ライプツィヒ書籍見本市賞(Preis der Leipziger Buchmesse)
らいぷつぃひしょせきみほんいちしょう
ライプツィヒ・ブックフェアで毎年授与される、フィクション・ノンフィクション・翻訳の3部門における優れた新刊に贈られるドイツの文学賞。
- 創設年
- 2005
- 主催
- Leipziger Messe GmbH(ライプツィヒ・ブックフェア)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 推薦
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 発表時期
- 3月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Preis der Leipziger Buchmesse(Leipzig Book Fair Prize)は2005年に創設され、ライプツィヒ・ブックフェア期間中にフィクション、ノンフィクション、翻訳の各部門で優れた新刊に対して年次で授与される。各部門の受賞者には€20,000が授与され、ドイツで最も重要な文学賞の一つとされる。受賞者は選考委員会によって選ばれ、受賞作はフェアで紹介される。
賞品
- 主賞品
- 各部門の受賞者に€20,000が授与される。
- 賞金
- 20,000 EUR
- 受賞作はライプツィヒ・ブックフェアで発表・紹介される
- 受賞により国際的な注目とプロモーションの機会が得られる
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 選考 | 選考委員会(文学関係者、批評家、翻訳者等) | — | ライプツィヒ・ブックフェアで受賞者を発表 |
選考基準
- 新たに出版された作品であること
- 文学的価値と独創性
- 翻訳部門では原文の質と訳文の表現力を評価
応募のヒント
推奨
- 最新の刊行物であることを確認する(新刊が対象となる)
- 出版社や編集者を通じた推薦・提出方法を事前に確認する
- 翻訳作品は原著情報と訳者名を明確にする
- 出版情報(版元、刊行日、ISBNなど)と書評・紹介資料を揃える
注意
- 未刊行の原稿を応募しない
- 提出要件を満たさない不完全な書類を送付しない
- 応募期限を過ぎて提出しない
審査員から
- 文学的独創性と作品の完成度を重視する
- 翻訳は原文のニュアンス再現と訳文としての読みやすさの両面で評価される
- 出版社側の正式な裏付け(刊行情報や流通状況)は選考で重要となる
関連の賞
- Bertolt-Brecht-Literaturpreis
- Friedenspreis des Deutschen Buchhandels
- Friedrich Nietzsche Prize
- Georg Büchner Prize
- German Book Prize
- Goethe Prize
- Hannelore Greve Literature Prize
- Heinrich-Böll-Preis
- Kranichsteiner Literaturpreis (Großer Preis des Deutschen Literaturfonds)
- Jean-Paul-Preis
- Leipzig Book Award for European Understanding
- Lessing Prize of the Free State of Saxony
- Thomas Mann Prize
- Wilhelm Raabe Literature Prize
公式情報
http://www.preis-der-leipziger-buchmesse.de/過去の受賞者
半島を舞台にした長編小説。日常の細部と人物の内面を通して家族史や記憶、喪失、帰属の問題を紡ぐ。風景が記憶の触媒となり、断片的な回想と現在が交錯することで個人のアイデンティティと世代間の関係が浮かび上がる作品。
ドイツの小説家。作品『Halbinsel』により2025年のPreis der Leipziger Buchmesse(Leipzig Book Fair Prize)フィクション部門を受賞。
ロシアのプロパガンダと社会的自己中毒を主題に据えた批評的論考。メディアと政治言説の力学、歴史認識の操作、情報環境が個人と共同体に与える影響を資料と事例を交えて解明し、プロパガンダの拡散メカニズムとその社会的帰結を問う。
ノンフィクション部門の受賞者。『Pop-up-Propaganda: Epikrise der russischen Selbstvergiftung』でロシアにおけるプロパガンダの構造と社会的影響を批評的に分析した作品により受賞。
ベラルーシでのヴェアマハト(ドイツ軍)による戦争犯罪をめぐる証言と記録を編んだ資料の翻訳・編訳。現地の生存者や目撃者の声、史料を通じて地域社会が被った被害と記憶の継承、戦争責任の問題を生々しく伝え、歴史的事実の可視化と記憶の継続を促す。
翻訳部門の受賞者。Ales Adamovichらによるベラルーシにおける戦争犯罪と証言を扱った資料を翻訳した仕事により、2025年のPreis der Leipziger Buchmesse翻訳部門を受賞。
日常の些細な不安や微細な暴力を掬い取る作品集または長篇。個人の記憶や移動、近現代ヨーロッパの緊張を小さな恐怖感として描き、読み手の感受性を恒常的に揺さぶるような語りを展開する。
セルビア系の背景を持つ作家で、移動や記憶、日常の不穏さを扱うことが多い。繊細な観察と暗いユーモアを併せ持つ文体で知られる。
1972年前後をめぐる文化的・政治的現象を出発点に、暴力・環境・アイデンティティ・方法論を横断的に検討する評論的研究。芸術史と政治理論の接合点を探り、当時の諸問題を現代的観点から再評価する。
芸術史や文化批評に関わる執筆を行う研究者・批評家。1970年代以降の芸術・政治的事象への考察を行っている。
ボラ・チョンの短篇集『Cursed Bunny(原題: 저주 토끼)』のドイツ語訳。風刺的でシュールな短編群は、家族・軍事・格差・環境破壊などを寓話的に暴露し、現代韓国社会の傷や矛盾を鮮烈な語りで提示する。訳は原作の荒々しい想像力を生かしている。
韓国語文学の翻訳に取り組む翻訳者。現代韓国文学の重要作をドイツ語圏に紹介する役割を果たしている。
移民社会とドイツのナショナル・ナラティヴを主題にした長篇。家族史や地域の逸話を通じて、ドイツに伝わる物語の裏側に潜む矛盾や周辺化の現実をブラックユーモアと鋭い観察で描く。
移民背景や周縁化を題材にする作家。ユーモアと痛切さを織り交ぜた作風で知られる。
ヘルタ・ゴードン=ヴァルヒャーという活動家と『革命の夢』をめぐる伝記的研究。個人史と政治史を結びつけ、20世紀を通じた左派運動や女性運動の意義を掘り下げる。
個人史と文化史を結び付ける著作を行う作家。史料に基づく伝記的研究で高い評価を受ける。
アウロラ・ベントゥリーニの『Las primas(いとこたち)』のドイツ語訳。家族にまつわる奇妙さや女性たちの欲望、抑圧を幻想的かつユーモラスに描く原作の語りを、訳者は現代ドイツ語に置き換えて伝える。
スペイン語圏(アルゼンチン等)の文学翻訳に携わる翻訳者。ラテンアメリカ文学の独特の語感を生かす訳業で評価される。
言語と記憶をめぐる実験的物語。都市の断片や個人的体験を重ね合わせることで、アイデンティティと歴史の揺らぎを描き出し、形式的な工夫により読者の想像力を喚起する作品。
実験的な語り口で知られる作家。言語と記憶を巡る断片的な物語構成を用い、都市や個人の断片を通して現代的主題を探る。
言語、翻訳、詩作を巡るエッセイと講演を収めた一冊。語源や語の響きに着目しつつ、現代詩と翻訳実践が交差する視点から文化的談話を批評的に検討する論考集である。
詩作と翻訳を横断する活動で知られる詩人・研究者。言語理論や翻訳実践に関する論考も多数執筆する。
セシル・ワイジュブロ(Cécile Wajsbrot)の作品『Nevermore』のドイツ語訳。喪失や記憶、文学的引用を巡る繊細な語りを、翻訳者は原文の詩性を保ちながら丁寧に再現している。
仏独語の創作と翻訳を行う作家・翻訳家。文学的な感受性を生かした訳出に定評がある。
個人的な回想と社会批評を交錯させる作品。現代ドイツ社会の文化的・政治的状況に対する洞察を、断片的な語りと鋭い言語感覚で提示する実験的な長篇である。
エッセイや小説で知られる作家。社会的・文化的テーマに対する鋭い観察力とユーモアある文体が特徴。
民族誌的研究の自伝的記述を通して、研究者としての形成過程やフィールドワークの倫理、感情の扱いを探る一冊。学問的検討と個人的回想を交差させる自己反省的な論考である。
民族誌的研究を専門とする研究者。フィールドワークを基にした自伝的な記述と理論的省察を融合させる著作で知られる。
ミクローシュ・セントクティの実験的テクスト(原題: Széljegyzetek Casanovához)のドイツ語訳。カサノヴァやオルフェウス的主題をめぐる難解で詩的な言語遊戯を、原文の緊張感を損なわずに再現する翻訳的挑戦。
ハンガリー語文学の翻訳に携わる翻訳者。難解で実験的なテクストの翻訳に手腕を発揮する。
詩的な感受性と叙事性を兼ね備えた長篇。青春期の記憶や詩作の軌跡を通して、東西ドイツの分断とその後の時間性、個人的喪失と希望を丁寧に描く叙事詩的作品である。
詩人としての出自を持つ作家。叙事的でも詩的でもある文体で、東西ドイツの歴史や個人の記憶を織り込んだ作品を発表している。
20世紀における「がん」と感情の関係を文化史的に考察する研究。病に対する社会的態度や感情表現の変遷、医療と患者経験の相互作用を史料に基づいて再構築する論考である。
医学史・感情史に関心を持つ研究者。病と感情の関係を文化史的に掘り下げる著作を発表する。
フラン・ロスの実験的小説『Oreo』のドイツ語訳。人種とアイデンティティをユーモアと辛辣さで問い、古典や神話の引用を折り込んだ独創的な語りを現代ドイツ語で再現する試みである。
英語圏の文学をドイツ語に翻訳する翻訳家。実験的で風刺的なテクストの翻訳でも知られる。
中産階級の日常に潜む不安と脆弱さ、親子関係や経済的不安定さが個人の内面にどう作用するかを鋭く描く長篇。安全感をめぐる幻想と現実のギャップを抉る作品。
社会的矛盾や女性の生活を主題にした作品で知られる作家。現代社会の構造的問題を小説に取り込む筆致が特徴。
1945年から1955年のドイツ社会を文化史的に描き出す大著。敗戦直後の混乱、復興、価値観の再編を通して、市井の人々の生き方や記憶がどのように形成されたかを詳細に論じる。
文化史的手法で20世紀のドイツを読み解く筆者。日常文化の変化を通じて大きな歴史的出来事を照射する著作で知られる。
ガブリエラ・アダメシュテアヌによる原作(原題: Dimineață pierdută)のドイツ語訳。個人の喪失や社会変動が交錯するルーマニアの近現代史を背景にした物語を、細やかな心理描写で伝える。
ルーマニア語圏の文学をドイツ語に紹介する翻訳者。原作の文体と社会的文脈を尊重した訳出を行う。
いわゆる「地形小説」として紹介される作品。歩行と風景の断片を通じて東欧や周縁地域の記憶を掘り起こし、個人史と自然史を詩的に交錯させることで、場所の痕跡を新たに読み解く試みとなっている。
風景と記憶をテーマにした実験的な文学で知られる作家。翻訳や散文も手がけ、言語と場所の関係に鋭い感受性を示す。
ソ連の20世紀を「考古学的」に解読する大著。都市、産業、文化、日常の「遺構」を手がかりに帝国の興隆と崩壊を学際的に分析し、物質的痕跡から歴史の連続性と断絶を浮かび上がらせる。
東欧・ロシア圏の社会史や文化地理を研究する歴史学者。都市史や記憶の研究で知られる。
セルヒイ・ジャダンの『Internat』のドイツ語訳。戦闘の近い東ウクライナの寄宿学校を背景に、若者たちの日常と暴力、連帯の可能性を詩的かつ生々しく描く原作の語り口を忠実に伝える翻訳である。
ウクライナ語圏の文学を紹介する翻訳家。詩的な原文の語感を生かす訳出を志向する。
(共訳)セルヒイ・ジャダンの『Internat』をドイツ語に翻訳。戦禍近い地域の日常と暴力、言葉の破損を描く原作の強度を、共同の翻訳作業により可能な限り再現する取り組み。
ウクライナ語文学の翻訳に関わる人物。詩的なテクストの語感を活かす訳出で知られる(共訳者として受賞)。
著者の母がウクライナのマリウポリからドイツへ送られた過去を追う作品。戦争・強制労働・移動の記憶を掘り下げ、個人史が時代史とどう交差するかを痛切に示すノンフィクション的長篇。
ドイツで活動する作家。自身や家族の移動・労働史を掘り下げたノンフィクション風の作品で知られる。記憶と言語の関係に関心が深い。
ハプスブルク家の女帝マリア・テレジアの生涯と統治を多面的に描く伝記研究。政治的決断、宮廷文化、改革の実践を詳細に追い、18世紀ヨーロッパにおける女性統治の実像を浮かび上がらせる。
宮廷史や近世ヨーロッパ史を専門とする歴史学者。政治史と文化史を結びつける研究で国際的に評価される。
中国古典『西遊記』のドイツ語訳。孫悟空や三蔵法師らの旅を通じて仏教的寓意や民話性を伝え、原作の冒険性と宗教的寓意を現代ドイツ語において再構築する翻訳的業績。
中国古典文学の翻訳・研究に携わる研究者兼翻訳家。古典テクストの新訳で知られる。
家族の歴史とドイツ近現代史を重層的に描く長篇。戦争とその後の世代伝承、個人の罪と記憶が織りなす物語を通して、民族的・政治的変動が私的生活に及ぼす影響を問う壮大な叙述を展開する。
ドイツの作家。家族史や記憶を主題に据えた長篇で評価を得ている。歴史的事件と私的体験の交差に関心がある。
啓蒙期の博物学者ゲオルク・フォルスターの生涯と思想を追う伝記的研究。自由の理念と自然観の交錯を通じて、フォルスターの探検・著述活動が当時の思想風景にどう位置付けられるかを示す。
歴史的伝記や思想史を手掛ける研究者。個別人物の再評価を通じて時代を読み解く研究を行う。
ボラ・チョシッチの作品(原題: Тутори)のドイツ語訳。ユーゴスラビアの社会的・歴史的文脈を背景に、権威・教育・世代間葛藤をめぐる物語を原作の強度を保って伝える翻訳である。
ユーゴスラビア語圏の文学をドイツ語に紹介する翻訳家。地域の言語感覚を生かした訳出で評価される。
雨水をためる樽を題材に名付けられた詩集。日常の細部や自然の仕草を綿密に観察し、記憶や時間の層を言語で重ねることで、静かなユーモアと深い洞察を同時に提示する詩篇群。
ドイツの詩人。細やかな観察と語感に富んだ詩作で知られ、翻訳や批評活動も行う。短編的な断片と豊かな比喩で日常を掬い取る作風が特徴。
ヨーロッパの新たな秩序をめぐる歴史的・政治的考察。国境や民族、経済の変動が地域と国家にもたらした影響を分析し、現代ヨーロッパ形成の歴史的連関を明らかにする学術的論考。
中欧・東欧史を研究する歴史学者。移動と民族・国家の問題を扱い、現代ヨーロッパの形成過程について広範な分析を行う。
アモス・オズの長編『Judas』のドイツ語訳。エルサレムを舞台にした群像的な物語を通じて、愛と裏切り、政治的・宗教的対立が交錯する人々の内面を静謐かつ鋭く描く作品を、翻訳者は原作の繊細な心理描写を保ちながら表現した。
ドイツの作家・翻訳家。児童文学や翻訳で広く知られ、他言語文学の紹介に長年従事した。豊かな言語感覚で外国文学をドイツ語読者に届けることでも評価される。