FIL文学賞(ロマンス諸語)
えるあいえるぶんがくしょう(ろまんすしょご)
ロマンス諸語で執筆する作家に贈られる国際的な文学賞。創設は1991年、賞金は150,000米ドル。
- 創設年
- 1991
- 主催
- グアダラハラ大学、ハリスコ州政府、グアダラハラ市政府、サポパン市政府、グアダラハラ大学財団、Fibra Educa、Arca Continental、Bancomext(Civil Association FIL Literary Award in Romance Languages)
- カテゴリー
- ジャンル小説
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 8月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
FIL Literary Award in Romance Languages(Premio FIL de Literatura en Lenguas Romances)は、ロマンス諸語で執筆する詩、小説、戯曲、短編、文芸エッセイなどあらゆるジャンルの作家に対し、その生涯の業績を顕彰するために1991年に創設された国際的な文学賞である。以前は『Juan Rulfo Prize for Latin American and Caribbean Literature』という名称で主にラテンアメリカ・カリブ海地域の作家を対象としていたが、2006年以降に現名称となった。主催はメキシコの国立文化芸術評議会、グアダラハラ大学、ハリスコ州政府、Fondo de Cultura Económicaで、受賞はグアダラハラ国際ブックフェア(FIL)期間中に発表される。賞金は150,000米ドル(記事時点)。
賞品
- 主賞品
- 賞金150,000米ドル(作家の生涯業績に対する顕彰)
- 賞金
- 150,000 USD
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 選考(ノミネーション→審査) | 選考委員会(詳細は公表されていない) | — | グアダラハラ国際ブックフェア(FIL)の会期中に発表 |
選考基準
- 生涯にわたる文学的業績の顕彰
- ロマンス諸語での優れた著作
- 文学的卓越性と国際的影響
関連の賞
- Guadalajara International Book Fair(FIL)での他の賞・イベント
- Juan Rulfo Prize(旧称/関連の歴史的名称)
- Latin American literary awards
公式情報
https://www.fil.com.mx/ingles/premiofil/premiofil_fil.asp過去の受賞者
Mia Couto の受賞は、ポルトガル語圏文学を代表する作家としての長年の創作全体を讃えるもの。生物学の視点と地域語彙を生かした独自の文体で、アイデンティティ、記憶、文化の交差を描いてきた。
作品群全体で、モザンビークの言語感覚と想像力を広げてきた作家。
モザンビーク出身の作家。ポルトガル語での創作を通じて地域文化や想像力を反映した作品群を発表しており、2024年にFIL文学賞(生涯業績への顕彰)を受賞した。
Mircea Cărtărescu の受賞は、詩、小説、エッセイ、批評にまたがる創作全体への評価。ブカレストを起点に、夢や記憶、身体感覚を縫い合わせる大規模な文学で国際的な存在感を築いてきた。
詩と小説の両方で、現実の輪郭を押し広げてきた作家。
ルーマニア出身の作家・詩人。長年にわたる小説・詩・エッセイの創作が国際的に評価され、2022年にFIL文学賞(生涯業績への顕彰)を受賞した。
Diamela Eltit の受賞は、小説、証言文学、エッセイにまたがる創作全体を讃えるもの。チリの政治的・社会的経験を背景に、実験的な語りで身体と権力の関係を問い続けてきた。
実験的な語りで、権力と身体の緊張を描き続ける作家。
チリ出身の作家。長年にわたる文学活動と作品群が評価され、2021年にFIL文学賞(ロマンス諸語で執筆する作家の生涯業績を顕彰する国際賞)を受賞した。
植民地時代末期のアフリカ(アンゴラ等)を背景に、個人の記憶と歴史の傷痕を描く長篇。植民地的経験と道徳的葛藤を通じてポスト植民地的な問いを投げかける代表作のひとつ。
植民地時代末期のアフリカ(アンゴラ等)を背景に、個人の記憶と歴史の傷痕を描く長篇。
ポルトガルの著名な小説家。植民地体験や移動、記憶をテーマにした作品で国際的に評価され、言語表現と歴史的洞察に富む作品で知られる。
David Huerta の代表詩業績を対象にした受賞。
メキシコの詩人。詩の形式と音を重視しつつ歴史的・個人的記憶を扱う作品で知られる。詩作と編集活動を通じてメキシコ詩壇に影響を与えた。
『Premio FIL de Literatura en Lenguas Romances 2018』は、イダ・ヴィターレの受賞を記念して刊行されたスペイン語の小冊子である。ヴィターレの詩を、伝統を更新する言葉の力、亡命経験、日常の事物を別の角度から見せる軽やかな知性とともに紹介する。
伝統と現代性をつなぐヴィターレの詩を、受賞年の文脈で読むための一冊。
ウルグアイを代表する詩人。言語の精練と感覚的なイメージを通じて存在や記憶を詩的に探究する作風で国際的に高く評価される。
実在の事件を素材にしたノンフィクション的長篇で、主人公の偽りの生活とその崩壊を追う。事実と文学的描写を組み合わせ、アイデンティティと欺瞞の問題を深く掘り下げる。
実在の事件を素材にしたノンフィクション的長篇で、主人公の偽りの生活とその崩壊を追う。
ノンフィクションとフィクションの境界を行き来する作家。実在の事件や人物を通じて人間の心理や真実の在り方をえぐる作品で国際的に注目される。
亡命と記憶、政治的抑圧と個人の尊厳を扱う回想録的作品。個人史と20世紀東欧史を結びつけながら、過去を文学としてたどり直す。
亡命の記憶を文学でたどる作品。
ルーマニア出身の作家。ユダヤ人としての体験や共産主義体制下での迫害、亡命を主題にした作品で国際的に高く評価される。
書くことを拒む作家たちの系譜をたどるメタフィクション。文学史の参照を重ねながら、創作衝動そのものを問い直す代表作。
「書かない作家たち」をめぐる文学小説。
スペインの作家。メタフィクションや自己言及を多用する実験的な作風で知られ、文学そのものや作家性を主題にした作品群が国際的評価を受ける。
ドナウ川という地理的・歴史的主題を軸に、中央ヨーロッパの文化、歴史、個人的記憶を織り交ぜた長篇随筆。旅と知識が交差する叙述で地域の複雑性を描き出す。
イタリアの作家・学者。ドナウ川をめぐる随筆『ドナウ』で知られ、歴史・地理・文学を横断する知的な散文が特徴。
イメージと存在の関係を探る代表的な詩集で、喪失と記憶、身体と不在の感覚が凝縮された詩句の連なりとして読める。ボヌフォワの詩的思考の出発点として、静かな緊張を保ちながら世界の輪郭をたどる。
喪失の輪郭を、言葉のきわで静かに確かめていく。
20世紀を代表するフランス詩人。イメージと言語の関係を深く探り、詩作だけでなく翻訳や批評でも大きな影響を与えた。
裕福な家庭に育つ少年ユリウスの視点から、ペルー上流社会の矛盾と階層意識を描く長編。ユーモアと皮肉を交えながら、無垢なまなざしが大人社会の不均衡を浮かび上がらせる。
子どもの目は無垢だが、その先にある社会は驚くほど複雑で冷たい。
ペルーの小説家。ユーモアと皮肉を織り交ぜた筆致で社会や家族の階層構造を描き、『Un mundo para Julius』などで国際的評価を得た。
1990年代のメデジンを舞台に、年老いた語り手が若い刺客との関係を通して都市の暴力と孤独を見つめる小説。
暴力都市メデジンを見つめる挑発的な長編。
コロンビア出身の作家。自伝的要素と宗教・社会批判を含む率直かつ挑発的な作風で知られ、ラテンアメリカ社会の暴力や孤独を鋭く描く。
Margo Glantz は、実験的な散文と批評を横断してきた長年の仕事が評価され、2010年の FIL 文学賞を受賞した。
ひとつの作品ではなく、文学的な軌跡全体への賞。
メキシコの作家・批評家・学者。随筆・評論・短篇を横断する多様な著作で知られ、記憶、フェミニズム、文化的アイデンティティに関する洞察で高い評価を受ける。
受賞はラファエル・カデナスの長年にわたる詩作と思想的寄与を評価したものである。言語表現の厳格さと倫理的な反省を重視した詩群により、ラテンアメリカ詩の深みを広げた点が高く評価された。
受賞はラファエル・カデナスの長年にわたる詩作と思想的寄与を評価したものである。
ベネズエラの詩人・エッセイスト。言葉の純化と倫理的思索を追求する詩で知られ、静謐で深い内省を通じて公共性と個の問題を問い続けている。
受賞はアントニオ・ロボ・アントゥネスの長年にわたる小説活動を讃えるもので、植民地戦争や記憶、トラウマを巡る内的独白的な長篇群によってポルトガル語文学に強い影響を与えた点が評価された。
受賞はアントニオ・ロボ・アントゥネスの長年にわたる小説活動を讃えるもので、植民地戦争や記憶、トラウマを巡る内的独白的な長篇群によってポルトガル語文学に強い影響を与えた点が評価された。
ポルトガルの小説家。精神科医としての背景と植民地戦争体験を素材に、記憶とトラウマを断片的かつ内省的に描く作風で国際的に高い評価を受ける。
本受賞はフェルナンド・デル・パソの長年の創作活動と文学的実験に対する評価である。歴史的事件や個人の記憶を折り重ねる長篇群により、メキシコ近現代史を独自の文体で再解釈した点が高く評価された。
本受賞はフェルナンド・デル・パソの長年の創作活動と文学的実験に対する評価である。
メキシコの小説家・画家。長篇小説における実験的な語りと歴史的主題の扱いで知られ、メキシコの歴史や個人の運命を複雑な物語構造で再構築した。
受賞はカルロス・モンシバイスの長年にわたる随筆・社会文化批評の業績を称えるものである。メキシコ都市文化の細部を掬い取り、市民生活と政治の交差を鋭利な筆致で描いてきた点が評価された。
受賞はカルロス・モンシバイスの長年にわたる随筆・社会文化批評の業績を称えるものである。
メキシコの随筆家・文化評論家。都市における日常文化や政治、ポピュラーカルチャーを鋭く読み解き、コラムや随筆で社会的な事象を批評的に記録した。
受賞はトマス・セゴビアの長年にわたる詩作、翻訳、評論活動に対する顕彰である。言語表現の実験と抒情的・哲学的な探求を通じてラテンアメリカとスペイン語文学のかけ橋となった点が高く評価された。
受賞はトマス・セゴビアの長年にわたる詩作、翻訳、評論活動に対する顕彰である。
スペイン生まれでメキシコを拠点とした詩人・翻訳家・評論家。言語実験と哲学的な思索を織り込んだ詩作と、翻訳・編集活動を通じた文学交流への貢献で知られる。
本受賞は、ゴイティソロの生涯にわたる文学的・批評的業績を顕彰するもの。実験的な語りと政治的・文化的批評を融合させ、スペイン語圏文学に国際的な視座を導入した点が評価された。
本受賞は、ゴイティソロの生涯にわたる文学的・批評的業績を顕彰するもの。
スペインの作家。文化批評的視座と実験的な語りで知られ、亡命や異化の経験を通じて西欧文化やスペイン社会に対する鋭い批評を展開した。
受賞はルベン・フォンセカの短編および長編にわたる業績を対象とするものであり、都市の暗部や暴力、犯罪を冷徹に描く作風と、凝縮された語りによってブラジル現代文学に新たな地平を切り開いた点が評価された。
ブラジルの小説家・短編作家。冷徹で硬質な文体を特徴とし、都市の暴力や犯罪、欲望を題材にした作品で国際的に評価される。
Cintio Vitier の受賞は、キューバ詩、批評、マルティ研究にわたる生涯の仕事をたたえるもの。
詩、批評、キューバ思想を結んだ作家。
キューバを代表する詩人・批評家。詩と随筆を通じて宗教的・歴史的主題や国民的アイデンティティを探求し、キューバ文化と文学の発展に寄与した。
Juan García Ponce の受賞は、小説、随筆、批評を横断しながら、欲望、都市、芸術を探究した全業績を評価したもの。
小説と批評を往復したメキシコ現代文学の重要人物。
メキシコの小説家・批評家。短編・長編を通じて官能や存在の問題、都市における個人の欲望と倫理的葛藤を鋭く描き、実験的な語りや知的批評で知られる。
Juan Gelman の受賞は、亡命、政治的暴力、家族の喪失を詠んだ詩業全体への顕彰。
亡命と記憶を詩へ変えたアルゼンチンの詩人。
アルゼンチンの詩人。政治的抑圧や亡命、家族の喪失といった主題を深く扱った詩作で知られ、ラテンアメリカ現代詩の重要な声として国際的に評価された。
Sergio Pitol の受賞は、小説、旅行記、翻訳を横断する仕事と、記憶や文学史への深い意識をたたえるもの。
旅と翻訳を軸に作品世界を広げた作家。
メキシコの作家・翻訳家。旅と記憶、文学史への言及を織り交ぜた独特の語り口で知られ、翻訳活動でも評価される国際的作家である。
受賞は生涯の業績を讃えるものであり、オロスコは幻想性と象徴性に富む詩作でラテンアメリカ詩壇に独自の世界を築いた。その詩群は夢と神秘を巡る豊かなイメージで貫かれる。
受賞は生涯の業績を讃えるものであり、オロスコは幻想性と象徴性に富む詩作でラテンアメリカ詩壇に独自の世界を築いた。
アルゼンチンの詩人。幻想的で神秘的なイメージを多用する詩風を特徴とし、シュルレアリスム的な要素と深い象徴性で高く評価された。
Juan Marsé の受賞は、戦後バルセロナの記憶、階級、都市生活を掘り下げた小説群に対する生涯顕彰。
戦後バルセロナを描き続けた小説家。
スペイン(バルセロナ)出身の作家。戦後社会や都市の記憶、階級差をテーマに据えた作品群で知られ、スペイン語圏の現代文学に重要な貢献をした。
受賞は生涯の業績に対するものであり、モンテロッソの短編群は寓話的要素と皮肉、簡潔な語りで国際的な評価を受けた。短篇の巧緻な構成と諷刺性が特徴である。
グアテマラ出身の作家。短く寓話的で機知に富んだ短編や掌編(マイクロフィクション)で知られ、簡潔さと風刺でラテンアメリカ文学に独自の地位を占める。
ブラジルのポルトガル語文学を代表するネルダ・ピニョンの、作品群全体に向けられた評価。
一冊ではなく、ポルトガル語圏文学を横断する作品群そのものが評価された。
ブラジルの作家。記憶や歴史、アイデンティティを織り込みつつ、女性の視点やブラジル文化を題材にした重厚な物語で国際的に評価された。
Peru の作家 Julio Ramón Ribeyro の受賞は、都市生活の疎外と人間の挫折を描く短編群を中心とした生涯業績をたたえるもの。
都市の孤独と挫折を描いたペルー短編の代表作家。
ペルーの短篇作家。都市生活や孤独、社会の疎外を主題にした短編で知られ、簡潔で鋭い観察力と哀感をたたえた筆致でラテンアメリカ短篇の重要人物とされる。
Cuba の詩人・翻訳者 Eliseo Diego の受賞は、叙情的で記憶に満ちた詩作と、翻訳・批評を含む広い文学活動を評価したもの。
記憶と叙情を織り込んだキューバ詩の重要作家。
キューバの詩人。繊細な叙情性と鮮やかなイメージを特徴とし、童話的な感性や記憶を主題にした作品で知られる。詩作のみならず翻訳や評論でも評価された。
Juan José Arreola の受賞は、短編、寓話、随筆にまたがる創作全体と、幻想とユーモアを融合した独自の文体をたたえるもの。
短編と寓話でメキシコ文学を更新した作家。
メキシコの作家。短編小説や随筆で知られ、幻想的・寓話的な語り口と風刺的ユーモアを融合させた作品群で高く評価された。代表作に短編集『Confabulario』などがある。
チリの詩人 Nicanor Parra の受賞は、口語詩とアンチポエトリーによってラテンアメリカ詩を刷新した長年の業績をたたえるもの。
口語と反語を武器に、詩の慣習を崩した詩人。
チリの詩人。既存の詩表現に対する反語的・風刺的な手法「反詩(アンチ詩)」で知られ、日常語やユーモアを取り入れた作風でラテンアメリカ文学に大きな影響を与えた。