アンジェルス賞(中央ヨーロッパ文学賞)
あんじぇるすしょう
A Polish annual literary prize awarded to Central European authors for the best prose works written in or translated into Polish.
- 創設年
- 2006
- 主催
- the city of Wrocław
- カテゴリー
- 一般文芸・大衆小説
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 10月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Established in 2006 and presented by the city of Wrocław (Poland), the Angelus Central European Literature Award is given annually to a living author originating from Central Europe for the best prose book written in or translated into Polish. The prize honors works that "undertake themes most relevant to the present day, encourage reflection and deepen the knowledge of the world of other cultures." Winners receive a cash prize (PLN 150,000) and a statuette designed by sculptor Ewa Rossano. Eligible countries listed by the award include Albania, Austria, Belarus, Bosnia and Herzegovina, Bulgaria, Croatia, the Czech Republic, Estonia, Germany, Hungary, Latvia, Lithuania, Moldova, Montenegro, North Macedonia, Poland, Romania, Russia, Serbia, Slovakia, Slovenia and Ukraine.
賞品
- 主賞品
- Cash prize (PLN 150,000) and a statuette designed by sculptor Ewa Rossano.
- 賞金
- 150,000 PLN
- Statuette designed by Ewa Rossano
- Public recognition and promotion at the award ceremony (Wrocław)
- Approx. value in EUR often reported (≈€35,000)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| Nomination / eligibility check | Award secretariat and nominating entities (per regulations); initial verification of eligibility | — | Nominations managed internally; eligibility results not always publicly detailed |
| Shortlist selection | Appointed jury (panel of literary experts and critics) | — | Shortlist published on the official site and announced to media prior to the final decision |
| Jury deliberation and laureate selection | Jury members (past members have included Ryszard Krynicki, Mykola Riabchuk, Natalya Gorbanevskaya, Stanisław Bereś, Julian Kornhauser, Irek Grin, Krzysztof Koelher, etc.) | — | Winner announced at the award ceremony in Wrocław and via press releases / media coverage (typically in October) |
選考基準
- Best prose work written in or translated into Polish
- Author must be living and originate from a Central European country
- Works should undertake themes most relevant to the present day
- Works should encourage reflection and deepen knowledge of other cultures
- Literary quality, originality and significance for Central European cultural context
応募のヒント
推奨
- 確認:応募規程(Regulations)を公式サイトで必ず確認する
- 応募作品が『プローズ(散文)』であり、翻訳の場合はポーランド語訳の質が高いことを重視する
- 著者の出身国が中央ヨーロッパの対象国に含まれていることを確認する
- 出版社や代理人経由での正式なノミネーション手続きを行う(規程に従う)
- 作品の主題が現代的に関連性があり、他文化理解を深めるものであることを意識する
注意
- 応募規程に反する形式で提出しない
- ポーランド語訳の品質が低いまま提出しない(翻訳の品質は審査に影響)
- 著者が選考基準(例:存命であること等)を満たしていない場合に応募しない
- 虚偽のデータや不完全な書誌情報で応募しない
審査員から
- "undertake themes most relevant to the present day"(現代性のある主題を扱うこと)を重視する
- 他文化への洞察を深める作品、思考を促す作品が評価される
- 翻訳作品は翻訳の質と原作の文学的価値の両方が審査対象になる
関連の賞
- Silesius Poetry Award
- Zbigniew Herbert International Literary Award
公式情報
https://angelus.com.pl/過去の受賞者
『山の手前の最後の家』は家族と土地の記憶を繊細に描く小説で、地方社会の世代間の物語を通じて口承、沈黙、女性たちの視点を丁寧に掘り下げ、普遍的な喪失と連帯を描き出します。
オーストリアの作家。家族史や地方の記憶を繊細に描く作風で高く評価されている。
『出自』は著者のボスニアからドイツへの移住体験と家族史を基にした回想的作品で、言語や記憶、アイデンティティの揺らぎをユーモアと哀感を込めて描き、移民文学に新たな視座を提示します。
ボスニア生まれでドイツを拠点に活動する作家。移民や出自を巡る作品で国際的に評価される。
『Pulverkopf』は詩的で断片的な語りを特徴とする作品で、言語の限界や個人の不安、歴史的記憶の痕跡を探る実験的長編です。象徴的なイメージと断片化された構成が読者に思索を促します。
ポーランドの詩人・作家で、詩的言語と実験的な文体を用いた作品で知られる。
『私の祖父は誰よりも上手く踊った』は家族史とウクライナの近現代史を織り交ぜた物語で、個人的な回想と歴史的出来事が交錯する中、喪失とユーモア、再生の可能性を詩的に描きます。
ウクライナの作家・詩人。詩や小説、戯曲など多岐にわたり、家族と記憶をテーマにした作品で注目される。
『ユーゴスラビア、私の故郷』はユーゴスラビア解体後の混乱とその影響を描く自伝的要素のある小説で、故郷の喪失や国籍を超えたアイデンティティ、暴力と日常の交錯を通じて帰属の問題を問い直します。
スロベニアの作家。移民や周縁化された人々を描いた作品で知られる。
『悲哀の物理学』は断片的な回想と寓話を織り交ぜ、個人と民族の喪失を描く実験的長編です。時間と記憶を横断する語りで、東欧の歴史的変容と孤独の普遍性を浮かび上がらせます。
ブルガリアの作家・詩人。実験的な語りと記憶の主題で国際的に評価されている。
『ボレホフのロビンソン』は古典的な冒険譚を下敷きにしつつ、記憶と想像力、孤独の重層を描く文学的実験作です。古典の再解釈を通して現代の個人と共同体の関係を繊細に問いかける構造が特徴です。
ポーランドの作家・翻訳家。文学的実験と幻想性を取り入れた作風で評価される。
『最後の日々の物語』はソ連期の兵役や強制収容を背景に、疎外と暴力に晒される人々の暮らしと心理を冷徹に描く作品群。静謐と破壊が交互に現れる語りで、個人の崩壊と記憶の重さを問う。
ロシア出身の小説家。兵役や収容所、戦後世代の疎外をテーマにした冷徹な筆致で知られる。
『ささやきの書』は著者のルーツと東欧の暴力的な過去を巡る長編で、アルメニア人虐殺や政治的抑圧を背景に、個人と集団の記憶、沈黙と語りの相克を寓話的かつ詩的に描き出す作品です。
ルーマニア出身の作家・政治家。歴史と記憶を主題にした作品で知られ、民族的トラウマや抑圧の問題を扱う。
東ウクライナの都市を舞台に、崩壊しつつある社会と人々の日常、喪失とユーモアを交えた人間像を描く長篇。激動する現代の断面をスケッチする作品。
ウクライナ出身の詩人・小説家。都市の生活や戦争、社会的断絶を鋭く描く表現で国内外に広く知られ、詩と散文を横断する作風が特徴。
短編連作集で、歴史の重要な瞬間を異なる視点から描き、記憶と現実のズレを浮かび上がらせる。静謐な語り口で戦争や運命の影を描写する。
スロバキアの作家。短編や長編で歴史と個人の運命を題材にした作品を手がけ、静かな筆致で日常と暴力の交差を描き出す。
20世紀ウクライナを舞台に、家族の秘密や政治的暴力の記憶を多世代にわたって描く大河小説。個人史と国家の歴史が複雑に交錯し、記憶の継承と喪失を問う叙事詩。
ウクライナの著名な作家で、フェミニズム的視点や社会史を扱う長編で知られる。政治的トラウマと個人の記憶を織り交ぜた大河的作品が特徴。
短編や連作を通じてバルカン地域の多様な人々とその記憶を描く作品集。戦争の影響と日常の営みが交錯し、地域史と個人史の複雑さを浮かび上がらせる。
ボスニア・ヘルツェゴビナ出身の作家。戦争とその後の社会、移民や民族の複雑な関係を題材に鋭い視点で作品を発表している。
第二次世界大戦に従軍した女性たちの証言を集めたオーラル・ヒストリー。女性の視点から戦争の現実を鋭く描出し、記憶とトラウマの問題を明るみに出す作品。
ベラルーシ出身のノンフィクション作家。オーラル・ヒストリーの手法で個々の証言を集め、戦争や社会の体験を声として記録する作品群で国際的に知られる。
寓話的要素を含む長篇で、救済やカリスマ、集団心理をめぐる物語を通して権力や社会の病理を描く。歴史的背景と個人的運命が複雑に交錯する作品。
ハンガリー出身の小説家・劇作家。寓話的・哲学的な要素を含む重厚な作風で知られ、社会や権力に対する鋭い視点を持つ。
一人の人物の生涯を通して20世紀チェコ社会の変遷を描く長篇。個人的記憶と政治的出来事が絡み合い、ユーモアと哀愁を併せ持った語りで歴史を反芻する。
チェコ出身の作家。共産主義体制下の社会や知識人の矛盾を描いた長篇や短編で知られ、亡命後も精力的に執筆した。
家族史を素材に、20世紀ハンガリーの歴史と個人の記憶を独自の語りで再構成した長篇。音楽的モチーフと断片的な語りが織り合わさり、哀愁と風刺を帯びた語感で語られる。
ハンガリーを代表する作家。実験的な文体と家族史を題材にした作品群で国際的に評価される。ユーモアと複雑な語りで歴史を再構築する。
著者が自身の父の過去を追いながら、戦時中の家族史と個人的責任を検証するノンフィクション。記憶と告白、歴史的真実の重なりを丁寧に描き出す作品。
オーストリア出身の作家・ジャーナリスト。家族史や戦争責任、記憶の問題を掘り下げるノンフィクションや記録文学で知られる。
複数の断章や物語で構成された作品。個人の記憶と地域の歴史が交錯し、ユーモアと皮肉を交えて東欧社会の変容やアイデンティティを問いかける。言語表現の多層性が特徴。
ウクライナの詩人・作家。ポストモダン的な言語遊びや地域の歴史・アイデンティティを題材にした作品で知られる。文化的記憶への批評的視点を持つ。