フェネオン賞
ふぇねおんしょう
1949年創設。35歳以下かつ経済的に恵まれない若手フランス語作家と視覚芸術家に毎年贈られるフランスの文学・美術賞。
- 創設年
- 1949
- 主催
- パリ大学学長府(Chancellerie des Universités de Paris)
- カテゴリー
- 芸術総合・メディア芸術
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
フェネオン賞(Prix Fénéon)は1949年に設立され、フランス語で活動する35歳以下の作家(文学部門)と視覚芸術家(美術部門)に年次で与えられる賞である。創設者ファニー・フェネオンは夫フェリックス・フェネオンの美術コレクション売却による収益をパリ大学に遺贈して賞が設立された。パリ大学の副学長が審査委員会の議長を務める。受賞者リストは文献・資料により公表されているが、賞金額などの詳細は資料により差異があるためここでは特定していない。
賞品
- 主賞品
- 若手(35歳以下)のフランス語作家および視覚芸術家に対する表彰(文学部門・美術部門)。詳細な賞金額は資料により明示されていない場合がある。
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 審査委員会による選考 | パリ大学の審査委員会(副学長が議長) | null | 主催者(University of Paris)による公式発表(大学のウェブサイトやプレスリリース等) |
| 最終決定・受賞者発表 | 審査委員会(副学長が議長) | null | 大学および関連団体の公表 |
選考基準
- 年齢制限:35歳以下であること(原則)
- フランス語での創作活動を対象とすること
- 文学的または視覚芸術としての創造性・芸術的価値
- 若手としての将来性・独創性
関連の賞
- Prix Goncourt
- Prix Médicis
- Prix Renaudot
- Académie française の各種賞
- List of European art awards
公式情報
http://www.academie-francaise.fr/prix-feneon過去の受賞者
『Les Corps insurgés』は、身体性を主題に据えた政治的・社会的な問いを扱う作品で、身体を通じた抗議や抵抗、集団行動の様相を検討する。個人と集合体の身体が社会的表象としてどのように機能するかを考察する内容が中心となる。
作家。2020年に『Les Corps insurgés』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『Une longue nuit mexicaine』は、メキシコを舞台に異文化の交差や移動、夜に紡がれる出来事を通じて登場人物の運命や記憶を描く作品。風土や歴史が個人の決断や関係性に与える影響を探る長編的な語りを持つ。
作家。2019年に『Une longue nuit mexicaine』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『Ma dévotion』は、献身と関係性をめぐる繊細な小説で、登場人物の内面に寄り添いながら愛情や犠牲、自己保存の狭間にある葛藤を丁寧に描く。省察的な語り口で日常の情動を掘り下げる作品である。
作家。2018年に『Ma dévotion』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『Les États et empires du lotissement Grand siècle』は、都市開発や宅地分譲を題材に、近代的な空間と権力、共同体の生成を風刺的かつ批評的に描く作品。行政や資本、住民の関係を通じて土地と権力の物語を問い直す。
作家。2017年に『Les États et empires du lotissement Grand siècle』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『Comme neige』は、記憶や喪失、繊細な家族関係を主題にした作品。日常の細部や季節の変化を通じて、人物の内面の揺らぎや過去の出来事が現在に与える影響を静かに描き出し、喪失と再生の可能性を探る。
作家。2016年に『Comme neige』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『Le voyage d'Octavio』は、主人公オクタヴィオの旅を通じて成長や自己発見、家族の秘密と向き合う物語。異国や風景との出会いが内面の変容を促し、旅の風景描写と心理描写が織り交ざる長編小説として評価された。
作家。2015年に『Le voyage d'Octavio』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
詩集『Vers Baïkal (mitraille)』は、バイカル湖など辺境の風景を通じて記憶や歴史、暴力と静寂の交錯を断片的な詩行で表現する作品。イメージの断片化と音韻的な言語操作を用い、自然と人間の関係を詩的に問いかける。
詩人。2013年に詩集『Vers Baïkal (mitraille)』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
ジャン=ジョゼ・マルシャンの批評文集『Écrits critiques』を編集・注釈し、未整理のテキストを体系化して序文や注釈で歴史的・批評的文脈を明確化した編集的業績。フランス文学批評の理解を深める貢献として評価された。
ジャン=ジョゼ・マルシャンの批評文集の編纂・序文・注釈を担当した編集的業績により受賞。
『En règle avec la nuit』は、夜の時間を通して人々の孤独や出会い、社会の周縁にある生活を抒情的に描き出す作品。都市や自然の闇を繊細な筆致で描写し、記憶と現在が交差する場面を通して、夜が人々の内面や関係性に与える影響を静かに照射する。
フランスの作家。2011年に『En règle avec la nuit』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞。
『59 préludes à l'évidence(明白さへの59の前奏)』は、短い前奏的断章を連ねた形式実験的な作品集。観察的で省察的な断片を通じて日常の細部や言葉の表現可能性を追求し、明白さと曖昧さの境界を問う。
フランスの作家。断章的で実験的な構成を用いる作品を発表している。
『Les Trois Parques(三人の運命の女神)』は、運命と記憶を巡る寓話的な構成で家族史や世代間の断絶を描く作品。幻想と現実が交差する語り口で、喪失と再生、アイデンティティの脆さを浮かび上がらせる。
ベトナム出身のフランス語作家。移民体験や記憶、家族の不在を鋭く描く作風で国際的にも評価されている。
『Technique du marbre(大理石の技法)』は、彫刻や大理石の比喩を通して記憶、時間、身体性を探る作品。テクストは彫刻的な構築を思わせる緻密な構成と詩的な言語で成り立ち、過去の痕跡と現在の刻印をめぐる哲学的な問いを投げかける。
フランスの作家。比喩的で詩的な表現を用い、記憶や時間をめぐるテーマを扱うことで評価される。
『Coup de foudre(電撃/ひとめぼれ)』は、突発的な出会いや情熱が個人と人間関係にもたらす変化を描く作品。激情の瞬間とその余波が記憶や行動に及ぼす影響を精緻に描写する、叙情的かつ洞察的な長編である。
フランスの小説家。洗練された文体と鋭い観察眼を持ち、さまざまな文学的主題を扱う作品で知られる。
『L'Empyrée(至高)』は、宇宙的・霊的な視座から存在を問い直す詩的な作品。比喩とイメージを重ねつつ内的な探求を追い、個人の経験と普遍的な問いを結び付ける瞑想的な長編である。
フランスの作家。詩的かつ哲学的な視座から存在や内的探求を描く作品を発表している。
『La Nébuleuse du crabe』は、寓意とユーモアを交えた実験的小説。言語遊戯や断片的な語りを通じて現実の不条理や社会の滑稽さを浮かび上がらせる。繰り返しと逸脱を用いた独自の文体が特徴で、読者の常識を揺さぶる。
フランスの小説家。実験的でユーモラスな作風が特徴で、言語遊戯や物語の解体を通じて現実の不条理を描くことが多い。
『Iris』は、イリスという人物像や象徴を通じて記憶、芸術、欲望が交錯する文学的長編。過去と現在の時制を往復する構成で人物の内面を丁寧に剖出し、細密な描写と文学的参照が織り込まれた作品である。
フランスの小説家・評論家。細密な文体と文学的参照を織り込む作風で知られ、翻訳や批評活動も行う。
『La Première Ombre(最初の影)』は、幼年期や過去の出来事が現在に影を落とす様子を描く内省的な長編。主人公の記憶の断片と家族関係を織り合わせながら、喪失と再生の過程を詩的な筆致で綴る。
フランスの作家。詩的で内省的な作風を持ち、記憶や喪失を主題にした作品で評価される。
『Parole de singe』は、言葉と表現の限界を問いながら、コミュニケーションの齟齬や社会の矛盾を風刺的に描く作品。寓話的なモチーフや動物の比喩を用いて人間の言語行為を相対化し、軽妙なユーモアと知的な抑制が同居する。
フランスの作家。言語表現の実験や機知に富んだ語り口を特徴とし、風刺的な視点で社会や人間関係のズレを描く。
『Duo forte』は、二人の関係を軸にした連作的な物語で、親密さの裏に潜むすれ違いや誤解、記憶の揺らぎを繊細に描く。日常の細部を通して孤独や欲望を浮かび上がらせる抑制された文体が印象的で、登場人物の心象を緻密に掘り下げる。
フランスの小説家。日常の細部や登場人物の心理を繊細に描く作風で知られる。短編・長編を通じて人間関係の機微を掘り下げ、1990年代に評価を得た。
18世紀の作家・批評家であるChamfortの生涯と思想を追う伝記的研究。Chamfortの言説や時代背景を丹念に考察し、文学史と思想史の交差点を浮かび上がらせる。
フランスの作家・批評家で伝記研究を行う。Chamfortに関する著作で1988年のPrix Fénéon(文学部門)受賞。
未来の島を想像する詩的な作品で、記憶や想像、孤独を巡る断片的な詩篇を通じて外界と内面の関係を探る。比喩と音感を重視した詩集。
フランスの詩人。象徴的で音感を重視した詩作を行い、詩集『Pour une île à venir』で1988年にPrix Fénéon受賞。
歴史的・寓話的要素を用いて権力、暴力、宗教的モチーフを扱う作品。登場人物の運命と倫理的ジレンマを通じて時代精神を問いかける。
フランスの作家。歴史的・寓話的な題材を通じて権力と倫理を問いかける作品を発表している。1987年に『Le Tsar Hérode』で受賞。
喪失や断絶を主題に、関係の消失や時間のずれを詩的かつ冷静な筆致で描く作品。内面的変容と存在の揺らぎを探る叙述が特徴。
フランスの作家。喪失や変容を主題とした作品を発表し、内面的な変容を詩的に描く傾向がある。1986年に『L'Eclipse』で受賞。
視覚と盲目をモチーフに、人間の欲望や孤独、死生観を鋭く描く作品。Guibert特有の自伝的リアリズムと文学的省察が交錯し、身体性と存在を問いかける。
フランスの作家・写真家。自伝的要素と身体性を扱う作品で知られ、文学と自己省察が交錯する作風を持つ。1985年に『Des aveugles』で受賞。
寓話的要素と自然描写を織り交ぜた作品で、記憶や日常の断片を原稿という形で提示する文学的実験。ユーモアと哀感が同居する叙述が特徴。
フランスの作家。寓話的な要素と自然描写を織り交ぜた文体で知られ、1984年に『Les Manuscrits de la marmotte』で受賞した。
小さな共同体や周縁に生きる人々を描く物語。風刺と人間洞察に富み、権力関係やアイデンティティの脆さを抉る。写実と寓話の境界を行き来する作風が特徴。
フランスの小説家。周縁の人々や共同体を題材に、人間関係や社会構造を鋭く描く作風で知られる。1983年に『Au pays des nains』で受賞。
猫を通して日常の機微や人間関係を観察するエッセイあるいは短篇集。軽妙な筆致で動物と人間の相互作用を描き、ユーモアと詩情を併せ持つ作品。
フランスの作家・エッセイスト。動物や日常の観察を通じて人間社会を描く作風で知られ、1982年に『Le Chat dans tous ses états』で受賞した。
タイトルが示す閉塞感を主題に、個人と社会の隔たりや記憶の重みを描く作品。内面の葛藤と外的圧力を繊細に描写することで、孤立の構図を浮かび上がらせる。
フランスの作家。心理描写や内面の対話を重視した作品で知られ、1981年に『Les Emmurés』でPrix Fénéonを受賞した。
初期の代表作の一つで、地理や時間の概念を背景に人物の旅や存在の不安を描く長編。細やかな観察とユーモアを伴いながらアイデンティティを探る作風が特徴。
フランスの小説家。軽妙な語り口と緻密な観察で知られる。1980年に『Le Méridien de Greenwich』でPrix Fénéonを受賞。
孤独を主題に据えた小説で、個人の内面と社会からの断絶を静かに描写する作品。登場人物の孤立感や記憶の断片を通して近代社会の疎外を掘り下げる。
フランスの作家。1979年に『Le Principe de solitude』でPrix Fénéon(文学部門)を受賞した。内面描写と孤独の主題を扱う作品が特徴。
ペンネームDenis Duparc名義で受賞したルノー・カミュ(Renaud Camus)。当該作『Échange』で1977年にPrix Fénéonを受賞している。
フランスの作家。1976年に『L'Écrit fait masse』でPrix Fénéonを受賞した。
フランスの小説家・編集者。1973年に長篇『Samedi, dimanche et fêtes』でPrix Fénéonを受賞した。
フランスの作家。1972年に『Le Signe de la bête』でPrix Fénéonを受賞した。
フランスの詩人・作家。文学理論や批評にも関わり、1971年に『Du coup d'État en littérature』で受賞した。
フランスの小説家・評論家。代表作の一つ『La Loge du gouverneur』で1970年にPrix Fénéonを受賞した。
若い主人公の視点を通して、戦時下や戦後における記憶・アイデンティティの問題を断片的かつ寓話的に描く初期長篇。妄想と現実が交錯する語りを通じてユダヤ性、コラボラシオンの影、自己同一性の揺らぎを問いかける作品である。
フランスの小説家。記憶やアイデンティティを主題にした作品で知られ、1969年にPrix Fénéonを受賞。2014年にノーベル文学賞を受賞した。
哲学者たちの立場や役割を問い直す随筆。哲学の公共性や現実との関わりを批判的に考察する論考。
北アフリカ生まれのユダヤ人の視点から植民地主義と自己のアイデンティティを問う小説。植民地社会での疎外と葛藤を描く。
ヌーヴォー・ロマンの代表的実験的小説。物語構造や記述の客観性を問い、読者に解釈を委ねる作風が特徴。
アルジェリアを舞台に家族や貧困、植民地社会の矛盾を描く半自伝的長編。個人の成長と社会的現実が交差する作品。