デイトン文学平和賞
でいとんぶんがくへいわしょう
書かれた言葉の力で平和を促進することを評価する、成人向けフィクションとノンフィクションを対象とした年次アメリカ文学賞。
- 創設年
- 2006
- 主催
- Dayton Literary Peace Prize Foundation
- カテゴリー
- ノンフィクション・記録文学
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 3月頃
- 発表時期
- 10月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
2006年に創設。過去1年に出版された成人向けフィクションおよびノンフィクションの中で、他者の文化、宗教、政治的見解への理解を深める作品に贈られる。各部門の受賞者には現金10,000ドルが授与される。Dayton Peace Prizeの派生として設立され、授賞式は主に秋にオハイオ州デイトンで行われる。2011年以降、従来のLifetime Achievement AwardはRichard C. Holbrooke Distinguished Achievement Award(名誉金 $10,000)に改名された。
賞品
- 主賞品
- フィクション部門・ノンフィクション部門それぞれの受賞者に現金賞を授与($10,000)。
- 賞金
- 10,000 USD
- Richard C. Holbrooke Distinguished Achievement Award(名誉賞・名誉金 $10,000)
- 過去に授与されたLifetime Achievement(功労賞)
- 授賞式での表彰およびプロモーション機会
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| ノミネーション / 推薦 | 出版社や関係者による推薦および事務局での候補整理 | — | 内部での候補整理後、選考委員による審査へ進む |
| ファイナリスト選出 | 選考委員会(作家、批評家、学者など) | — | 公式サイトやプレスリリースでファイナリストが発表される |
| 受賞者決定・授賞式 | 選考委員会 | — | 受賞者は授賞式で発表され、公式に告知される(毎年秋) |
選考基準
- 書かれた言葉の力が平和を促進すること
- 他者の文化・宗教・政治的見解への理解を深める内容であること
- 文学的品質(文体・構成・洞察)
- 成人向けフィクションまたはノンフィクションであること
- 対象作品は原則として過去1年以内に出版されていること
応募のヒント
推奨
- 応募資格(成人向けフィクション/ノンフィクション、過去1年の出版)を事前に確認する
- 出版社や関係団体を通じた推薦手続きを確認する
- 作品が他者理解や平和促進にどう寄与するかを要約で明確に示す
- 公式サイトの最新のガイドラインや締切(該当する場合)を常に確認する
注意
- 応募条件を満たさない作品を提出しない
- 政治的プロパガンダや差別的表現に偏った作品のみを押し出さない
- 募集要項を無視して形式や提出方法を間違えたまま送らない
審査員から
- テーマが『他者への理解』にどう貢献するかを焦点化して示してほしい
- 文章の品質(表現力、構成、洞察)と人間性の描写を重視する
- 作品の国際性や普遍性、読者への影響を伝えることが重要
関連の賞
- Dayton Peace Prize(デイトン平和賞)
- Richard C. Holbrooke Distinguished Achievement Award(デイトン文学平和賞の特別賞)
- 国際文学賞(プーリッツァー賞、ブッカー賞、National Book Award など)
公式情報
https://www.daytonliterarypeaceprize.org/過去の受賞者
近未来的な設定で、極右的な政治勢力が台頭する社会を描き、監視と恐怖の中で家族や個人が生き延びようとする姿を克明に描写するディストピア的長編。自由と抵抗の意味を問う作品。
アイルランド出身の小説家。政治的・社会的テーマを取り入れた力作で国際的評価を得ている。
タルサのグリーンウッド地区(Black Wall Street)の繁栄と1919年の暴力的破壊、復興に至る歴史を史料と証言で再構築し、人種差別と記憶の問題を掘り下げる歴史ノンフィクション。
歴史的事件を掘り下げるジャーナリスト・作家。タルサなどアフリカ系アメリカ人コミュニティの歴史に関する研究で注目される。
実在の馬とその周辺に関わる人々の物語を通じて、19世紀アメリカの科学、所有、権力、人種の問題を掘り下げる歴史小説。史実の断片を巧みに編んだ物語構成が特徴。
歴史小説を得意とする作家。ジャーナリズム出身の視点を活かした史実とフィクションの融合で知られる。
George Floydの生涯を詳細に追い、その死が引き起こした抗議運動とアメリカ社会の人種問題の構図を明らかにする伝記的ノンフィクション。個人史と制度的問題を結びつけた報告・分析が中心。
報道に基づく伝記・社会批評で知られるジャーナリスト。共同執筆で大きな影響を持つノンフィクションを発表した。
George Floydの生涯を詳細に追い、その死が引き起こした抗議運動とアメリカ社会の人種問題の構図を明らかにする伝記的ノンフィクション。個人史と制度的問題を結びつけた報告・分析が中心。
報道・取材に基づくノンフィクションで知られる記者。共著によりGeorge Floydの生涯を掘り下げた。
黒人家族の世代史を描きつつ、W.E.B. デュボイスの思想やアメリカの人種史を参照しながら、愛と抵抗、アイデンティティの継承を詩的に織り上げる大作。歴史と個人の物語が交差する。
詩人であり小説家。黒人の歴史と個人史を重ね合わせた大河的作品で注目される。
アメリカ各地の記憶の場(記念碑・旧跡等)を訪ね、奴隷制の歴史とその現在への影響を検証するノンフィクション。記憶の伝承と歴史認識の再考を促す報告書的作品。
詩人でありエッセイスト。記憶と歴史を扱う著作で知られ、公共の記憶に関する問題提起を行う。
ドイツ社会を舞台に、ナショナル・アイデンティティや歴史の記憶を巡る物語。個々の人物の視点を通して過去と現在の緊張、他者との関係性を問い直す作品。
国や歴史の記憶を題材にしたフィクションを手がける作家。鋭い社会観察と人物描写に特徴がある。
父親の戦争体験と家族に残された記憶を手がかりに、個人的な証言から歴史の断片を再構築する回顧録。戦争が世代を超えて残す影響と向き合う作品。
家族史と記憶をテーマにしたノンフィクションで評価された作家。私的な視点から戦争と遺産を探る作品を執筆する。
第二次世界大戦期を背景に、魔法的あるいは寓話的要素を織り交ぜながら、戦禍と喪失に直面する人々のつながりと希望を描く長編。愛と犠牲、記憶の力がテーマとなる。
アメリカの小説家。魔術的リアリズムを取り入れた作品群で知られ、家族と喪失を扱う物語に定評がある。
性的暴行の当事者としての体験を率直に綴り、法廷やメディア、社会の反応を通じて回復と正義をめぐる問題を掘り下げる回顧録。被害者の声と尊厳を取り戻す重要な証言。
被害経験を公にし、社会や法制度に問いを投げかけた作家・活動家。自伝的な著作で広く評価される。
家族や社会に対する負債と責任を巡る物語。登場人物の選択や過去の記憶が交錯し、現代社会における倫理や赦しの問題を問いかける小説。
(出典資料に記載された受賞作家)社会や家族、責任をテーマにした物語で評価を受けた作家。
白人至上主義に傾倒した人物の過去とその転換を長期取材で追い、憎悪や過激主義がどのように生まれ、どのように克服されうるかを丁寧に描き出すルポルタージュ。
調査報道・ノンフィクションを手がけるジャーナリスト。過激思想や社会変容に関する長期取材で知られる。
パレスチナ出身の一家が数十年にわたって離散し、故郷を失いながらも家族の絆と記憶をつなごうとする群像劇。移住、難民化、世代間の記憶継承を繊細に描く小説。
パレスチナ系アメリカ人の詩人で作家。移住や家族の記憶を題材にした作品で評価される。
オバマ政権期を起点にアメリカにおける人種と政治を考察するエッセイ集。歴史的文脈と個人的経験を織り交ぜ、制度的差別や文化的反応を鋭く分析する。
人種問題を鋭く論じる作家・ジャーナリスト。アメリカの歴史と人種に関する批評で広く知られる。
刑務所での事件を契機に家族が直面する喪失と赦しを描く物語。移民コミュニティの現実、親子関係の複雑さ、社会的な疎外と回復を丁寧に描写するヒューマンドラマ。
コロンビア系移民の背景を持つ作家。移民・家族・赦しを主題にした作品で知られる。
長期に及ぶ戦争が兵士に与える『道徳的トラウマ(moral injury)』を退役軍人らの証言を通じて追い、戦争の心理的・倫理的影響、社会の責任を問うジャーナリスティックな記録。
軍事報道を専門とするジャーナリスト。退役軍人の経験や戦争の倫理的側面を扱う報告で知られる。
ベトナム戦争終結後にアメリカへ亡命した二重スパイの語り手による長編。政治的忠誠と個人の二重性、移民としての疎外や記憶の葛藤をブラックユーモアと冷徹な観察で描き、戦争・帝国主義・アイデンティティを問う。
ベトナム系アメリカ人の作家・学者。『The Sympathizer』で広く評価され、移民、戦争、記憶をテーマにした作品で知られる。ピューリッツァー賞受賞歴がある。
長崎原爆の被災者(被爆者)たちの証言と生活を長年にわたって追い、被爆後の健康被害、社会的扱い、記憶の継承を明らかにするルポルタージュ。核の破壊力だけでなくその後の人々の暮らしに光を当てる。
歴史的事件や被害者の証言を丹念に掘り下げるノンフィクション作家。被爆者の生活に焦点を当てた長期取材で知られる。
冤罪や不当な判決に苦しむ人々を弁護してきた経験を綴り、アメリカの刑事司法制度の不平等と改革の必要性を訴える回想録。
アメリカの弁護士で人権擁護活動家。冤罪や死刑制度の問題に取り組む。
各地のムスリム社会における女性たちの抵抗と日常の闘いを記録した報告・エッセイ集。宗教的過激主義や抑圧に対する市民の声を紹介する。
国際人権や表現の自由をめぐる問題を扱う作家・研究者。
北朝鮮を舞台に、孤児院出身の主人公が国家の抑圧と個人の尊厳の間で葛藤する物語。権力と個人の関係を鋭く描く長編小説。
アメリカの小説家。政治や権力を主題にした作品で評価される。
障害や特異性を持つ子どもとその家族を丹念に取材し、親と子の関係やアイデンティティ形成、社会の受容について深く考察するノンフィクション。
精神健康や家族をめぐる社会問題を扱うノンフィクション作家。
第一次世界大戦期の反戦運動や良心的兵役拒否者の歴史を辿り、戦争の倫理と市民の抵抗を検証する論考的ノンフィクション。
歴史的事象や社会問題を扱うノンフィクション作家。第一次世界大戦関連の研究でも知られる。
朝鮮戦争とその後の混乱を背景に、複数の人物の人生が交錯する物語。戦争のトラウマと記憶、罪と贖罪を深く掘り下げる長編小説。
韓国出身のアメリカ作家。移民体験や記憶、アイデンティティを題材にした作品で知られる。
自身の投獄と更生の経験を通してアメリカの刑事司法制度や贖罪、許しを考察する回想録。制度の不条理と個人の再生を描く。
元受刑者でありながら刑務所内での編集活動を通じて著述活動を行った作家。刑事司法制度に関する著作を持つ。
十八世紀ジャマイカの奴隷制に生きる女性たちを描き、性、暴力、抵抗、連帯を通じて植民地主義の暴力と人間の抵抗を描き出す歴史小説。
ジャマイカ出身の作家。歴史や植民地主義をテーマにした長編で国際的評価を得る。
ハリケーン・カトリーナ後にニューオーリンズに残り救助活動を行ったアブドゥラフマン・ゼイトゥーンの実体験を通して、災害下での市民の行動と不当な拘束を描くノンフィクション。
アメリカの作家・編集者。社会問題や個人の物語を扱う作品で知られる。
現代の強制労働や人身売買の実態を被害者の証言や調査で明らかにし、現代に残る奴隷制の構図とその解決の課題を提示するルポルタージュ。
人権問題や現代の強制労働に関する報道で知られるジャーナリスト。
ドミニカ系アメリカ人の主人公オスカーとその家族にまつわる『呪い』を世代を越えて描く長編。移民、暴力、文化的アイデンティティをユーモアと悲哀を交えて描く。
ドミニカ共和国出身のアメリカ作家。移民やアイデンティティを扱った作品で知られる。
著者自身の家族史を通して、ハイチからアメリカへ移民した家族の経験、別れや喪失、国籍とアイデンティティの問題を描く回想録。
ハイチ出身の作家。移民や家族をテーマにした作品と回想録で知られる。
非暴力の歴史を25の教訓でたどり、ガンジーやキングらの実践と思想を通じて、暴力以外の社会変革の可能性と課題を論じる。
歴史・文化を題材にしたノンフィクションで知られる作家。
広島への原爆投下に至るまでの経緯を、関係者の証言や技術的背景を通じて追うノンフィクション。決断の倫理や核兵器の影響を考察する。