ジョン・ドス・パッソス賞
じょん・どす・ぱっそすしょう
アメリカの作家の業績を顕彰する、ジョン・ドス・パッソスに因む年次文学賞。
- 創設年
- 1980
- 主催
- Longwood University
- カテゴリー
- 文学総合・文芸総合
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Longwood University が1980年に創設した年次文学賞。アメリカのテーマを独創的に探求し、形式に対する実験的アプローチや幅広い人間経験への関心を示す出版された作品群(長期的な業績)を対象に、学科の委員会と選考委員が受賞者を選出する。受賞者には賞金と銅メダルが授与される。
賞品
- 主賞品
- 受賞者には5,000米ドルと氏名刻印入りの銅メダルが授与される。
- 賞金
- 5,000 USD
- 銅メダル(氏名刻印)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 候補選定(ノミネーション) | Longwood University 英語・近代語学科の委員会(委員長、直近の受賞者、著名な批評家・編集者・学者) | — | 委員会内で候補者を選定 |
| 最終選考(受賞者決定) | 同委員会が審査を行い、委員長が審査員団を統括して最終決定を行う | — | Longwood University の公式ウェブサイトおよびニュースリリースで発表 |
選考基準
- 出版された作品群(長期的な業績)として、アメリカ固有のテーマを深く独創的に探求していること
- 形式に対する実験的アプローチを示していること
- 幅広い人間経験への関心を示していること
応募のヒント
推奨
- 受賞対象となる長期的な出版実績(複数作品)を整理して提示する
- 作品群が示すテーマ性や実験的な文体を明確に説明する
- 代表作や選書をリスト化し、レビューや受賞歴があれば添える
- 推薦者(批評家や編集者)のコメントや推薦状を用意する
注意
- 単一の短編や単著のみで長期的業績を主張すること
- 事実と異なる受賞歴や出版情報を記載すること
- 形式やテーマの安直な模倣に頼ること
審査員から
- 本賞は“出版された作品群”としての一貫性と独創性を重視します
- 形式的な実験性や幅広い人間経験への関心が評価されます
- 候補者の長期的な業績や影響力を総合的に判断します
関連の賞
- Pulitzer Prize for Fiction
- National Book Award
- PEN/Faulkner Award
- アメリカ文学の主要賞
公式情報
https://www.longwood.edu/english/dos-passos-prize/過去の受賞者
ドミニカ系移民コミュニティを舞台に、女性の視点から家族や移民経験、階級、文化的帰属意識を描く長編・短編の蓄積が評価された。登場人物の内面とコミュニティの現実を織り交ぜ、アメリカ社会における多様性と記憶を問いかける作品群である。
ドミニカ系のルーツを持つ作家。ドミニカ共和国やニューヨークの移民コミュニティを背景に、女性や家族、階級、文化的アイデンティティを描く力強い物語で評価されている。
移民や二文化的経験、家族の絆と喪失、記憶と再生を主要テーマとした作品群が評価された。繊細な人物描写と日常の細部への注意を通じて、個人的な物語から社会的洞察を提示する作風が特徴である。
米国で活動する作家。移民経験や家族、記憶、アイデンティティを主題に据え、個人的な物語を通じて社会的課題を掘り下げる作風で知られる。
長編小説や短編を通して移民やアイデンティティ、ジェンダー、家族、記憶といった主題を繊細かつ力強く描き出す業績が評価された。個人史と社会史を重ね合わせる語りと多様な人間経験への共感を通じて、アメリカ的テーマに対する独自の洞察を示す。
ウルグアイ生まれで米国を拠点に活動する作家。長編・短編を通じて移民、アイデンティティ、ジェンダー、家族、記憶などを繊細に描き、社会的・歴史的文脈を含む多様な人間経験を探求している。
ベトナム移民の家族史、食文化、記憶と身体のつながりを主題にした作品群。多層的な語りと文化間の視点を通じてアイデンティティと帰属を描く。
ベトナム系アメリカ人の作家。『The Book of Salt』などで高い評価を受け、移民体験や家族史、記憶を繊細に描く作品で知られる。
戦争と移民の体験、記憶の断絶と再生をテーマに言語と語りの可能性を探る作品群。断片的で詩的な表現とユーモアを併せ持つ作風が特徴である。
ボスニア出身でアメリカを拠点に活動する作家。戦争、追放、移民の経験を題材に短編や長編、エッセイを執筆し、記憶と言語の問題を独自の文体で探る。
中東の歴史、ディアスポラ、個人の記憶と文学的想像力を交錯させる作品群。多声的な語りと実験的構成を通じて戦争や帰属の問題を深く掘り下げる。
レバノン生まれの作家・画家。複雑な語りと多声的視点を用いて中東の歴史やディアスポラ、個人の記憶を描き、『An Unnecessary Woman』などで国際的評価を得ている。
多文化主義やグローバリゼーション、都市生活をモザイク的に描く作品群。言語の遊びや並列的構成によって移民や民族性、政治的緊張を浮かび上がらせる。
日系アメリカ人の作家。言語遊びや実験的な構成を用いて、多文化都市や移民の経験を描くことで知られる。代表作に『Tropic of Orange』などがある。
移民経験や文化的同化、家族の複雑な関係を扱う小説群。個人史と社会的期待の狭間で揺れる登場人物を丁寧に描写し、言語と記憶を重層的に扱う。
韓国出身のアメリカの作家。移民経験や同化、家族やアイデンティティの探求をテーマにした作品で知られ、『Native Speaker』などが代表作である。
混血や人種の境界、家族と個人の記憶を主題にした長短篇群。個人的体験と社会的文脈を織り交ぜながら、アイデンティティの揺らぎを繊細に描く。
アメリカの作家。人種とアイデンティティ、家族史を主題に鋭い視点で作品を発表しており、デビュー作『Caucasia』などで知られる。
ブラックユーモアと風刺を駆使して人種、都市生活、社会構造の矛盾を暴き出す作品群。辛辣な語り口と実験的な表現でアメリカ社会を批評する。
アメリカの小説家・詩人。ブラックユーモアと鋭い社会風刺を用いた作風で知られ、代表作『The Sellout』でマン・ブッカー賞を受賞した。
東西文化の交差、時間と記憶、環境をめぐる哲学的テーマを物語的に扱う作品群。メタフィクション的手法や実験的構成により、個人と歴史の接点を探る。
日系の背景を持つ作家。小説や映画、エッセイを通じて文化の交差や時間性、環境問題を主題にした作品を発表し、国際的に評価されている。
先住民社会や都市文化の接点、アイデンティティの葛藤をユーモアと辛辣さで描く短編・長編群。口語的で率直な語り口が特徴で、社会の不公正や文化摩擦を鋭く照らし出す。
スポークン・インディアン居留地出身の作家・詩人・脚本家。先住民の経験をユーモアと痛切さで描き、短編・長編・映画脚本など多彩な作品で知られる。
黒人の経験やアメリカ史を題材に、寓話的・象徴的要素を織り交ぜながら歴史を再解釈する作品群。代表作では個人の苦難を通じて制度的差別や記憶の問題を問いかける。
アメリカの小説家。『アンダーグラウンド・レイルロード』『ニッケル・ボーイ』などで知られ、ピューリッツァー賞を受賞。人種や歴史を主題に、寓話的かつ実験的な手法で社会を描く。
ハーマン・メルヴィル的な素材を引用しつつ、ブラックユーモアと社会批評を交えた冒険的長編。アフリカ系アメリカ人の視点からアメリカ文化と人種問題を再検討する。
ブラック・ユーモアと社会批評を融合させた作風で知られるアメリカの作家。人種や文化の境界を鋭く問い直す作品が多い。
黒人作家の作品と文学界のステレオタイプを風刺するメタフィクション。出版界や表象の問題をユーモアと辛辣さで描き、人種と表現の境界を問い直す。
実験的で多彩な語り口を持つアメリカの小説家。人種やアイデンティティ、文学制度を風刺的に扱う作品が特徴的である。
家族や日常生活を丁寧に描き、ユーモアと人間ドラマを織り交ぜる作品群。人物の細部に目を向けた温かい筆致が特徴。
アメリカの小説家・短編作家。日常の人物描写に優れ、ユーモアと人間味を織り交ぜた作風で読者に親しまれている。
短編と長編を通して個人の内面や信仰、道徳的ジレンマを描く作品群。教育者としての活動でも知られ、地域文学への貢献が評価されている。
アメリカの作家・教育者。短編や長編で個人の孤独や倫理、信仰といったテーマを扱う作品で知られる。
コロラド州の小さな町を舞台に、孤独と支え合いをテーマに複数の人物の人生が交差する物語を静謐な文体で描く長編。穏やかな語り口が印象的な代表作。
コロラドを舞台にした素朴で抑制された文体の作品で知られるアメリカの小説家。共同体と家族、日常の再生を丁寧に描く。
南部ルイジアナを舞台に、労働者階級や家族の日常を細やかに描いた短編・長編群。地域社会の矛盾や個人の倫理的選択を静かに浮かび上がらせる筆致が特徴。
ルイジアナ出身の小説家・短編作家。南部の労働者階級や日常生活を温かみのある筆致で描く作品で知られる。
代表的な中長編や短編を通じて、都市生活・記憶・アイデンティティを探る作風。実験的な構成と内面描写を特徴とする作品群が評価されている。
アメリカの小説家。実験的な文体と都市生活・女性の経験をめぐる鋭い洞察で知られる。
遺伝学と音楽、恋愛をめぐるモチーフを絡め、複数の登場人物と時代を通して科学と人間関係の交差を探る実験的長編。科学的主題を文学的メタファーとして繊細に組み立てる。
アメリカの小説家。科学、テクノロジー、記憶や知覚を主題にした実験的な長編群で知られ、近年は環境や樹木を巡る作品でも高い評価を得ている。
架空の南部都市を舞台に、若い黒人男性の精神的葛藤と家族の歴史、宗教的体験を通して人種とアイデンティティを描く長編。地域社会の重層的な表情が主題。
アフリカ系アメリカ人の作家。南部コミュニティを舞台に、人種・宗教・性的指向を巡る個人の葛藤を描く作品で知られる。
ハイチ革命を背景にした長編。複数の登場人物の視点を交錯させ、革命の暴力や人間の葛藤、記憶と歴史の重層性を描く。史料感のある細密な描写とフィクションの融合が特徴。
アメリカの小説家。歴史的題材を扱う長編で知られ、とくにハイチ革命を題材にした作品群などで高く評価されている。
短編・長編を通じて、地方に根ざした人々の日常と家族関係を繊細に描く業績が評価された。地方社会の声を拾い上げる筆致と人物描写が特徴である。
ノースカロライナを舞台に家族や地域社会の微妙な力学を描く作家。短編・長編を通じて日常の人間模様を繊細に描写することで評価されている。
受賞対象はメタフィクション的な長短編の業績で、ユーモアと形式実験を通じて記憶・自己演出・物語の境界を問い直す作品群が評価された。
ユーモアとメタフィクション的手法を用いる作家。語りの多層性や自己言及的な仕掛けを通じて記憶や創作の境界を問う作品群で知られる。
中国系アメリカ人としてのアイデンティティを、家族史や民話を交えて語る回想的作品。女性の役割や沈黙、語りの力を探ることで移民経験と自己形成を描き出す。
移民二世としての経験をもとに、中国の伝承と個人的記憶を織り交ぜた作品で知られる。語りと神話を融合させた独特の語法で、民族的アイデンティティや女性の声を探る。
主人公が家族や過去の喪失を抱えながら、荒涼とした海辺の町で自己と向き合い再生を見出す物語。海や港町の風土描写と独特の文体が特徴で、人間の再生と孤独を描く長編である。
地方社会の孤独や過酷さを鋭く描き出す作家。『The Shipping News』でピューリッツァー賞、短編『Brokeback Mountain』でも高い評価を受けるなど、風土と人物心理の結び付けに長ける。
メキシコ系移民の農業労働者一家を通じて、貧困・環境問題・労働搾取・家族の連帯と犠牲を描く長編。現代アメリカにおける不平等と抵抗の現場を生々しく描写する作品である。
チカナ文学の重要な作家で、移民労働者やラテン系コミュニティの現実を力強い文体で描く。社会的弱者の視点に寄り添った作品群で知られる。
19世紀後半のモンタナを舞台に、ネイティブ・アメリカンの伝統と白人社会の圧力の中で生きる人々を壮大に描く歴史小説。文化継承、儀礼、共同体の力を主題として深く掘り下げる。
ブラックフィートやグロス・ヴァントの血を引くネイティブ・アメリカン作家。土地、伝統、アイデンティティの喪失と再生をテーマにした詩と小説で高い評価を得た。
20世紀初頭からのアフリカ系アメリカ人女性の人生を語りとして描き、差別と抵抗、世代を越えた記憶を通じて米南部の歴史と人間の尊厳を掘り下げる歴史小説。口語の語りが作品の力点である。
ルイジアナの黒人コミュニティを舞台に、人種差別、記憶、共同体の尊厳を描く作家。口語的な語りと歴史意識を持った作品群で広く評価された。
受賞対象は長年にわたる小説・戯曲の業績で、南部アメリカの社会や個人の複雑さを描いた作品群が評価された。写実的な人物描写と地域史の反映が特徴である。
主にアメリカ南部を舞台に、人間関係や歴史的背景を織り込んだリアリスティックな小説を発表した作家。地域社会の葛藤や個人の心理を丁寧に描く。
イタリアを旅する母と娘の関係を通じ、文化の隔たり、保護欲と自立、成熟を描く中篇。抑制の効いた筆致で登場人物の微妙な感情を描写し、映画化もされた代表作である。
南部アメリカを舞台に繊細な心理描写と道徳的テーマを扱う作家。短編・中編でも高い評価を受け、静謐な文体で人物の内面を描く。
受賞対象はこれまでの業績で、ノースダコタや中西部を舞台に家族・宗教・土地との関係を丁寧に描いた長編・短編集が評価された。地域に根ざした人物描写と細部への観察が特徴である。
ノースダコタや中西部を拠点に、家族・宗教・土地との関係を丹念に描く小説家。長編・短編を通じて地域社会の細部と人物の内面を掘り下げる作風で評価された。
バルバドス出身の移民家族を背景に、少女が成長し自己を確立していく過程を描く自伝的要素を持つ長篇。移民社会での文化的摩擦、家族の期待、女性の自立が重層的に描かれる。
バルバドス系移民の家庭に生まれ、移民経験と文化的アイデンティティをテーマにした作品で知られる。女性の視点からコミュニティと自己の関係を繊細に描く。
南北戦争を叙事的に再構成した三部作。細部にわたる軍事史と人物描写を織り交ぜ、戦争を物語ることで歴史の生々しさと複雑さを浮かび上がらせる。学術性と物語性を兼ね備えた大著である。
南北戦争に関する叙述的歴史で広く知られる作家。豊富な資料に基づく物語性のある史記述により、戦争史の一般読者への理解を促した。
手紙形式で綴られる一人の女性の生涯を通して、南部アメリカの風土、家族、女性の自立と葛藤を描く長篇。地域の伝統と個人の成長が織りなす視座が特徴で、南部文学の重要作とされる。
アメリカ南部の風土とそこに生きる人々を細やかに描く作家。温かさとユーモアを伴った筆致で、女性の視点や家庭・地域社会の変化を描写することに定評がある。
自身の家族史と兄の刑事事件を通し、刑事司法制度や人種問題を鋭く問い直す回想録。個人的体験と社会的考察が交差し、アメリカ社会における記憶と責任を深く考察する重要作である。
アフリカ系アメリカ人の作家で、家族史・都市の記憶・人種問題を独特の文体で探る。実験的語りと社会批評を融合させた作品群で知られる。
小さな町を舞台に、父子関係と社会的挫折がもたらす暴力の連鎖を描く。個人の屈折した感情と孤立、貧困が人々の選択を蝕み悲劇へと導く様を重厚に描写する心理小説である。
労働者階級や家族の崩壊を主題にした現実主義的作風で知られるアメリカの作家。登場人物の内面描写と社会的文脈の結びつけが特徴で、多くの作品が映画化・翻案された。
1980年代のニューヨークを舞台に、金融・政治・人種・階級の対立とメディアの暴走が交錯する社会風刺小説。野心と堕落、公共と私的な倫理の崩壊を鮮烈に描き出す大作である。
ニュー・ジャーナリズムの旗手。鋭い観察力と独特の散文スタイルで現代アメリカ社会を風刺的に描写し、社会的現象を豊かに表現したことで知られる。
地方社会と個人の内面を丁寧に描く短編の代表例。主人公の自己探求と再生、信仰や社会的偏見に対する繊細な描写を通じて、南部文学の情緒と人間理解を示す作品群の一部である。
アメリカ南部を背景に人間の内面と倫理的葛藤を繊細に描く作家。短編に定評があり、地域社会の情緒と道徳的ジレンマを取り上げる作品群で知られる。
ベトナム戦争の影響を受けた時代を舞台に、麻薬や暴力に絡む登場人物たちの道徳的崩壊を描く。緊迫した筆致で戦争のトラウマとアメリカ社会の暗部を描写し、人間の脆さを浮かび上がらせる。
暗く冷徹な筆致で知られるアメリカの小説家。ベトナム戦争やポスト戦争期の倫理的崩壊をテーマに人間の弱さと社会の退廃を描くことで高く評価された。
メタフィクション的な手法、言語遊戯、構造的実験を通じて語りと現実の境界を揺さぶる作品群。伝統的な筋書きを解体し、読者の期待を裏切る構成と技巧的な文体で評価される。
アメリカの実験的作家。メタフィクションや言語実験を得意とし、形式と語りの限界を問う作品群で知られる。批評家としての活動もあり、現代小説への影響が大きい。
メキシコの反宗教迫害期を舞台に、罪と贖罪に葛藤する「ウイスキープリースト」の逃亡と内面を追う物語。政治的弾圧と個人の道徳的選択、贖罪の可能性を重層的に描き、グリーンの宗教観と人間理解が色濃く表れる。
20世紀を代表するイギリスの小説家。政治・宗教・道徳的葛藤を主題に人間の弱さと救済を鋭く描写し、国際的に高い評価を受けた。緻密な心理描写と道徳的ジレンマの描出が特徴。