Found in Translation Award(ファウンド・イン・トランスレーション賞)
ふぁうんどいんとらんすれーしょんしょう
ポーランド文学を英語に翻訳した優れた翻訳に贈られる年次賞。
- 創設年
- 2007
- 主催
- Book Institute(Instytut Książki)、Polish Cultural Institute in London、Polish Cultural Institute in New York(創設時にW.A.B. Publishing Houseが参加、2016年にPolish Institute in New Delhiが加わる)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 1月頃
- 発表時期
- 4〜5月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Found in Translation Awardはポーランド文学を英語に翻訳した作品の翻訳者に贈られる年次賞。2007年に創設され、初回受賞者は2008年に発表された。受賞者には賞金16,000ズロチが授与される。主催はBook Institute(Instytut Książki)およびPolish Cultural Institute各支部などで、受賞者は例年春(主に3~5月)に発表される。
賞品
- 主賞品
- 受賞翻訳者に授与される賞金(16,000 zł)
- 賞金
- 16,000 PLN
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 選考 | /null/ | /null/ | 主催団体(Book Institute等)による公式発表。例年春(3~5月)に受賞者を発表する。 |
選考基準
- 翻訳の言語的・文学的質(原文のニュアンスと文体を英語に適切に移していること)
- 訳文の読みやすさ・自然さ
- 翻訳による作品の文学的価値の保持
応募のヒント
推奨
- 原文の文体やニュアンスを尊重しつつ英語で自然に読める訳を心がける
- 出版社・刊行年などの出版情報を明記する
- 訳注が必要な箇所は簡潔に補足する
注意
- 機械翻訳をそのまま提出する
- 原文の意図や文体を大きく変える
- 出版情報や出典を記載しない
審査員から
- 訳文の自然さと原文への忠実さのバランスを重視すること
- 文体やリズムの再現に注意すること
- 注や解説は簡潔に、読者の理解を助ける形で付すこと
関連の賞
- FIL Award
- 各国の文学翻訳賞(例:Oxford-Weidenfeld Translation Prizeなど)
- Polish Cultural Instituteの翻訳関連プログラム
公式情報
https://instytutksiazki.pl/en過去の受賞者
『To the Letter』は詩的形式と書簡性を通じて言葉と親密さ、記憶を探る詩集であり、書簡的なモチーフや言語表現の細部へのこだわりを通して、個人的・歴史的な時間の重なりを繊細に描き出す実験的な詩群である。
詩の英訳を手がける翻訳者。Tomasz Różyckiの詩集『To the Letter』の英訳により2025年Found in Translation Awardを受賞。
『Firebird』はズザンナ・ギンチャンカの詩を収めた詩集で、抒情的な美と悲劇的な喪失感が同居する作品群を通じてユダヤ的出自、迫害の記憶、個人的な喪失を鋭いイメージと音楽的な言語で綴る。
詩歌翻訳に定評のある翻訳者。Zuzanna Ginczankaの詩集『Firebird』の英訳により2024年Found in Translation Awardを受賞。
『The Peasants』は四部構成で季節の移ろいを背景にポーランド農村の生活を克明に描いた叙事的長編であり、共同体の慣習や階級、自然との関わりを通して人間の欲望と破綻、伝統と変容を生々しくあぶり出す作品である。
ポーランド文学の英訳で活躍する翻訳者。Władysław Reymontの『The Peasants』の英訳により2023年Found in Translation Awardを受賞。
『The Books of Jacob』は18世紀の宗教的指導者ヤコブ・フランクとその周辺を描く壮大な歴史小説で、宗教、ユダヤ史、啓蒙思想、欲望と暴力が交錯する多声的な語りを通して歴史の複雑さと倫理の揺らぎを描き出す作品である。
ポーランド語文学の英訳で知られる翻訳者。Olga Tokarczukの大作『The Books of Jacob』の英訳により2022年Found in Translation Awardを受賞。
本作は、気取らない出自ながら周囲の誤認と運に乗じて出世していくニコデムス・ディズマを主人公に、権力や虚栄、メディアとエリートの腐敗を辛辣に描く風刺小説で、近代社会の病理を露わにする社会派の長篇である。
共同受賞者の一人。Tadeusz Dołęga-Mostowiczの『The Career of Nicodemus Dyzma』の英訳により2021年Found in Translation Awardの受賞者となった。
本作は、気取らない出自ながら周囲の誤認と運に乗じて出世していくニコデムス・ディズマを主人公に、権力や虚栄、メディアとエリートの腐敗を辛辣に描く風刺小説で、近代社会の病理を露わにする社会派の長篇である。
共同受賞者の一人。Ewa Małachowska-Pasekと共にTadeusz Dołęga-Mostowiczの『The Career of Nicodemus Dyzma』を英訳し、2021年Found in Translation Awardを受賞。
本作は、自らを英雄とは呼ばない語り手の視点から戦時中・戦後の混乱と個人的記憶を静謐に綴る作品で、倫理や罪意識、日常生活の細部を通じて時代の影響を描き出す内省的な長篇あるいは長編的断章である。
ポーランド文学の英訳を手がける翻訳者。Kornel Filipowiczの『The Memoir of an Anti-Hero』の英訳により2020年Found in Translation Awardを受賞。
ブルーノ・シュルツの短篇集は、夢幻的で象徴的なイメージを通して地方都市の日常や家族関係、記憶の亀裂を描く。現実と幻想が入り混じる語り口は詩的であり、日常の異化と郷愁を同時に喚起する作品群である。
Bruno Schulzの作品群を英訳した翻訳者。2019年にBruno Schulzの短篇集『Collected Stories』の英訳でFound in Translation Awardを受賞。
『Flights』は断片的なエピソードや旅行記的断章を繋ぎ合わせ、人間の移動、身体、死と記憶を主題に据えたモダンな長篇。歴史的逸話や個人的回想を交錯させながら、アイデンティティの揺らぎと存在の儚さを詩的かつ哲学的に描き出す作品である。
ポーランド語文学の英訳で知られる翻訳者。Olga Tokarczukの小説『Flights』の英訳により2018年Found in Translation Awardを受賞。
Anna Świrszczyńskaの詩集『Building the Barricade』の英訳。戦時中の女性の経験や抵抗、身体性を直接的に描いた詩群を収め、Florczykの訳は原詩の力強い声を英語で伝える。
詩人で翻訳者。Anna Świrszczyńskaの詩集を英訳し、戦時下における女性の視点を英語圏に紹介した。
Tomasz Różyckiの長編詩『Twelve Stations』の英訳。個人的な記憶と歴史的な重層を織り交ぜ、時間と場所を巡る詩的旅を通してアイデンティティを探る大作である。Bill Johnstonの訳は詩的リズムとイメージを丁寧に再現している。
ポーランド文学の英訳で知られる翻訳者。Tomasz Różyckiの詩作など、詩の英訳で高い評価を得ている。
Zofia Nałkowskaの作品『Choucas』の英訳。近現代ポーランド社会の問題や倫理的問いを取り上げる作品であり、翻訳は原作の構成と語りの力を保持している。
ポーランド語から英語への翻訳を手がける翻訳者。Zofia Nałkowskaの作品の英訳で知られる。
Hanna Krallの『Chasing the King of Hearts』の英訳。戦争と記憶、個人の証言を通じて歴史的出来事を掘り下げる作品であり、翻訳はKrallの語り口と報道的視点を英語へと忠実に移している。
翻訳者であり劇作家。Hanna Krallなどのポーランド文学を英訳し、ノンフィクション的視点を英語圏に紹介している。
2012年に刊行された7点(短編集、長編、ノンフィクション、児童書など)を英訳した功績に対する受賞。翻訳対象はPaweł Huelle、Jacek Dehnel、Zygmunt Miłoszewskiら多様な作家に及び、現代ポーランド文学の幅広さを英語圏に紹介した。
広くポーランド文学を英訳してきた翻訳者。2012年に刊行された複数の書籍(短編・長編・ノンフィクション等)の英訳に対して評価された。
Tadeusz Różewiczの詩集『Sobbing Superpower』の英訳。戦争や喪失、個人的な記憶と存在の不安を、簡潔で鋭い詩的表現で描き出す作品群で、翻訳は原詩の冷徹な視線を保持している。
ポーランド文学の英訳を手がける翻訳者。Tadeusz Różewiczの詩集を英訳し、Found in Translation賞を受賞した。
Wisława Szymborskaの詩集『Here』は、日常の細部から哲学的な思索までを含む短詩群で、ユーモアと鋭い洞察が同居する。Clare Cavanaghの訳はシンボルスカの言語感覚と諧謔を英語に忠実に移している。
アメリカの詩人・翻訳者であり学者。Wisława Szymborskaの英訳で知られる。
Wisława Szymborskaの詩集『Here』の英訳。日常的な事象から普遍的な問いまでを扱う詩群を、Barańczakの翻訳は言語の機微を残しつつ英語で表現している。
ポーランドの詩人・翻訳者。英語圏へのポーランド詩の紹介に尽力した人物で、Szymborskaの英訳にも貢献した。
Witold Gombrowiczの長編『Pornografia』の英訳。欲望や操作、道徳的崩壊を通じて人間の暗部と心理的な緊張を描く作品であり、翻訳は原作の鋭い観察と不穏な雰囲気を英語で伝えている。
ポーランド文学の英訳に携わる翻訳者。Witold Gombrowiczの作品を英訳したことでFound in Translation賞を受賞。
Paweł Huelleの小説『The Last Supper』の英訳。歴史と個人の記憶が交錯する物語で、過去の傷跡が登場人物の運命に影響を及ぼす。Antonia Lloyd-Jonesの訳は原作の語り口と情景描写を丁寧に移している。
ポーランド文学を英訳する翻訳者。Paweł Huelleなどの作品の英訳で知られる。
Tadeusz Różewiczの詩集『New Poems』は、簡潔で余白の多い文体を通じて戦争の傷跡、記憶、老い、死といった主題を鋭く見つめる作品群。Bill Johnstonの英訳は原詩の微妙な抑制と皮肉を丁寧に再現し、英語圏読者にポーランド現代詩の強い余韻を伝える。
ポーランド文学の英訳翻訳者。Tadeusz Różewiczなどの詩集を英訳し、詩の翻訳で高く評価されている。