残す。
(詳細情報が限定的な作家)絵本『Rose Blanche』でロベルト・イノチェンティと共作し、英語版で表彰された。
第二次世界大戦の悲劇を、無垢な少女の視点と強烈なビジュアルで描き出す絵本。イノチェンティの挿絵が物語の重さを視覚的に伝える。
イタリアのイラストレーター・画家。緻密で叙情的な挿絵で知られ、『Rose Blanche』の挿絵が特に高く評価された。
第二次世界大戦中、ワルシャワ・ゲットーで兄と離ればなれになった少年が廃屋に隠れながら生き延びる姿を描く実感的な物語。恐怖と孤独の中で芽生える希望と成長が主題。
ユダヤ系イスラエルの作家。ホロコースト体験を背景にした児童文学で高く評価される。受賞作『The Island on Bird Street』は戦時下の生存と希望を描く。
森で盗賊の娘として育ったロンヤが、敵対する盗賊の息子ビルクと出会い、友情や自立を学んでいく冒険物語。自然描写とユーモア、成長のテーマが重層的に描かれる。
スウェーデンを代表する児童文学作家。『長くつ下のピッピ』など多くの名作で知られ、子どもの自由や自然を尊重する物語が特徴。
広島に投下された原子爆弾の閃光(「ピカ」)と、その直後の光景を子どもの視点で描いた絵本。抒情的な画と簡潔な文章で被爆の悲惨さと平和への願いを伝える作品。
日本の画家・絵本作家。原爆や戦争をテーマにした表現で知られ、被爆の記憶を伝える作品群で国際的にも評価される。
スウェーデンの作家。受賞作『The Battle Horse』はGeorge Blecher と Lone Thygesen Blecher による英訳で表彰された。
オランダの児童文学作家。独特の文体と深い心理描写で国際的に評価される。受賞作はMarykaおよびRaphael Rudnikによる英訳版がある。
ギリシャの児童文学作家。歴史や社会背景を織り込んだ作品で知られる。受賞作はEdward Fenton による英訳がある。
オーストリアの児童文学作家。子どもの視点から社会や家族を描く作風で知られる。受賞作『Konrad』はAnthea Bellによる英訳で評価された。
ドイツ語圏の児童文学作家。受賞作『Rabbit Island』はAnn Conrad Lammers により英語訳され、米国で刊行された。
『The Leopard』は、自然や動物のモチーフを通じて主人公の内面の変化や成長、孤独を象徴的に描く児童文学。動物と人間の関係を媒介にしてアイデンティティや他者理解、責任といった普遍的なテーマを静謐な筆致で探る作品である。
『The Cat and Mouse Who Shared a House』は、猫と鼠という対照的な存在が同じ家で暮らす設定を通して、対立と和解、共生の可能性をやさしく描く絵本的物語。ユーモアと温かさを携え、異なる立場の者同士が理解し合うプロセスを示す。
『An Old Tale Carved Out of Stone』は、伝承や記憶をモチーフにした童話的・幻想的要素を持つ児童文学。石に刻まれた古い物語を巡る語りを通じ、文化の継承や時間の流れ、個人と共同体の関係を寓話的に問いかける一冊である。
『Petros' War』は、第二次世界大戦下のギリシャを舞台に少年ペトロスの視点で占領・抵抗・喪失を描く物語。戦争の現実が子どもの日常に及ぼす影響を繊細に描写し、連帯や勇気、成長の過程を通じて歴史の重みを伝える教育的価値の高い作品。
『Pulga』は、主人公Pulgaを中心に据えた児童向け物語で、小さな冒険や空想を通じて成長と他者とのつながりを描く作品。軽妙な語り口とユーモアを交え、日常の出来事や想像力の働きを通して子どもの感情や価値観の形成をやさしく示す。
『Friedrich』は、1930年代ドイツを背景にユダヤ人少年フリードリヒとその友人の関係を通して差別と排斥の進行を描く中編。日常の細やかな描写によって、次第に深刻化する排斥や孤立の過程を克明に示し、歴史的認識と道徳的省察を促す作品として広く読まれている。
古代メソポタミア、特にウルの発見とその歴史的意義を子ども向けに紹介するノンフィクション。考古学的発掘の過程や出土品の解釈を平易に解説し、文明の成り立ちや歴史研究の方法への入門として、子どもの興味を引く構成となっている。
『Wildcat Under Glass』は、子どもと野生動物との出会いを通じて成長や共感を描く児童文学。ガラス越しに見る“野生”と日常生活が交錯する構図を通して、自由や抑圧、自然との共生といった普遍的テーマを、ギリシャの社会的背景を織り込みながら子どもの視点で描写する作品。
『Don't Take Teddy』は、幼児期の愛着と不安を扱うノルウェーの児童小説。大切なぬいぐるみ(テディ)をめぐる状況を通して主人公が恐れや勇気、他者との信頼を学んでいく過程を丁寧に描く。家族や友情、安心感の再構築が主要テーマで、子どもの心理に寄り添う温かい筆致が特徴。
『The Little Man』は、小さな存在を主人公に据えた児童向け短編集的作品で、ユーモアと辛辣な風刺を交えつつ日常の不条理や社会の矛盾を描く。家庭や学校での出来事を通して子どもの成長や人間関係の機微を掬い取り、子どもと大人双方に考察を促す寓話的な物語群。