Prix Femina(プリ・フェミナ)
ぷり・ふぇみな
女性のみの審査員が選ぶフランスの文学賞。1904年創設。
- 創設年
- 1904
- 主催
- Prix Femina 委員会(女性のみの審査員)
- カテゴリー
- 研究・翻訳・学術
- 選考方式
- 選考
- 受賞対象
- プロ
- 開催頻度
- 年1回
- 賞のステータス
- 活動中
説明
Prix Feminaは1904年に創設され、女性のみの審査員によって毎年選出されるフランスの文学賞です。フランス語の散文または詩の作品(男性・女性作家いずれも対象)に授与され、本賞(Prix Femina)のほか、Prix Femina essai(エッセイ賞、1999年創設)、Prix Femina étranger(外国語作品のフランス語訳に対する賞)、Prix Femina des lycéens(高校生による選考賞)など複数の部門があります。受賞作は毎年11月の第1水曜日に発表されます。創設は雑誌『La Vie heureuse』(後のFemina)により行われ、1920年から1939年にかけては英語圏向けのFemina–Vie Heureuse委員会が英国の作家に賞を授与していた歴史もあります。時折、Prix Femina spécial(功労賞)が授与されます。
賞品
- 主賞品
- 名誉賞(カテゴリごとに授与)
選考情報
選考プロセス
| 段階 | 審査員 | 通過率 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 候補選定(ノミネーション) | Prix Femina委員会(女性のみの審査員。例:Josyane Savigneau(会長)ほか11名(2021年時点)) | — | 出版社や書評を踏まえて候補を検討する(詳細は非公開) |
| 最終選考(討議・投票) | 同上(委員会での討議と投票) | — | 委員の投票により最終候補を絞り受賞作を決定する |
| 発表 | 委員会 | — | 受賞作は毎年11月第1水曜日に発表される |
選考基準
- 文学的完成度
- 独創性
- 言語表現の巧みさ
- テーマの深さ
応募のヒント
推奨
- Prix Feminaは審査員選考のため、出版社やエージェントを通じて新刊の情報を届けることが実務的に重要です。
- フランス語での表現力や文芸性を高め、批評や書評での注目を集める努力をする。
注意
- 公募が前提の賞ではないため、個人の直接申請や無関係な直接応募を期待しないこと。
- 短期間での過度なプロモーション(誤情報や過剰宣伝)は避ける。
審査員から
- 文芸的完成度、独創性、言語表現の巧みさが重視される傾向がある(一般的な審査観点)。
関連の賞
- Prix Femina étranger
- Prix Femina essai
- Prix Femina des lycéens
- Prix Femina spécial
- Femina–Vie Heureuse
- Prix Médicis
- Prix Goncourt
- Prix Renaudot
公式情報
http://www.prix-litteraires.net/femina_liste.php過去の受賞者
マラカイボで始まる一族の物語を軸に、医師となった男とその家族の運命が、20世紀ベネズエラの政治的激動と重なり合う。伝承と歴史、家族史と国家史が渾然となって進む、豊かなスケールのサーガ。
一族の記憶が、国の歴史をひとつの物語に編み直す。
フランス系ベネズエラ人の作家。三世代にわたる家族史をたどる『Le rêve du jaguar』で2024年のPrix Feminaを受賞した。
幼少期から受けた性暴力の記憶を、断片的な語りと文学的思索でたどる。被害の事実を直視しながら、沈黙がどのように作られ、言葉がどこまで届くのかを問い続ける、厳しくも精密な自伝的作品。
語ることそのものが、沈黙に抗う行為になる。
レバノン出身(活動拠点は多様)の作家。繊細で詩的な語り口によって家族や移民、記憶をテーマにした作品を発表し、2023年に『Triste Tigre』でPrix Feminaを受賞した。
老いた夫婦の家に傷ついた若い犬が迷い込み、その存在が閉じた日常を静かに揺さぶる。自然への眼差し、老いの手触り、言葉への信頼が重なり合い、壊れかけた世界に小さな再生の気配を差し込む物語。
一頭の犬が、夫婦の時間に再び光を連れ戻す。
フランスの作家・造形作家。自然や記憶、喪失を主題にした作品で知られ、2022年に『Un chien à ma table』でPrix Feminaを受賞した。
障害のある子どもの誕生によって家族の均衡が揺らぎ、兄妹それぞれの反応を通じて家族の再編が描かれる長編。
一人の子どもの誕生が、家族の関係を変えていく。
フランスの作家・ジャーナリスト。家族や歴史、女性の経験をテーマにした作品で知られる。2021年に『S'adapter』でPrix Feminaを受賞した。
1970年代から1999年の大嵐に至るまで、フランスの農村と一家の変化をたどる長編。土地に根ざした生活、農業の変質、政治や社会の変動が、ひとりの青年の家族史を通して重なり合い、失われていく世界の手触りを描く。
農村の暮らしが変わっていく速度を、家族の時間のなかで見つめる。
フランスの小説家。人間関係や社会の微妙な力学を描くことで知られる。多数の長編を発表している。
作家サシャは南仏の小さな町で、かつて距離を置いた友人「ヒッチハイカー」と再会する。旅を続ける男、彼を待つ家族、そこへ入り込む語り手の視線を通して、自由への憧れと友情、愛の境界が揺れていく。
「出て行く者」と「とどまる者」のあいだで、人生の別の可能性が静かにきらめく。
フランスの小説家。旅や人間関係を題材にした繊細な作風で知られ、2019年に『Par les routes』でPrix Feminaを受賞した。
シャルリー・エブド襲撃で重傷を負った著者が、手術と回復の過程をたどりながら、身体と記憶、日常の立て直しを静かに見つめる回想録。暴力の出来事そのものより、その後の生をどう引き受けるかに焦点を置く。
壊された身体と心を、言葉の力で少しずつ組み直していく。
フランスのジャーナリスト・文筆家。シャルリー・エブド襲撃で負傷し、その体験と回復を綴った著作で広く評価されている。
実際に起きた殺人事件とその裁判を徹底的に調査し、私的な考察を織り交ぜて再構築した長編。司法と社会の偏見、真実の曖昧さをユーモアと洞察で描き出す。
真相を調べ直すことで、事件の輪郭そのものが揺らぐ。
フランスの小説家。丹念な取材と独特の語りで実在事件や人物を再構築する作風で知られる。2017年に『La Serpe』でPrix Feminaを受賞した。
フランス南部に育った名もなき少年の一生を追う、放浪と成長の叙事詩。暴力と優しさ、歴史の大きなうねりが交錯しながら、世界へ目を開いていく過程を濃密に描く。
名もなき少年の生涯を辿る、放浪の叙事詩。
フランスの小説家。多様な語り口と人物描写で知られる。2016年に発表した『Le Garçon』でPrix Feminaを受賞した。
家族の秘密と隠れ家の記憶を、ボルタンスキ一家の歴史から掘り起こす私的な物語。
家の一室に、家族史の暗部が封じ込められている。
フランスのジャーナリスト・作家。家族史や記憶を題材にした作品やルポルタージュを発表している。2015年に『La Cache』でPrix Feminaを受賞。
ハイチの村を舞台に、海辺に打ち上げられた女性の謎から、血縁と対立を抱えた二つの家族の長い歴史が立ち上がる。
一人の女性の遭難が、村全体の記憶と暴力を呼び覚ます。
ハイチ出身の小説家・エッセイスト。ハイチ社会や個人の記憶、女性の視点を扱った作品で知られる。2014年に『Bain de lune』でPrix Feminaを受賞。
アフリカとディアスポラに刻まれた暴力と記憶をテーマにした大作。個人と共同体の傷や歴史の沈黙を掘り下げ、言語と証言を通じてアイデンティティの再生を問う作品。
アフリカとディアスポラに刻まれた暴力と記憶をテーマにした大作。
カメルーン生まれのフランス語作家。植民地主義や記憶・ディアスポラをテーマにした作品で知られ、2013年に『La Saison de l’ombre』でPrix Femina受賞。
実在の探検家・医師や疫病史を巡り、19世紀末から20世紀初頭の科学・植民地・冒険を描く作品。史料に基づく文体と文学的想像力の融合で高い評価を受けた。
実在の探検家・医師や疫病史を巡り、19世紀末から20世紀初頭の科学・植民地・冒険を描く作品。
フランスの作家。歴史と科学、探検を題材にした長篇で知られ、資料に基づく文学的再構築が評価される。2012年に『Peste & Choléra』でPrix Femina受賞。
1960年代の文化と偶像を背景に、欲望と破壊をめぐる物語を描く作品。実在のスターの象徴性を借りてノスタルジアと暴力、青年の暴走を鋭く描写する。
1960年代の文化と偶像を背景に、欲望と破壊をめぐる物語を描く作品。
フランスの作家・文化評論家。現代文化やセレブリティを題材にした作品で知られ、2011年に『Jayne Mansfield 1967』でPrix Femina受賞。
刹那的な欲望と長く続く人生との矛盾を描く大人のための恋愛小説。人物の内面の揺れや感情の機微を丁寧に掘り下げることで高く評価された作品。
刹那的な欲望と長く続く人生との矛盾を描く大人のための恋愛小説。
フランスの小説家。繊細な心理描写と洗練された文体で知られ、2010年に『La vie est brève et le désir sans fin』でPrix Femina受賞。
アイデンティティの空白と存在の喪失をテーマにした実験的小説。語りの不安定さと細やかな言語感覚を通じて、自己と他者の境界を探る内省的な作品。
アイデンティティの空白と存在の喪失をテーマにした実験的小説。
フランスの小説家で哲学的な関心を持つ作家。言語や存在に関する内省的な作品で知られ、2009年に『Personne』でPrix Femina受賞。
重度の障害を抱えて生まれた二人の息子との日常を、父親の視点でユーモアと率直さを交えて綴る回想録。社会の偏見や家族の愛情を深く問いかけ、多くの反響を呼んだ。
重度の障害を抱えて生まれた二人の息子との日常を、父親の視点でユーモアと率直さを交えて綴る回想録。
フランスの作家・エッセイスト。家族や人間関係をユーモアと皮肉を交えて描くことで知られる。2008年に『Où on va, papa?』でPrix Femina受賞。
映画というモチーフを通して人物の記憶や愛情、喪失を描く作品。映画的イメージと時間の重なりを用いて過去と現在、現実と虚構の交錯を文学的に表現する。
映画というモチーフを通して人物の記憶や愛情、喪失を描く作品。
ジャーナリストとしても活躍するフランスの作家。新聞編集などメディア経験を持ち、文学作品でも高い評価を受ける。2007年に『Baisers de cinéma』でPrix Femina受賞。
四世代にわたる家族の歴史を四つの声で語る構成的実験小説。記憶の断片や言語のずれ、遺伝と暴力の系譜を重ね合わせ、個人のアイデンティティと歴史の断絶を浮かび上がらせる。
四世代にわたる家族の歴史を四つの声で語る構成的実験小説。
カナダ生まれで主にフランス語で執筆する作家。家族や記憶をテーマにした実験的な構成で評価される。2006年に『Lignes de faille』でPrix Feminaを受賞。
精神の境界や社会からの排除をテーマに据え、病院や隔絶された空間を舞台に人間の狂気と脆さを断片的に描き出す作品。冷徹な視点と強い描写が特徴。
フランスの作家。過激で実験的な作風を持ち、人間の深い暗部や暴力性を描く作風で知られる。2005年に『Asile de fous』でPrix Femina受賞。
一人のフランス人男性の半生を通して20世紀後半から現代への社会変遷を描く長篇。家族や職業、政治的出来事が交錯し、日常の細部を通して個人と国の関係を問う作品。
フランスの小説家。日常と社会を織り込んだ語り口で知られ、さまざまな長編を発表。2004年に『Une vie française』でPrix Feminaを受賞。
『Le complexe de Di』(英題:Mr. Muo's Travelling Couch)は、精神分析と旅を軸に展開する風刺的な長編。主人公ムオ氏の旅路を通して中国社会の矛盾や個人のアイデンティティをユーモアと哀感をもって描く。
『Le complexe de Di』(英題:Mr. Muo's Travelling Couch)は、精神分析と旅を軸に展開する風刺的な長編。主人公ムオ氏の旅路を通して中国社会の矛盾や個人のアイデンティティをユーモアと哀感をもって描く。
中国生まれの作家・映画監督。『Balzac and the Little Chinese Seamstress』などで国際的に知られ、ユーモアと哀感を織り交ぜた作風が特徴。
革命前夜のヴェルサイユを、マリー・アントワネットの読書係アガト・シドニー・ラボルドの視点で描く。
革命前夜のヴェルサイユを、マリー・アントワネットの読書係アガト・シドニー・ラボルドの視点で描く。
フランスの作家・歴史研究者。18世紀フランス宮廷や女性史に関する作品で知られ、その細やかな史的描写が評価されている。
家族から切り離されたロージー・カルプが、グアドループでの不安定な生活のなかで、母として、娘として生き直そうとする。
家族から切り離されたロージー・カルプが、グアドループでの不安定な生活のなかで、母として、娘として生き直そうとする。
フランスの作家。アイデンティティや暴力、家族関係をテーマにした作品で国際的に評価されている。
語り手が自分の人生に現れた数多くの男性たちをたどりながら、愛と依存、喪失の輪郭を描き出す。
語り手が自分の人生に現れた数多くの男性たちをたどりながら、愛と依存、喪失の輪郭を描き出す。
フランスの作家。私小説的な語りと身体性の描写で知られ、女性の内面に鋭く迫る作品を発表している。
老いたアンシスが、失われた愛と記憶をたどりながら時間の層を歩き直すフランス小説。
失われた愛が、静かな土地の記憶と重なってよみがえる。
フランスの小説家。日常や家族をめぐる感情を繊細な文体で描き出す作風で知られる。
中国近代史の激動と西洋での経験を往還しながら、画家ティエンイーの告白を通じて芸術と生を問う。
中国近代史の激動と西洋での経験を往還しながら、画家ティエンイーの告白を通じて芸術と生を問う。
中国生まれでフランス語で執筆する作家・詩人。文化間の記憶や美的探究を主題にした叙情的な作品で知られる。
ドミニク・ノゲスの『Amour noir』が受賞作。激しい恋愛が自己破壊と重なり、魅惑と不穏さが同居する物語。
恋愛と自己破壊が絡み合う物語。
フランスの作家・批評家。人間関係や社会の暗部を独自の視点で描く作品を多数発表している。
ジュヌヴィエーヴ・ブリサックの『Week-end de chasse à la mère』が受賞作。母と子の関係を軸に、愛情と距離感の微妙な揺れを描く。
母子関係の揺れを見つめる小説。
フランスの作家。女性や子どもをめぐる繊細な視点で知られ、評論や児童文学にも関わる作品群を持つ。
雪山への遠足に出かけた少年の恐怖と想像力を軸に、不穏さを積み重ねる心理小説。子どもの視点の不安が、やがて息苦しいサスペンスへ変わっていく。
雪山旅行の不安が、やがて息苦しいサスペンスになる。
フランスの作家。ノンフィクションとフィクションを併走させる作風で知られる。心理描写に優れ、多数の賞を受賞している。
紅海の港町ポート・スーダンで、亡き友の知らせを受けた語り手が、亡命と記憶を抱えながら漂う。
紅海の港町ポート・スーダンで、亡き友の知らせを受けた語り手が、亡命と記憶を抱えながら漂う。
フランスの作家。旅や記憶を題材にした作品で知られる。1994年に長編『Port-Soudan』でPrix Feminaを受賞。
リー・ミラーの生涯をたどりながら、20世紀の戦争と芸術をひとつの視線で結び直す。
リー・ミラーの生涯をたどりながら、20世紀の戦争と芸術をひとつの視線で結び直す。
フランスの作家・エッセイスト。観察眼と静かな筆致で人間や社会を描くことで知られ、1993年に『L'Oeil du silence』でPrix Feminaを受賞した。
近代的な都市空間を行き来しながら、プログラマーの記憶と移民の子としての自己探索を描く。
近代的な都市空間を行き来しながら、プログラマーの記憶と移民の子としての自己探索を描く。
フランスの小説家。女性の視点から歴史や記憶、家族の物語を描く作品で知られる。1992年に『Aden』でPrix Feminaを受賞した。
1948年のカイロのユダヤ人街を舞台に、共同体の崩壊と、差し出された善意の裏にある欺瞞を描く。
1948年のカイロのユダヤ人街を舞台に、共同体の崩壊と、差し出された善意の裏にある欺瞞を描く。
エジプト出身でフランス語で執筆する作家。移民やユダヤ的ルーツ、文化的アイデンティティを描く作品で知られる。1991年に『Déborah et les anges dissipés』でPrix Feminaを受賞した。
愛と歴史の長い影のなかで、記憶が人を変えながらも結びつけ続けることを描く長編。
愛と歴史の長い影のなかで、記憶が人を変えながらも結びつけ続けることを描く長編。
フランスの女性作家。繊細な心理描写や抒情性の高い表現で知られる。1990年に『Nous sommes éternels』でPrix Feminaを受賞した。
森と農村に閉ざされた共同体を舞台に、怒りと呪い、家族の宿命が連鎖する濃密な物語。
森と農村に閉ざされた共同体を舞台に、怒りと呪い、家族の宿命が連鎖する濃密な物語。
フランスの作家・詩人。詩情豊かな文体と哲学的思索を特徴とする。1989年に『Jours de colère』でPrix Feminaを受賞した。
夫婦の愛情が冷えたあと、ガスパールが妻を取り戻そうと奔走する、ユーモアのある恋愛小説。
夫婦の愛情が冷えたあと、ガスパールが妻を取り戻そうと奔走する、ユーモアのある恋愛小説。
フランスの小説家・脚本家。軽やかなユーモアとロマンティックな作風で若い世代から支持される。1988年に『Le Zèbre』でPrix Feminaを受賞した。
11世紀の修道院を舞台に、罪と告白、嫉妬と権力への欲望をめぐる歴史的・宗教的な物語。
11世紀の修道院を舞台に、罪と告白、嫉妬と権力への欲望をめぐる歴史的・宗教的な物語。
フランスの作家。哲学的・宗教的な主題を織り込んだ寓意的な作風が特徴。1987年に『L'Égal à Dieu』でPrix Feminaを受賞した。
夏のリヨンで、ミシェルが自滅へ傾く一日をたどる。そこから、偶然と狂気が重なる悪夢のような逃走劇が始まる。
夏のリヨンで、ミシェルが自滅へ傾く一日をたどる。そこから、偶然と狂気が重なる悪夢のような逃走劇が始まる。
フランスの小説家。サスペンス的要素や都市の暗部を描く作品で知られる。1986年に『L'Enfer』でPrix Feminaを受賞した。
亡命と記憶をたどる語り手が、アデライード・マレーズの人生を静かにたどる内省的な長編。
生と記憶を見つめる静かな声が、ひとりの女性の輪郭を浮かび上がらせる。
アルゼンチン生まれでフランス語で執筆する作家。宗教や記憶、アイデンティティを題材にした重層的な作風で知られ、1985年に『Sans la miséricorde du Christ』でPrix Feminaを受賞した。
『Tous les soleils』は、家族や過去の記憶、愛憎を織り交ぜながら主人公が喪失と再生を経験する過程を描く心理的長編。細やかな心情描写を通して個人の孤独と他者との連帯を探る、静かで深い人間ドラマである。
過去の影が、現在の感情を静かに揺らす。
フランスの小説家。人間の内面や関係性を繊細に描く作風で知られる。1984年に長編『Tous les soleils』でPrix Feminaを受賞した。
Florence Delay の『Riche et légère』は、夏のマラガとセビリアを背景に、記憶と家族の影をたどる小説。
光に満ちた旅のあいだに、過去の気配が立ち上がる。
フランスの作家であり、演劇や翻訳など多方面に活躍。洗練された文体と知的なテーマを持つ作品で知られる。
1936年のグリフィン・クリークで少女二人が姿を消した事件を、多声的な語りでたどる。
1936年のグリフィン・クリークで少女二人が姿を消した事件を、多声的な語りでたどる。
カナダ(ケベック)出身の詩人・小説家。地方社会の心理や抑圧、暴力と罪を描いた作品群で国際的にも高い評価を受ける。
千夜一夜物語の伝承を下敷きに、ジャーファルとハールーン・アッラシードの宮廷政治を華やかに描く歴史小説。
千夜一夜物語の伝承を下敷きに、ジャーファルとハールーン・アッラシードの宮廷政治を華やかに描く歴史小説。
歴史小説や人間関係を丹念に描くフランスの小説家。時代背景の細かな描写と豊かな人物造形で知られる。
ロレーヌの幼少期、カトリック教育、初恋、戦時下の記憶を重ねながら、自己形成をたどる自伝的な小説。
ロレーヌの幼少期、カトリック教育、初恋、戦時下の記憶を重ねながら、自己形成をたどる自伝的な小説。
女性作家として感受性豊かな心理描写を行う作家。異国や出会い、記憶を通じて自己と他者の関係を描く作品を多く発表している。
影を見張る者という題名どおり、孤独な視線と内面の揺れを静かにたどる内省的な小説。
影を見張る者という題名どおり、孤独な視線と内面の揺れを静かにたどる内省的な小説。
フランスの小説家。抒情的かつ示唆に富む筆致で個人史や記憶、歴史的景観を描く作品を発表している。
父と息子の密やかな共犯関係と、その喪失後に残る記憶を描いた家族小説。
父と息子の密やかな共犯関係と、その喪失後に残る記憶を描いた家族小説。
フランスの小説家。家族や人間関係を主題にした叙情的かつ心理的な描写に定評がある。
ハバナで出会ったイミヤとボリスの関係を軸に、革命と暴力に引き裂かれる愛を描く。
ハバナで出会ったイミヤとボリスの関係を軸に、革命と暴力に引き裂かれる愛を描く。
フランスの思想家・作家。政治理論や革命論、メディア論などに関する著述と政治的経験で知られる。理論的・自伝的要素を併せ持つ著作が多い。
郊外とパリを往復する通勤の中で、日常の小さな摩擦と社会の変化をすくい取るフランス小説。
毎日の移動が、暮らしのひび割れを見せる。
主に内面の旅や記憶、関係性を繊細に描く作家。静謐な筆致で人物の心情を掘り下げる作品を発表している。
時間、記憶、老いを静かに見つめるフランス語の内省的な小説。
時間、記憶、老いを静かに見つめるフランス語の内省的な小説。
フランスの小説家。内面の細やかな描写と記憶・時間性をめぐる主題を扱った文学的作品で知られる。
巨大企業の内部から、管理と権力が人をどう歪めるかを描く辛辣な風刺小説。多国籍企業の不気味さが前景化する。
企業社会の冷たさをえぐる、フランス現代文学の風刺。
フランスの作家。社会や企業、政治を題材にした風刺的・批評的な長編で知られる。緊張感ある筋立てと倫理的な問いかけを含む作品群を発表した。
冒険と成長の筋をたどりながら、若い主人公の欲望と学びを描く、躍動感のある教養小説。
冒険と成長の筋をたどりながら、若い主人公の欲望と学びを描く、躍動感のある教養小説。
フランスの作家。1973年のPrix Femina受賞作『Juan Maldonne』で知られる。詳細情報は限られる。
映画への偏愛と物語の仕組みを重ね合わせながら、映像と記憶の関係を遊ぶメタフィクション的な小説。
映画への偏愛と物語の仕組みを重ね合わせながら、映像と記憶の関係を遊ぶメタフィクション的な小説。
フランスの作家・批評家。随筆や小説、翻訳・評論活動を通じて文学界で活躍し、映画と文学の接点を探る作品でも知られる。
コルシカ出身の弁護士トニオが心臓発作をきっかけに、故郷の家族史と自らの生を回想する。
コルシカ出身の弁護士トニオが心臓発作をきっかけに、故郷の家族史と自らの生を回想する。
コルシカ出身の作家・評論家。地域に根ざした描写と人間の内面を繊細に描く作風で知られる。
ベルナール・グラスセット社の編集者ベノワが、仕事も家庭も抱えながら恋愛と倦怠のあいだで揺れる一日を追う、都会的で苦味のある小説。
ベルナール・グラスセット社の編集者ベノワが、仕事も家庭も抱えながら恋愛と倦怠のあいだで揺れる一日を追う、都会的で苦味のある小説。
フランスの作家。長編小説や文学評論で知られ、現代社会の諸問題を題材にした作品を発表した。
スペイン内戦と革命の記憶を背負ったラモン・メルカデルの最期を軸に、政治的暴力と個人の孤独を描く小説。
スペイン内戦と革命の記憶を背負ったラモン・メルカデルの最期を軸に、政治的暴力と個人の孤独を描く小説。
スペイン生まれの作家・脚本家。戦時体験と政治、記憶の問題をテーマにした作品で知られ、国際的に評価された。映画脚本も手がけた。
ルネサンス期の医師で錬金術師ゼノンを中心に、知と権力、信仰の境界を問う歴史小説。
ルネサンス期の医師で錬金術師ゼノンを中心に、知と権力、信仰の境界を問う歴史小説。
フランス語で執筆した作家。歴史小説や随筆で知られ、1980年にはアカデミー・フランセーズの初の女性会員に選出された。深い思想性を持つ長編で国際的評価を得た。
主人公エリーズを通じて、パリの労働者階級の生活、仕事、恋愛、社会的制約を生々しく描く作品。階級差や疎外、女性の自立を問いかける社会派の長編で、時代の空気を反映する。
主人公エリーズを通じて、パリの労働者階級の生活、仕事、恋愛、社会的制約を生々しく描く作品。階級差や疎外、女性の自立を問いかける社会派の長編で、時代の空気を反映する。
フランスの小説家。労働者階級の女性の視点から社会的現実を描き、感情と階級の衝突を描いた作品で知られる。
窓辺の静物というイメージを軸に、内面の空洞、日常の圧力、欲望のゆらぎを繊細に描くフランス語小説。静止した情景のなかに人物の不安や喪失感をにじませる、抑制の効いた心理描写が特徴となっている。
動かない風景のなかで、人の心だけが微かに揺れている。
フランスの作家。繊細な心理描写や日常の細部を丁寧に描く作風で知られる。1966年の受賞作は窓辺の情景を象徴として用いる作品。
静かな郊外の家で過ぎた一日を、ひとりの声が記憶から救い出そうとする小説。何気ない会話や視線、失われた紙片の捜索が重なり、日常の輪郭そのものがゆっくりと浮かび上がる。
何でもない一日を、忘却から引き留めるための長い独白。
スイス生まれのフランス語圏作家。実験的な文体と断片的な語りで知られ、言語と存在をめぐる作品群を残した。1965年に『Quelqu'un』で受賞。
『Le Faussaire』は偽造や欺瞞を題材に、登場人物の内面と社会的関係を通じてアイデンティティと真実性を問い直す心理的小説。罪と隠蔽、虚構と現実の境界を描写する作品。
フランスの作家。長年にわたり小説を執筆し、1964年に『Le Faussaire』でPrix Feminaを受賞した。社会的・心理的な主題を扱う作品で知られる。
南フランスの自然と、そこに暮らす人間の想像力を重ねながら、過去のアメリカや開拓の記憶へと視野を広げる小説。静かな物語の底に、土地への強い憧れが流れる。
南の風景を起点に、遠い土地への憧れをほどいていく。
フランスの作家・ジャーナリスト。1962年(第59回)Prix Feminaを『Le Sud』で受賞した。
コルシカの村を家族で訪れた男が、その村からどうしても離れられなくなるという物語。静かな風景の中で、魅惑と拘束が重なり合い、ひとつの場所に引き寄せられる感覚が濃く描かれる。
村の静けさが、いつのまにか人をとらえて離さない。
フランスの作家。1961年(第58回)Prix Feminaを『Le Promontoire(The Promontory)』で受賞した。
売却されて空になっていく家を舞台に、最後の片付けの時間に浮かび上がる家族の記憶と感情をたどる小説。部屋ごとに兄弟姉妹の関係や過去の出来事が静かに呼び戻され、住まいそのものが記憶の器として立ち上がる。
家が空になっていくほど、そこに残された記憶はむしろ鮮明になる。
フランスの作家。1960年(第57回)Prix Feminaを『La Porte retombée』で受賞した。
ベルギー・フランス語圏の作家。1958年(第55回)Prix Feminaを『L'Empire céleste (Café Céleste)』で受賞した。
フランスの作家。1957年(第54回)Prix Feminaを『Le Carrefour des solitudes』で受賞した。
フランスの作家・評論家(作家として)。1956年(第53回)Prix Feminaを『Les Adieux』で受賞した。
フランスの作家。1955年(第52回)Prix Feminaを『Le pays où l'on arrive jamais』で受賞した。
第二次大戦後のフランス知識人社会を背景に、人間を機械のように扱う社会と個人の感情の摩擦を描く長編。冷静で分析的な視線のなかに、倫理や欲望の揺れがにじむ。
人間を機械のように扱う社会のなかで、感情と倫理のずれが静かに露わになる。
フランスの作家。1954年(第51回)Prix Feminaを『La Machine humaine』で受賞した。
中世フランスを舞台に、宗教と権力、個人の運命が交差する歴史小説。史料に根ざした重厚な筆致と、人物の内面を追う視線が両立している。
信仰と権力のはざまで、人間の運命が静かに組み替えられていく。
ロシア生まれでフランスで活躍した作家・歴史家。中世を題材にした歴史小説で知られ、史料に基づく重厚な筆致で宗教や権力を描いた作品群が評価された。
『Le souffle』は、父の死が近づく家のなかで、残される者たちの記憶と感情が揺れ動く様子を追うドミニク・ロランの代表作。家族の歴史や所有の感覚が、死の気配とともに静かに立ち上がり、ひとつの家に宿る時間の重さが繊細に描かれる。
ひとつの家に残る時間と記憶が、死の気配とともに浮かび上がる。
ブルターニュの村を舞台に、結婚をめぐる出来事と土地の伝承、日常のざわめきが交差する長編。現実と幻想がゆるやかに溶け合い、地域の言葉と風土が物語の推進力になっている。
ブルターニュの風土が、家族と恋の物語を包み込む。
モンジュリからパリへ向かうはしけの旅を背景に、過去を隠した女性と周囲の人々の関係を描く小説。戦後の不安、秘密、愛の行方が静かな水上の時間に重ねられる。
川を進むはしけの上で、過去を隠した女の秘密がほどけていく。
私的な感情や記憶の揺れを軸に、ひとりの女性の内面と周囲の関係が繊細にたどられる。戦後フランスの空気のなかで、親密さと距離、自己理解と喪失の感覚が静かに交差する長編。
感情の微細な揺れが、人物同士の距離を少しずつ変えていく。
アルジェリアを舞台に、若者スメールの屈辱と怒りが、植民地支配の現実のなかでどのように広がっていくかを描く長編。抑えた筆致で、個人の感情と時代の暴力が重なり合う瞬間を見つめる。
尊厳を奪われた若者の怒りが、やがて時代の暴力と響き合う。
戦時下のモントリオール・サン=アンリ地区を舞台に、貧困のなかで生きる家族の姿を通して、希望と挫折、愛情と生存のせめぎ合いを描くガブリエル・ロイの代表作。
貧しさのなかで、それでも人は次の一日を選び取ろうとする。
カナダ(フランス語圏)を代表する小説家。都市の労働者階級の生活を描いた作品で知られ、『Bonheur d'occasion(The Tin Flute)』は国際的に高い評価を受けた。
1946年のフランスを舞台に、戦争の影がふたたび日常を覆うなかで、人々が不安と待機の時間を生きる姿を描いた長編小説。第一次世界大戦の記憶を背負う世代が、占領と抵抗のただなかで友情や人生の輪郭を見つめ直していく。
戦争を待つ時間と、戦争の中で生きる時間を見つめた、1946年のPrix Femina受賞作。
サヴォワの山あいを舞台に、農村の暮らしと土地への感応を繊細に描く長編。自然の気配、共同体の息づかい、信仰や記憶が重なり合い、素朴な生活のなかにある静かな強さを浮かび上がらせる。
山と季節の移ろいのなかで、農村の生活と心の揺れを静かにたどる一冊。
占領下フランスで検閲に抗しながら地下出版を続けたエディション・ド・ミニュイの活動に対して贈られた特別賞。作品というより、表現の自由を守った出版行為そのものが評価された賞である。
本ではなく、抵抗のために本を出し続けた行為が評価された。
フランスの出版社。第二次世界大戦中に地下出版を通じてレジスタンス関連の文献や作家を支え、検閲と弾圧に抗して自由な表現を守った。1944年はその貢献に対して特別賞が贈られた。
海と港を往復する仕事の手触りを背景に、船上で働く人々の緊張と連帯を描く海洋小説。古びた船と危うい積み荷をめぐる空気のなかで、労働と生の不安定さが静かに浮かび上がる。
船が沈めば、暮らしもまた海に消える。
海へ出る父を待つ家族の時間を背景に、少女 Caroline とその家の静かな緊張をたどるフランス小説。帰還を待つ日々のあいだに、家族の絆、土地への愛着、成長の痛みが繊細に重ねられる。
帰らぬ父を待つあいだ、家族の時間だけが静かに進んでいく。
フランスの農村で育った若い女性マリーが、祖母との暮らしや戦争の影を背に、自然と信仰のあいだで成熟していくレイモンド・ヴァンサンの代表作。簡潔な文体で、土地の感触と内面の揺れを重ねている。
農村の季節の流れのなかで、少女は静かに大人になっていく。
ルイーズ・エルヴィューの『Sangs』は、病と血統の問題を自伝的な視点で掘り下げるフランス語の小説。身体の苦しみと家族史が重なり合う。
病と血統が、ひとりの女性の人生を内側から照らす。
1935年のPrix Femina受賞作。地方の古い家系を背景に、静かな日常の積み重ねの中にある感情の揺れや停滞を描き、上流階級の暮らしに潜む閉塞感をにじませる。
静かな日常の奥で、古い家系の息づかいがゆっくり揺れる。
1934年のPrix Femina受賞作。フランスの地方社会とある家族の物語を軸に、過去の記憶や家族の結びつきが、静かな筆致のなかで少しずつほどけていく。
家族の記憶が、古い家の息づかいのようにゆっくり浮かび上がる。
田園の幼年期と内面の揺れを重ねながら、語り手 Claude の感受性と反発心を描くフランス小説。
何気ない日常の細部の中に、ひとりの少女の傷とまなざしが浮かび上がる。
フランスの作家。1933年(第30回)Prix Feminaを『Claude』で受賞。田園や小都市を舞台にした静かな心理描写が特徴である。
駆け引きと心の揺れが前面に出るフランス語小説。
ひとつの賭けが、関係の温度をゆっくり変えていく。
作家。1932年(第29回)Prix Feminaを『Le Pari』で受賞(英語版Wikipediaの該当記事が存在しない可能性あり)。思想的・倫理的な主題を扱う作品で評価された。
航空郵便の夜間飛行を舞台に、操縦士たちの責任、孤独、勇気を描く小説。職務倫理と人間性の衝突、連帯と犠牲を通して、近代の仕事と生の緊張を問いかける。
夜の空を飛ぶことは、責任と勇気を試されることでもある。
フランスの作家・飛行家。1931年(第28回)Prix Feminaを『Vol de nuit』(夜間飛行)で受賞。航空を題材に人間の責任や孤独を描いた作品で知られる。
主人公セシルの精神の変容や狂気をめぐる心理小説。愛と理性、欲望と崩壊が交錯するなかで、人間の内面の脆さが深く掘り下げられる。
愛と理性のあわいで、ひとりの女性の内面が揺れ続ける。
フランスの作家。1930年(第27回)Prix Feminaを『Cécile de la Folie』で受賞。人物の心理描写を重視した作風が特徴である。
信仰と救済、そして生きることそのものの歓びをめぐる長編。登場人物たちの内面の苦悩とわずかな光を通して、ベルナノスならではの厳しい問いかけが静かに立ち上がる。
歓びとは何かを、痛みと信仰のただ中から問うベルナノスの代表的長編。
フランスの小説家。1929年(第26回)Prix Feminaを『La Joie』で受賞。宗教的・精神的テーマを扱う作風で知られる。
トゥーレーヌの農村を舞台に、若い女性の強さと社会的な視線をめぐる物語を描く。
田舎町の静けさのなかで、Georgette の意志が鮮明になる。
フランスの作家。1928年(第25回)Prix Feminaを『Georgette Garou』で受賞。女性の内面や社会的立場を題材にした作品が評価された。
ブルターニュを思わせる風土のなかで、無垢な主人公の旅路と成長を静かに追う小説。
無垢さが、世界との摩擦のなかで少しずつ輪郭を持つ。
フランス語圏の作家。1927年(第24回)Prix Feminaを『Grand-Louis l'innocent』で受賞。郊外や田園を背景に人間模様を描くことが多い。
田園の風景のなかで、献身と犠牲、母性の緊張を丁寧に描き出す心理的な長編。
自然の静けさの底で、家族の痛みがゆっくり深くなる。
フランスの作家。1926年(第23回)Prix Feminaを『Prodige du cœur』で受賞。人間心理や道徳的葛藤を題材にした作品で知られる。
ジャンヌ・ダルクを人間的な輪郭で描き直し、神話化された英雄像に距離を置く挑発的な作品。
聖女ではなく、生身のジャンヌが立ち上がる。
フランスの作家。1925年(第22回)Prix Feminaを『Jeanne d'Arc』で受賞。歴史的人物を文学的に再解釈する作風が特徴的である。
動物たちを通して人間の感情や記憶をたどる、寓話性の強い随想的な連作。
動物の姿を借りて、感情の輪郭がやわらかく浮かび上がる。
フランスの作家。1924年(第21回)Prix Feminaを『Le Bestiaire sentimental』で受賞。動物や自然を題材に詩的・随想的な筆致を用いる作品で知られる。
療養所で過ごす「横たわる人々」の日々を通して、病と身体、愛情、尊厳を静かに見つめる。
横たわる人々の時間が、ひそやかな連帯を生む。
ユダヤ人少年への偏見と孤独を軸に、学校社会の圧力と内面の痛みを描く心理小説。
少年の不安が、近代社会の偏見を映し出す。
アリエージュ地方ミルポワの人気者カントグリルを中心に、19世紀末の地方社会の息づかいを、ユーモアと土地の言葉のリズムで描く小説。
アリエージュの風土と人情が、陽気で少しずる賢いカントグリルの物語を通していきいきと立ち上がる。
アルジェリアの風景と神話的なイメージを重ねながら、詩情豊かな連作で自然と精神の関係を描く詩集。
詩句のなかに、地中海の光と古代の神々がきらめく。
第一次世界大戦の塹壕を舞台に、若い兵士ギルベール・デマシーと仲間たちの日々を通して、戦争の現実と人間の脆さを描く反戦小説。
塹壕の泥、砲声、冗談、喪失を積み重ねて、戦争の輪郭を静かにえぐり出す。
フランスの小説家。第一次世界大戦を題材にした作品で知られる。戦争文学の代表作を持つ。
父へのまなざしを軸に、質素な田園生活と奉仕の倫理を描いた自伝的な作品。
静かな農村の記憶が、ひとりの父の姿を通して立ち上がる。
フランスの作家・小説家。地方色や人間心理の描写を得意とする。
第一次世界大戦中の手紙形式で、輸送船の航海と戦時下の海上生活をたどる。記録文学に近い筆致で、恐怖と連帯を描き出す。
手紙でつづられた海戦記が、戦争の海を鮮烈に浮かび上がらせる。
フランスの作家。筆名René Milanとしても作品を発表した。第一次世界大戦を題材にした体験的・叙事的な作品を残す。
象徴的なイメージと心理の揺れを通して、社会的制約の中で揺れる登場人物の内面を描く初期長編。
ヴェールの向こうに、見えない葛藤が浮かび上がる。
フランスの女性作家(筆名:Camille Marbo)。社会的・道徳的なテーマを扱う作品を発表し、1913年に『La Statue voilée』でPrix Feminaを受賞した。
『Feuilles mortes』は、過ぎ去った時間と記憶の残響を、ひとりの女性の視線を通してたどる長編。若さの終わり、家族や周囲との関係、忘却の気配が重なり合い、静かな哀感を帯びて進んでいく。
落ち葉のように、記憶がひとひらずつ静かに降り積もる。
フランスの作家。1912年に『Feuilles mortes』でPrix Feminaを受賞し、喪失や記憶を繊細に描く作風で評価された。
『Le Roman du malade』は、病を抱えた人物の内面と周囲との関係を、日記のような親密さで描き出す長編。身体の不安を通して、愛や自己認識、他者との距離が静かに掘り下げられていく。
病の不安が、愛と自己認識を照らし出す。
フランスの作家。人物描写と倫理的な主題を扱う作品を多く手掛け、1911年に『Le Roman du malade』でPrix Feminaを受賞した。
『Marie-Claire』は、孤児院から農家へ送られた少女の成長を通して、貧しさや労働、愛情のかたちを描く自伝的長編。素朴な生活の手触りのなかに、少女の目に映る世界の厳しさとやさしさが同時に立ち上がる。
孤児の少女が、働くことと生きることを少しずつ知っていく。
農村出身の女性作家。自らの体験を基にした素朴で誠実な筆致の作品で知られ、1910年に半自伝的小説『Marie‑Claire』でPrix Feminaを受賞した。
『Le reste est silence』は、家族や共同体の内部にひそむ緊張を、静かな文体のなかで少しずつ浮かび上がらせる長編。抑えた語り口の奥で、記憶と欲望、喪失の感覚がゆっくりと広がっていく。
静けさの底で、家族の時間がゆっくりほどけていく。
フランスの小説家・文芸批評家。洗練された文体と内面的描写で知られ、1909年に『Le reste est silence』でPrix Feminaを受賞した。
『La Vie secrète』は、地方に生きる人物たちの感情の揺れや沈黙の背後にある欲望を丁寧にたどる長編。表面には静かな日常が流れる一方で、内面では愛情、疑念、期待が静かにせめぎ合う。
静かな日常の奥で、言葉にならない感情が揺れ続ける。
フランスの小説家で、内面描写に優れた作品を残した。技術系の経歴を持つことでも知られる。1908年に『La Vie secrète』でPrix Feminaを受賞した。
『Princesses de science』は、女性と科学の関わりや教育・職業に挑戦する女性たちの姿を通じて、当時の性別役割や社会的期待を批評的に描いた作品。女性の自立や偏見が主要な主題である。
科学へ向かう女性たちが、時代の偏見を照らし返す。
女性の社会的地位や職業に関するテーマを扱った作品で知られるフランスの作家。1907年、『Princesses de science』でPrix Feminaを受賞した。
『Gemmes et moires』は詩的なイメージと繊細な心理描写を基調とした作品集で、愛や記憶、時間の移ろいをテーマに美的感受性を通して内面世界を描き出す。
詩と感情のひだに、記憶の光が差し込む。
フランスの作家(筆名)。繊細で詩的な文体を持ち、感情や記憶の微細な動きを描く作品で知られる。1906年に『Gemmes et moires』でPrix Feminaを受賞した。
『Jean-Christophe』は音楽家ジャン=クリストフの生涯を叙事的に描く連作長編。青年期の挫折や創作の苦悩、愛と友情を通じて個人の形成と芸術の使命、近代ヨーロッパの文化的変容を深く問う作品群である。
音楽、苦闘、創造の生が長い呼吸で積み重なる。
フランスの作家・評論家。平和主義者としても知られ、代表作『Jean-Christophe』は芸術家の生涯と社会を描く大河的小説で国際的にも評価された。1905年に同作でPrix Feminaを受賞。
『La Conquête de Jérusalem』はエルサレムをめぐる歴史的・文化的背景のなかで、個人の記憶や感情を織り交ぜながら都市と人間模様を描き出す作品。著者の東方観察と内的回想が交錯する語りが特徴で、当時の読者に強い印象を与えた。
歴史の都市に、私的な記憶と感情が重なる。
フランス語圏で活動した作家・ジャーナリスト。1904年に『La Conquête de Jérusalem』で第1回Prix Feminaを受賞。東方への関心や個人的回想を題材にした作品で知られる。