アンコール賞
あんこーるしょう
第2作の小説(セカンドノベル)に贈られる英国の文学賞(Royal Society of Literature主催)
- 創設年
- 1990
- 主催
- Royal Society of Literature(主催・発表)、スポンサー: Lucy Astor
- カテゴリー
- 一般文芸・大衆小説
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 6月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Encore Award(アンコール賞)は1990年に創設された、デビュー作に続く“第2作”の小説の優れた業績を顕彰する英国の文学賞です。Lucy Astorがスポンサーを務め、Royal Society of Literature(RSL)により運営・発表されます。応募は出版社経由で行われ、賞金額は創設以来変遷しており(創設時の£3,750などから)、2024年時点では£15,000が公表されています。受賞作・ノミネートはRSLの公式サイトやプレスリリースで発表されます。
賞品
- 主賞品
- 最優秀第2作小説への賞金(現行公表額: £15,000)
- 賞金
- 15,000 GBP
- Royal Society of Literatureによる表彰・プレスリリース
- 受賞歴に伴う販促・販売促進や知名度向上
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 応募受付(Submission) | 出版社からのエントリーをRSLが受理・確認 | — | 応募受理に関する連絡は主催者(RSL)が行う |
| 予備選考(長いリスト/ショートリスト作成) | RSLおよび選考パネル(読み手・審査員)が書籍を精読して候補を絞る | — | 長いリスト/ショートリストはRSL公式サイトやプレスリリースで発表される |
| 最終選考・受賞作決定 | RSLが任命した審査員(作家・編集者・批評家などのパネル)による討議と投票 | — | 受賞者はRSLの公式発表およびプレスリリースで公表される |
選考基準
- 文学的完成度(文体、構成、テーマの深さ)
- 第1作からの発展・成熟や独自性(第2作としての意義)
- 物語の独創性と読者への訴求力
- 編集・出版業界における評価や将来性
応募のヒント
推奨
- 応募は出版社経由で行うため、出版社側でエントリー手続きを確実に行う
- 出版情報(ISBN、出版日、版元、書影)を正確に添付する
- 第1作との違いや作家としての成長点を説明資料で明確にする
- 提出前に校正・編集を徹底し、完成度を高める
注意
- 個人で直接応募しない(ルールは出版社エントリー)
- 未完成の原稿や誤ったメタデータで提出しない
- 過度な自己宣伝や事実と異なる情報を申請書に記載しない
- 応募要件(フォーマットや締切)を守らない
審査員から
- 第2作としての成熟度や挑戦している姿勢を重視する
- 文体と物語の完成度、独自性が評価される
- 編集・出版の仕上げ(校正・体裁)は評価に影響する
- 出版社からの推薦文や編集者の意見も参考にする
関連の賞
- Booker Prize
- Women's Prize for Fiction
- Royal Society of Literature の他の賞
- Society of Authors の賞
- 英国の主要フィクション賞
公式情報
https://rsliterature.org/rsl-encore-award/過去の受賞者
家族の歴史とディアスポラの記憶を巡る物語。個人の声と歴史的事象が交差し、移民や国境、愛着と喪失をテーマに過去と現在が行き交う語り口でアイデンティティの複層性を描く。
パレスチナ系の英国人作家。歴史とディアスポラ、家族の記憶をテーマにした作品で国際的評価を得ている。
日常の裂け目や個人的・社会的な危機を詩的かつ実験的な語りで描く作品。断片的な描写と鮮烈なイメージを通して現代の緊迫感や脆さを浮かび上がらせ、言葉の形を問う試みが続く。
英国の作家・詩人。実験的で詩的な文章を得意とし、身体や記憶、環境に関する繊細な洞察を作品に込める。
第二次世界大戦期に生まれ、幼くして命を落とした数人の子どもたちのもしもを想像する歴史小説。もし生き延びていたらどうなったかを丹念に描き、戦争が個人と家族にもたらす長期的な喪失と時間の作用を静かに照らす。
イギリスの作家・エッセイスト。歴史的想像力と巧みな語り口で知られ、事実と虚構を交えて人間の経験を描く作品を発表している。
アイルランドの複数世代の視点を通して、喪失と再生、家族の絆を描く物語。過去の出来事が現在に影響を及ぼす様子を丹念に追い、多層的な語りで共同体と個人の関係を浮かび上がらせる。
アイルランドの作家。歴史や女性の経験、記憶を繊細に織り込んだ物語で評価を受ける新進の声。
過去の出来事や記憶が現在の人間関係や自己認識に影響を与える様を描く心理的長編。個人のトラウマと地域・歴史の文脈が交錯し、登場人物たちの行動と告白が物語を動かす。
英国の作家・詩人。歴史や個人の記憶を題材にした文章で知られ、詩的な感覚と問いを含む長編を発表している。
コネールとマリアンヌの関係を中心に、愛情・権力・自己理解・階級の問題を細やかに描く長編。沈黙や微妙な距離感を通して人間の成長や孤独、つながりの難しさを浮かび上がらせる作品。
アイルランドの作家。若者の関係性や階級、言語の力学を繊細に描くことで国際的に評価される若手作家。
アイルランドの都市を舞台に、犯罪と家族、暴力の連鎖をユーモアと冷徹さを交えて描く群像劇。登場人物それぞれの選択が運命を変え、社会的背景が個人の生き方を強く規定する様を浮かび上がらせる。
アイルランド出身の小説家。都市における家族関係や犯罪、社会的周縁を生々しく描き、辛辣なユーモアと鋭い人物描写で知られる。
イングランド北部の閉ざされた村を舞台に、古くから続く祭礼『Devil's Day』をめぐる恐怖と家族の歴史を描くゴシック小説。土地の伝承や儀礼が人間関係に影を落とし、過去の秘密と償いが徐々に明らかになる。
イギリスの小説家。ゴシック的な自然描写と閉ざされた共同体の秘密を描く作風で知られる。『The Loney』などで注目を集めた。
19世紀後半、北極海を航行する捕鯨船を舞台に、暴力と生存、本性の暗部を容赦なく描く海洋小説。極限状態における倫理と人間の残酷さが緊張感をもって展開する。
英国の作家。海や孤立した環境を舞台にした重厚な物語で知られ、細部にわたる歴史描写と人間の暗部を描く筆致が特徴。
イギリスに暮らす南アジア出身の若者たちの視点を通して、不法就労や搾取、孤立、希望と絶望を描く社会派長編。移民の生々しい日常と制度の冷たさ、人間同士の連帯を丁寧に描写する。
英国で活動する作家。移民や社会的周縁をテーマにした作品で知られ、移民の視点を丁寧に描写することで評価されている。
1960年代のベンガルを舞台に、名家の内側で進行する政治運動と家族の崩壊を描く大作。個人の運命と国家の変動が複雑に絡み合い、社会的・政治的背景を詳述する壮大な叙事詩。
インド出身で英国を拠点に活動する作家。政治や階級、家族を主題とする大河的な長編で高い評価を得ている。
孤立した田舎を舞台に、自然がはらむ脅威と過去に埋もれた暴力が主人公の人生に影を落とす様を描く。静謐ながら緊迫感のある自然描写と心理描写が特徴的な作品。
オーストラリア系の作家。自然の描写と人間の孤独・暴力性を鋭く描くことで国際的に高い評価を受けている。
時代や場所を飛びながら進行する多層的な物語で、奇抜な事件と人物の欲望を通じて歴史と現代を風刺的に結びつける。ブラックユーモアと技巧的な構成が特徴。
風刺的で構成の凝った小説を手がける英国の作家。巧みな語り口とジャンル横断的な発想で批評的評価を受けている。
個人の選択や過去の影響をユーモアと哀感を織り交ぜて描く長編。家族や人間関係の軋みが主人公の決断と生活にどのように影響するかを追う作品。
若手作家として注目を集めた作家。デビュー作での成功の後も、人物描写やユーモアを交えた物語で評価を得ている。
19世紀の精神療養施設を舞台に、詩人たちの創作と精神の揺らぎを描く歴史小説。医療と芸術、友情と孤独、狂気と理性の境界が繊細に追求される。
詩的な文体を特色とするイギリスの作家・詩人。歴史的主題と繊細な心理描写を組み合わせた作品で知られる。
閉ざされた環境で生きる登場人物の内面に芽生える不安や欲望を、静かな筆致で描く作品。沈黙と緊張が反復し、読後に余韻を残す硬質な長編。
オーストラリア出身の作家・映画制作者。静謐で象徴的な筆致を用い、人間の内面や抑圧された欲望を描く作品で評価されている。
少年の視点で家族の不協和音や大人社会の矛盾に向き合う成長小説。父子関係や嘘・真実の問題を通して、自己認識の揺らぎと孤立が繊細に描かれる。
緻密な心理描写と抑制された文体で知られる作家。デビュー作や初期作で高い評価を受け、『Carry Me Down』でエンコア賞(2006/07)に選ばれた。
イギリス北部に暮らすパキスタン系コミュニティで発生した悲劇を起点に、家族や村人たちの過去と秘密が断片的に明らかになる群像劇。宗教的対立、名誉、移民としての孤独、愛と喪失を詩的かつ情感豊かに描く。
パキスタン出身でイギリスを拠点に活動する小説家。移民や宗教、暴力や喪失を扱う重層的な群像劇で知られる。『Maps for Lost Lovers』でエンコア賞を受賞した。
『The Hamilton Case』は、植民地期のセイロン(現スリランカ)を舞台に、法廷劇や恋愛、文化的摩擦を織り交ぜながら植民地主義の遺産と記憶、文学と歴史の関係を考察する重層的な長編。語りの技巧と歴史認識が特徴である。
オーストラリアの小説家。植民地主義、移民、記憶を題材にした重層的な長編で国際的な評価を受けている。
『The Book of Israel』は、家族史と個人史が国家の歴史と交差する物語で、ユダヤ的アイデンティティや移動、記憶の重さを扱う。個人的な追憶と政治的現実が響き合い、帰属と道徳を問う。
『Hotel World』は、ホテルを舞台に複数の語り手の断片的視点が交錯する構成で、生と死、喪失、連帯を描く。言語実験と登場人物の内面を通じて社会の周縁にいる人々の声を拾い上げる。
スコットランド出身の作家。形式実験的な語りと社会への洞察を併せ持つ作品群で知られる。
『What Are You Like?』は、個人の記憶と家族史を主題に、アイルランド社会に生きる人々の愛と喪失を繊細に描く作品。内省的な語りと細やかな人物観察でアイデンティティの機微を探る。
アイルランドの小説家。人物の内面に焦点を当てた繊細な描写で国際的にも評価されている。
『Triangulation』は、三角関係や誤解を軸に人間関係の微妙な均衡を描く心理小説。交錯する視点によって真実と認識のズレが明らかになり、責任や倫理について考えさせる。
『Eight Minutes Idle』は、若者の労働や家庭事情、過去のトラウマと向き合いながら成長と再生を描くヒューマンドラマ。ユーモアと哀感を織り交ぜ、日常の細部から登場人物の変化を丁寧に掬い取る。
『The Last Life』は、個人の選択とその帰結、世代間の軋轢や芸術と倫理の問題を細やかに描く作品。登場人物の内面を丹念に追い、道徳的ジレンマや愛の形を通じて自己の変容を問う。
アメリカ出身の小説家。精緻な心理描写と道徳的ジレンマを掘り下げる筆致で評価されている。
『The Mercy Boys』は、厳しい自然や工業地帯の風景を背景に、過去の暴力や喪失が現在の人間関係に影を落とす様を詩的な言葉で綴る長編。記憶と贖罪、救済の可能性を静かに問いかける作品。
スコットランド出身の詩人・作家。詩的な言語と深い心理描写で記憶や喪失、贖罪をテーマにした作品を発表している。
『Undiscovered Country』は、過去と地理的移動が人物の内面に及ぼす影響を丁寧に描く作品。家族の記憶や失われた故郷、政治的・歴史的背景が登場人物の選択と関係性を形作り、帰属と疎外の問題を問いかける。
『These Demented Lands』は、スコットランドの地方を舞台に複数の登場人物の視点を重ね、閉塞した共同体とそこに生きる若者たちの孤独や反抗、階級的な圧力をユーモアと陰影を交えて描く。都市化や変化の中で揺れるアイデンティティが主題。
スコットランド出身の小説家。地方社会や若者の生活を冷徹かつユーモアを交えて描く作風で知られる。社会的・階級的な問題を繊細に描写することが多い。
作家。二作目の小説『I Could Read the Sky』で1998年のEncore Award(第9回)を受賞(同年共賞)。
作家。二作目の小説『These Demented Lands』で1998年のEncore Award(第9回)を受賞(同年共賞)。
作家。二作目の小説『Like Plastic』で1997年のEncore Award(第8回)を受賞。
作家。二作目の小説『Afternoon Raag』で1994年のEncore Award(第5回)を受賞。
作家。二作目の小説『The Heather Blazing』で1993年のEncore Award(第4回)を受賞。
作家。二作目の小説『Richard's Feet』で1991年のEncore Award(第2回)を受賞。
作家。二作目の小説『Calm at Sunset, Calm at Dawn』で1990年のEncore Award(第1回)を受賞。
作家。二作目の小説『A Lesser Dependency』で1990年のEncore Award(第1回)を受賞。